どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年4月20日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 愚直 豚骨ラーメン」の実食レビューです。
東京・中板橋の行列店「愚直」のカップラーメン “第3弾” 登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
愚直カップ麺 豚骨ラーメン 2020
愚直(ぐちょく)とは、東京都板橋区大谷口北町に本店を構える正統派とんこつラーメンの名店で、創業は2007年4月5日。基本メニューの「とんこつラーメン」はクリーミーでクセがなく、けれども濃厚な豚骨の味わいが特徴的な一杯で、以前は看板に墨字で「愚直」と書かれていたそうですが、現在は愚直さを物語るように真っ白な “看板のない行列店” として名を馳せています。
「愚直」の店主・齋藤輝氏は、東京都葛飾区・堀切菖蒲園(ほりきりしょうぶえん)にある背脂チャッチャ系の老舗「らーめん弁慶(べんけい)」出身の経歴を持ち、店名の如く愚直に1人で店を切り盛りしている職人気質な店。カップ麺のパッケージに齋藤店主の姿が写っているのですが、ラーメン店主あるあるといっても過言ではない威圧感のある腕組み写真ではなく、ちょっと珍しい後ろ姿。
今回のカップ麺「愚直 豚骨ラーメン」は、講談社発行『第20回 業界最高権威 TRY(Tokyo Ramen of the Year, 東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー)ラーメン大賞 2019-20』の “名店部門とんこつ” で1位に輝いた「愚直」と東洋水産株式会社(マルちゃん)の共同開発商品で、愚直こだわりの看板メニュー「とんこつらーめん」が再現されました。
『TRYラーメン大賞』とは、首都圏を中心に発行されていた講談社初の都市情報雑誌『TOKYO★1週間』(1997年11月18日 – 2010年6月8日)の誌上にて “東京で一番うまいラーメンを決めよう” をコンセプトに始まった企画が前身で、自称 “日本一ラーメンを食べた男” こと大崎裕史(おおさき ひろし)氏を筆頭に、名立たるラーメン評論家を審査員に迎えた “業界最高権威” の1週間MOOK。
『第20回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2019-2020』で記念すべき20周年を迎え、その「名店部門とんこつ」で1位になったのが中板橋の「愚直」なのですが、今回が初の受賞ではありません。カップラーメンのパッケージにも “名店部門とんこつ1位3連覇” とあるように、同誌の「2015-2016」「2016–2017」「2017-2018」で3年連続とんこつ1位で優勝しています。
『第19回 業界最高権威 TRYラーメン大賞 2018-2019』の名店部門とんこつ1位は、神奈川県大和市上草柳にある創業2014年12月14日の濃厚とんこつラーメン専門店「うまいヨゆうちゃんラーメン」(店主:千葉雄一氏)が勝ち取ったので、惜しくも「愚直」の連覇記録は阻止されてしまったのですが、この部門で5連覇達成も夢ではなかったでしょう。
東洋水産と愚直の初代カップ麺が発売されたのは2017年7月31日、当時の商品名は「マルちゃん 縦型ビッグ 愚直 とんこつラーメン」で、TRYラーメン大賞(2015-16 / 2016-17)名店部門とんこつ1位2連覇達成を記念して商品化されたもの。当時は現在ほどTRY関連の新商品が多くなかったので、前年同時期の関連商品は『TRYラーメン大賞 2015-16』名店部門しょうゆ1位の「中華そば しば田」のカップラーメンを販売していました。
その後、2018年6月18日に『TRYラーメン大賞 2015-16 / 2016-17 / 2017-2018』名店部門とんこつ1位3連覇を記念して「マルちゃん 愚直 豚骨ラーメン」を新発売。2019年は7月29日に「うまいヨゆうちゃんラーメン どっ豚骨ラーメン」を発売しているため、今回の新商品は東洋水産とのカップめんコラボ第3弾の新作になります。
開封
さて、東洋水産×愚直の2020年版カップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製スープ」が1袋。2017年7月発売品及び2018年6月発売品と同じ小袋構成ですが、東洋水産のニュースリリース曰く “2018年6月発売品と比較し、硬く極細の麺に改良することで、よりインパクトのある味わいに変更しました” とのこと。
実店舗の「とんこつらーめん」には、表面を炙った豚バラ肉と燻製にした豚肩肉を使った2種類のチャーシューを筆頭に、メンマ、バラ海苔、笹切りの白ネギ、小口の万能ネギ、フライドオニオンがトッピングしてあるのに対し、カップ麺の具材は味付豚肉、メンマ、ねぎとシンプルな構成で、これも「愚直」の歴代カップ麺から変わっていません。
メーカー希望小売価格は、2020年4月現在の縦型ビッグにおける標準価格の税別220円で、販売店は全国のCVS(コンビニエンスストア)、量販店、一般小売店他。コンビニでしか売ってない販路限定商品ではありませんが、実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」と「ファミリーマート」での取り扱いを確認しているため、どこに売ってるか探している方はご参考ください。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 愚直 豚骨ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造者:株式会社酒悦 房総工場 製造所:千葉県長生郡長南町美原台1-34 内容量:108g(めん80g) 商品コード:4901990365758(JAN) 商品サイズ:縦102mm×横102mm×高さ109mm |
