どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年8月31日（月）新発売のカップ麺、サンヨー食品「背徳のニンニク 豚醤油汁なし麺」の実食レビューです。
悪魔の贈り物「背徳シリーズ」第1弾は “背徳のニンニク” をテーマに開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
背徳のニンニク 豚醤油汁なし麺
今回のカップ麺「背徳のニンニク 豚醤油汁なし麺」は、二郎系・インスパイア系と呼ばれるジャンルを意識して開発されたサンヨー食品（サッポロ一番）の新作で、パッケージのカラーリングをみても一目瞭然。2020年7月6日に発売された「らーめん改監修 極貝だし塩らーめん」以来のリリースなので、およそ2ヶ月ぶりの新商品です。
二郎系（じろうけい）とは、黄色い看板に赤と黒の文字がトレードマークの人気店「ラーメン二郎」の流れを汲むラーメン店及び商品ジャンルの総称で、カップめん業界でもトレンドになっている現在。それに似たラーメン店及び商品ジャンルは二郎インスパイア系と呼ばれ、多種多様なガッツリ系メニューを展開しているのですが、その中でも汁なし系が近年のトレンドになりつつあるとのこと。
サンヨー食品の二郎インスパイア系カップ麺といえば、2014年2月17日に発売されたオリジナル商品「サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン」のアイディアが面白く、富士山を象って逆さまにデザインされたパッケージに身を包み、コシのある極太麺に濃いめの豚骨醤油スープ、さらに富士盛りキャベツでガッツリ系ラーメンの雰囲気を再現。
同年6月23日に第2弾「サッポロ一番 富士郎 辛豚骨醤油ラーメン」をリリースして以来「富士郎」の続編が開発されることはなく、残念ながら自然消滅してしまったのですが、2017年2月13日に東京・渋谷センター街総本店「野郎ラーメン」が監修した縦型ビッグのカップラーメン「サッポロ一番 野郎ラーメン 豚骨野郎ラーメン」を新発売。
2017年8月28日には湯切りタイプの「サッポロ一番 野郎ラーメン 汁無し野郎」を展開し、2018年5月14日に縦型ビッグのカップラーメン「サッポロ一番 野郎ラーメン 豚骨野郎ラーメン」を再販。同年8月6日には「らーめんバリ男（BARIO）」監修カップ麺「サッポロ一番 らーめんバリ男 旨辛濃厚豚骨醤油」を発売するなど、定期的に二郎インスパイア系の商品を発売してきたサンヨー食品。
2019年5月13日には「野郎ラーメン」とコラボした初の激辛カップ麺「サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎」を発売し、2020年6月8日に「野郎ラーメン ニンニクマシマシ野郎」をリリースするなど、二郎インスパイア系の名店とは何度もコラボしているのですが、サンヨー食品が自社のオリジナル商品として同ジャンルのカップ麺を市場に投下してきたのは2014年6月発売の「サッポロ一番 富士郎 辛豚骨醤油ラーメン」以来——
「背徳のニンニク 豚醤油汁なし麺」のパッケージには “悪魔の贈り物” とあり、その横には “HAITOKU SERIES” と記載されているため、今後「背徳シリーズ」として続編が開発・販売される可能性大。その下には定番の “にんにく入れますか？” ではなく “ニンニク入れてます！” と力強くアピールしているため、タイトル通りニンニクの勢いにも期待できそうな予感。
余談ですが、東京都葛飾区堀切に本店を構える堀切系の元祖「らーめん大」が “にんにく入れますか？” を商標登録しているので、カップ麺のパッケージに使えなかったのでしょう——と、著作権に関する裏話は扨措き、近年のトレンドになりつつある二郎インスパイア系の汁なし麺。2017年8月に発売された「野郎ラーメン 汁無し野郎」は、正直なところ可も無く不可も無しだったので、サンヨー食品のリベンジなるか、お手並み拝見。
開封
というわけで今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製調味だれ（液体）」と「特製スープ（粉末）」の合計2種類で、サンヨー食品の公式ウェブサイト内にある製品情報では “豚骨と背脂のうまみに、ニンニクの風味とコクを合わせ、黒こしょうをきかせたニンニクの風味が特徴の醤油味” と添付調味料の特徴を解説。
麺は熱湯5分の油揚げ麺で、ボリューム感と噛み応えのある太麺とのこと。サンヨー食品の子会社・エースコックをはじめ、日清食品や明星食品も極太麺を採用した汁なしカップ麺を開発・販売している現在。それらを基準にしてしまうと中太もとい中くらいのサイズ感ではあるものの、とりあえず麺の量は130gということで、しっかり大盛り仕様です。
2020年9月現在、スーパーマーケット向けに開発された標準サイズのカップ麺に設定されているメーカー希望小売価格は税別193円、コンビニ向けの大盛サイズは税別220円が標準となっているのですが、今回のメーカー希望小売価格は税別230円と若干ながら高めの設定。コンビニで購入した場合の税込価格は246円、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社のなかでは「ローソン」での取り扱いが意欲的でした。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名：背徳のニンニク 豚醤油汁なし麺 販売者：サンヨー食品株式会社 製造所：太平食品工業株式会社 関西工場 奈良県大和郡山市額田部北町944（W） 内容量：161g（めん130g） 商品コード：4901734040736（JAN） 商品サイズ：175×175×60（mm） |
| 発売日：2020年08月31日（月） 実食日：2020年09月13日（日） 発売地域：全国 取得店舗：コンビニ（ローソン） 商品購入価格：246円（税込） 希望小売価格：230円（税別） |
