どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月15日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 辛いもんやギロチン監修 激辛焼そば」の実食レビューです。
大阪・南船場にある激辛専門店「辛いもんやギロチン 南船場本店」監修の激辛カップ焼そば新登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
激辛専門店ギロチン監修 激辛焼そば
「辛いもんや ギロチン」とは、大阪・南船場に本店を構える激辛料理の聖地として有名な激辛専門店で、雑誌やテレビなど、様々なメディアに何度も取り上げられている激辛マニア御用達の超名店。関西の激辛好きで「ギロチン」の名前に反応しない人は、激辛党からモグリ扱いされかねません。
お店の名物は「激辛・激ウマ日本一決定戦」にて優勝に輝いた、辛さレベルが選べる激辛チャーハン「ギロチン炒飯」で、激辛炒飯に唐辛子のツノが生えたインパクト抜群の状態で提供される、それは一度食べたら忘れられない衝撃的な食べ物——なんですけど、豊富なドリンクや一品料理・粉もん等のメニューも豊富。バーや居酒屋感覚でも利用できて、辛くないメニューもあります。
もしカップ麺の製造を磯山商事(「18禁カレー」「18禁カップメン」のメーカー)が担当していたら、「呪」——いや、ヘタすりゃ「ゴッド」に到達しかねませんが、今回の辛さレベルは「鬼」。ネガティブな漢字になるのでカップ麺のパッケージからは除外されていますが、お店で表向きの辛さレベル(※「ギロチン炒飯」の辛さを表す基準)は7段階あって、ぜんぜん辛くない辛さ0倍の「へたれ」は屈辱の称号(ただ、ある意味これがイチバンまともで美味しい炒飯かもしれない‥‥w)。
続いて辛さ1倍の「並」は初心者向けのピリ辛、辛さ2倍「強」は中辛、パッケージには記載されていない辛さ3倍の「死」は辛い食べ物が苦手な方のボーダーライン。ここからハードルが高く、タイ産の激辛青唐辛子・プリッキーヌを25本使用している辛さ5倍の『鬼』、それを50本使用して激辛アワードを受賞した辛さ8倍の「呪」、そしてプリッキーヌを100本使用した最高クラスの辛さ10倍「ゴッド」を注文すると、店員さんがマスクとゴーグルを着用して調理してくれます。
調理開始から異様な空気が漂い始め、気化したカプサイシンが店内中に充満し、むせかえる客と店員――さらに「ゴッド」を3回完食した真の強者にのみ挑戦権が与えられるギロチン炒飯「デビル」もありますが、そちらにはプリッキーヌではなく激辛唐辛子(赤)の「ブート・ジョロキア」を多めに使用し、ジョロキアのツノを1本生やした状態でサーブ。興味本位で頼むと後悔後先に立たず、「ゴッド」からは調理する店員さんも涙を流しながらの命がけなので、ご注意ください。
さて、今回のカップ麺は炒飯ではなく「焼そば」がテーマで、タイトルは「激辛焼そば ガーリック醤油味」。辛さレベルはプリッキーヌ25本使用の「鬼」となっているのですが、辛いもんやギロチンの実店舗にも辛い焼そばメニューがあり、そこで提供されている「大辛そば」がギロチン炒飯の「鬼」に該当します(焼そばメニューは他に「ヘタレそば」と「ちょい辛そば」があって、辛さレベルは3段階)。
お店での名前は「大辛そば」ですが、ちょっとギロチンは激辛の単位がおかしいので、それも一般目線で見ると普通に激辛。サンヨー食品の公式ウェブサイトには “大阪にある激辛専門店『辛いもんや ギロチン』とタイアップしたカップめんです。” としか書かれていないため、厳密に「大辛そば」の再現ではないのかもしれませんが、強烈なトルネード麺リフトのインパクトw
さらに飛び散った血痕を思わせる左上の背景に、激辛専門店「辛いもんや ギロチン 大阪南船場本店」監修の文字。もちろん “辛味成分が強いので、小さなお子様や辛味の苦手な方の喫食には十分ご注意ください。” という激辛カップ麺の常套句ともいえる定番の注意事項(警告文)も記載されているため、それなりの覚悟と期待値を胸に、誠心誠意レビューいたします。
開封
容器の中に入っている別添の小袋は、「液体ソース」「特製スパイス」「あとのせかやく」の3種類。それぞれ1袋ずつ入っているのですが、すべて後入れ仕様の小袋です。そういえばパッケージにもキャベツや挽肉など、これといった固形具材は写っていませんね(やたら唐辛子は多そうですが‥‥w)。
麺は平打ちの油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。けっこう歯ごたえがありそうな雰囲気というか、調理前は光沢とハリのある見た目が印象的ではあるものの、お湯を注ぐ前に開封する小袋はなく、あらかじめ容器の中にキャベツや挽肉などの固形具材も入っていません。
販売者はサッポロ一番ことサンヨー食品、製造所は「太平食品工業株式会社」の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品の製品開発部です。昔から “サッポロ一番” のカップ麺や袋麺の生産を続けている老舗の製造工場なので、ご安心ください。
