どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月23日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「ファイヤーホール4000 四川火鍋風ラーメン 旨辛麻辣仕立て」の実食レビューです。
東京・五反田の「火鍋伝道師」菰田欣也シェフ監修のカップラーメンが新登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ファイヤーホール4000 四川火鍋風ラーメン
「ファイヤーホール4000 -firewhole4000-」とは、栄養薬膳師であり “火鍋伝道師” の異名を持つ菰田欣也(こもだ きんや)シェフが提案する新しいスタイルの四川火鍋(フゥオグゥオ、ひなべ)及び宜賓燃麺(イービンランミェン)の専門店で、2017年9月1日設立「株式会社whole4000」が運営している人気中華料理店です(代表取締役:菰田欣也社長 / 旧店名「ファイヤーホール陳」)。
今回の新商品「ファイヤーホール4000 四川火鍋風ラーメン」は、サッポロ一番ことサンヨー食品と菰田欣也シェフの共同開発商品で、「ファイヤーホール4000」がカップ麺になるのは今回で2度目になんですけど、前回は「サッポロ一番 ファイヤーホール4000 菰田欣也シェフ監修 四川汁なし担担麺」という汁なしカップ麺でした。
同店監修の「四川汁なし担担麺」は、特許出願中のノンフライ特製幅広麺を使用した湯切り調理タイプの商品で、お店の宜賓燃麺(ピリ辛和え麺)を馴染みのある “汁なし担担麺” にアレンジしたもの。対する今回の「四川火鍋風ラーメン」は、実店舗で提供されている「火鍋」に〆(しめ)の麺を入れた味わいを “再現” したラーメンで、実は販売店が限られています。
商品パッケージにPB(プライベートブランド)のマークはありませんが、セブン&アイグループとサンヨー食品の共同開発商品で、セブン&アイ系列のコンビニ「セブンイレブン」及びIYグループのスーパーマーケット「イトーヨーカドー」「ヨークベニマル」「ヨークマート」のみ販売店として登録されている “セブン&アイ限定” のカップラーメンとして開発。
(値札横の「*」マークは軽減税率の対象商品表示)
セブンプレミアムではないセブン&アイ限定のPBカップ麺なので、販売者であるサンヨー食品のオフィシャルサイト及びセブン-イレブンの公式ウェブサイトにも製品情報は掲載されていませんが、セブンイレブンでの店頭表示価格は218円(税込235円)。そして、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)でも同じ値段で販売されていました。
「ファイヤーホール4000」は、昼と夜で別の顔を持ち、「昼の部」は成都式燃麺(あっさり)や重慶式燃麺(濃厚)といった汁なしの「燃麺」(和え麺)、並びに担々麺や肉骨茶湯麺、火鍋湯麺といった汁ありの「湯麺」(ラーメン)を提供。「夜の部」は菰田欣也シェフこだわりのスープと厳選された食材を頂く「四川火鍋専門店」となり、今回は “夜の部” かつ鍋の締めを再現。
昼の部でも「火鍋湯麺(フォーコータンメン)」という “火鍋” の文字を冠した商品を提供していますが、菰田自家製完全発酵豆板醤と新鮮な群馬県産の加藤ポークを使用し、薬膳系の印象が強い火鍋のスープをベースにしつつ、薬膳チックなテイストよりも唐辛子の辛さ(辣)や花椒の痺れ(麻)を際立たせているのが特徴なので、あくまでも湯麺の一つとして調理されたもの。
対する今回は “火鍋の〆に麺を入れた味わい” を再現したラーメンと容器側面にも書いてあるため、麻辣(マーラー)仕立ての痺れと辛さレベルはもちろん、火鍋らしい薬膳系のテイストにも注目しながらレビューしたいと思います(※前回の同店監修商品「汁なし担担麺」の詳細は、「サッポロ一番 ファイヤーホール4000 菰田欣也シェフ監修 四川汁なし担担麺」の記事をご参考ください)。
開封
容器側面にデザインされている火鍋のイメージ写真は、中央を太極の「陰陽」に見立てて仕切った鴛鴦火鍋(おしどり鍋)といい、湯麺ではなく火鍋らしさを演出(※製品に仕切りはありません)。別添の小袋は「液体スープ」が1袋、最初から容器中に入っている “エースコック式” の別添方法を採用しています。
