どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年11月12日(火)新発売、ファミリーマートのカップ麺「ファミマル だしの旨み鴨だしそば大盛」(198円+税)の実食レビューです。
黒幕はマルちゃん??? 鴨だしの旨みを効かせたファミマルの新作カップ麺が “セブンプレミアムのパクリ„ かもしれない件——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
だしの旨み 鴨だしそば 大盛
ファミマルとは、ファミリーマートの創立40周年を機に発足したプライベートブランドで、2021年(令和3年)10月19日、従来の3ブランド「ファミリーマートコレクション」「お母さん食堂」「お母さん食堂プレミアム」を「ファミマル」「ファミマルKITCHEN(キッチン)」「ファミマルKITCHEN PREMIUM」として整理・統合する形でスタート。
ファミリーマートらしさを全面に押し出すために、UX(ユーザーエクスペリエンス、User Experience)の改善を目的とした、誰にとっても(Family)、楽しく(Fun)、わかりやすい(universal)デザインのコンセプト「F-Universal」に起因するブランドロゴを掲げ、大規模なリブランディングに成功しました。
このページでレビューする「だしの旨み 鴨だしそば 大盛」は、ファミリーマートと東洋水産の共同開発商品で、発売のタイミング的に年越しそば需要も狙っているのかなと。現時点で年越しそばにオススメしたいカップ麺は何個か決まっているのですが‥‥
さておき東洋水産の通年商品で鴨だしを題材にした即席カップめんといえば「おそば屋さんの鴨だしそば」あるいは「麺之助 鴨だしそば」も該当しますけど、前者は標準どんぶり型、後者は縦型レギュラーなので、今回の比較対象にはなりません。そこで思い出したのがセブンプレミアムの鴨だしそば。
競合他社のPBカップ麺ですが、セブンプレミアムの「鴨だしそば」(2024年9月3日発売品)も東洋水産との共同開発商品で、製品スタイルは縦型ビッグ。しかも販売価格まで一致するため、それとの違いに注目しながらレビューします。
関連ページ:セブンの最強PBが「鴨だしそば」のカップ麺を出した結果 “ちゃんと鴨だし„ だった件
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「特製スープ」1パックのみで、セブンプレミアム×東洋水産の小袋には基本的にマルちゃんマークが印刷されているのですが、それをひた隠しにしているファミリーマート‥‥ってわけじゃないんでしょうけど、さておき小袋ありの構成はセブンプレミアムの「鴨だしそば」と共通する点。
さらにセブンプレミアムと同様に、かやくには味付鶏肉だんごが入っているのだろうと思い込んでいたのですが、ファミリーマートの「鴨だしそば」に入っている具材は味付油揚げ、かまぼこ、ねぎの計3種。それだけスープや麺に力を入れているのであれば、この時点で頭ごなしに残念とはいえないけれど‥‥
前述のように販売価格はセブンプレミアムの「鴨だしそば」(198円+税)と同じなので、鶏だんごの不在が総評に響きそうな予感。やはりセブンプレミアムの壁は高いのか、それとも小袋の中身にファミリーマートの秘策が詰め込まれているのか——。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:だしの旨み 鴨だしそば 大盛 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:95g(めん72g) 商品コード:4901990376945(JAN) |
発売日:2024年11月12日(火) 実食日:2024年12月06日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:198円(税別) 購入価格:213円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(特製スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白)、添付調味料(砂糖、食塩、しょうゆ、魚介エキス、鴨エキス、香辛料、こんぶエキス、しいたけエキス、チキン風味パウダー、植物油)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、リン酸塩(Na)、炭酸カルシウム、増粘多糖類、酒精、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、香料、ベニコウジ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・さば・大豆・鶏肉・やまいもを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライそばで、湯戻し時間は標準の3分。原材料名の構成「小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白」と、めん72gの中途半端なボリュームまで、セブンプレミアムの「鴨だしそば」と完全に一致することから、同じフライそばを使っている確率大。
