どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年10月22日(火)新発売のファミリーマート限定カップ麺、日清食品「味仙 台湾ラーメン」の実食レビューです。
「味仙」発祥の名古屋めし「台湾ラーメン」を再現したファミマ限定カップラーメン “肉そぼろ” リニューアル!
辛い? 辛くない? 前回と何が違うのか実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力と違いを判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
味仙 台湾ラーメン 第7弾
「中国台湾料理 味仙(ちゅうごくたいわんりょうり みせん)」とは、1960年(昭和35年)創業の台湾料理専門店で、味仙の読み方は “あじせん” ではなく「みせん」。グルメ激戦区として知られる愛知県名古屋市の名物料理・名古屋めし(なごやめし)の中でも不動の人気激辛ご当地ラーメン、「台湾ラーメン(台湾麺)」発祥の店として有名です。
今回のカップラーメンは、日清食品株式会社と「味仙 今池本店」の共同開発商品で、コンビニのファミリーマート限定商品として開発。今年3月に大判どんぶり型、4月に縦型ビッグ製品を発売しているため、同店監修のカップ麺は2019年だけでも3回目の発売になるのですが、今回の2019年10月発売品は肉そぼろをリニューアル。
日清食品が製造する味仙のカップラーメンが初めて発売されたのは、当時まだユニー・ファミリーマートホールディング(2016年9月1日発足)が結成される以前の2015年3月2日。アピタ・ピアゴ及びサークルK・サンクスで販売されていたプライベートブランド「プライムワン(PrimeOne)」からのリリースで、製品スタイルは今回と同じく縦型ビッグ。
プライムワンから発売されたのは初版の1回きり、2017年3月21日発売品からファミリーマート・サークルK・サンクス限定商品として裾野を広げ、同年9月5日に発売されたのが第3弾。2018年9月4日発売の第4弾まで容器は縦型ビッグ、麺は油揚げ麺に統一されていたのですが、2019年3月5日発売の第5弾で初の大判どんぶり型・ノンフライ麺が採用されます。
(プライムワン時代の初代「味仙 台湾ラーメン」第1弾)
そして、今年(2019年)4月16日にリリースされた第6弾の縦型ビッグが前回発売品なので、初版のプライムワン製品から数えると、今回で通算7回目の「味仙 台湾ラーメン」になります。こうやって見ると2005年3月に発売された最初で最後のプライムワン時代から、ほとんどパッケージの雰囲気は変わっていません。
実は2018年9月発売品と2019年4月発売品の中身は “まったく同じ内容” で、麺・スープ・具材すべて変更なし。さらに食べ終わってから気がついたカロリーの数値(523kcal)はもちろん、バーコード下に表示されているJANコード(4902105236987)まで完璧に同じという、これぞまさしく「再販」でした。
「味仙」の歴史や「台湾ラーメン」の特徴は以前に詳しく解説しているため、本記事では要点だけ触れておきます。台湾ラーメン(たいわんラーメン)とは、醤油味の辛いラーメンで、ひき肉とニラ、そして唐辛子とニンニクがガツンと効いた激辛スタミナ系の一杯。スパゲティナポリタンやアメリカンコーヒーがイタリアのナポリやアメリカに存在しないように、台湾ラーメンも日本発祥のメイドインジャパンなので、台湾にはありません。
今回の「味仙 台湾ラーメン」は馴染みの顔触れですが、おそらく縦型ビッグでは10年半ぶりの発売となる東洋水産(マルちゃん)×あじさいのカップラーメン「函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺」も同時にリリースされ、立ち寄ったファミリーマート店内の商品棚は壮観な眺めでした(※関連記事:2019年3月5日発売「本場の名店 味仙 台湾ラーメン」、2019年4月16日発売「味仙 台湾ラーメン ビッグ」)。
開封
さて、リニューアル後の「味仙 台湾ラーメン」に別添されている小袋は味仙の「特製辛味油」が1袋。製造所は今年4月に発売された前回発売品と同じ工場で、日清食品の関西工場[製造所固有記号(S)/ 滋賀県栗東市下鈎21-1)]となっているのですが、前回のファミリーマート標準価格200円(税込216円)から212円(税込228円)に値上がりしています。
