どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年4月5日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん(四代目)」の実食レビューです。
福岡でしか食べられない天神イチの行列店「ShinShin」監修のカップラーメン “2021年” は進化した「博多流ストレート細麺」の仕上がりに注目!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
博多純情らーめんShinShin 炊き出し豚骨らーめん 2021
博多らーめんShinShin(しんしん)とは、福岡県福岡市中央区天神3丁目に本店を置き、嵐や東方神起のメンバーが好きな店としても知られる行列必至の豚骨ラーメン専門店で、2003年(平成15年)10月に創業。中牟田信一(なかむた しんいち)氏が代表取締役を務める有限会社Shin-Shinを運営母体とし、現在は「福岡天神本店」をはじめ「博多住吉店」「博多デイトス店」「KITTE博多店」「アミュプラザ小倉店」を展開しています。
今回の新商品「博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品株式会社と「博多らーめん ShinShin(有限会社Shin-Shin)」の共同開発商品で、博多純情らーめんの礎とされる原点の味「博多ShinShinらーめん」をカップラーメンで再現。2018年4月発売品を皮切りに、毎年恒例のタイアップとなっているため、お店の名前を知っている方も多いのではないでしょうか。
カップ麺のモデルにもなっている博多純情らーめん「博多ShinShinらーめん」とは、長年愛されてきた “昔ながらの豚骨らーめん” を追求した一杯で、前述のように「博多らーめんShinShin」が原点としている味。それは伝統的な博多ラーメンの製法に加え、スープの達人や麺の達人と呼ばれるプロの職人と創意工夫を凝らしつつ、あえて「屋台」の味を全面に押し出した中牟田店主こだわりの一杯。
たとえばスープの場合、達人・吉田茂広(よしだ しげひろ)氏が培ってきた “長年の経験による味” と中牟田店主が培ってきた “屋台叩き上げの味” を組み合わせ、長浜ラーメンにも博多ラーメンにも当てはまらない、誰もが飲み干してしまう純情なスープを実現。国内産を中心とした豚骨や佐賀県の銘柄鶏・ありたどりのガラ、地元産の香味野菜など、厳選した素材を地下水で煮込み、アク抜きを繰り返しながら丹精込めて作られます。
それに合わせられる麺は、博多で一般的な番手の細麺(切刃26番 / 太さ1.15mm)よりも細い「激細麺」を採用しているのが特徴で、1958年(昭和33年)に創業した歴史ある製麺所「川部食品」が技術協力。数多くの中華麺を手掛けてきた達人・川部食品の目利きで “茹で伸びを抑えることができる小麦粉” を厳選し、独自の製法で何度も作り替えながら極限まで細く、それでいてコシのある現在の「激細麺」を完成させました。
しかし、それを再現した2018年4月9日発売の即席カップめん第1弾「サッポロ一番 博多純情らーめんShinShin 炊き出し豚骨ら一めん」は、いかにもカップラーメンらしいスナック的な油揚げ麺で、食感も風味も悪い意味でチープ。商品名が「炊き出し豚骨ら一めん」となっているように、いかにも期待感を煽ってくる魅力的なネーミングでありながら、スープの豚骨感も炊き出し感も弱く、かなり評価が伸び悩んでしまった初代。
その1年後となる2019年4月8日に発売された二代目「サッポロ一番 博多純情らーめんShinShin 炊き出し豚骨ら一めん」では、熱湯2分に固定されていた油揚げ麺の湯戻し時間が90秒に変更され、なおかつ80秒=超カタ麺、90秒(オススメ)=カタ麺、120秒=普通と麺のかたさが選べる仕様になっていたのですが、単純に “早くフタを開けたから戻っていないだけ” みたいな仕上がりに落胆。
麺の仕様は2020年4月6日発売の「三代目」にも継承され、このページでレビューする「四代目」のフタ上にも “麺のかたさ目安表”(後述)が表示してあるのですが、加えてパッケージに “博多流ストレート麺” と大々的にアピールしているのも興味深いポイント。実は2021年3月発売のローソン限定商品「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」に使われていた麺が素晴らしかったので、歴代ShinShinとは大きく印象が異なるかもしれません。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「仕上げの小袋」が1袋。開封口には “麺のかたさ目安表” があり、これについては二代目・三代目と共通する項目と前述しましたが、それぞれの時間は「1分40秒=超カタ麺」「2分=カタ麺(オススメ)」「2分30秒=普通」に伸びているため、ここが歴代商品との大きな違い。
「鶏・豚味付肉そぼろ」「ねぎ」「キクラゲ」というシンプルな具材の構成は、2018年4月発売の初代から一貫して変わっておらず、前回(三代目)は2019年4月発売品(二代目)と比較して “肉具材2倍” を売りにしていましたが、今回(四代目)の肉具材は通常の量に戻っている様子。ただ、異様にネギの量が多いのは例年通りの開封直後。
メーカー希望小売価格は220円(税別)ということで、2021年4月現在の縦型ビッグにおける標準的な値段。販売店は全国のスーパーマーケットや量販店ほか、ShinShinの公式Twitterアカウント曰く、全国の「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「デイリーヤマザキ」「ミニストップ」も対象ということで、コンビニでも幅広く取り扱われているようです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:博多純情らーめんShinShin監修 炊き出し豚骨らーめん(四代目) 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:98g(めん70g) 商品コード:4901734042242(JAN) |