別添の「特製スープ」は後入れなので、それを引っ剥がしてから熱湯を注ぎ、フタの上で小袋を温めながら待つこと3分。時間になったら小袋の中身を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。鴨だし系のカップ麺といえば、鴨脂の芳ばしさをフロントに立たせた商品が多いところ、こちらは脂に頼っていないファーストインプレッション。ただ、それもセブンプレミアムの「鴨だしそば」を彷彿とさせる部分——。
ちなみに製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっているのですが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産が資本参加している連結子会社で、房総工場については “マルちゃんの工場„ という認識で問題ありません。それでは、引き続きセブンプレミアムとの違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:407kcal たん白質:11.0g 脂 質:18.4g 炭水化物:60.9g (糖 質:47.8g) (食物繊維:3.1g) 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.6g) ビタミンB1:0.41mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:155mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:407kcal(めん・かやく:339kcal)(スープ:68kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
緑のたぬき系
東洋水産の通年商品に縦型ビッグの「鴨だしそば」は存在しないと前述しましたが、原材料名の構成は「緑のたぬき天そば」と完全に一致する内容で、そういえば「緑のたぬき天そば」の麺重量も72gだったなと。ただ、配合は変えているのか「緑のたぬき天そば」よりも比較的に強付きのある食感で、例えるなら田舎そば風の雰囲気。
それについてはセブンプレミアムの「鴨だしそば」でも感じたことなので、結論としては “同じ麺を使っている„ との認識で問題ありません。本格さを追求するのであれば、ニュータッチのヤマダイが誇る凄麺(すごめん)のノンフライそばが最強なんですけど、油で揚げた麺でしか満たせない部分あるじゃないですか。
インスタントらしさにフォーカスを絞ると「日清のどん兵衛」よりも「緑のたぬき」が強いので、そっち系が好きな方は素直に楽しめるはず。揚げ油に由来する風味やコクも遠慮なく滲み出してくるけれど、後述する鴨だしを駆逐するほど不躾ではない、よくできた子でした。しかし、その「鴨だし」が問題で‥‥
スープ
ほとんどセブンプレミアムと同じ
セブンプレミアムの鴨だしと完全に一致する味ではないけれど、原材料名の共通点は多く、違いは鴨エキスと魚介エキスの使用量が逆転している(鴨より魚介が多くなっている)部分と「しいたけエキス」や「植物油」を追加している部分。ただ、ぶっちゃけ鴨だしを大切にしていたのはセブンプレミアム。
鴨脂のインパクトを全面に打ち出すことはせず、ちゃんと鴨の出汁(だし)を効かせているところは評価すべきポイントになりますが、それってセブンプレミアムでやってるよね? っていう。
ファミリーマートは自社の公式ウェブサイトで “別添で鴨のロースト感が味わえる液体スープ付き„ と訴求していましたが、別添の小袋に含まれている油脂は少なく、最も目立ってアップするのは醤油感。しかし、鶏とは異なるベクトルのエキス感と芳ばしさが鴨だしの要素を強めている‥‥ええ、それも3ヶ月前に書きました。
かやく
なぜ鶏だんご使えなかった?
斜め切りのFDネギ(フリーズドライのネギ)とカマボコはセブンプレミアムの「鴨だしそば」と共通で、うまみが凝縮された大きめの鶏だんごが味付け控えめの油揚げに変わった構図。イマイチとはいいませんけど、なんで鶏だんごが使えなかったのか——。
総評
繰り返しになりますが、使用している容器と販売価格は同じくコンビニ限定の「セブンプレミアム 鴨だしそば」と共通で、調理前の麺重量や販売価格も完全に一致。さらに蕎麦やスープの方向性など、かなり内容は似通っていたのに、たっぷり入っていた鶏だんごを揚げ油に置換した、言ってしまえば廉価版のような仕上がり。
ファミリーマートの担当者が「セブンプレミアムの鴨だしっぽく」とオーダーしたのかコストの問題なのかは知りませんが、そもそも競合他社のPB商品をスライドさせるのは御法度でしょ。単純にコストが理由なのであれば、ファミマルとセブンプレミアムの実力差が如実に現れた適例になりますけど、さすがに二番煎じが過ぎる。単純に味だけで評価するなら「★4」ですが、企画的には「★1」です。【author・taka :a(大石敬之)】