どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年7月15日(月)リニューアル発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」(322円+税)の実食レビューです。
地元で愛される “ご当地麺„ にスポットを当てた「日本うまいもん」のセンターを飾る「激にぼ」発売10周年でリニューアル!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ
日本うまいもんとは、全国的な知名度に関係なく一様に、地元民なら誰もが知っている “ご当地麺„ にスポットを当てた即席カップめんブランドで、販売者はマルちゃんで知られる東洋水産。2024年8月現在は「青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」「青森味噌カレーミルクラーメン」「吉田のうどん」「富士宮やきそば」計4品を通年商品とし、ご当地の魅力を発信しています。
このページでレビューする「日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」は、青森が誇る津軽ラーメンの中でも淡麗系に属した「王道系(あっさり系)」とは一線を画す、動物系の白湯(ぱいたん)と煮干しのインパクトを特徴とする「濃厚煮干し系」を再現したカップラーメンで、青森県推奨の県産品PR用シンボルマーク「青森の正直」を掲げた一杯。
東洋水産が自社のウェブサイトで公表している発売日は2018年(平成30年)6月11日となっていますが、この日付は2021年10月11日発売品、2020年6月29日発売品を挟んだ3代前のリニューアル日。初めて「激にぼ」が登場したのは、現在を遡ること10年以上、2014年(平成26年)4月14日なので、こちらが初代の発売日になります。
2年前にシリーズ初の「激にぼまぜそば」を展開していましたが、そちらはスポット商品で、カップラーメンの「激にぼ」は前述のように通年品。パッケージにも名を連ねている津軽ラーメン煮干し会(※)監修は、初代「激にぼ」から続いているステータスなんですけど、東洋水産曰く発売10周年を記念し “煮干し感„ をアップさせた、というのがリニューアルポイント。
このブログで最後にレビューしたのは、まさに3代前の「激にぼ」だったので、かれこれ6年ぶりに取り上げることになるのですが、激にぼ! という衝撃的なタイトルのわりに、煮干し感はマルちゃんらしく万人受けを狙っている、みたいなイメージが強かった一杯。はたして煮干しのクセをアップさせているのか、それとも苦味やエグみを抑え、旨みだけをアップしているのか、そこに注目しながらの実食です。
※「長尾中華そば」「出し屋 五丈軒」「中華そば ひらこ屋」「マルミ・サンライズ食堂」計4店が中心となり、2012年(平成24年)8月に設立。そこに「原食堂」「高長まるしげ」「中華そば 田むら」「丸山らーめん」が加入し、青森の煮干しを使った津軽ラーメンを全国に広めるため、催事への参加や津軽ラーメンに関する情報発信を行なっています。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の組み合わせで、大判どんぶり型のカップラーメンとしては定番の構成なんですけれども、それ以上に注目しておきたいのがノンフライ麺のタイプ。東洋水産の公式ウェブサイトやパッケージにも製法までは記載されていませんが、原材料に “こんにゃく„ を使用しています。
こんにゃくを使用した同社のノンフライ麺といえば、かの有名な「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」が代表的。すなわち「激にぼ」のノンフライ麺にも「生麺ゆでてうまいまま製法(特許5719064号)」を適用しているのだと思いますが、数年前から正麺カップ以外での訴求を減らしているんですよね。実は別物? なんて勝手に悩みたくて、まだ東洋水産には問い合わせていません。←
ちなみにメーカー希望小売価格は322円(税別)に設定されているため、同じシリーズの「青森味噌カレーミルクラーメン」と同じ値段なのですが、先ほど引き合いに出した正麺カップのラーメン系(278円+税)よりも高めの商品。結果、おいしかったらいいじゃん! みたいなところはありますけど、この値段であることも踏まえた上で評価します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:110g(めん70g) 商品コード:4901990378345(JAN) |
発売日:2024年07月15日(月) 実食日:2024年08月17日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ローソン) 小売価格:322円(税別) 購入価格:347円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、植物性たん白、こんにゃく、大豆食物繊維、植物油脂、乳糖)、添付調味料(魚介エキス(煮干しエキス、さばエキス、かつおエキス)、しょうゆ、植物油、食塩、香味油脂、デキストリン、ポークエキス、こんぶエキス、粉末煮干し、香辛料、豚脂、砂糖、発酵調味料、酵母エキス)、かやく(焼豚、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、酒精、かんすい、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香辛料抽出物、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・さば・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は「焼豚」「メンマ」「ねぎ」と王道にしてシンプルの極み。ひとつ前のバージョン(2021年10月11日発売品)を調べてみたところ、そこからのラインナップは変わっていません。っていうか、前回発売品のニュースリリースには “この度のリニューアルでは、「生麺ゆでてうまいまま製法」の麺に改良し„ などと書いてあるんですよ。それは変更した?
