どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月16日(月)新発売のカップ麺、寿がきや食品「岐阜タンメン監修まぜそば 旨塩だれ」の実食レビューです。
岐阜・愛知を中心に展開している「岐阜タンメン」監修商品から “カップ麺だけの” 汁なし限定まぜそば新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
岐阜タンメン監修まぜそば
「岐阜タンメン(ぎふタンメン)」とは、愛知県と岐阜県を中心に店舗展開しているタンメン専門チェーンの通称及び同店で提供されている看板メニュー(ご当地グルメ)の名称で、創業は2009年4月6日。博多とんこつラーメン店「ばりばり軒」(2004年9月18日創業)の2号店として開業し、オープン当時の屋号は「タンメン専門店 板谷*」でした(* 現「岐阜タンメン 稲沢板谷店」)。
最初は愛知県で産声をあげ、オープン後しばらくは軌道に乗れず閑古鳥が鳴く日々——そこで拠点を岐阜に移したところ受け入れられ、途中で屋号を「元祖タンメン屋」に改称。いまでは “岐阜といえば・・・” の代名詞的存在になり、店を存続させてくれた岐阜の人に恩返しができればという思いから、屋号を “岐阜の人に感謝タンメン” に由来する「岐阜タンメン」に改めます。
「即席ノンフライ袋麺」や要冷蔵の「チルド麺」、他にも「鍋つゆ」「豚肉ともやしの旨塩炒めの素」といった調味料まで、以前から寿がきや食品が岐阜タンメン監修の関連商品を販売しているのですが、2019年(平成31年)3月25日にカップラーメン「カップ岐阜タンメン」を再販。岐阜名物の「岐阜タンメン」が手軽にカップ麺で楽しめる “辛味あん” 付きの商品で、このブログでも取り上げました。
さらに同年3月24日、実店舗で話題の激辛メニュー「デス辛」をイメージした期間限定・数量限定・出荷日限定の激辛チルド麺「岐阜タンメン 3食入 デス辛」をネット通販限定でリリース。それもブログで取り上げていて、なるほど硬派に辛かったんですけど、初の汁なしカップ麺となる今回「岐阜タンメン監修まぜそば」では「にんにく」と「野菜」を強調し、辛さのアピールはありません。
岐阜タンメン(公式)が発表している「岐阜タンメン監修まぜそば」の販売店は、アピタ・ピアゴ(ラ フーズコア)、イオン(全国)、一号館、イトーヨーカドー(中部)、ウエルシア、オークワ・パレ、ぎゅーとら、清水屋、スーパーサンシ、スギ薬局、セブンイレブン(東海)、デイリーヤマザキ(名古屋)、トミダヤ、トヨタ生協——
——ドラッグスギヤマ、ドン・キホーテ(MEGAドン・キホーテUNY含む)、バロー、B&Dドラッグストア、ファミリーマート(中京)、フィール、V・ドラッグ、不二家、マックスバリュ(中部)、ミニストップ(名古屋)、ヤマナカ、ヨシヅヤ、ローソン(沖縄除く全国)とのこと。もし行き付けのスーパーやコンビニ店舗に売ってない場合は、とりあえず「イオン」と「ローソン」が手堅い模様。
私は兵庫県のイオンリテールで購入し、本日・2019年9月17日(火)に北近畿のローソン各店舗でも販売を確認。他のコンビニ大手3社でも取り扱いはあるようですが、いずれも東海(セブンイレブン)、中京(ファミリーマート)、名古屋(ミニストップ)と膝下の地域に集中しています。寿がきや食品はローソンとイオンの営業と仲がいいようで、今回も全国的に2社が優先されていました。
開封
別添の小袋は「液体スープ」「かやく」「あとのせかやく」の合計3袋、フタの上には “ガツンとにんにく野菜もうまい!!” と書いてありますが、そんなに先入れの具材は多くありません。イオンリテールでの本体価格は198円+税(213.84円)、ローソンでは238円+税(257円)での販売を確認しているため、とりあえずコンビニでは257円が相場。
いつも沖縄だけ販売エリア外となっているのですが、基本的に寿がきや食品のカップ麺は沖縄では売ってないそうです(※寿がきや食品の営業談)。寿がきや食品と契約している配送業者の管轄外であること、また九州地域に営業所がないため、物流が沖縄まで網羅されていないことが主な理由と聞きました(2019年9月17日現在)。
