どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2020年12月8日(火)新発売のカップ麺、日清食品×ローソン名店シリーズ「中華そば銀座八五 黄金鶏油塩そば 」の実食レビューです。
開業するや否や『ミシュランガイド東京』に選出されたメディア大絶賛の超人気店「銀座 八五」のカップラーメンついに降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華そば銀座八五 黄金鶏油塩そば
中華そば銀座八五(はちごう)とは、東京都中央区・東銀座に店を構える行列必至のラーメン店で、2018年12月8日にグランドオープン。いっさいの広告を打たずにスタートしたにもかかわらず、開店初日から長蛇の列をつくり、ラーメンの命ともいうべき “タレを使わない” 斬新かつ革新的な「中華そば」は、群雄割拠のラーメン業界に強烈な衝撃を与え、これまで常識とされていた概念を覆します。
「銀座 八五」を立ち上げた店主・松村康史(靖)氏は、長年にわたり京都全日空ホテル(現「ANAクラウンプラザホテル京都」)で総料理長を務め、高級フランス料理の世界では “フレンチの巨匠” と呼ばれた超有名シェフ。調理技能士(西洋料理専門調理師)及び氷彫刻1級認定(NPO法人日本氷彫刻会)などの資格を保持しており、厚生労働大臣が表彰する京都府の卓越した技能者(現代の名工)にも選ばれた実力者。
旧・京都全日空ホテルの一流料理人として腕を振るっていた松村氏は、2013年(平成25年)2月1日「京都全日空ホテル」が「ANAクラウンプラザホテル京都」に売却されるタイミングで退職を決意。その後、小さなフレンチの店をオープンするのですが、個人の店でホテル時代(15,000~20,000円で提供していた高級フレンチ)の食材を仕入れることは難しく、頭を抱えていた時期もあったとか——
しかし、前菜からメインディッシュまで “ひとつの丼で完結する” ラーメンに魅了され、激戦区・京都を代表する1938年(昭和13年)創業の老舗「新福菜館」に、それと双璧をなす1947年(昭和22年)創業の「本家 第一旭 たかばし本店」やベジポタスープの源流「天下一品」など、ホテル時代の上司から繊細な味覚を維持するために “食べるな” といわれていたラーメンを食べ歩き、業界のトレンドを徹底的に分析。
試行錯誤の末に、自身の極めるべき素材は “煮干し” と捉え、東京都杉並区の名門「永福町大勝軒」をはじめとする都内のラーメンを研究し、高級フレンチに幅広く応用されているブイヨンには使われることがない素材の扱い方を会得。これまで徹底的に取り除いてきた “雑味もラーメンでは旨みに変わる” と解釈し、東京都千代田区神田三崎町・水道橋にて、2015年3月14日に満を持す1号店「中華そば 勝本」を開業。
翌2016年2月20日には東京・神保町で2号店「つけそば 神田勝本」を立ち上げ、浅草橋にあるミシュラン掲載店「饗 くろ㐂(もてなし くろき)」の店主・黒木直人氏が絶賛。
その集大成といっても過言ではない、2018年12月8日オープンの3号店が「銀座 八五(はちごう)」で、これまでの常識を覆す “タレ不使用のラーメン” を打ち出すや否や、オープンから1年も経たない2019年11月26日「日本ミシュランタイヤ株式会社(代表取締役社長:ポール・ペリニオ)」が発表した『ミシュランガイド東京2020』にも選出されるなど、今まさに破竹の勢いを見せています。
1959年(昭和34年)に京都で生まれ、フレンチの道を極め、現在はラーメン業界の最前線を牽引している松村店主監修のもと、水道橋で行列をつくる「中華そば 勝本」の味わいを再現した “ローソン限定のカップ麺” がリリースされたのは、2020年5月26日と最近の話。それはノンフライ麺を搭載した大判どんぶり型の本格的なカップラーメンで、このブログでは高評価を叩き出しました。
関連ページ:東京屈指の名店「中華そば 勝本」のカップ麺がローソンに!!
