どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年2月19日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン」(271円+税)の実食レビューです。
富士山×二郎インスパイア!? 逆立ちカップで度肝を抜いた「富士郎」まさかの “富士山世界文化遺産登録10周年記念” を理由に大復活!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン
富士郎(ふじろう、FUJI-RO)とは、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品のオリジナル商品で、富士山に見立てたデザインのカップと、昨今のラーメン業界を牽引している二郎系・二郎インスパイア系と呼ばれるジャンルのラーメンを組み合わせたコンセプトが名前の由来。
今回の新商品「サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン(キャベツ大盛りニンニク豚骨醤油 〜Extra Cabbage Garlic Tonkotsu Shoyu Ramen〜)」は、2023年(令和5年)6月22日に “ユネスコ世界文化遺産登録10周年” を迎えた「富士山」の周年記念を祝うカップラーメンで、まさかのフタを底面に配置し「富士山」らしさを強調している、とても斬新な一杯となっているのですが‥‥
現在を遡ること10年以上、2014年(平成26年)2月17日にも同じタイトルの「サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン」を発売していたサンヨー食品。当時も “あえて逆さまに陳列させる” かなり強引なパッケージを採用していたので、そういえば前にも見たことあるな‥‥と、記憶に残っている方も少なくないでしょう。
その初代「富士郎」発売から約4ヶ月後、2014年6月23日に “赤富士” を彷彿とさせる「サッポロ一番 富士郎 辛豚骨醤油ラーメン」をリリースし、またもや注目を集めることになったのですが、それっきり。近年の即席カップめん市場といえば、コロナ禍を追い風に「二郎インスパイア系」の波が押し寄せたので、それを機にシレッと復活するのかと思いきや、満を持しての続編は本家(?)富士山とのコラボ商品という驚きの展開です。
またパッケージに「富士急ハイランド」のロゴと、公式キャラクター「絶叫ハイランダー」の姿も起用されているように、株式会社富士急ハイランドも商品開発に協力しているのですが、私は「絶叫ハイランダー」について詳しく把握しておらず、あらためて調べてみたんですけど‥‥ええじゃないかレッドはフジヤマブルーをライバル視しているらしく、フジヤマブルーはレッドに興味なしで、ブルーはドドンパピンクのヒモ。
トンデミーナグリーンは、ええじゃないかレッドのパシリらしく、ナガシマスカイエローは敵(ジュッカー)のグッズを勝手に作って儲け、高飛車ゴールドについては公式の情報がない——設定最高かw ちなみに “やる気がない絶叫ハイランダー” と対極を成す新ヒーロー「超高速Qファイター」も存在するようですが、あえて絶叫ハイランダーを起用しているあたり、あかんフジヤマブルーのヒモらへんジワるw
——閑話休題、まさかの10年ぶりに復活した「サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン」ですが、引き続き逆さパッケージは据え置きで、富士急ハイランド&富士山世界文化遺産登録10周年記念を除くと商品そのものは再販に近い雰囲気。とはいえ製品情報や栄養成分表示など、それらも逆さまに印刷する徹底ぶりで、10年も空白期間があると新鮮に思えなくもありません。
ぜったい逆さまに陳列してくれ! というサンヨー食品の意思が強く感じられるパッケージとなっているのですが、フタを逆さまにしたままだと食べられないので、調理方法だけはフタを上にしないと真っ直ぐに読めないようになっている、あらやだ真面目。このブログで初代「富士郎」はレビューしていませんが、当時の感想はメモに残してあるので、10年越しの進化に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「仕上げの小袋」1パックのみで、サンヨー食品の縦型カップではテンプレといっても過言ではないスタイル。ただ、10年前の「富士郎」には粉末の「特製スープ(先入れ)」と「液体スープ(後入れ)」を別添していたので、いきなり大きな仕様の変更を感じるポイント。
パッケージに「キャベツ大盛り」とあるように、フタを開けると大量のキャベツが出迎えてくれたのですが、逆さ陳列という特殊な環境上、場合によっては麺の下に具材が移動しているかもしれません。二郎インスパイア系を象徴する “もやしは入っていません” が、10年前も入っていなかったので、ここは同じようなファーストインプレッションです。ちなみに余談なんですけど、もやしを漢字で書くと「萌やし」なんですって(ほんとに余談)。
メーカー希望小売価格は271円(税別)なので、他社の商品を例に挙げると日清食品の「カップヌードル ビッグ」だったり、明星食品の「一平ちゃん夜店の焼そば 大盛」だったり、東洋水産の「赤いきつねうどん でか盛」だったり、2024年2月現在の即席カップめん業界全体に通じる大盛り製品の基準に則った値段。販売店はコンビニを中心に、スーパーやドラッグストアにも流通しているため、このインパクトですから、取扱店は少なくないと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 富士郎 豚骨醤油ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:102g(めん70g) 商品コード:4901734052975(JAN) |
