どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年12月7日(火)新発売、のカップ麺「中華そば 銀座 八五 黄金鶏油塩そば」の実食レビューです。
タレを使わずに “厳選素材の相乗効果を最大限まで引き出した” ミシュラン掲載店「中華そば 銀座 八五」監修のカップラーメンが満を持して再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
銀座 八五 黄金鶏油塩そば 2021
中華そば 銀座 八五(Ginza Hachigo)とは、長年にわたり京都全日空ホテル(現「ANAクラウンプラザホテル京都」)の総料理長を務めた経歴を持ち、京都府の卓越した技能者の表彰(通称「現代の名工」)にも選ばれたフレンチの巨匠・松村康史(まつむら やすふみ)氏が立ち上げたラーメン店で、2018年(平成30年)12月8日にグランドオープン。
いっさいの広告を打たずにスタートしたにもかかわらず、初日から長蛇の列をつくり、2019年11月26日発行の『ミシュランガイド東京2020』でビブグルマンに選出。ラーメンの命ともいわれるタレ(かえし)を使わない斬新で革新的な「中華そば」は、群雄割拠のラーメン業界に強烈な衝撃を与え、2021年12月3日発行の『ミシュランガイド東京2022』では “一つ星” に輝き、その名を世界に轟かせました。
このページでレビューするカップ麺「中華そば 銀座 八五(はちごう)黄金鶏油(ちーゆ)塩そば」は、コンビニの中でもローソンにしか売ってない、販路限定のPB(プライベートブランド)商品で、数々の賞に輝いた超人気店「中華そば 銀座 八五」監修のもと、同店の看板メニュー「中華そば」の味わいを日清食品が再現。
「中華そば 銀座 八五」を代表する「中華そば」とは、前述のようにタレを使用せずに仕上げたスープが最大の特徴で、開発当初は醤油・塩・味噌に分類されない “第4のタレ” を見つけるところから始めたそうですが、試行錯誤の末に辿り着いたのが “フランス料理の基本・ブイヨンの技法を駆使したスープであればタレは必要ない” という答え。
鴨と名古屋コーチンから抽出する動物系の旨みを軸に、干し椎茸やローストしたキノコ、昆布、ドライトマト、板屋貝(イタヤガイ)など、それらをフランス西海岸・ブルターニュ地方のゲランド塩田で生産される海塩で調え、さらに伝統的な中国料理の上湯(しゃんたん)に欠かせない金華ハムから着想を得た、イタリア産の高級プロシュート(燻製しない生ハム)を加えているのもポイント。
麺は東京都台東区にある製麺所「浅草開化楼」のカリスマ製麺師・不死鳥カラス(石倉康晴)氏と完成させた「中華そば 銀座 八五」専用の特注麺で、パスタに使われるデュラム小麦のセモリナ粉よりも粒子の細かいファリーナ粉を練りこみ、パスタと中華麺の中間に位置する繊細な質感を実現。
トッピングのメインを飾るチャーシューは、調味液に浸した豚バラ肉を専用のパックで真空包装した後、一定の温度を保ちながら、じっくりと低温で加熱すること約4時間。それを均等の厚みにスライスし、店内で戻したメンマと九条ネギをトッピングしたら、仕上げにマダガスカル産のペッパーキャビアを振り掛け、唯一無二の「中華そば」が完成します。
それを再現した今回のカップ麺は、鶏・椎茸・魚介の旨味を感じる複雑ながら洗練された味わいに “国産鶏を使用した香味油で仕上げる” 一杯で、ちょうど1年前の同時期に当たる2020年12月8日にリリースされたローソン限定商品「中華そば 銀座 八五 黄金鶏油塩そば」と同じコンセプト。2020年12月発売品は、このブログで高評価を叩き出した逸品なので、筆者としても嬉しい再販でした。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「香味油」が1袋。松村康史店主監修のカップ麺といえば、2020年5月26日発売の「中華そば勝本 芳醇煮干ししょうゆ」というローソン限定商品があり、それは大判どんぶり型のカップラーメンだったのですが、勝本グループの3号店に当たる「銀座 八五」のカップ麺は引き続き縦型ビッグを採用しています。
具材はチップ状の味付豚肉に、フリーズドライのネギとシンプルな構成で、前回から変わった様子は見られません。味付豚肉とネギは汎用の具材ですが、他に類を見ない “独特な香り” は注目すべきポイントで、和食に通じる繊細な和の趣があり、それと対比を描くツンとした鋭い香りが平行する、なんとも印象的な香りに昨年の驚きが蘇りました。
ローソン標準価格は220円(税込238円)に設定されていたので、2020年12月発売品から値上げされておらず、パッケージも瓜二つのデザインですが、よく見るとJANコードが違います。また容器側面の “TV・雑誌で話題沸騰!メディアで大絶賛の超人気店” という謳い文句が “TV・雑誌で大絶賛!数々の賞を受賞した超人気店” に変わっているため、単なる再販ではないのか、それとも——。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば 銀座 八五 黄金鶏油塩そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:90g(めん70g) 商品コード:4902105269046(JAN) |