それに続く今回の新商品「中華そば銀座八五 黄金鶏油(ちーゆ)塩そば」は、銀座八五(GINZA HACHI-GO)の店主・松村氏と株式会社ローソン及び日清食品株式会社の共同開発商品で、前回のコラボと同じくローソンでしか買えない販路限定のPBカップ麺として企画。ラーメンフリークの間で赤丸急上昇中と騒がれている “タレ不使用のラーメン” を如何に表現しているのか、日清食品の手腕が問われます。
開封
今回のカップ麺「中華そば銀座八五 黄金鶏油塩そば」に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「香味油」が1袋。ここだけ見ると、きわめてオーソドックスな構成となっているのですが、小袋には “国産鶏使用の香味油” と表示してあるように、よくある汎用の香味油ではなく “国産鶏を使用した香味油で仕上げる” 特別な一杯。
具材はチップ状の味付豚肉にネギとシンプルな構成で、どちらも新開発の具材ではないのですが、これまでに嗅いだことのない、独特かつ強烈な濃度の香りにインパクトを感じた開封直後。それは和食に通じる繊細な和の趣があり、それとは対比を描くツンとした鋭い香りが平行する、なんとも形容し難い複雑な香りだったので、おもわず何度も確認してしまいました。
前回に続き販路を限定した特定のコンビニ専用商品なので、日清食品の公式ウェブサイトに製品情報はアップされていませんが、ローソンの公式ウェブサイトには “TV・雑誌でも話題の人気店「銀座八五」監修。鶏・椎茸・魚介のうまみを感じる複雑ながら洗練された上質な味わいです” と、簡潔に商品の概要を記載。フレンチ出身の巨匠が監修したカップめん第2弾かつ衝撃を受けた独特の香りから、さらに期待が高まります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:中華そば銀座八五 黄金鶏油塩そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:90g(めん70g) 商品コード:4902105264836(JAN) |
発売日:2020年12月08日(火) 実食日:2020年12月11日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 商品購入価格:238円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、チキンエキス、植物油脂、大豆食物繊維)、スープ(食塩、豚脂、鶏脂、糖類、でん粉、チキン調味料、植物油脂、ほたて調味料、酵母エキス、こんぶ調味料、たん白加水分解物、しいたけ調味料、香辛料)、かやく(味付豚肉、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、炭酸Ca、酸味料、増粘多糖類、グリセリン、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、フラボノイド色素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
別添の「香味油」は “後入れ” なので、お湯を注いでから待っている間に小袋をフタの上にのせて温めた後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。調理直後の香りにツンとした要素はなく、とても膨よかで芳ばしい、まるで鶏皮と豚のバラ肉を塩胡椒でシンプルに炒めたような香りが印象的。何気に具材の量も多く、実食前の印象は悪くありません。
ローソン標準価格は220円(税込238円)に設定されているため、2020年12月現在における縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品と同じライン。一部地域によっては売ってない店舗もあるかと思いますが、全国のローソンが販売店の対象となっており、手書きのイラストと商品の写真を添えた店内ポップでアピールしている店舗もありました。
なお「銀座 八五」という名前の由来は店舗の広さ(8.5坪の面積)に因んでいるのですが、漢字の「八」を富士山に見立て、まだ誰もが辿り着けるであろう「五」号目にいる自分たちが “日本一の山頂を目指す” という意味が込められたもの。はたして “タレ不使用ラーメン” に通じる感動が体験できるのか、国産鶏を使用した香味油の風味にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(90g)あたり |