コンビニ以外の店舗では2019年4月15日(月)から発売、コンビニでは本日・2019年4月16日(火)が発売日になるのですが、「ローソン」での取り扱いが盛んだったので、どこに売ってる? 売ってない! という場合には、ローソンを捜索するとエンカウント率が高いかもしれません。ただ、メーカー希望小売価格は税別220円、コンビニで購入すると税込235円になります。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社・関西工場 内容量:130g(めん100g) JANコード:4901734037101 規格サイズ:縦175mm×横175mm×高さ60mm 発売日:2019年4月15日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用・中華麺) スタイル:角型正方形・大盛サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:600ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体ソース・特製スパイス・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、ソース(糖類、香辛料(ガーリックペースト、唐辛子、陳皮、こしょう)、豚脂、植物油脂、貝エキス、食塩、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、野菜エキス、魚醤(魚介類)、酵母エキス、椎茸エキス)、かやく(唐辛子)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、香料、クチナシ色素、酸味料、香辛料抽出物、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・魚醤(魚介類)を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示)※魚醤を使用しているため「魚介類」を含む |
実食開始
外装フィルムを剥がした後のフタ上にも調理方法が記載されているのですが、外装フィルム側の調理方法にのみ「 “液体ソース、特製スパイス” の順に “よく混ぜ合わせる” 」とソース・スパイスの投入順についての解説があり、続けて「あとのせかやくをかけて出来上がり」とあるので、あとのせかやくは混ぜなくても大丈夫、みたいな書き方ですね。
パッケージサイズは縦175mm×横175mm×高さ60mmとなっているのですが、同社の定番「サッポロ一番 塩カルビ味焼そば」や「サッポロ一番 オタフクお好みソース味焼そば」の規格サイズは158×175×58(mm)、つまり若干の長方形となっているので、ほんのちょっと今回の容器は標準よりも大きめサイズ。きもち必要なお湯の目安量も600mlと多めの設定なので、熱湯切れに注意してください。
さて、これが最終形態の完成図です。赤いですねw 以前、サンヨー食品のグループ企業・エースコックが “カップ焼そばに激辛スパイス入れすぎた件” というキャッチフレーズで「EDGE(エッジ)鬼辛焼そば」をリリースして話題になりましたが、それに通じるビジュアルです(しかし個人差はありますが「EDGE 鬼辛焼そば」は言うほど辛くないと感じました)。
また、調理方法や液体ソースの小袋に “温めてください or 温めないでください” などのアドバイスは記載されていませんが、原材料に豚脂(ラード)が含まれているので、軽くフタの上で温めたほうがよいでしょう。それでは、実店舗だとプリッキーヌ25本分の “鬼” を名乗る辛さレベルに注目しつつ、「めん」「ソース・特製スパイス」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(130g)当たり
熱 量:584kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ボリューム感と噛み応えのある太めんです。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば)
たしかにサンヨー食品の基準としては太麺ですし、油そば・まぜそば系の汁なしカップ麺にも使えそうな厚みのある平打ち縮れ麺が採用されているのですが、驚くほど粘り気がありません。きっちり熱湯4分ジャストで湯切り、もちろん沸騰してから熱湯がグラグラと揺らいでいる間に注ぎましたが、こういう仕様みたいですね(※調理不良の原因になるため調理の際は必ず沸騰した熱湯をご使用ください)。
お店の麺は断面の丸い太めのストレート麺で、もちもちとした弾力も楽しめるのですが、カップ麺のギロチン激辛焼そばに使用されている麺は弾力よりも歯切れの良さが先行します。形状も波打った平打ち麺なので、再現度が高いとは言えません。おかげで液体ソースや粉末唐辛子の絡みは特に問題ありませんでしたが、もうちょっとバランス的に粘り気がほしいところ。
しかし、ちょっとだけ大きかった容器に比例して、麺の量はカップ焼そばタイプの変わり種で平均的な90gよりも多い100g。じゃぁたとえば麺の量を90gにしたらキャベツもしくは肉具材どのくらい追加してもらえるんだろう‥‥などという疑問が脳裏を掠めたりもしたのですが、食感抜きにして単純に炭水化物の量だけでいうと食べ応えのある麺です。
ソース・特製スパイス
