どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年4月11日(火)新発売、ファミリーマートのカップ麺「ファミマル ねぎどっさり 豚骨ラーメン」の実食レビューです。
セブンプレミアムからファミマルに移籍!? ついに「博多だるま」監修の “銘店紀行” も消滅か‥‥? 明星食品にも取材を試みた結果、まさかの回答に——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ファミマル ねぎどっさり 豚骨ラーメン
今回の新商品「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」は、ファミリーマートが展開しているプライベートブランド・ファミマル(famimaru)のカップラーメンで、公式の情報曰く “ファミマルで、ねぎどっさり豚骨ラーメンが縦型ビッグサイズで登場しました。豚の旨味をベースに、ガーリックとホワイトペッパーで味を調えた豚骨スープです。歯切れの良い極細ノンフライ麺を使用しています。” とのこと。
共同開発者は東京都渋谷区千駄ケ谷に本社を構える明星食品で、同じ日に「横浜家系 豚骨醤油ラーメン」という縦型ビッグのカップラーメンもリリースしているのですが、この組み合わせを見た瞬間に疑問が浮かびました。どちらもノンフライ麺を搭載しており、メーカーは明星食品で、縦型ビッグの容器を使っている。これって、もしやセブンプレミアムの「銘店紀行」から流れてきたのでは‥‥?
銘店紀行(めいてんきこう)とは、数年前に明星食品が担当していたセブン&アイグループ専用の大判どんぶり型カップめん「地域の名店」シリーズの後身で、2018年1月より縦型ビッグの「銘店紀行」にリニューアル。当時、日清食品が担当している7PG(日清名店仕込み)との差別化を目的にリブランドを余儀なくされたのではないかと取材を試みたのですが、当然ながら事実は公にされていません。
そんな「銘店紀行」には、かつて「地域の名店」シリーズ時代を共に駆け抜けた「中華蕎麦とみ田」や「博多だるま」「六角家」「もちもちの木」「新福菜館」らの名が並び、いずれも本格的なノンフライ麺を搭載していたのが特徴で、新たに明星食品とのパイプが繋がった銘店もあったのですが、2020年9月4日に「六角家」が横浜地裁より破産開始決定を受け、約20年続いた明星食品とのコラボは終了。
「銘店紀行」の中でも通年品の座を獲得していた「六角家」監修のカップ麺も必然的に終売となり、2023年4月15日現在のセブン-イレブン・ジャパン公式ウェブサイトに掲載されている「銘店紀行」の商品情報は四代目「博多だるま」(2021年7月5日発売品)のみとなっているため、念には念をと明星食品に問い合わせてみたところ、まだ「銘店紀行 博多だるま」は製造中との回答でした。
しかし、ファミマルの新作「横浜家系 豚骨醤油ラーメン」は、かつての「銘店紀行 横浜ラーメン六角家」を想起させる仕上がりで、しかもスポット品(数量・期間限定)ではない通年商品。さらにノンフライめんタイプの「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」を同時発売という流れから、前述の疑問に繋がった次第です。
というわけで、それについて明星食品に取材を試みたところ、関係者曰く「いや〜‥‥企業様(コンビニ)が違いますので、そこは関係ないと思いますけど‥‥苦笑」とのこと。——思いますけど? つまり裏を返せば “まったく関係ないと断言できない理由がある” と受け取れなくもない(性格悪いw)
ついでに四代目「銘店紀行 博多だるま」(2021年7月5日発売品)の終売予定についても尋ねてみたところ、現段階は予定していないとの回答だったのですが、まったく共通点がないとも思えないので、それとの違いや共通点に注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、食べる直前に加える「仕上げの調味油」1パックのみで、下段に “豚骨の香りを効かせた調味油です。” との記載あり。セブンプレミアムの「銘店紀行 博多だるま」に別添されている小袋(香りの一撃)には、独特の獣臭を伴うオイルを充填しているため、それに近いのかどうかも見どころの一つ。
かやくはチップ状のチャーシューとネギの組み合わせで、細切りのキクラゲや背脂加工品などは入っていませんが、商品名にもなっている “ねぎどっさり” の訴求は「銘店紀行 博多だるま」の特盛ネギを想起させるポイント。しかし、フリーズドライの小葱(輪切り)に太めの葱(斜め切り)を合わせ、よく見ると熱風乾燥の青葱が入っているところも異なります。
また販売価格だけ見るとコスパ的に優勢なのはファミリーマートで、セブンプレミアムの「銘店紀行」は228円(税込246円)なのに対し、ファミマルの「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」は184円(税込198円)と差額は税込48円。それだけに求められる要素も変わってきますけど、コンビニで他の商品よりも手に取りやすい値段は大きな強みになりますからね。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ファミマル ねぎどっさり 豚骨ラーメン 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社 埼玉工場(埼玉県比企郡嵐山町川島2360) 内容量:88g(めん65g) 商品コード:4902881476294(JAN) |
発売日:2023年04月11日(火) 実食日:2023年04月15日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:184円(税別) 購入価格:198円(税込) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯1分 小袋構成:1袋(仕上げの調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、香味調味料、卵粉)、スープ(ポークエキス、食塩、香味調味料、豚脂、デキストリン、香辛料、香味油、糖類、たん白加水分解物、酵母エキス)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工デンプン、増粘剤(キサンタンガム)、炭酸カルシウム、香料、乳化剤、かんすい、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げずに乾燥させたノンフライ麺で、湯戻し時間は明星食品の得意分野である熱湯1分の極細バリカタ仕様。前述のようにセブンプレミアムの「銘店紀行」はノンフライ麺を特徴とするシリーズで、なかでも四代目「博多だるま」には “銘店級のバリこし麺” を搭載しているのですが、湯戻し時間は熱湯3分と長めに取ってあります。つまり、それとは別物。