エースコックはサンヨー食品グループの子会社なので、ある意味ちょっと関係性を思わせる瞬間だったりもするのですが、製造所は群馬県前橋市にある太平食品工業の本社工場(製造所固有記号 A)とのこと。太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した直属の製造部、つまり “サッポロ一番の本社工場” という認識で問題ありません。
具材は青梗菜、鶏つみれ、唐辛子、椎茸、ネギの4種類で、大きな鶏つみれと椎茸が鍋っぽさを演出。ちなみに前回の「汁なし担担麺」は、正式な商品名や商品パッケージにも “サッポロ一番” と書いてあったのに対し、今回は “サンヨー食品” となっているのですが、これは2019年4月から「サッポロ一番」という自社ブランドを明白に差別化するため、社内方針を変更したのが理由です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ファイヤーホール4000 四川火鍋風ラーメン 旨辛麻辣仕立て 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場(A)群馬県前橋市朝倉町555-4 内容量:105g(めん70g) 商品コード:4901734038474(JANコード) 商品サイズ:φ112×118(mm) 発売日:2019年09月23日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(小麦全粒粉5%)(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、粉末卵)、スープ(糖類、食塩、香辛料、豆板醤、ポークエキス、みそ、植物油脂、豚脂、発酵調味料、四川醤、しょうゆ、野菜粉末、酵母エキス、カキエキス調味料、たん白加水分解物)、かやく(チンゲン菜、鶏つみれ、唐辛子、椎茸、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酒精、かんすい、レシチン、増粘多糖類(キサンタン)、香料、微粒二酸化ケイ素、パプリカ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・魚醤(魚介類)を含む)※カキエキス調味料に魚醤をしていますので、魚介類が含まれています。 |
実食開始
麺量は縦型ビッグの平均値70g(やや少なめ)で、前回の「汁なし担担麺」では特殊な幅広ノンフライ麺を採用していましたが、今回の「四川火鍋風ラーメン」には熱湯3分の油揚げ麺を採用しています。実は小麦全粒粉が練り込まれていて、そのの含有率は5%とのこと。ただ、ほとんど調理前の見た目は意識してみても全粒粉の粒は見えません。
別添の液体スープは後入れで、いつもサンヨー食品の小袋は “仕上げの小袋” となっていることが多いのですが、今回は定番の基本デザインではなく「液体スープ」となっています。たとえば最終加工は自社工場でもスープや調味油、ふりかけといった別添の調味料は個別の下請業者に依頼していることが多く、小袋の別添方式も特殊ですし、いつもとは違う下請業者なのかも——
などと憶測していたのですが、それはさておき熱湯3分後、軽く混ぜて粉末スープを溶かし(※とろみ成分が含まれています)、液体スープを入れて再度よく混ぜたら出来上がり。お、けっこう具沢山ですね。それでは、唐辛子の辛さと花椒の痺れ、火鍋らしさに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)当たり
カロリー:435kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:435kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:102kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
まず「しなやか」という単語が真っ先に浮かんだ細めの油揚げ麺で、加水率は低く、粘り気のある弾力よりもプリッ、とした歯切れの良さを重視した低加水麺が採用されています。また、丸刃でカットされているため口当たりに攻撃性はなく、思いのほか油揚げ麺特有の風味も弱いですし、縮れも控えめで悪くありません。