麺は黄色味の強いノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分の太麺。見た感じ全粒粉などが練り込まれているような形跡はなく、販売者は「寿がきや食品株式会社」、製造所は「加ト吉水産株式会社 フーズ部 群馬工場」(群馬県高崎市新町2330−26)と普段どおり。寿がきや食品の工場にはノンフライ麺を製造する設備がないため、いつも「カトキチ」に委託しています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:岐阜タンメン監修まぜそば 旨塩だれ 販売者:寿がきや食品株式会社 製造所:加ト吉水産株式会社フーズ部群馬工場 内容量:118g(めん80g) 商品コード:4901677082626(JANコード) 個装サイズ:φ167×70(mm) 発売日:2019年09月16日(月)・17日(火) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:カップ焼そばタイプ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・かやく・あとのせかやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、小麦たん白、たん白加水分解物)、スープ(動物油脂、植物油脂、食塩、香味油、ポークエキス、糖類、たん白加水分解物、しょうゆ、にんにく、豆板醤パウダー、ローストガーリックペースト、酵母エキス、ガーリックパウダー、香辛料)、かやく(キャベツ、味付肉そぼろ、唐辛子、白菜)/ 加工デンプン、乳化剤、調味料(アミノ酸等)、かんすい、香料、炭酸カルシウム、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、着色料(クチナシ、カラメル)、セルロース、トレハロース、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、V.E)、炭酸水素ナトリウム、香辛料抽出物、酸味料、微粒二酸化ケイ素、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
「液体スープ」と「あとのせかやく」は後入れ、透明な小袋の「かやく」のみ先入れで、原材料名(かやく)では「キャベツ、味付肉そぼろ、唐辛子、白菜」となっているのですが、味付肉そぼろと唐辛子は後入れ具材(ふりかけ)、先入れの具材はキャベツがメイン。あとは大きめの白菜が4つと具沢山ではないけれど、見るからに貧弱な内容でもありません。
あとは熱湯を注いでから待っているの5分間、液体スープの小袋をフタの上で温めてください。この液体スープが強烈で、開封した瞬間に豚脂の芳ばしい香りが駆け抜けます。また、今回の「まぜそば」は “カップめん限定汁なしメニュー” なので、お店では食べられませんが、それだけに再現度云々に関するハードル(先入観)が発生しないのは利点。
もちろん元祖タンメン屋らしい個性も感じたいところですが、とりあえず後乗せかやくで見栄えは賑やかな実食前の現在、けっこうニンニクの香りが強いのは同店監修のポイントですね。それでは、 “ギフタン” こと岐阜タンメンとの共通点や個性に注目しつつ、「めん」「液体スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(118g)当たり
カロリー:444kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
お店の麺は福岡県の老舗製麺所から毎朝各店舗に直送される、パツパツとした歯切れのいい専用の平打ち低加水麺(角刃20番から1mm厚仕上げ、加水率は27%)を使用し、今回の「まぜそば」には粘り気のある太めの縮れた平打ち多加水麺が採用されているため、タイプとしては真逆です。けれども今回はカップ麺のオリジナルなので、まったく問題ありません。
もっちもちの超多加水麺ではなく、加水率(麺の水分保有率)は高めでも適度に硬めの歯応えがあり、表面は粘り気を出しながらも中心部は小麦をギュッ、と押し固めているような密度の高い弾力。小麦の風味も芳醇で、鼻を抜ける香りと味覚に訴えかけてくる甘味が絶妙。今回が新開発の麺ではないと思いますが、基礎クオリティの高いノンフライ麺です。