| 麺の種類：油揚げ麺 スタイル：角型ビッグ 容器材質：プラ（PS） 湯量目安：580ml 調理時間：熱湯5分 小袋構成：2袋（特製調味だれ・特製スープ） |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、食塩）、スープ（しょうゆ、豚脂、香辛料、植物油脂、糖類、たん白加水分解物、食塩、ポークエキス、酵母エキス）、かやく（キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、フライドガーリック）/ 調味料（アミノ酸等）、香料、酒精、香辛料抽出物、カラメル色素、炭酸カルシウム、かんすい、クチナシ色素、酸化防止剤（ビタミンE）、酸味料、増粘剤（キサンタン）、ビタミンB2、ビタミンB1、（一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む） |
実食開始
具材は最初から容器の中に入っていて、キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、フライドガーリックと構成は危なげないラインナップなのですが、二郎インスパイア系をイメージしている商品にもかかわらず、如何せん量が少ないのが気になるところ。そもそも税別230円の商品なので、二郎インスパイア系云々を抜きにしても頼りない量といわざるを得ません。
あとは熱湯を注いで5分後に湯切りを行い、添付調味料（特製調味だれ、特製スープ）を混ぜ合わせるのですが、ちょっと注意したいのが小袋をあける順番。外装フィルムを破いた先にあるフタ上の調理方法「5」には “フタを全部はがし、添付の調味料等をかけて——” としか書かれていませんが、外装フィルムの調理方法には “特製調味だれ、特製スープの順に——” とあるため、先に「特製調味だれ」から混ぜ合わせてください。
ちなみに製造所は太平食品工業株式会社の関西工場となっていますが、太平食品工業は1963年（昭和38年）1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、商品名にもなっている背徳のニンニク感に注目しつつ、「めん」「特製調味だれ・特製スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示：1食（161g）あたり |
| カロリー：752kcal たん白質：16.8g 脂 質：36.1g 炭水化物：89.9g 食塩相当量：5.7g ビタミンB1：0.33mg ビタミンB2：0.58mg カルシウム：225mg |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
バラッとした低加水麺を採用
二郎系の総本山「ラーメン二郎」をはじめ、二郎インスパイア系のラーメン店で提供される麺は、日清製粉の強力粉・オーション（灰分0.52±0.04％の2等粉）を使う傾向にあり、形状は極太サイズの縮れ麺が定番。麺の加水率は低く、ごわごわ・わしわしとした極太サイズの低加水麺ならではの無骨な質感が特徴となっていて、これも多くのファンを惹き付けている魅力の一つ。
対する今回のカップ麺に使われている油揚げ麺は、前述のように極太サイズではないものの、啜り上げたときのランダムな口当たりが面白く、混ぜるときにバラッとなる感じが印象的。形状は角刃で切り出された縮れの強い平打ち麺で、加水率は低めに設定されており、もちもちとした粘り気よりも歯切れの良さを際立たせています。
二郎インスパイア系の特徴ともいえる強付きとはベクトルが異なるものの、やや硬めに仕上がる食べ始めの無骨な噛み応えは通じるところがあり、強めの縮れと加水率の低い麺質からスープ（たれ）の馴染みも悪くありません。油揚げ麺特有の風味も並行しますが、今回のニンニクが効いた味付けと相性が良く、邪魔になるどころか一種の相乗効果を感じました。
特製調味だれ・特製スープ
がっつりニンニク強めで好印象
特製調味だれの中身は思いのほか豚脂の量が多く、油そば系統の汁なしカップ麺ほどではないものの、がっつり系がテーマの商品に誂え向きな背徳感を演出。加えて粉末醤油では出せない液体醤油（濃口）ならではのフレッシュなコクとキレもさることながら、この時点で強烈なニンニク臭が漂い、粉末のガーリックパウダーとは違う生おろしペースト系のガーリック感が攻撃的で好印象。
さらに粉末の特製スープに含まれるガーリックパウダーが生おろしニンニクとは違うジャンクさを醸し、グルタミン酸ナトリウム系の人工的な旨味成分が背徳感を加速させるフレームワーク。黒胡椒の主張は辛味を感じるほど強烈ではなかったけれど、人工的な旨味成分と黒胡椒の清涼感は相性がよく、いかにもカップ麺らしい味わいと明白なニンニクの存在感に中毒性を覚えました。いいですねコレw おいしい。
具材
もうちょいボリュームが欲しいところ
具材のキャベツは他の商品にも入っている汎用のキャベツかつ特に量が多いわけではなかったので、もうすこし頑張ってほしかったところではあるものの、小さなフライドガーリックは効果的。サクサクとした食感こそ楽しめないけれど、熱湯5分でリアルなニンニクのエッジを取り戻し、全体のガーリック感を加速させます。
肉具材も二郎インスパイア系で象徴的な豚（ぶた）の足元にも及ばない、サンヨー食品のカップ麺で頻繁に当たる肉そぼろを採用しているため、かなりインスタント感の強い食感と味付けなのですが、今回の豚醤油にんにくダレにベストマッチ。あまり量は多くないけれど、意識的に拾って食べると背徳感の底上げに効果的でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆（★5）
二郎インスパイア系のイメージでいくと具材の弱さが否めませんが、ニンニク入れてます！のキャッチフレーズに恥じないニンニク臭が頼もしく、バラッとした質感で食べ応えのある低加水ちぢれ麺も今回のタレにベストマッチ。麺量130gの大盛り仕様ですが、ニンニクのアグレッシブな食欲増進効果が相俟って、最後まで持て余すことなく完食可能かと思います。
そのため仕事の休憩中に食べるカップ麺としてはハードルが高く、実食中〜実食後しばらくは部屋にニンニクのニオイが滞在するため、喫食のシーンを選ぶ商品になりますが、とりあえずニンニクが効いた汁なしカップ麺が食べたい気分のときには誂え向き。悪魔の贈り物「背徳シリーズ」第1弾、好調な滑り出しでした。
