どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年8月24日(火)新発売、東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「麺屋 極鶏 赤だく」の実食レビューです。
4年連続 “食べログ百名店” 受賞「麺屋 極鶏」監修 “赤だく” をファミリーマート限定のカップラーメンとして商品化!! 実際の「赤だく」と再現度を比較してみた結果——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
極鶏 赤だく 2021
麺屋 極鶏(めんや ごっけい)とは、関西屈指のラーメン激戦区・京都府京都市左京区一乗寺にある行列の絶えない名店で、創業は2011年(平成23年)5月4日。もはや食べるスープといっても過言ではない、常識を覆すほどドロドロに煮込まれたポタージュ状の超濃厚肉濁鶏白湯(にくだくとりぱいたん)を特徴とする人気店で、生粋のラーメンマニアからも高く評価されています。
今回の新商品「麺屋 極鶏 赤だく」は、京都を代表する行列店「麺屋 極鶏」の人気メニュー「赤だく」を再現したカップラーメンで、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産と共同開発。株式会社極鶏ジャパンの代表取締役を務める今江広一(いまえ こういち)店主監修のもと、コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定のPB(プライベートブランド)商品として企画されました。
「麺屋 極鶏」の店舗で提供しているメニューは、業界最強クラスの高粘度スープを特徴とする「鶏だく」をはじめ、変わり種の「赤だく」や「黒だく」「魚だく」といったバリエーションも展開しているのですが、いずれもベースは「鶏だく」と同じ仕様。お店の代名詞となっている超濃厚肉濁鶏白湯を軸に、スープに合わせて麺を区別することもなく、基本的な具材の構成も変わりません。
「鶏だく」に厳選した赤唐辛子をトッピングすると「赤だく」になり、自家製の黒マー油(焦がしニンニク油)をトッピングすると「黒だく」になり、魚粉をトッピングすると「魚だく」になるのですが、さらに裏メニューとして “赤だくアカハンブン+黒だくクロハンブン” や “赤だく+黒だく+魚だくウオハンブン” といった具合に注文すると、自分好みにアレンジできるのは知る人ぞ知る話。
店舗で提供している「鶏だく」の麺は、1931年(昭和6年)創業の製麺所「麺屋棣鄂(ていがく)」謹製の中太ストレート麺で、やや加水率は低く、すこしカタめに茹で上げているのもポイント。スープには鶏の胴ガラやモミジ(鶏足)をはじめ、昆布・宗田節・ウルメ節・サバ節のほか、大量の鶏肉も混ぜ込み、炊き続けること十数時間——。
素材の原形が崩れるまで煮込み続け、鶏の旨みを余すことなく抽出し、唯一無二の超濃厚肉濁鶏白湯を実現。トッピングは脂少なめの豚肩ロースのチャーシューに、極太サイズの材木メンマ、中央に白髪葱とシンプルで、白髪葱の上に少量の七味唐辛子をトッピングしているのですが、さらにスープが見えなくなるほど大量の一味唐辛子を振りかけているのが「赤だく」です。
筆者は以前に「鶏だく」と「赤だく」を「麺屋 極鶏」の店舗で食べたことがあり、基本の「鶏だく」は評判通り散蓮華(ちりれんげ)や箸が立つほどドロドロで、ずっしり腹にたまるけど、ぜんぜん嫌なクドさはなく、それに負けない棣鄂の中太ストレート麺もさることながら、シャキシャキとした白髪葱の清涼感も巧妙なアクセント。
しかし、そこに一味唐辛子を大量にトッピングした「赤だく」は、強烈な見た目に反して辛味は弱く、唐辛子の芳ばしい風味は強めに主張していたので、それが鶏の旨みをマスキングしているように感じたのですが、どっちが美味しかったかについては好みの問題。せっかくなので、今回は再現度の高さにも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「特製スープ」が1袋。ファミリーマートの公式ウェブサイトや商品のパッケージに辛さレベルなどの表示はないのですが、容器側面やフタ上に “唐辛子の辛さがやみつきになる、極濃鶏白湯ラーメン” とあるので、ある程度の辛さと「極鶏」らしい濃厚さに期待したいところ。
開封すると粉末スープの量が多かったので、ちょっと写真では分かりにくいのですが、具材の構成は味付豚肉、乾燥の青ねぎ、あとは粗挽き唐辛子とシンプルなラインナップ。ところで以前にも東洋水産(マルちゃん)が「麺屋 極鶏」の「赤だく」を再現したカップラーメンを発売していたので、カップ麺としての「赤だく」は “二代目” になるのですが‥‥
現在を遡ること2018年10月29日発売の「麺屋 極鶏 赤だく」は、販路を問わないNB(ナショナルブランド)商品で、スーパーやドラッグストアなども販売店に含まれていました。しかし、2020年5月19日発売の「極鶏 鶏だく 極濃鶏白湯ラーメン」以降、極鶏のカップ麺は “ファミリーマートのPB商品” になり、なぜかデイリー食品の「鶏だく冷しつけ麺*」はローソン限定商品と販路を区別しています。
*近畿エリアのローソン限定商品として、2021年7月13日(火)に発売された要冷蔵のコンビニラーメン。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:麺屋 極鶏 赤だく 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:111g(めん80g) 商品コード:4901990369770(JAN) |