いいですねー、悩ませてきますねw などと考えながら熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと5分。時間になったら「粉末スープ」と「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。うっかり “粉末スープを熱湯よりも先に入れると、麺の戻りが悪くなる„ おそれがあるので、調理の際は必ず食べる直前に入れてください。
さて、誰がどう嗅いでも煮干しと分かる香りを漂わせているのですが、引き続きノンフライ麺の系統やスープの煮干し感に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(110g)あたり |
カロリー:362kcal たん白質:12.2g 脂 質:8.4g 炭水化物:59.4g 食塩相当量:6.2g (めん・かやく:1.9g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:231mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:362kcal(めん・かやく:272kcal)(スープ:90kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
スープとの相性を考慮した低加水麺
「生麺ゆでてうまいまま製法」による乾燥麺(という認識で参ります)といえば、どうしてもバリエーションに乏しいイメージが強く、数量・期間限定のスポット商品でも “またお前か„ などと思うことは珍しくありません。しかし、今回のノンフライ麺は、同製法の中でも限界まで加水率を抑えた仕上がりで、以前に絶賛した「琴平荘 味噌そば」を彷彿とさせる臨場感。
食べてみた感じ、琴平荘に使われていたノンフライ麺と完全に同じではないようですが、低加水麺ならではの歯切れはもちろん、なかでも小麦の風味が素晴らしく、ふわっと鼻に抜ける少し粉っぽい香りだったり、舌に滞在させると優しく広がってくる小麦の甘みだったり、やや高めのメーカー希望小売価格を踏まえても充分に納得できる品質。
後述する煮干しスープであれば、それこそ「生麺ゆでてうまいまま製法」が得意としてきた多加水麺を合わせても面白そうでしたけど、津軽ラーメンのイメージ的にも低加水麺にこだわったのは正解で、スープとの相性も申し分ありませんでした。
スープ
煮干し感も然る事乍ら‥‥
「粉末スープ」は煮干し色で、その見た目に違わぬ風味が備わっているのですが、苦味・エグみ・生臭さなど、一般的にネガティブとされる要素は直接舐めても弱く、それよりも甘さが気になる感じ。けれども全体に溶かし込んだ途端、わずかに生臭さが顔を出したので、やるじゃないかと(何目線)。
さらに「液体スープ」を加えると、色味のわりに濃口しょうゆの存在感が強く、芳醇なキレがビシッと味をキメてくるのですが、同時に強まる煮干し感。捉え方によっては物騒にも思える商品名なのに、いわゆるセメント系のように狂った味(絶賛してます)ではなく、しっかりと煮干しを主張させながらも上品な佇まいは、いかにもマルちゃんらしいアプローチ。
とはいえ煮干しの骨密度は表彰もので、魚粉だけでは出せない煮干しエキス特有の旨みだったり、その邪魔をしない程度に脇を固めるサバやカツオの組み方だったり、発酵調味料で特徴を底上げしていたり、ネガティブに思われないギリギリを狙った煮干しのクセを余韻に残したり、発売10年の積み重ねは伊達じゃありません。
ちなみに正麺カップからも定期的に煮干し系の商品(直近だと「ニボ玉」など)がリリースされますが、ここまで濃口しょうゆの個性を主張させてこないので、そこが「激にぼ」との大きな違い。そんなキレと煮干し感を余裕の表情で支えている、土台の豚骨も見どころですよ。
かやく
ハイライトはネギ
焼豚の面積は広めで見た目に華はありますが、そこまで厚みはなく、風味や食感も成型肉特有のそれ。正直、値段相応とは思えない肉具材ですけど、メンマは適度に歯応えが強く、前述の煮干しスープと相性抜群。
ネギもFD(フリーズドライ)加工かつ大きめの斜め切りで、濃口しょうゆの立ったスープと対比を描く、加熱したネギならではの甘みが印象に残りました。
総評
強烈に人を選ぶほど変態的な商品ではないので、コアな煮干しファンには物足りないかもしれませんが、そういうのはエースコックの仕事。いかにも東洋水産らしい万人受けを狙った路線ではあるけれど、スープの主役は間違いなくニボシ。また通年商品であることを加味すると、大きく訴求された「激にぼ」のタイトルも誇張ではありません。
やや値段が高いところは玉に瑕で、そのわりに具材ががが‥‥などと感じた節もありますが、クオリティの高いノンフライ麺とスープから得られる満足感がカバーしてくれるハズ。リニューアル後であれば、しばらくコンビニで見かけることも多いかと思いますので、煮干し系のラーメンが好きな方は要チェックです。【author・taka :a(大石敬之)】