発売日:2024年02月19日(月) 実食日:2024年02月22日(木) 発売地域:全国 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:271円(税別) 購入価格:267.84円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(仕上げの小袋) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、砂糖)、スープ(食塩、豚脂、しょうゆ、糖類、植物油脂、香辛料、ポークエキス、たん白加水分解物、にんにく調味料、酵母エキス、ポーク調味料、発酵調味料、油脂加工品)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸カルシウム、カラメル色素、レシチン、かんすい、香辛料抽出物、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、増粘剤(キサンタン)、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、けっこう太めのサイズに切り出されているように、湯戻し時間も5分と長め。サンヨー食品の縦型カップにフライ麺が搭載されていた場合、アタリ(ノンフライ級の本格さ!)とハズレ(さすがに安っぽくない‥‥?)の差が激しく、このブログでは鬼門のように扱っているのですが、二郎インスパイア系というコンセプト的に、わしわしと力強いワイルドな仕上がりに期待したいところ。
別添の小袋は後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「仕上げの小袋」を温めながら待つこと5分。正しく調理しているハズなのに、容器側面のイメージ画像や商品名も逆さまで、なんというか見れば見るほど不思議な感覚に陥ってしまったのですが‥‥w アレですかね、このデザインで三半規管に訴えかけて “FUJIYAMA” や “高飛車” の搭乗感を表現的な(おそらく高確率で違う)。
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、単純に “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き10年前からの進化と二郎インスパイア系ならではのインパクトに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(102g)あたり |
カロリー:451kcal たん白質:8.5g 脂 質:18.1g 炭水化物:63.4g 食塩相当量:6.8g (めん・かやく:2.1g) (スープ:4.7g) ビタミンB1:0.36mg ビタミンB2:0.26mg カルシウム:162mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:451kcal(めん・かやく:363kcal)(スープ:88kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「野郎ラーメン」監修の流れを汲んだ仕様
サンヨー食品の二郎インスパイア商品といえば近年、渋谷センター街のド真ん中に総本店を構える「野郎ラーメン」とのコラボが印象に的で、過去のレビューと今回の原材料名「小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、砂糖」を照らし合わせると、セブン-イレブン限定の留型として商品化された「野郎ラーメン 豚骨野郎ラーメン」(2022年12月6日発売品)と完全に一致。
それと比較して若干ながら厚みが増しているような形状ですが、太めのフライ麺だと食べ始めに発生しがちなサクサクとした戻りムラは目立っておらず、それでいて硬めの歯応えを実現。しばらくするとフカフカした食感も加わってきますけど、ソフトな部分は表面だけで、すこしずつ凝りは解されながら、中心部には最後まで一定の噛み応えが残ります。
揚げ油に由来するニオイも強いため、フライ麺の限界が否めない部分もありますが、ふかふかとした軽さは10年前ほど目立っておらず、たしかな進化を感じる仕上がり。——いや、10年ですからね、そりゃ進化してないと困るわけなんですけれども。揚げ油に由来する特有のニオイも含め、後述するスープとの相性は悪くありませんでした。
スープ
10年の間に何が‥‥
まずは「仕上げの小袋」を入れずに味を確認してみたところ、かなり小さな粒状のニンニクが入っていたので、大切な商談やデートの直前に食べるのはヤメとけレベルには達していたのですが、生おろしニンニクや刻みニンニクほどのインパクトではありません。また “うまみ” のベクトルも即席カップめんド真ん中というか、だいぶ人工的な味わいで、しょうゆも軽めのアプローチ。
別添されている「仕上げの小袋」は、甘みのある豚脂とガーリックオイルを組み合わせたような構成で、動物系のコクが強化されるだけでなく、ニンニクの表情にも広がりを見せてくれるのですが、内容物はオイルのみ。液体しょうゆ特有のキレなどがプラスされることはなかったので、いっそのこと生おろしニンニクを別添したほうが——などと、粉末ならではの軽さが目立っているように感じました。
ちなみに10年前の「富士郎」は、豚ガラの旨みを中心に、炊き出し感の強い複数のポークエキスをブレンド。さらに背脂の風味を効かせ、旨みの強い濃縮醤油を合わせるなど、なかなかに骨太でしたから、そこからの退化は否めなかったです。
かやく
キャベツの甘みが際立っていた
前述のように萌やし(または「糵」とも書くらしい)は入っていませんが、キャベツのボリュームは凄まじく、これについてはスープの軽さがプラスに作用して、特有の甘みが目立つ目立つ。片や肉そぼろは少量なので、例の豚(ブタ)よろしく強烈な存在感ではないけれど、ジャンクな味付けとスープのフィッティングに違和感はありません。
この項目については10年前から変わっていないため、新しい変化を感じたかった思いもありますが、とにもかくにもキャベツの食べ応えは印象に残ると思います。
総評
二郎インスパイア系のブームを受け、即席カップめん業界における二郎インスパイア商品の水準も大幅に上がったことから、スープの軽さを筆頭に、どうしても物足りなさは否めません。ただ、スナック的な二郎インスパイア系というポジションは独特で、これはこれと割り切ればクセになる感じ。
スープの退化は残念なポイントになりますけど、時代錯誤の安っぽさは再販を待ち望んでいたファンに対するアンサーだったのかも‥‥っていうのは考えすぎか。何はともあれ結果的に楽しめたのは事実ですし、逆さカップのアイディアとインパクトも含めての総評です。それに、この流れで “辛い富士郎” が復活する可能性もあるので、しばらく期待しながら待ってみましょう【author・taka :a(大石敬之)】