どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月15日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん ごつ盛り 塩担々麺」の実食レビューです。
にんにく風味をガツンと効かせたジャンクでクセになる旨辛スタミナ系の「ごつ盛り」が新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ごつ盛り 塩担々麺
東洋水産(マルちゃん)の「ごつ盛り」とは、 “ごっつい大盛り” をコンセプトに豊富なラインナップと手頃な価格で人気の大盛カップ麺ブランドで、メーカー希望小売価格が設定されていないオープンプライスの廉価版商品(安売り用)。ときたま同じ大盛バケツ型の「でかまる」と混同されますが、「でかまる」にはメーカー希望小売価格が設定されています。
2019年4月17日(水)現在のブランド既存ラインナップは、「ワンタン醤油ラーメン」「コーン味噌ラーメン」「コク豚骨ラーメン」「豚骨醤油ラーメン」「担々麺」「ちゃんぽん」「ソース焼そば」「塩焼そば」の合計8品で、今回の「ごつ盛り 塩担々麺」はニューフェイス。そして塩担々麺の発売に合わせ、定番商品の「ごつ盛り ちゃんぽん」がリニューアルしました。
新作のテーマは「塩担々麺(しおたんたんめん)」、パッケージには “ガツンとにんにく! 旨辛スタミナ系スープ” と頼もしいコメントが記載されているのですが、東洋水産の塩担担麺は芝麻醤(ねりごま)や花椒を効かせた胡麻系担担麺とは一線を画します。一部の専門店を除きますが、グランドメニューとして提供している店舗は少ないので、まだメジャーとはいえないテーマかもしれません。
けれども東洋水産は以前から塩担々麺に力を入れているメーカーで、前述した「でかまる」シリーズからの塩担々麺は記憶にないのですが、縦型ビッグの「本気盛(マジモリ)塩担々麺」や「マルちゃん正麺 カップ 辛こく塩担担麺」など、また2019年2月4日(月)にはセブン&アイグループ限定商品として「ワンタンラーメン 塩担担味」というカップ麺のリリースもありました。そして——
現在は廃盤になっている「でか一(でかいち)」という若者向けの大盛カップ麺ブランドがあって、2006年(平成18年)7月10日(月)に “麺量100g” の「マルちゃん でか一 塩担々麺」という新商品がリリースされていたのですが、当時 “担々の辛さにあっさりとした鶏だしを合わせた塩味スープが特徴の新感覚フレーバー” とアピールされていたので、それが “マルちゃん 塩担々麺” の正式な始まりかもしれません。
「でか一」の時には練り胡麻(芝麻醤)や擂り胡麻が意識されていたのですが、以降「マルちゃん正麺カップ」の塩担担麺はニンニクが強めでスタミナ感のある塩スープ、「本気盛」の時は胡麻油が強め、「ワンタンラーメン」ではラー油推しとなっており、いずれも共通して担担麺には必須の “花椒(かしょう)” は意識されていませんでした。
もはやオリジナリティが強すぎるため、一般的な担担の定義など当てはまらないジャンルに到達しているのですがw 東洋水産のコーポレートサイト内にある商品情報の解説欄には、 “にんにくの風味とラー油の辛みを強く利かせた、ジャンクでクセになる味わいの大盛塩担々麺” とアピール。
ちなみにリニューアルした既存の「ごつ盛り ちゃんぽん」は、具材のキャベツを増やし、かまぼこの種類を定番の板状ピンク蒲鉾から細長いカニ風味かまぼこ系の魚肉練り製品に変更。そして新たにコーンが追加されて彩りもアップしているのですが、まずは新商品の「ごつ盛り 塩担々麺」からレビューします。
開封
容器の中には先入れの「粉末スープ」と「かやく」、後入れの「特製油」で合計3種類の小袋が入っているのですが、粉末スープの小袋は大きめで特製油の量も多く、かやくの中には乾燥の掻き玉と粗挽きの赤唐辛子。いつも具材は最初から容器の中に入っているパターンが多かったりするのですが、今回は個包装で別添されていました。
東洋水産のニュースリリースに掲載されている販売ルートはCVS(コンビニエンスストア)、量販店、一般小売店他となっているのですが、スーパーマーケットやドラッグストア、ドンキホーテなどのディスカウントストアが主な販路なるでしょう。私はイトーヨーカドーのネット通販サイトで購入したんですけど、本体価格は88円(税込価格95円)、麺90gの大盛カップ麺で税込100円以下は嬉しいですね。