次の項で解説する液体スープが思いのほかインパクトのある味わいだったんですけど、しっかり存在感のある太麺で均衡は保たれ、油揚げ麺ではなくノンフライ麺なので雑味もありません。あえて不満をあげるなら、麺の量が80gと平均めん重量(90g)よりも少ないことくらい。それでも量より質を優先したノンフライ麺は印象がよく、ぜんぜん結果オーライでした。
液体スープ(たれ)
通常、汁なしカップ麺の容器は混ぜやすいように、底面がフラットな形状に設計されていることが多いのですが、寿がきや食品の場合 “カップラーメンと同じ容器” なので、やや混ぜにくさがデメリット。上記の写真は麺を別の容器に取り出し、液体スープのみ入れて撮影してみた状態で、その溝に溜まったタレに浮かぶアブラが想像以上に大量でビックリ。
およそ液体スープの半分以上が油脂で構築されており、それも豚脂(ラード)が主体と思われる動物油脂の含有量が多く、のっけから攻め込んでくるのは強烈な豚脂の芳ばしさ。植物油脂がブレンドされてはいるものの、圧倒的に動物油脂が優勢で、早くも人を選ぶこと間違いなしの状態かつガーリックも生おろしニンニク系の鋭利な主張で容赦ありません。
けれども特有の辛味を覚えるほど強烈ではなく、通常のニンニクに加えてローストしたガーリックペーストとガーリックパウダーを重ねるなど、にんにく一つとっても複雑なフレームワーク。さらに油脂を拡大すると背脂の粒が見られ、強烈にジャンクなアブラ押しのニンニク塩だれ系でありながら、きちちんと上質な豚脂にこだわっているのがポイント。
土台の味付けには食塩のキレを軸に軽く薄口醤油で香り付け、ほんのりと豆板醤を隠し味に入れているのですが、大量の動物油脂が元ダレの塩カドを適度に削っているためトゲトゲしさはなく、それでいて最後まで味がボヤけない絶妙な塩梅。たとえば実店舗でも「まぜそば」を期間限定で提供することになったとして、この液体スープをそのまま使っても通用しそうな勢いです。
かやく・あとのせかやく
まず先入れ具材のキャベツと白菜ですが、白菜こそ少ないもののキャベツは多く、しかも大きめにカットされていて、具材に貧弱なイメージはありません。さすがに他社の大手メーカーが本気で野菜を大盛りにしてきたら敵いませんが、2018年から寿がきや食品のノンフライ製品は具材にも力を入れており、2年ほど前の “寿がきや食品=具材が貧弱” という方程式は崩れつつあります。
そのイメージには「あとのせかやく」の貢献度も高く、今回も多めの粗挽き赤唐辛子で見栄えがいいですし、これまた多めに入っている肉そぼろで満足度アップ‥‥と思いきや後者が曲者。赤唐辛子は見た目のわりに辛くないので、ぜんぶ入れてもピリ辛程度なんですけど、粗挽き唐辛子特有の芳ばしい風味が心地よく、こちらはアクセントに効果的。
で、投入直後の肉そぼろはサクサクとした食感が面白く、ぜんぜん本格的な具材ではないけれど、カップめん限定らしくていいかな、というのがファーストインプレッション。ただ、油脂と麺の熱により、あっというまに湿気てしまいます。それならと容器の底に沈めてみたところ、最後まで中途半端な食感だったので、なまじ量が多かったのもマイナスでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
岐阜タンメンを象徴するアイテムの一つ「辛味あん」は別添されていませんし、ちゃんとした豚肉ではなく中途半端な乾燥の肉そぼろが蛇足的だった——というのが気になったところではあるものの、それを除けば実に高い満足感が得られる本格的な味わいで、ノンフライ麺と液体スープについてはコンビニ(税込257円)で購入しても問題ない完成度の高さ。
あとのせかやくを使わずに自前の一味唐辛子を入れたら肉そぼろ問題は解決ですし、にんにくへのこだわりが「岐阜タンメン」らしく、強烈な豚脂のインパクトと絶妙なタレの塩梅にワザが見えた良品でした。販売店は「イオン」と「ローソン」優先、容器の底にある溝にタレが溜まりがちなので、味が偏らないように途中で何回か意識的に混ぜるのが美味しく食べるポイントです。