発売日:2021年08月24日(月) 実食日:2021年08月27日(金) 発売地域:全国(沖縄除く) 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:216円(税込) ファミリーマート通常価格:200円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(チキンエキス、豚脂、しょうゆ、ポークエキス、砂糖、香味油脂、香辛料、食塩、植物油、でん粉、酵母エキス、たん白加水分解物、粉末さばぶし、粉末かつおぶし)、かやく(味付豚肉、唐辛子、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、酒精、乳化剤、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、パプリカ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
2018年10月発売のNB商品「麺屋 極鶏 赤だく」には熱湯4分の油揚げ麺を使っており、今回のファミリーマート限定版の油揚げ麺も熱湯4分で、原材料名の構成も完全に一致します。しかし、近年の東洋水産が手掛ける縦型ビッグ「謹製(きんせい)」や「本気盛(まじもり)」の麺は、数年前から大きく進化しているため、完全に同じ仕様ではないかもしれません。
あとは熱湯を注いで4分間、別添の特製スープは後入れなので、フタの上で小袋を温めながら待ち、食べる直前に加えて混ぜたら完成です。先ほど触れた麺の仕様もさることながら、2018年10月発売品の肉具材は “味付鶏挽肉” だったのに対し、今回の2021年8月発売品では “味付豚肉” に変わっているため、それについても大きな変化。
ちなみに2018年10月発売の初代「麺屋 極鶏 赤だく」は、このブログで及第点を意味する “★3” と評価しているので、それとの違いや念のため唐辛子の辛さレベルにも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(111g)あたり |
カロリー:484kcal たん白質:12.1g 脂 質:22.9g 炭水化物:57.3g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:3.0g) (スープ:4.4g) ビタミンB1:0.33mg ビタミンB2:0.49mg カルシウム:200mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:484kcal(めん・かやく:367kcal)(スープ:117kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
カップ麺としてはクオリティが高い
店舗の「赤だく」に使われている麺は「麺屋棣鄂」謹製の中太ストレート麺と前述したように、ほとんど縮れは施されていませんが、今回の油揚げ麺は縮れの強い平打ち麺なので、かなり形状は異なります。しかし、2018年10月発売品の油揚げ麺よりもコシが強く、明らかに耐久性が増していたのは大きな違い。
すこしフカフカとした油揚げ麺ならではの弾力は払拭できていませんが、数年前の「本気盛」よろしくスープを蹴散らすような無骨さは控えめで、むしろ近年の「謹製」に通じる洗練された面持ち。たとえば麺の形状だったり、加水率の加減だったり、正直なところ再現度は低いといわざるを得ないけれど、確実な進化を遂げているのは間違いありません。
もちろん熱湯4分でも食べられますが、エアコンの効いた室内だったり、これから肌寒くなってきたりすると部分的な戻りムラが出てくると思うので、いつもは早めに食べ始めるのが基本の方も熱湯4分は厳守していただきたいところ。むしろ熱湯4分後に粉末スープを溶かし、液体スープを馴染ませた後 “さらに1、2分ほど休ませたほうがいい” くらいなので、時間に余裕を持って調理してください。
スープ
再現度は可もなく不可もなしだけどウマい
液体スープを入れる前、粉末スープだけの状態で味を確認してみたところ、フロントに構えるのは唐辛子の芳ばしさ。具材の粗挽き唐辛子による影響が強く、さらに粒子の細かい一味唐辛子が粉末スープにも仕込まれており、辛さレベルは一般的に見てもピリ辛の範疇を出ませんが、辛味よりも唐辛子の芳ばしさを強く感じるのは本物の「赤だく」に通じるポイント。
けっこう強めのトロミ成分で無理やり粘度を上げているので、動物系の原料に由来する自然な “トリポタ” の粘性率とは違う、かなり人工的な口当たり。ただ、そこそこ乳化感の強い鶏の旨みに、ふと鼻に抜ける骨っぽい香りが心地よく、じんわりと奥から感じるサバやカツオの旨味も意識。
本物と比較して魚介の主張が目立ちすぎているようにも思えたのですが、結果的に鶏とは程よいバランスで、そこに別添の「特製スープ」を加えると、全体の輪郭を調えてくれる液体しょうゆのキレやオイルのコクがプラスされるフレームワーク。ちょっとオイルの見た目は辛そうな色合いですが、それでも最終的な辛さレベルはピリ辛の枠を出ないので、極端に辛い食べ物が苦手でなければ大丈夫だと思います。
具材
割り切れば悪くない
前述の豚肩ロースを使用したチャーシューを筆頭に、極太サイズの材木メンマを合わせ、中央に白髪葱と七味唐辛子をトッピング。それと小口切りの青葱を少し散らしてしているのですが、対してカップ麺の具材はインスタント感が否めません。しかし、甘辛い味付けの味付豚肉はクオリティが高く、肉の旨みと絶妙な味付けがスープにも寄与。
けっこうスープに対する影響力が強いので、場合によっては鶏団子(だんご)に変更されることも珍しくないところ、今回のスープとは相性ばっちりで美味しかったです。せめてメンマも入っていれば‥‥などという思いが無きにしも非ずではあるものの、結果的に物足りなさは感じませんでした。
総評
筆者は「麺屋 極鶏」の「鶏だく」を初めて食べたときから大ファンなので、その派生である「赤だく」の再現度を忌憚なく評価すると、ぶっちゃけ低いといわざるを得ません。再現度が高いと思える項目は、唐辛子の芳ばしさを手前に感じるところくらいだったので、お店の味を知っている方は割り切って食べる必要があります。
しかし、ただの即席カップめんマニアとして評価すると、カップラーメンとしての満足度は高く、再現度はさておき‥‥いや、そう書くとアレなんですけど。2018年10月発売のNB商品から進化を感じる仕上がりだったので、味だけの満足度でいうなら「★5」は堅い一杯です。今回も数量限定につき、無くなり次第終了となっておりますので、早めにチェックしてください【author・taka :a(大石敬之)】