発売日:2020年04月20日(月) 実食日:2020年04月25日(土) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:232円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(ポークエキス、豚脂、食塩、脱脂大豆粉、砂糖、たん白加水分解物、香辛料、フライドオニオン、ゼラチン、しょうゆ、植物油)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 増粘多糖類、調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、カラメル色素、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は角刃でカットされた細めの油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯2分。必要なお湯の目安量は2017年・2018年発売品から変わっていませんが、歴代のカップ麺には熱湯3分の油揚げ麺を採用していたので、前回・前々回の麺とは異なります。東洋水産が販売している縦型ビッグの油揚げ麺は、2018年下旬頃から軒並みクオリティを上げているため、ここも今回の見所。
あとは熱湯を注いで2分(120秒)待機、別添の特製油は後入れなので、食べる直前に加えます。調理後の見た目は歴代の「愚直 豚骨ラーメン」と比較して大幅に変わっておらず、ややメンマのサイズが小さくなったように感じるものの、頼りない印象はありません。ただ、めちゃくちゃ容器が熱くなるので、熱湯を注いだ直後から数分間はヤケドに気を付けてください。
ちなみに販売者は東洋水産株式会社となっているのに対し、製造所は千葉県長生郡長南町にある株式会社酒悦(しゅえつ)の房総工場となっていますが、酒悦は東洋水産の縦型ビッグを担当しているグループ企業なので、ご安心ください。それでは、麺の進化とスープの豚骨感に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)あたり |
カロリー:477kcal たん白質:14.7g 脂 質:22.1g 炭水化物:54.9g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.0g) ビタミンB1:0.38mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:551mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:477kcal(めん・かやく:397kcal)(スープ:80kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
インスタント感は強いけど改良された
愚直の実店舗で提供されている「とんこつらーめん」の麺は、国産小麦に全粒粉をブレンドした白っぽい自家製麺で、小麦粉には「ラーメン二郎」及び “二郎インスパイア系” のラーメン店で特に好まれている日清製粉の強力粉・オーション(灰分0.52±0.04%の2等粉)を使用しているらしく、細めで加水率の低い角断面のストレート低加水麺を合わせているのに対し——
今回のカップラーメンは縮れの強い細めの油揚げ麺で、比較的に加水率は低いのですが、全粒粉は練り込まれていません。鋭利な角刃でカットされているため、すすり上げたときの口当たりには輪郭があり、なるほど熱湯2分きっちり待ってカタめ食感なのですが、その時点では麺の上部が適切に戻っておらず、かなりスナック的な食感と風味が気になりました。
そのため事前に “カップ麺だから” と割り切っておく必要はありますが、1分ほど休ませれば戻りムラも気にならなくなってきますし、スナック的な風味がスープに対してネガティブに干渉してくることもなく、前回(2018年発売品)の丸刃でカットした縮れの強い平打ち麺から改良されているのは間違いありません。内側から弾けるような独特の歯切れが印象的だったので、湯戻し時間は2分30秒~3分くらいがオススメです。
スープ
クセは控えめでクリーミー
実店舗で提供されている「愚直」の豚骨スープは、店主の出身店「弁慶」の面影は皆無に等しく、豚の頭骨や豚足、ゲンコツなどを強火で炊き込んだ正統派の豚骨スープを軸に、とんこつ特有のネガティブなクセを抑えつつ、しかしながらクリーミーで濃厚との評判。こってりしてるけどギトギトしない、丁寧な仕事ぶりが数多くのマニアの舌を唸らせてきました。
対するカップ麺のスープもポークエキスを筆頭に豚脂を重ね、しっかり “豚骨の旨味” を軸にしているのですが、一般的にネガティブとされる動物系のクセは目立って感じません。そのため牙のある荒々しい豚骨感に期待していると肩透かしではあるものの、それは「愚直」で強調されている特徴ではないですし、なるほど “クリーミー” という表現がピッタリな口当たりです。
ややザラついた舌触りは脱脂大豆粉による効果が大きく、またゼラチンや増粘多糖類による人工的なトロミも並行するのですが、きちんとマイルドな豚骨の旨味が土台を支えているため、その口当たりも粘度の高さも過度に不自然ではありません。さらにフライドオニオンによる芳ばしいアクセントも効果的で、マイルドなスープに独特の風味が映えていました。
具材
あいかわらずの充実感
具材は前述のようにシンプルな構成で、定評のある味付豚肉を筆頭に歯応えのいいメンマと斜め切りのネギを搭載。味付豚肉に炙った香ばしさや燻製感はなく、メンマは小さめで、ネギも実店舗のトッピングとはタイプが異なりますが、この内容であればコンビニで購入しても素直に納得できるボリュームです。
なかでも味付豚肉は、いい意味で若干ながら豚のクセを残している素材。醤油と砂糖で煮込んだような定番の甘辛い味付けで、他の商品にも使われている汎用の肉具材ですが、とにかく他社・同社の肉具材と比較してもリアルな質感。今回は脂身の少ない部位がメインだったので、脂身よりもワイルドな食感と風味が楽しめました。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4+)
スナック的な油揚げ麺は苦手、とんこつスープに人工的なトロミがつけられているのは、ちょっと‥‥という方にはオススメできませんが、とにかくマイルドでクリーミーな濃厚とんこつスープが気になる方は一見の価値あり。そのスープもインスタント感が強かったので、ある程度は割り切る必要があるものの、豚骨系のカップラーメンに理解があれば問題なく楽しめるでしょう。
とりあえず注意すべきポイントは、熱湯2分よりも短い時間で切り上げないこと。それから熱湯を注いで直後、かなり容器の外側が熱くなるので、くれぐれもヤケドには注意してください。発売日から1~2ヶ月の間であれば、コンビニ(ローソン、ファミリーマート)などで容易に見つかるかと思うので、気になった方は要チェックです。