湯戻し時間が短いため、気持ち程度な感じになりますが、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「調味油」の小袋を温めながら待つこと1分。時間になったら「調味油」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。なんですけど‥‥なんか想像以上に “ねぎどっさり” だった件w(ちなみにチャーシューの下にも隠れてます)
——いや、もっとネギ推しのカップラーメン※ も過去にありましたけど、縦型カップのネギとしては随分と多めに入っていたので、それに豚骨が負けていないかどうかにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※サンポー食品やりすぎ “帰ってきた” 祭盛「ねぎ博多豚骨ラーメン」が衝撃的すぎるから試してほしい、マジで。
栄養成分表示:1食(88g)あたり |
カロリー:350kcal たん白質:13.0g 脂 質:9.3g 炭水化物:54.9g (糖 質:52.4g) (食物繊維:2.5g) 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.72mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:198mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:350kcal(めん・かやく:303kcal)(スープ:47kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
コンビニPBの中では最高峰
先にファミマルのノンフライ麺は「銘店紀行 博多だるま(四代目)」と比較して別物と前述したように、原材料名の並びなども同じではなかったのですが、念のためブログ内の過去記事を漁ってみたところ、熱湯1分(60秒)の商品ではセブン&アイグループ限定の「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」(2022年3月14日発売品)と完全に一致。
原材料名の構成だけ見ると明星史上最短の湯戻し時間(55秒)を記録した「ザ・バリカタ55 金田家 濃厚とんこつ」(2023年2月6日発売品)とも共通しているのですが、それよりも「辛だるま 旨辛玉子とじ麺」や「博多バリカタ ネギ豚骨」(2022年1月24日発売品)の系譜に連なる質感で、つまりはコンビニで184円(税込198円)の縦型ビッグ製品に使っていいような代物ではありません。
熱湯1分きちんと守ってからフタを開けて、別添の調味油を投入し、粉末スープを完全に溶かして‥‥などと調理している間に30〜40秒ほど経過していると思いますが、それでも群雄割拠のカタめん合戦で上位に食い込む歯応えが楽しめます。ただ、プツンと切れる小気味好い歯応えや小麦の風味など、この麺が持つポテンシャルを最大限に活かしたいのであれば、調理後さらに30秒ほど休ませてみてください。
スープ
あっさりだけどコク深い
ひとくちに豚骨ラーメンといっても系統は様々で、激戦区の九州を例に挙げても久留米・長浜・博多で異なる特色を備えているのですが、実際のところ線引きは曖昧。ただ、ファミマルのスープに久留米の伝統技法(呼び戻し)を想起させる熟成感はなく、どちらかといえば “あっさり” とした味わいで、豚骨臭や獣臭など、一般的にネガティブとされるニオイは最小限に抑えてあります。
しかし、豚骨が希薄なわけではありません。玄人向けのハードな個性こそ抑えてあるものの、まったりと口いっぱいに広がる骨の旨みは明白で、乳等を主要原料とする食品やクリーミングパウダーは不使用なのに、丹念な下処理を終えた豚骨を長時間じっくりと炊き出したような、ミルキーで乳化感の強い旨みが楽しめます。さらに、それと対比を描くホワイトペッパーのアクセントも絶妙な加減。
「仕上げの調味油」には豚脂を中心とする動物油脂が入っているため、フタの上で1分だと完全には溶けなかったのですが、それは大きな問題ではなく、少量でも効果覿面。何度も引き合いに出している「銘店紀行 博多だるま」の別添ほど個性的なクセはなく、牛脂もブレンドしていないため、独特の獣臭こそ楽しめないけれど、動物油脂だからこそのコクでスープの味がグッと深まります。
糖類で甘さの演出を図っているのですが、そこまで野暮ったい主張ではなく、むしろ脳内で豚骨の甘さにリンクするような、想像以上に計算されたフレームワークだったので、値段以上の価値が見出せました。調理直後はネギに負けないか不安だったんですけど、なんのこれしきです。ただ‥‥
かやく
熱風乾燥のネギは省いたほうがよかったかも?
チップ状のチャーシューは同時発売品の「横浜家系 豚骨醤油ラーメン」と共通で、めちゃくちゃ高級感のあるタイプではないけれど、肉の旨みが感じられない大豆たん白加工品(フェイクミート)よりも肉らしいトッピング。
フリーズドライのネギ(輪切り・斜め切り)は柔らかく、風味も食感も主張が穏やかなのに対し、熱風乾燥のネギは少量でも存在感が強いので、スープの方向性的に後者は蛇足に思えたのですが、商品名にもなっている「ねぎどっさり」のインパクトを表現する上では効果的でした。
総評
もっと個性的なスープのカップラーメンは他にもあるので、この商品を選ぶ理由はコストパフォーマンスの高さに尽きるといっても過言ではないけれど、それについては文句の付け所が見当たりません。なかでもバリカタ仕様のノンフライ麺については破格の仕上がりなので、そこに値段以上の価値が見出せる一杯です。
これから「銘店紀行 博多だるま」が姿を消すか否かで話は変わってきますけど、ある種の互換性を感じたファミマルのカップラーメン。正直、私が邪推しているだけで、まったく関係ないのかもしれません。ただ、今回の「ねぎどっさり 豚骨ラーメン」は素直にオススメしたいので、最寄りのファミリーマートをチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】