どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年7月6日(火)新発売、東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「中華そば玉 旨味醤油中華そば」の実食レビューです。
時代を変えた珠玉の一杯「玉」監修のカップラーメン “ファミリーマート限定” で新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華そば玉 旨味醤油中華そば
玉(GYOKU – ぎょく)とは、神奈川県川崎市川崎区に本店を構える “中華そば・つけめん専門店” で、2008年(平成20年)7月11日にオープンした「つけめん玉 本店」を皮切りに、現在は「玉 三三㐂 – さんさんなな」や「玉 赤備 – あかぞなえ」「バラそば屋」など、異なるコンセプトのブランドを多数展開しています。
今回の新商品「中華そば玉 旨味醤油中華そば」は、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と「玉」を運営する株式会社玉(本部住所:神奈川県川崎市、代表取締役:玉川正視氏)の共同開発商品で、お店の味わいを縦型ビッグのカップラーメンで再現。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、数量限定・販路限定のPB(プライベートブランド)商品として企画されました。
たとえば2009年(平成21年)11月20日に発足したセカンドブランド「三三七」では “鶏と煮干の黄金比” をキャッチフレーズに、2011年(平成23年)1月21日から展開している「赤備」では “唯一無二の元祖濃厚豚鶏” を、2015年8月18日に新規開店した「バラそば屋」では “毎日でもいい。ちょうどいい。あっさり豚骨。” をテーマにしているのが特徴で、それぞれが異なるスタイル。
さらに旗艦ブランドの「玉」でも「川崎ルフロン店」では “濃厚味噌らーめん” を専門に提供しているのですが、今回のカップ麺を監修しているのは川崎市川崎区追分町6-12に店舗を構える「玉 本店」で、曰く『濃厚魚介醤油の真髄、最高峰の濃厚ここに極まる』をキャッチフレーズとし、濃厚魚介系の商品を中心に提供しています。
たとえば千葉・松戸の怪物店「中華蕎麦とみ田」に、濃厚魚介豚骨つけ麺ブームの火付け役「頑者(がんじゃ)」など、すでにラーメン業界では定番の味として認知されるようになった濃厚魚介系。それが頭角を現し始めた当初、従来のスープにはないパンチの効いた濃厚さで話題になりましたが、あまりに流行り過ぎて飽和状態になり、いつしか “またおま系” とも呼ばれるようになりました。
しかし、そのパイオニア的存在の「頑者」や「中華蕎麦とみ田」とは一線を画すのが「玉」のスタイル。動物系は豚骨と鶏ガラをベースに、大量の魚介類や野菜を寸胴に入れて、極限の高火力で煮込んだ後、キレのある特製醤油を加えるのですが、仕上げに “注文を受けてから店内で削る、削りたての鰹節をトッピングした逸品” というのが「玉」最大の特徴といっても過言ではありません。
従来の “またおま系” と呼ばれるスープも動物系と魚介系の素材を大量に煮込んでいるのですが、そのテンプレとなっている最後のトッピングは荒削りの魚粉。しかしながら「玉」では0.01mmの極薄削りでしか味わえない “とろけるかつお節” を提供の直前にトッピングすることで、既存の濃厚魚介系と明確な差別化を図りました。
それを再現した東洋水産のカップ麺「中華そば玉 旨味醤油中華そば」に鰹節は別添されていないようですが、パッケージには「濃厚ながらもキレのある魚介醤油スープ」とアピールされているように、スープの濃さとキレを強調した商品。東洋水産は社名の通り魚介に強いので、今回も期待できそうです。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「特製スープ」が1袋。容器側面に “キレのある” と書いてあったように、おそらく濃口しょうゆベースのタレとアブラが主成分。店舗の特徴は削りたての鰹節と書きましたが、即席カップ麺において粉末スープ+鰹節では限界がありますからね。
具材は味付豚肉、メンマ、ネギとシンプルな構成で、いずれも汎用性の高いトッピング。これまで別の商品でも幾度となく食べているので、どれも新鮮味のある具材ではないのですが、東洋水産の味付豚肉は肉質がリアルなのと、メンマの風味も自然。さらに今回はネギもフリーズドライの斜め切り、なおかつ全体的に量も多いため、まったく寂しくありません。
ちなみに2021年7月現在、今回と同じ縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品をコンビニで購入すると、税込価格は232円が相場となっているのですが、ファミリーマート通常価格は200円(税込216円)と手に取りやすい値段。取り扱っているファミリーマートも多かったので、販売期間内であればエンカウント率も高いでしょう。※数量限定につき、無くなり次第終了です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば玉 旨味醤油中華そば 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:99g(めん70g) 商品コード:4901990369206(JAN) |
発売日:2021年07月06日(火) 実食日:2021年07月08日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:216円(税込) ファミリーマート通常価格:200円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(しょうゆ、チキンエキス、植物油、ポークエキス、砂糖、ラード、食塩、粉末かつおぶし、粉末さばぶし、野菜エキス、酵母エキス、発酵調味料、粉末煮干し)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、増粘多糖類、かんすい、酒精、乳化剤、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。お店の「つけめん」と「中華そば」には “店内打ち立て自家製麺” を使用しているため、ここも注目すべきポイント。近年の東洋水産が手掛ける縦型ビッグの油揚げ麺も安定してきたので、数年前に抱かれていた負の印象も控えめになってきました。