カロリー:336kcal たん白質:7.9g 脂 質:7.4g 炭水化物:59.5g 食塩相当量:7.0g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.40mg カルシウム:158mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:336kcal(めん・かやく:285kcal)(スープ:51kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
小麦の風味が芳醇なノンフライ麺を採用
実店舗で使われている麺は、浅草開化楼のカリスマ製麺師・不死鳥カラス(旧「負死鳥カラス」)こと石倉康晴氏が “最後のカラス新麺” として開発した完全新作の特注麺で、形状は細めのストレート。小麦粉はデュラム小麦を使用した日清製粉初となるパスタフレスカ(生パスタ)専用の「ファリーナ・ダ・サローネ(Farina da salone)」を配合しているらしく、添加物は中華麺を仕上げるのに必要な梘水(かんすい)のみ。
それをイメージして開発された今回のノンフライ麺には、食塩のほかにチキンエキスや植物油脂、大豆食物繊維などが練り込まれているので、小麦粉と梘水だけではないのですが、チキンエキスや大豆食物繊維を練り込んでいるのは日清食品らしいポイント。鋭利な角刃で切り出された角断面の中細麺で、縮れは弱く、食べ始めの強いコシもさることながら、芳醇な小麦の風味と鼻を抜ける香りも印象的。
後述するスープが繊細だったので、雑味のないノンフライ麺が功を奏していました。というわけで高品質なノンフライ麺を使用しているのですが、熱湯5分ジャストでフタを開けたところ、ややノンフライめん特有のゴムっぽい食感と部分的な戻りムラが気になったので、熱湯5分きちんと守ってから麺をほぐし、小袋を加えてから1〜2分ほど休ませるのがオススメです。
スープ
繊細で濃密な味わいは値段以上
本文中で何度も「銀座 八五」のスープは “タレ不使用” と書きましたが、鴨と名古屋コーチンから抽出した動物系の旨みを軸に、イタリア産のプロシュート(燻製させていない生ハム)を加えて炊き出すことで、ラーメンの命といっても過言ではないタレ(かえし)を使わずに味を調整する、店主がフレンチの世界で培ってきたブイヨンの技法を取り入れて成立させたもの。
それを再現したカップ麺のスープは、丸鶏を彷彿とさせる丁寧な鶏の出汁(だし)を軸に、優しくて膨よかなホタテ調味料を効かせ、さらに昆布と椎茸で旨みの相乗効果を図り、ひとくち含んだ瞬間から濃密な旨みが押し寄せてくる、繊細でありながら大胆な味わい。しかも洋のブイヨン、和の出汁、中華の上湯(シャンタン)を同時に感じさせるような、縦型のカップ麺とは思えないほど複雑で密度の高いテイストを実現しています。
加えて別添の「香味油」を加えると、豚脂(ラード)や鶏油(ちーゆ)の風味がプラスされ、粉末スープでは出せないコクを明確に。その複雑な味わいを調えている塩の加減も絶妙で、おもわず食べながら唸ってしまったほど、簡便性も意識しなければいけない縦型カップ麺とは思えないほどクオリティの高いスープに仕上がっていました。
具材
具材はカップめん品質
実店舗のトッピングには。豚のバラ肉を柔らかく煮込んだ煮豚を使い、フレンチの肉料理に使われる希少な胡椒 “ペッパーキャビア” を振り掛けているのも個性的なポイント。あとは刻んだ九条ネギに、極太メンマとシンプルかつ洗練された構成で、残念ながらコストの兼ね合いかカップ麺にメンマは入っていません。
せめてハムみたいなチャーシューチップも炙ってあると特別な具材になったのですが、汎用とはいえ何気に量は多く、ネギも優しい口当たりの斜め切りで、スープの邪魔をしないのが好印象。ここだけ見ると上出来とはいえないラインナップですが、クオリティの高いノンフライ麺に、複雑な味のスープを思えば納得できました。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
カップ麺には化学調味料をはじめとする人工的な旨み成分も使用しているため、それなりにインスタント感も並行するのですが、そのインスタント感さえも上手く利用しているような、とにもかくにも濃密で圧倒的な旨みを実現したスープの味については目を見張るレベル。具材の質については妥協すべきポイントになりますが、小麦の風味が芳醇なノンフライ麺を採用しているため、実に総合力の高い一杯に仕上がっています。
コンビニの中でもローソンでしか買えない限定商品ですが、値段は税込238円なので、コストパフォーマンス的にも悪くありません。むしろ「銀座 八五」監修の恩恵が感じられる “一度は食べていただきたい” 高品質なカップラーメンだったので、ぜひ気になっている方は最寄りのローソンをチェックしてみてください(author・taka :a)