お店の麺は黄色味がかっていて、喉越しの良さと硬めの茹で加減が特徴。対する今回の麺は比較的に白く、表面にもザラつきを覚えますが、おかげでスープとの絡みは良好で、中心に芯を残す食べ始めの歯応えは共通点。調理前には目立っていなかった全粒粉の粒も調理後は視認できますし、意識して何度も噛んでいると全粒粉特有の歯触りも楽しめます。
あまり耐久性のある麺とは言えないため、途中からプリプリとした歯切れのいい軽めの食感になりますが、油揚げ麺臭が弱い分、時間が経ってもスープが野暮ったくなることはありません。それに麺が柔らかくなればなるほど全粒粉の粒が分かりやすくなるメリットもあり、今回のスープと柔らかくなってからの麺は相性がよく、弾力の衰えを劣化と思わせない仕上がりでした。
スープ
本場・中国の火鍋は牛脂(ヘット)の癖が強く、氷砂糖や醪糟(ラオザオ)という甘酒のようなものを入れ、漢方薬にも使われる香辛料や薬草をふんだんに使い、唐辛子の辛さも花椒の痺れも強めに効かせてあるため、日本で女性に人気の火鍋とは別物。対する今回のスープは、菰田欣也シェフが日本人用にアレンジした「麻辣豆板醤スープ」をイメージしたもので、辛さも脂っ気も強くありません。
別添の液体スープは独特の味わいで、牛脂の癖はなし。オイル分は豚脂(ラード)と辣油、花椒オイルをブレンドしたようなものを使用。比率としては唐辛子の辛さ(辣味)よりも比較的に花椒の痺れ(麻味)が強く、それも花椒オイル特有の膨よかなコクのある痺れ。それと同時に甘さも強いのと、ちょっと漢方を思わせる薬膳系のエキゾチックなスパイス感が個性的なポイント。
お店と同じく油脂は適切な量に抑え、味付けは豆板醤に和味噌や軽く醤油を重ねることで日本人向けに調節しつつ、四川醤(味付ラー油)で本格感も表現。さらに菰田シェフが惚れ込んだ群馬県産のブランド肉・加藤ポークをイメージしてか、動物系はポークにスポットを当て、鍋の締めらしく粉末野菜で野菜の溶け出した旨味も意識。
薬膳チックなテイストもさることながら、効果的だと感じたのはカキエキス調味料による牡蠣と魚醤の旨味で、じわじわ後半にかけて旨味が増幅——麻辣味でも、いわゆる麻婆麺(マーボーメン)のスープではない、ちゃんと「火鍋」らしさが見える複雑な味わいに「ファイヤーホール4000」監修の個性を感じました。
具材
スープは豚の旨味をベースにしていましたが、メイン具材は大きめの鶏つみれで、ギュッと旨味が濃縮されているような味付けから、サイズ以上の食べ応え。意外と多かった椎茸はスープの味にも寄与しており、ふと口の中に飛び込んできて自己主張を放ちます。
もっとも具材の中でウェイトを占めていたのはチンゲン菜で、2/3くらいはクタッとした葉の部分が中心ではあったものの、それなりに歯応えのある軸の部分も大きくて好印象。しゃきしゃきとした食感と中国野菜特有の風味が雰囲気を高めてくれますし、ネギも小葱ではなく鍋を意識して大きめにカットされていたことにもこだわりを感じました。
その他、棗(なつめ)や龍眼(りゅうがん)、枸杞の実(くこのみ)など、漢方食材が入ってると強烈な個性派に仕上がったと思うのですが、税込235円のカップ麺としては充実した内容です(※ちなみに今回は同じセブンイレブンで2個購入していたのですが、もう片方の商品には鶏つみれが5個入っていました。おそらく鶏つみれの数は、平均3〜5個くらいだと思います)。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
2019年に入ってからというもの、サンヨー食品からリリースされる縦型ビッグ(タテビッグ)系統の変わり種はパッとしない製品が多く、スープは美味しくても麺がショボかったり、麺とスープは美味しくても具材が頼りなかったり——で、同じ製品スタイルの今回「ファイヤーホール4000 火鍋風ラーメン」も正直ぜんぜん期待してなかったんですけど、なんのこれしきアタリです。
そんなに辛くないので、激辛・激痺のインパクトに期待してはいけませんが、ちょっと硬めに仕上がる全粒粉入り麺に充実の具材、そして漢方食材を使った薬膳系のテイストが火鍋らしい個性を表現している良品だと感じました。セブンイレブン及び系列スーパーのIYグループでも販売されているので、独特の味わいが気になる方はチェックしてみてください。