別添の小袋は後入れなので、お湯を内側の線まで注いだら、フタの上で小袋を温めながら待つこと4分——。時間になったら粉末スープを完全に溶かし、特製スープを加えたら、よくかき混ぜて出来上がり。粉末スープに軽めのトロミ成分が含まれていたので、溶け残りがないように混ぜること。それから今回も “容器の外側が異様に熱い” ため、やけどに注意しながら調理してください。
ちなみに製造所は酒悦(しゅえつ)の房総工場となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の商品も製造している連結子会社なので、カップ麺に関してはマルちゃんの工場という認識で問題ありません。それでは、有名店監修の臨場感にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(99g)あたり |
カロリー:432kcal たん白質:10.7g 脂 質:19.7g 炭水化物:52.9g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:1.9g) (スープ:5.5g) ビタミンB1:0.37mg ビタミンB2:0.39mg カルシウム:168mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:432kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:99kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
マルちゃんの新世代系
店舗で使われている「店内打ち立て自家製麺」は、風味豊かな北海道産の小麦を使い、その旨さを存分に引き立てた縮れのない多加水麺で、もっちりとした食感と滑らかな口当たりが特徴。一般的に「つけめん」は “茹で上げた後に冷水で締めます” が、店舗では大釜で茹で上げた熱々の「釜揚げあつもり」を推奨しているのもポイントで、マニアからも高く評価されています。
それを再現している今回の油揚げ麺は、角刃で切り出された加水率の高い平打ち麺で、つるっと滑り込んでくるような口当たり。油で揚げた麺なので、それ特有の芳ばしい風味も並行して感じますが、スープの味を邪魔してくるような主張ではありません。むしろ後述する鰹の旨味と重なることで、芳ばしさの相乗効果を感じたくらい、油揚げ麺であることをネガティブに思わせない取り合わせ。
もちろん本格さでいえば「マルちゃん正麺」などに使われているノンフライ麺に劣りますが、コンビニで税込216円の商品としては上等で、かつての「本気盛(マジモリ)」に抱かれていた無骨な印象は皆無。しなやかさとコシの強さを兼ね備え、なおかつスープとの親和性も高く、食べ応えもありと隙がない、近年の東洋水産(酒悦)が誇る次世代系のハイクオリティな麺でした。
スープ
ちょっと動物系は頼りないけど‥‥
粉末スープの動物系は弱く、しかしながら魚粉の主張は明確で、なかなかに配合も絶妙。膨よかで芳ばしい鰹節の粉末を中心に、それよりも淡白な鯖節を合わせ、スッ‥‥と縦に通る煮干しのシャープな旨味をブレンド。この時点で魚介に関する物足りなさは皆無に等しく、このまま白ごはんを入れて浚(さら)えたいような味。
その気持ちを抑えながら別添の「特製スープ」を加えると、やはり中身は濃口しょうゆベースのタレとアブラが中心で、油脂は植物油とラードのミックス。それによって粉末スープだけでは出せないコクと醤油のキレがプラスされるのですが、さらに “鰹の旨味も格段に強くなる” というのがポイント。
お店の代名詞といっても過言ではない “とろけるかつお節” は別添されていませんが、だし醤油を彷彿とさせる和のテイストとは別に、鰹節から抽出したオイルの芳ばしさが重なって、魚介は魚介でも圧倒的に「鰹」の存在感が強く、それが巷にあふれる濃厚魚介系との大きな違い。
それに対して動物系は、あえて荒々しさを取り除いたような清湯(ちんたん)に寄っていたので、もうすこし重心を下げても‥‥などと思った節もありましたが、その丁寧で繊細な土台があったからこそ荒ぶる鰹の旨味が楽しめる、そう素直に思えました。
具材
使い回しだけど印象は悪くない
前述のように具材の味付豚肉は他の商品にも使われているので、初の御披露目ではないものの、クオリティについては一級品。個体差か脂身の部分はなく、赤身ばかり入っていたのですが、ほどよく甘辛い味付けで、なんといっても肉質がリアル。
メンマはコリコリとした歯応えで、それについては乾燥具材らしいポイントになりますが、ふわっと鼻に抜ける風味が今回のスープと相性抜群。ネギも熱風乾燥の青ネギとは違う、風味も歯触りも穏やかなので、主張し過ぎない存在感が好印象。これで税込216円ですから、量・質ともに上出来です。
総評
想像していたほど動物系の主張は強くなかったので、豚骨や鶏ガラなどの素材を極限まで強火で煮込み-・という特徴は伝わってきませんでしたが、なんのこれしき “鰹” については誇張かと思えるくらい濃厚で、ここに特化したスープは個性的。麺のクオリティも高く、具材にも余念がない、これで税込216円なら上等ですよ。
というわけで、値段と製品スタイルを思えば悪くなかった反面、やはり「玉」を代表する “とろけるかつお節” も再現してほしかったところ。今度は大判どんぶり型の容器に身を包み、ノンフライ麺を採用した本気モードでの商品化にも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】