オイスターソースの魚介のうまみをベースに、しょうゆやポークのうまみを合わせ、ガーリックの風味をきかせた焼そばソースです。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば)
まず特製スパイスを入れる前に液体ソースだけ味見してみたのですが、めちゃくちゃ美味しいですねコレw まず液体ソースの辛さレベルですが、「へたれ」です(※辛くない)。しかし、怒涛に攻めてくるのは牡蠣を中心とした貝エキス(オイスターエキス)の旨味、次に豚脂を中心とした動物系のコクも明白。ガーリックはペースト状でも常識的なアクセントに過ぎませんでしたが、牡蠣の旨味は特筆すべきレベルにあり、とても印象的でした。
醤油のエッジは控えめで、多めに見えた油脂もクドさを感じさせるようなタイプではなく、重心の低い牡蠣の旨味と動物系の旨味、さらに魚醤のアクセントや奥に見え隠れする椎茸の存在など、正直ちょっと特製スパイスを入れたくないくらいの美味しさです。というわけで、ぜひ特製スパイスを入れる前にソースの味見をしていただきたいのですが、特製スパイスを入れると——
特製スパイスには、刺激的な辛みの唐辛子を配合しました。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば)
特製スパイスの中身は粒子の細かい唐辛子が主成分で、さすがに辛さはアップしますが、まだ激辛ではありません。製品説明には “刺激的な辛みの唐辛子を配合” と書いてあるものの、ハバネロ系のクセもジョロキアのように強烈な辛さも感じなかったので、贔屓目に見ても普通に辛口止まりです。しかし、特製スパイスが加わった後もベースのオイスターが濃厚で、その魅力が鳴りを潜めることはありません。
さらに特製スパイスには甘味(唐辛子の甘味ではなく糖類)や軽い陳皮(ウンシュウミカンもしくはマンダリンオレンジの果皮を干したもの)が含まれていて、ジャンクな甘味が唐辛子と手を組むことで中毒性を加速。加えて陳皮による柑橘系のアクセントが唐辛子の果実味とマッチしている、ただ辛いだけの粉末ではありませんでした。
かやく
粉砕唐辛子と輪切り唐辛子の刺激的な辛みがクセになる味わいです。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば)
「あとのせかやく」の中には粒の大きな粗挽き唐辛子と輪切り唐辛子が入っているのですが、原材料名も「かやく(唐辛子)」となっていて、まさに唐辛子しか入っていません。通常、おまけ程度にでもキャベツや肉そぼろが入るものですが、パッケージのイメージ写真に嘘偽りなく、ある意味ちょっと珍しい唐辛子オンリーの構成です。なんの変哲もない、ザ・唐辛子。ギロチン炒飯のように唐辛子のツノは生えていませんが、多めの輪切り唐辛子も頼もしい。
かやくの唐辛子は中国産で、かなり風味は焙煎的に香ばしく、こちらも特製スパイス同様にハバネロやジョロキア、それ以上の非常識な激辛唐辛子の癖は感じません。しかし、唐辛子単体の辛さレベルは見た目だけの韓国唐辛子とは比じゃなかったので、おそらく使用している品種は『朝天辣椒面』(四川唐辛子)あたりだと思います。
「ギロチン」的には “ここから” ですが、市販のカップ麺としての辛さレベルは堂々と「激辛」を名乗っても差し支えありません。ただ、さすがに量が量なので、全体的に大きく混ぜないと口の中が唐辛子でモサモサするんですよね‥‥w
というわけで、ちゃんと混ぜたほうが食べやすかったです(※ただし辛さは基本的に和らぎません)。辛味オイルや激辛ソースなど、いわゆるカプサイシン抽出系のオイルやソースを駆使した辣味ではなかったので、純粋に唐辛子の芳ばしい風味と天然の辛味が楽しめる、唐辛子を満喫できる振り切ったインパクトは唐辛子マニアとして実に好印象でした。
しかしかながら「ギロチン」の名が世に広まるキッカケを作った存在でもあり、お店の個性と言っても過言ではないタイ産の激辛青唐辛子・プリッキーヌの青い風味や清涼感のある辛さなど、そういった部分がまったく意識されていなかったのは、ちょっと残念なポイントです。ちなみに牡蠣の旨味ですが、ここまできても踏ん張ってました。すごい。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
キャベツや肉具材が入っていないことについては大量の唐辛子で目を瞑れますが、「ガーリック醤油味」なのにガーリックの効き目は穏やかだったのと、「辛いもんやギロチン」本店監修なのにプリッキーヌが意識されていない、というのがすこし残念でした。とはいえオイスターの旨味は特筆すべき濃度にあったので、液体ソース単体の味を評価するなら余裕で★6即決です。次のタイアップでは、あえて旨味重視の「ヘタレそば」を再現してみるのも面白いかもしれません。
とにもかくにも今回のカップ麺「サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば」はタイトル通り激辛クラスなので、ギロチンマニアの方には風味や辛さに物足りないところがあるかもしれませんが、くれぐれも辛い食べ物が苦手な方は気を付けてください。ちなみに「ギロチン」の実店舗には「ギロもつ麻婆」というメニューもあるのですが、サンヨー食品は優秀な “味付豚腸” を持っているので、「ギロもつ麺」の再現カップ麺も検討してもらいたいですね。