前回の発売から今回までの期間中(2019年6月1日以降)に、即席めん業界全体の価格改定(商品の値上げ)が実施されたので、それが大きく関係しているのでしょう。ちなみに東洋水産と「函館麺厨房あじさい」のコラボ商品は値上げされておらず、「味仙」の隣で旧標準価格200円(税込216円)のまま販売されていました(関連記事「函館麺工房あじさい 味彩塩拉麺」2019年版レビュー)。
ニラと謎肉ライクな味付豚ミンチも変わっていませんが、ニラ色に染まっていた「味付豚肉」が「味付肉そぼろ」に変わっています。今回のリニューアルについて、何が違うのか日清食品に問い合わせてみたところ、肉の旨味と食感をアップさせ、お店の台湾ラーメンらしいものに変更したとの回答でした。ちょっと調理前の見た目が大豆たん白加工品みたいな雰囲気なので、フェイクじゃないか心配です。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:味仙 台湾ラーメン 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(S)滋賀県栗東市下鈎21-1 内容量:110g(めん80g) 商品コード:4902105261873(JANコード) 発売日:2019年10月22日(火) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製辛味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、香辛料、たん白加水分解物)、スープ(糖類、豚脂、植物油脂、小麦粉、でん粉、粉末しょうゆ、香辛料、ポーク調味料、チキン調味料、酵母エキス、食塩、たん白加水分解物)、かやく(味付豚ミンチ、味付肉そぼろ、赤唐辛子、ニラ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、香料、カラメル色素、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、くん液、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺の湯戻し時間は前回と同じ熱湯5分ですが、全体のカロリーは523kcalから530kcalに上昇し、スープだけのカロリーは97kcalから119kcalと大きめの変動を見せています。もうファミマの定番カップ麺にしてもよさげな頻度で販売されていますけど、引き続き今回も「期間限定」発売で、各店頭の在庫が無くなり次第終了との回答でした。
ちなみに容器側面(バーコード横)に「※熱湯を入れると熱くなるので注意してお持ちください」と書いてあるのですが、その横に「※小さなお子様や、辛みが苦手な方は注意してお召し上がりください」と、さりげなく書いてあります。そう、ファミマの「味仙 台湾ラーメン」って実は “何気に辛いカップラーメン” なので、こけおどしのデザインではありません。
さて、小袋のデザインは前回から変更なし、中には豚脂を中心に冷えると凝固する動物油脂が含まれているため、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めておきましょう。それでは、前回との違いや辛さレベルに注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(110g)当たり
カロリー:530kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:530kcal(めん・かやく:411kcal)(スープ:119kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく麺は前回(2019年4月発売品)と同じ油揚げ麺で、口当たり・のどごしのいい滑らかな肌。スパッ‥‥と加水率の低い歯切れの良さも魅力的で、形状は縮れのない角断面のストレート。あまり幅や厚みのある見た目ではないため、ほんとうに熱湯5分も待たなきゃいけないのか疑問に思えるサイズなんですけど、ちゃんと待ってください。
