どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月28日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん 激めん きつねラーメン」の実食レビューです。
赤いきつねのお揚げが激めんに!? 激めん×赤いきつね発売45周年コラボで2つの味わいをMIX!! かつてない相乗効果を発揮しているのか、それとも——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
激めん きつねラーメン
激めんとは、1978年(昭和53年)11月の発売以来、北海道を中心に愛されてきたブランドで、名前の由来にもなっている「激しく生きてほしい」という若者に向けたメッセージと「ボリュームのあるワンタンが入った、感 “激” するうまさ」がコンセプト。2023年8月現在は、定番の「激めんワンタンメン」を筆頭に、変わり種の「えびみそ味」と「スタミナ旨辛醤油」を通年販売しています。
今回の新商品「激めん きつねラーメン」は、今年11月に発売45周年を迎える「激めんワンタンメン」をベースに、一足早く発売45周年を迎えた「赤いきつねうどん」の油揚げと出汁(だし)を組み合わせた記念フレーバーで、販売エリアは全国区。さらに “中京以東” で販売していた「激めんワンタンメン」の販売エリアを “全国に拡大” し、さらなるブランドの強化と商品の話題化を狙ってきました。
赤いきつねうどんとは‥‥という解説は不要かもしれませんが、激めんの販売者でもある “マルちゃん” こと東洋水産のロングセラーで、1975年(昭和50年)9月に同社が発売した業界初のカップ入り即席きつねうどん「カップうどんきつね」にルーツを持つブランド。1978年(昭和53年)8月10日から名称を「赤いきつねうどん」に改め、現在に至ります。
前述のように一足早く発売45周年を迎えた「赤いきつねうどん」の記念商品として、2023年8月21日に麺15%増量の「赤いきつねうどん 45周年記念商品」を発売していたのは、記憶に新しい‥‥というか先週の話。結論からいうと、このブログでの評価は “ふつうに美味しい” 程度に落ち着いてしまったのですが、それよりも激めん45周年記念の「激めん きつねラーメン」は企画としての面白みがある商品。
東洋水産のニュースリリースによると、めんの商品特徴にある “なめらかで弾力のある中細麺。” という記載は「激めん ワンタンメン」と共通するため、おそらく同じ仕様。さらにスープの “ガーリックとジンジャー” も共通する訴求になるのですが、新作の「きつねラーメン」には “鰹節と昆布の風味” との記載があるため、これについては「赤いきつね」に由来するエッセンス。
具材の項目における “味付油揚げ” は「赤いきつね」サイドで、中華そばといえばの “ナルト” は「激めん」サイドとバランスを取っているように見えますけど、残念ながら新作の「きつねラーメン」に “ワンタン” は使用しておらず、メンマの表示が “味付メンマ調理品ではない” のも気になるポイント。そして、もっとも私が気になっているのは、賞味期限の右下に表示されている製造所固有記号です。
というのも約5年前、2018年(平成30年)10月1日に「激めん ワンタンメン」の発売40周年を記念して “販売エリアを全国に拡大していた” 東洋水産。その際、北海道の工場から輸送費が掛かる一部のエリアで販売する分は、グループ会社の工場に製造を任せており、私が住んでいる近畿エリア(兵庫県)での販売分は伊万里東洋(佐賀県伊万里市)の佐賀工場(+M11)で製造されていました。
その後、販売エリアを “しれっと中京以東に縮小していた” ように、いろいろと厳しい部分があったのだとは思いますが、それはさておき東洋水産の北海道工場と伊万里東洋の佐賀工場で作る麺には明らかな違いがあったので、ネガティブに言及したことを覚えています。でも、今回の「きつねラーメン」に記載されている製造所固有記号(+M2)は、激めんの本場「北海道工場」での製造を意味する英数字。
開封
個人的に伊万里東洋が製造する「激めん ワンタンメン」がトラウマになっていたので、製造所については安堵したのですが、今回の「きつねラーメン」は「赤いきつねうどん」とのコラボ商品。容器の中に先入れの「粉末スープ」を別添しているのは2ブランド共通の項目になりますが、メンマの表示が “味付メンマ調理品ではない” と前述したように、激めんといえばのレトルトパックは省略されています。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は標準の3分。約5年前にレビューした伊万里東洋版では “望んでもいないのに洗練されている” ような、そして “時間の経過による食感の劣化もオリジナルと比較して早かった” と記憶しているため、その再来でないことを祈るばかり。でも、見た目は本家に近いので、今回は大丈夫かも。
メーカー希望小売価格は236円(税別)に設定されているので、レギュラーサイズの「激めん ワンタンメン」や「赤いきつねうどん」にも共通する値段。販売店は全国のCVS(コンビニエンスストア)、量販店、一般小売店なども対象となっているNB(ナショナルブランド)のカップ麺なので、エンカウント率は高いと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 激めん きつねラーメン 製造者:東洋水産株式会社 製造所:北海道工場(北海道小樽市銭函5-61-1) 内容量:81g(めん60g) 商品コード:4901990375481(JAN) |
発売日:2023年08月28日(月) 実食日:2023年08月30日(水) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:スーパー 小売価格:236円(税別) 購入価格:149円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:370ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、ポークエキス、香辛料、卵白、粉末野菜)、かやく(味付油揚げ、メンマ、なると)、添付調味料(しょうゆ、食塩、たん白加水分解物、香辛料、粉末かつおぶし、粉末野菜、ねぎ、こんぶエキス)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の「粉末スープ」は先入れで、なるほど香りは「激めん」に通じるガーリックとジンジャーのアクセントが強く、同時に「赤いきつね」サイドの和風だしも主張してくるのですが、バランスとしては「激めん」が優勢なファーストインプレッション。ほかに小袋は別添されていないため、粉末スープを入れたら熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。
時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。どどーんと大きな油揚げは迫力のある項目で、ナルトとメンマが中華そばサイドの雰囲気を漂わせてはいるものの、企画としては「激めん」の周年記念商品なのに、ワンタンとレトルトのメンマは入ってなくて‥‥いや、でもパッケージのカラーリング的に「赤いきつね」がベースなのか?