マルちゃんの新作カップ麺はグループ会社の「株式会社酒悦(しゅえつ)房総工場」で製造されていることが多いのですが、今回のカップ側面・賞味期限の下段右側に記載されている製造所固有記号は「M8」となっていて、これは兵庫県神戸市にある東洋水産の自社工場「関西工場」(兵庫県神戸市西区見津が丘6丁目8番)を意味しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん ごつ盛り 塩担々麺 販売者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(製造所固有記号 M8) 内容量:112g(めん90g) 商品コード:4901990362962(JANコード) 規格サイズ:縦141mm×横141mm×高さ105mm 発売日:2019年4月15日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用・中華麺) スタイル:大盛バケツ型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:530ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(粉末スープ・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(香味油脂、食塩、植物油、チキンエキス、砂糖、香辛料、たん白加水分解物、ねぎ、酵母エキス)、かやく(卵、香辛料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、レシチン、クチナシ色素、カロチン色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
担担麺といえば挽肉ですが、かやくパックに入っているのは掻き玉と唐辛子。麺は細めの油揚げ麺で、いつもは麺の隙間に大小さまざまな味付鶏挽肉が食い込んでいるのですが、中に入っているのは油揚げ麺のみ。この時点から油揚げ麺特有のニオイが強めに漂ってきますが、この芳ばしい香りは「ごつ盛り」の特徴でもあります。
先入れの粉末スープはネギ同梱型で、ここにも挽肉は不在。ただ、開封した瞬間からニンニクけっこうキますw いいですねー。粉末状なので生おろしニンニクではありませんが、なかなか頼もしい登場です。そして同時に唐辛子特有の芳ばしい香りも強く、 “辛みを強く利かせた” という部分にも期待できそうな予感——
さて、完成です。赤いスープに掻き玉で酸辣湯麺っぽい見た目に仕上がっているのですが、香りは胡麻油が強く、ニンニク感も相俟って、なるほどスタミナ感ありますね。特製油について “温めてください” とのアドバイスはありませんでしたが、 “温めないでください” とも書いてなかったので、お湯を注いでからフタの上で温めました。
それでは、辛さレベルとコストパフォーマンスに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(112g)当たり
熱 量:531kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:531kcal(めん・かやく:454kcal)(スープ:77kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
なめらかで歯切れが良く、弾力のある麺。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『ごつ盛り 塩担々麺』 新発売、『同 ちゃんぽん』リニューアル発売のお知らせ」)
歯切れのいいスナック的な中細麺で、香りからも感じたように油揚げ麺特有の風味は強く、しかしながら油揚げ麺臭と揶揄したくなるような野暮ったくてネガティブな風味ではありません。後述する特製油との兼ね合いもありますが、これぞ油揚げ麺ならではの魅力と思える芳ばしさが心地よく、カップラーメン食ってんなー、って。この実感、けっこう大切ですよね。
おそらく同シリーズの「ワンタン醤油ラーメン」や「担担麺」など、ラーメンスタイルの定番フレーバーで汎用されている熱湯3分の油揚げ麺と同じもので、「ちゃんぽん」のみ熱湯5分の太麺が採用されているのですが、このサクッと食べられるスナック感も「ごつ盛り」らしい魅力。たしかこの麺にはガーリックが練り込まれていて、今回のジャンクなスープとの一体感も高く、かなり好相性でした。
ライバル関係に位置している日清食品のオープン価格ブランド「デカうま」やエースコックの「スーパーカップ」(こちらはオープン価格の廉価版ではありませんが容器のスタイル的に)など、同じく大盛バケツ型で展開されている食べ応え重視のブランドは太麺が基本なので、縮れた中細麺という個性も他社との差別化に繋がっている大きなポイントです。