この麺は同社のNB商品(ナショナルブランド商品)でいうところの「有名店シリーズ」に属しているストレート麺で、たしか「日清のどん兵衛」で培われてきた2008年(ピンそば)以降の製麺技術を応用したもの。きちんと熱湯5分で仕上がるように調節してあるので、フライングして食べ始めると部分的に硬く、麺の持つポテンシャルを最大限に引き出せません。
それにノンフライ麺ではなく油揚げ麺なので、どうしても特有の風味が平行するものの、ジャンクで辛い台湾スープと油揚げ麺の相性は問題なく、むしろノンフライ麺だとスッキリしすぎてしまうかも。「今池本店」の麺は丸断面ですが、縮れのない上品な高級感が味仙本店監修の名誉を守りつつ、カップラーメンでしか楽しめない魅力を両立した、なんとも日清食品らしい優等生です。
スープ
前回の原材料名と比較して、新たに「たん白加水分解物」を追加しており、でん粉の位置も変わっているのですが、ほぼ味は変わっていません。醤油は液体ではなく粉末醤油なんですけど、ちゃんと台湾ラーメンらしくタレは醤油ベースの味付け。とろみ成分(小麦粉・でん粉・増粘多糖類など)の有無が実店舗との違いになりますが、不自然な粘性ではありません。
辛味油を入れる前のスープは、実店舗でいうところの「アメリカン(辛さ控えめ)」的なイメージなんですけど、気を付けてください “すでに辛い食べ物が苦手な方は注意しなければいけない辛さ” には到達しています。ぜんぜん激辛カップ麺ほど辛くないですし、台湾ラーメンの基準を思えばピリ辛クラスではあるものの、一般的なカップラーメンの基準で見たら “中辛〜それ以上” の辛さ。
辛味油(全量)を加えた後は、本店でいうところのアメリカン以上、ノーマル以下くらいの辛さになります。ただ、市販のカップ麺としては「辛口」で、なおかつ単なる辛いオイルではありません。寒い日に何十秒か放置すると “表面に薄い膜ができる” 動物油脂が主体で、これが挽肉を煮込んで作る台湾ラーメンらしさを表現。
意外と辛味油を入れなくても美味しかったりするのですが、粉末スープの「甘さ」と辛味油の「辛さ」が交差した瞬間、かなり常習性の高いスープに仕上がります(とりあえず辛味とオイルに抵抗がなければ全部入れるのがオススメ)。それでも激辛クラスのカップ麺ほど辛くないので、ふつうに辛口ちょい上が大丈夫なら、大丈夫。
具材
上の写真左が従来と同じ謎肉ライクな味付豚ミンチ(ダイスミンチ)で、右が2019年10月から導入された新具材・味付肉そぼろ。新具材の味付肉そぼろは単体で食べてみた感じ100%肉ではなく、大豆や玉ねぎなどの野菜か蛋白質を練り込んでいるようにも思えたのですが、大豆たん白加工品(偽物)みたいな食感ではありません。
原材料の高騰に押されてフェイクかましてくるのではないだろうか——などと危惧していたんですけど、なかなかミチッとした挽肉らしい食感で、ちゃんと肉の旨味もある真面目な具材。単体で食べると加工肉特有の軽さを感じるものの、辛味油を入れた後は豚脂との相乗効果があり、なるほど前回の援護射撃要員(味付豚肉)よりも存在感は強くなっています。
その分ちょっと謎肉ライクな(というか謎肉と遜色ない)味付豚ミンチの量は減りましたが、肉の総重量は上がっていたので、だいたいリニューアル前と比較してトントンといったところ。どうしても具材の量にバラつきは出てくると思いますが、リニューアル後のニラは前回よりも増えていて(3回検証)、そこそこ風味の強い軸の部分も多く、結果的に満足度が下がることはありませんでした。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
2019年10月のリニューアルポイントは、パッケージにも記載されている肉そぼろの変更で、それに伴うダイスミンチの減少は見られたものの、麺とスープについては据え置きという認識で問題ありません。スープのトロミやジャンクな甘さ、麺の形状(角断面)など、本店の台湾ラーメンと比較して差異は見られますが、それをネガティブに思わせない説得力の持ち主です。
ファミリーマート専用PBカップ麺の中でも人気商品なので、おそらく今後も年に1、2回のペースで定期的に出てくるかとは思いますが、基本的に期間限定販売品。これまで好きだった方はもちろん、気になっていたけど買えなかった方や今回を機に食べてみたくなった方も、お早めに最寄りのファミリーマートで探してみてください。