そもそも商品名は「きつねラーメン」だから、うーん‥‥などと、なんだか複雑な気持ちになっているのですがw なにはともあれ引き続き「激めん」らしさと「赤いきつね」の個性とバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(81g)あたり |
カロリー:359kcal たん白質:10.1g 脂 質:15.3g 炭水化物:45.1g 食塩相当量:5.2g (めん・かやく:1.7g) (スープ:3.5g) ビタミンB1:1.70mg ビタミンB2:0.24mg カルシウム:146mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:359kcal(めん・かやく:324kcal)(スープ:35kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく北海道の「激めん」と同じ仕様
約5年前に食べた伊万里東洋の油揚げ麺は、東洋水産の北海道工場製造と比較して “望んでもいないのに洗練されている” ような、そして “時間の経過による食感の劣化もオリジナルと比較して早かった” と前述しましたが、今回の「激めん きつねラーメン」に使われている油揚げ麺は「激めん」お膝元の北海道工場で製造されたもの。
私は近畿エリアのローカルスーパーで購入したので、たとえば九州エリアだと製造所が異なる可能性もありますが、伊万里東洋の「激めん ワンタンメン」で気になった違和感は皆無に等しく、切刃の形状だったり、ふかふかとした独特の弾力だったり、揚げ油の風味だったり、いずれも北海道の「激めん ワンタンメン」と大きく変わりません。
後述する粉末スープの構成が違うため、それに伴う変化はありますが、そうそうこれこれ‥‥と、久々に食べても伝わってくる「激めん ワンタンメン」らしさに一安心。お揚げのフタでスープの温度が低下しにくい分、オリジナルよりも柔らかくなるスピードが若干ながら早いと感じたのですが、それについても許容範囲内。スープとの相性も悪くなかったので、特に引っ掛かることなく楽しめました。
スープ
関西の某袋麺に通じる味わい
そこそこ強い生姜のキレに、これまた強めの胡椒が織り成すキリッとしたテイストは、まさに「激めん ワンタンメン」らしい要素。しかし、昆布の存在感は「激めん ワンタンメン」よりも強く、それには使われていない粉末かつお節のパンチは「赤いきつねうどん」側のアピールで、糖類も甘味料も使用していないのに、こっくりと後引く甘さが口の中に残るのも面白いポイント。
おそらく甘さについては具材の油揚げに由来するもので、イメージとしては「激めん ワンタンメン」と「赤いきつねうどん 北海道」を足して半分に割ったような、じわじわとクセになる味わい。最初は香味野菜と香辛料がピリッと、次に和風だしが来て、最後に甘さが残る、なかなか中毒性の高い味わいでした。他社の製品を例に挙げますけど、ハウス食品の袋麺「好きやねん」に通じる魅力ありますね。
かやく
圧倒的に「赤いきつね」が優勢
メインの油揚げは、いつもの「赤いきつねうどん」に入っている油揚げと同じもので、たとえばコンビニ限定の “2枚入り” だと1枚あたりのサイズが小さくなりますが、きちんとレギュラーサイズ。ちょっと大きめのナルトは「激めん ワンタンメン」からのアイテムで、ラーメンらしさを演出する上で効果的(個体差なのか、風化した感じの風味が気になったけど)。
「激めん ワンタンメン」にはレトルトタイプの “かやく調理品(加熱殺菌済)” が入っているのに対し、こちらは使い回しの乾燥メンマ。さらに大きな油揚げとのトレードオフかワンタンも入っていませんけど、前述のスープと油揚げの相性は面白く、そこには2ブランドならではの相乗効果を感じました。
総評
「激めん ワンタンメン」らしさに比重を置くと、自慢のワンタンやレトルト調理品が入っていなかったり、かといって「赤いきつねうどん」らしさに比重を置くと、それはそれで物足りなさを感じたり、こだわればこだわるほど中途半端に思える一杯でもあるのですが、これはこれと割り切れば悪くありません。
刺激的な要素と甘い余韻の組み方がノスタルジックで、どことなく斬新で発展途上な感じがエモいというか、うん。なんか、ふわっとした感じのコメントになってますけどw 要約するなら甘い和風テイストのラーメンという、結果的に新作としては珍しいジャンルを突いていたので、とりあえず挑戦してみる価値はあると思います【author・taka :a(大石敬之)】