発売日:2021年12月07日(火) 実食日:2021年12月11日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:238円(税込) ローソン標準価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(食塩、豚脂、鶏脂、糖類、でん粉、チキン調味料、植物油脂、ほたて調味料、酵母エキス、こんぶ調味料、たん白加水分解物、しいたけ調味料、香辛料)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、炭酸Ca、酸味料、増粘多糖類、グリセリン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、フラボノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、調理前の雰囲気は前回と変わらず、カップラーメンらしい光景ではあるものの、前述した “この商品にしかない濃密な香り” が印象的。ちなみに後入れの「香味油」が入っている小袋には、小さく「フタの上で温めてください」との記載があるので、内側の線まで熱湯を注いだら、フタの上で小袋を温めてください。
香辛料が別添されているわけではないので、容器側面に掲載されているイメージ写真のようには仕上がらないのですが、とにかく濃密な香りが印象的。たとえば鶏皮や豚バラ肉など、骨よりも肉や皮を彷彿とさせる動物系の素材を軸に、それを炙ってから胡椒で香り付けを施したような、まるでカップ麺とは思えない臨場感は今年も健在。
ただ、あいかわらず麺がほぐれにくい‥‥というのも変わっていなかったので、熱湯5分きちんと守るのはもちろん、まずは箸の先でノンフライ麺をバラバラにし、別添の香味油を加えてから “さらに2〜3分ほど追加で待つのがベスト” かもしれません。それでは、引き続き前回発売品との違いに注意しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(90g)あたり |
カロリー:336kcal たん白質:7.9g 脂 質:7.4g 炭水化物:59.5g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:158mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:336kcal(めん・かやく:285kcal)(スープ:51kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープの邪魔をしない高品質なノンフライ麺
店舗で使われている浅草開化楼謹製の特注麺は、日清製粉初となるパスタフレスカ(生パスタ)専用の小麦粉「ファリーナ・ダ・サローネ(Farina da salone)」を配合した細めのストレート麺で、添加物は中華麺特有も質感を生み出すために必要な梘水(かんすい)のみ。
それを再現している今回のノンフライ麺には、食塩やチキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維などを配合しているため、いかにも日清食品らしい構成のノンフライ麺ではあるものの、基礎的なクオリティは高く、油揚げ麺よりもナチュラルに小麦の風味が伝わってくるのと、後述するスープのニュアンスを邪魔しないのも利点。
熱湯5分ぴったりでフタを開けた場合、ほぐれにくさが気になるのと、すこしゴムっぽい弾力が残ってしまうので、すぐに食べ始めるのではなく、完成してから3分くらい休ませるのがポイント。時間に余裕がないと試せない手法にはなりますが、麺のコシがナチュラルになり、スープとの一体感も高まるので、よかったら試してみてください。
スープ
縦型ビッグのカップ麺とは思えない高級感
ベースを支える粉末スープは、丸鶏を彷彿とさせる鶏の出汁(だし)に、シジミやアサリよりも優しくて膨よかなホタテの旨みを重ね、昆布と椎茸で “うま味の相乗効果” を図り、繊細でありながらも濃密な旨味が怒涛に押し寄せてくる、簡便性に優れた縦型ビッグのスープとは思えない本格さ。
洋のブイヨンに、和の出汁、中華の上湯を同時に感じるような、とにかく複雑なテイストで、しかしながら喧嘩する素振りなど微塵も見せません。前回よりも動物系の要素に厚みがあると感じたのですが、ほぼほぼ味のフレームワークは変わっておらず、あらためて唯一無二の味に感動を覚えました。しかし、別添の「香味油」を加えると‥‥
小袋の中に含まれているオイルは豚脂(ラード)と鶏脂のミックスなので、鶏だけの脂ではないのですが、体感的には鶏皮に通じる芳ばしさが強く、これによってスープの臨場感がイッキにブースト。やや香料での演出も感じますが、国産鶏使用による自然な鶏の芳ばしさが漂い、それを纏め上げる絶妙な塩加減と黒胡椒のアクセントにも緻密な計算を感じました。ほんと、ヤバいですね。
具材
麺とスープの出来を思えば及第点
チップ状のチャーシューは日清食品の「有名店シリーズ」などにも搭載されている使い回しの肉具材なので、目新しさはなく、情緒もありません。しかし、大豆たん白加工品(フェイクミート)を積極的に使ってくる昨今、それを思えば本物の豚肉であることは評価すべきポイントで、ネギも高級感のあるフリーズドライ加工だったのは好印象。
ここだけ見ると値段に伴った内容とはいえないけれど、スープの満足度は値段以上だったので、具材の貧弱さについては気になりませんでした。
総評
2020年12月発売品と比較して、若干ながらスープにおける動物系の厚みが強くなったように感じたのですが、ほとんどテコ入れなしの再販という認識で問題ありません。JANコードは変わっていると前述しましたが、栄養成分表示の値や原材料名に目立った変化はなかったので、再販を楽しみにしていた方にとっては朗報でしかない展開。
もうすこし具材のラインナップを見直してほしい気持ちはありますけど、それによってスープのクオリティが落ちては元も子もないので、それに特化した商品であることを念頭に置いて楽しんでください。おそらく今回も数量限定のスポット商品になると思うので、気になっている方は早めのチェックをオススメします【author・taka :a(大石敬之)】