スープ
にんにくの風味とラー油の辛味を強く利かせた、旨味の強い塩担々味のスープ。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『ごつ盛り 塩担々麺』 新発売、『同 ちゃんぽん』リニューアル発売のお知らせ」)
やはり今回も芝麻醤(チーマージャン)や花椒(ホアジャオ)など、担担麺の柱を構築する要素は欠落しています。なぜかベナール対流(※お味噌汁をしばらくそっとしておくと鰯雲みたいな模様が浮かび上がってくるアレと同じ現象)が起きていたのですが、原材料に味噌は含まれておらず、豆板醤や甜麺醤、コチュジャン、お酢などのアクセントも感じません。ただ、今回のスープは中毒性ありますよ——
ニンニクはガーリックペースト(生おろしニンニク)ではなく粉末ですが、完全なパウダー状ではありません。実は1mm〜1.5mm程度の小さな “粒にんにく” が入っていて、それもシャキッとした歯触りを感じるほど。非常識なほど強烈なニンニク感ではありませんが、ガツンとジャンクなテイストを叩き付けてきます。お店では味わえないタイプのテイストで、このインスタント感もカップ麺らしくていいですね。
そこそこ塩気は強めですが、塩辛いというよりも “旨味の強い” という表現がピッタリで、ほんのり甘さもあり、東洋水産が得意とするスナック的な中毒性の高いスープに仕上がっています。ただ、粉末スープを開封した時は唐辛子の芳ばしい香りが印象的だったのに、粉末スープだけの状態ではピリ辛の範疇を超えることはなく、そこまでカプサイシンは主張してきません。
そして別添の特製油は量が多く、存在感が散漫しやすい大口径の大盛バケツ型を物ともせずに主張してくる頼もしさ。もし容器が縦型ビッグだったらインパクトは倍増していたと思いますが、それでも物足りなさを感じることはありません。ただ、辛口ほど辛くないですねw 製品説明には “ラー油の辛味を強く利かせた” とありますが、特製油を全部入れてもピリ辛ちょい上、贔屓目に見ても中辛(※カレーや麻婆豆腐の素など、市販品の標準表記を意識しながら判定しています)。
もちろん辛さの感じ方には個人差がありますし、もうほんと極端に苦手なら話は別ですが、普通に中辛が大丈夫なら極端に構える必要はありません。花椒オイルや酢などは含まれておらず、端的に表現すると “ごまラー油” 的な内容。特に胡麻油の香りが強めに主張してくるのですが、その芳ばしい香りと油揚げ麺の相性がよく、辛さについては物足りなさが否めなかったものの結果的に高い満足感が得られました。
具材
たまご、唐辛子、ねぎ。
(出典:東洋水産公式サイト「東洋水産トップ > 企業・IR・採用 > ニュースリリース >『ごつ盛り 塩担々麺』 新発売、『同 ちゃんぽん』リニューアル発売のお知らせ」)
たまごはフワフワの口当たりで風味もよく、思っていたよりも量があって好印象。掻き玉なので歯ごたえはありませんが、強めに効いた胡麻油の芳ばしい香りと卵の柔らかい風味が絶妙にマッチしていて、なんかこう漠然と中華的なw でも実際その印象はプラスに作用していたので、思わぬ臨場感を覚えました。しかし、あとの具材(というか薬味‥?)は飾りです。
唐辛子は粗挽きで、まったく意味のない香辛料ではないのですが、それが直接的に辛さや芳ばしさを後押しするほど目立った威力はありません。挽肉や青梗菜などの定番具材も入っておらず、ネギは稀に食感がアクセントとして自己主張してきましたが、具材は廉価版らしい内容となっています。とはいえ実際に安いわけですし、意外と卵が多かったので、印象は悪くありませんでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
やはり今回も一般的な「担担麺(たんたんめん)」とは程遠く、むしろ共通点といえばラー油が入っていることくらいなので、それをイメージしていると確実にズッコケますが、あまり担担麺のイメージに固執せず、 “こういう食べ物” だと許容してみてください。ごま油やニンニクの香り、油揚げ麺の風味、ジャンクでスナック的なテイストが苦手な方にはオススメできませんが、カップ麺ならではの魅力が詰まっている、とても魅力的な一杯でした。
色のわりに辛さは拍子抜けだったので、刺激的な要素に期待してはいけませんが、この内容であればコストパフォーマンスも高く、かなりテイストの中毒性も強いですよ。もちろん値段が値段なので、オープン価格らしい具材の量など許容しなければいけないポイントもありますが、ニンニクの効いたジャンクなスープにスナック的な中細麺がマッチした旨辛スタミナ系カップ麺です。