発売日:2021年04月05日(月) 実食日:2021年04月08日(木) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:207円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、粉末卵)、スープ(ポークエキス、糖類、食塩、豚脂、植物油脂、香辛料、油脂加工品、しょうゆ、でん粉、チキンエキス、ゼラチン、調味油脂、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、キクラゲ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸ナトリウム)、かんすい、カラメル色素、香料、甘味料(カンゾウ)、酸味料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は “博多流ストレート細麺” を謳う油揚げ麺で、お湯を入れる前から油揚げ麺の香りが強く、それについては妥協すべきポイントになりますが、調理前の見た目は前述の「博多一双 泡系濃厚豚骨ラーメン」に瓜二つ。オススメの湯戻し時間が熱湯2分というのも共通点なので、ますます期待が高まるところ。
ひとまず別添の小袋は後入れなので、お湯を入れる前にフタの上から取り外し、超カタ麺を狙うなら熱湯1分40秒、カタ麺なら熱湯2分、普通なら熱湯2分30秒待った後、仕上げの小袋を加えて混ぜたら出来上がり。レビューのために撮影しなければいけなかったので、なんやかんや8分くらい余分に経ってしまったのですが‥‥w その状態での耐久力を確かめた後、撮影なしで2食目に突入します。それにしても、ネギの量が目立ちますね。
なお製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部が太平食品工業なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き麺の改良に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(98g)あたり |
カロリー:456kcal たん白質:11.8g 脂 質:20.1g 炭水化物:57.0g 食塩相当量:6.1g (めん・かやく:2.0g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.39mg ビタミンB2:0.52mg カルシウム:223mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:456kcal(めん・かやく:332kcal)(スープ:124kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
圧倒的に進化
さすがに実店舗で提供されている「激細麺」ほど極細仕様ではないものの、カップラーメンに使われる麺としては細く、ちょっと太めの素麺(そうめん)くらい。しかしながら時間の経過に伴う食感の劣化は緩やかで、先に8分ほど余分に経過してしまったと書きましたが、なんのなんの。それでもプツンッ、と軽快な歯切れの良さは健在で、悪い意味で湯伸びした印象は受けません。
試しに熱湯を注いでから1分40秒でフタを剥がし、粉末スープを完全に溶かした後、仕上げの小袋を馴染ませてから(合計2分15秒くらいの段階で)食べ始めた場合、ちょっと戻りムラが気になったので、パッケージにもあった「2分」の “カタ麺” がオススメの湯戻し時間。とはいえ油揚げ麺にさえ理解があれば、1分40秒でフタを開けても問題ないと思えるくらい、きちんと適切な時間が設定してあります。
逆に熱湯を注いでから2分30秒でフタを開けてみたところ、湯伸びしたような食感に仕上がることはなく、むしろ1分40秒でフタを開けた状態よりもナチュラルで、スープとの一体感もアップ。明らかに「博多一双」の流れを汲む豚骨用の油揚げ麺で、初代〜三代目と比較しても明らかな進化を感じました。しかし、問題はスープの味‥‥。
スープ
ほんとにゴーサイン出したの‥‥?
最初から入っていた粉末スープに動物系のクセはなく、きわめてライトなテイストで、ある意味その軽さが「博多らーめんShinShin」におけるスープの魅力(誰もが飲み干してしまう)に通じなくはないものの、豚骨が持つ本来の旨味さえも感じられない場合、それは「博多らーめんShinShin」が目指しているスープとは異なります。
初代のスープで鼻についた、糖類による人工的な甘さは控えめになったので、それについては好印象。しかし、ほぼほぼ感じられない骨の弱さをはじめ、タイトルにもなっている “炊き出し感” は皆無に等しく、それよりも青葱の風味が強いってどういうこと?w みたいな。
別添「仕上げの小袋」には、動物油脂である豚脂(ラード)を中心としたオイルが入っていたので、それを加えると粉末スープだけでは出せないコクがプラスされますが、依然として希薄な豚骨感は変わりません。鶏がら(チキンエキス)を合わせているところに「ShinShin」らしさが(ほんの一瞬だけ)感じられるものの、ひとつの豚骨スープとしてハイレベルとはいえず、改良の余地ありだと感じました。
具材
可もなく不可もなし
実際の「博多ShinShinらーめん」には、前述の達人・吉田による昔ながらの手法と秘伝のタレで豚のバラ肉を煮込み、熟成させたチャーシューをはじめ、青葱とキクラゲをトッピングしている、つまり構成としては的外れすぎるラインナップではないものの、うん‥‥。まず個性のないスープに対して青葱の存在感が強すぎることに加え、キクラゲの量も多いとはいえず、値段相応かといわれたら可もなく不可もなし。
メインであるはずの肉具材は、食感も風味もジャンクな鶏・豚味付肉そぼろで、これはこれと割り切れば美味しいのですが、スープとの相性がベストとはいえません。いや、それに関してはスープ側に問題ありなんですけど、せっかくの麺が勿体ないです。
総評
これまでネックだった油揚げ麺のクオリティは、圧倒的にレベルアップしていたのに対し、あいかわらずスープの豚骨感は弱く、具材もネギばかりが目立っているような状態。せっかく麺の改良が実感できた分、それだけにスープと具材の物足りなさが残念に思えました。
しかし、前述の「博多一双」は麺のクオリティだけでなく、スープの出来もよかったので、まったく見込みがないわけではありません。いまや「博多らーめんShinShin」のカップ麺も毎年恒例となっているように、天神イチの行列店が誇る魅力が出し切れていないと思うので、引き続きリベンジに期待しています(author・taka :a)