どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年5月10日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」と「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」の実食レビューです。
これってもしかして、私たち‥‥。 “入れ替えて作ったら” うまかった件!? ロングセラーブランドの発売45周年を記念した特別コラボが実現!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
公式による魔改造がうまかった件。
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、日清食品が製造・販売している和風カップ麺のロングセラーブランドで、1976年(昭和51年)8月9日に初代 “きつねうどん” を市場に投下。1975年(昭和50年)9月に東洋水産がリリースした世界初のカップうどん「マルちゃんのカップうどんきつね」(「赤いきつねうどん」の前身)に対抗すべく、業界初の丼型容器に身を包み、斬新な姿で鳴り物入りのデビューを飾りました。
そんな「どん兵衛」よりも一足早く、1976年(昭和51年)5月21日に登場したのが「日清焼そばUFO(にっしんやきそばユーフォー)」で、こちらも既存の商品にはなかった初の皿型容器を採用し、鳴り物入りで業界デビュー。どちらも2021年で発売45周年を迎えたロングセラー商品で、和風カップめん及びカップ焼きそばのカテゴリーでNo.1の売り上げを誇っているのですが、それを “入れ替えて作ってみた” のが今回の新商品。
どん兵衛をベースにした「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」は、どん兵衛ならではの “もっちり” とした油揚げ麺に、日清焼そばU.F.O.の “濃い濃い濃厚ソース” を絡めて食べる変わり種で、青のり・紅生姜・七味唐辛子を組み合わせた “U.F.O.ふりかけ” を別添。完全なるソース味ではなく、七味唐辛子で和の味わいも意識しているのがポイント。
これがソース味のきつねうどん(汁あり)だと面白かったのですが、湯切りタイプの「汁なしどん兵衛」ということで、安牌を切ってきた日清食品。しかし、2018年5月28日に発売されたシリーズ初の湯切りで作る釜玉うどん「日清のどん兵衛 釜たま風うどん」以降、いくつか湯切りタイプのアレンジを提案している「汁なしどん兵衛」ですが、その中に日清焼そばU.F.O.のソースを使用した商品はありません。
片やU.F.O.をベースにした「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」は、コシが強いU.F.O.ならではの “中太ストレート麺” に、どん兵衛らしい鰹だしの風味を効かせた “醤油つゆ” を絡めて食べる変わり種で、鰹だしの風味と七味が香る “どん兵衛マヨ” なるアイテムを別添。さらに刻み揚げや蒲鉾(かまぼこ)を具材に使用しているようなので、そこも「どん兵衛」のアイデンティティを感じさせる要素。
2011年7月19日に発売された「日清のどん兵衛 焼うどん だし醤油味」及び「同 お好みソース味」の登場以降、濃厚なソース味の「どん兵衛 焼うどん」は何度も発売されていますし、和風ベースの「日清焼そばU.F.O.」も何度かリリースされているのですが、お互いのブランドを巻き込んで “入れ替えちゃった” のは初の試み。
そのためTwitterなどのSNSを中心に、一部の界隈では発売前から話題になっていて、発売日を過ぎてからはコンビニでも取り扱っている店舗が多く、筆者が立ち寄った「ローソン」の店内には “「どん兵衛のきつねうどんのダシでつくったU.F.O.の焼そばと、U.F.O.のソースを使ってつくったどん兵衛の焼うどんが発売される」と上司に説明したら聞き返された。(販売担当者の実話)” という専用のポップが掲載されていたほど。
はたして話題性のわりにロングセラー商品らしく優等生な仕上がりなのか、それとも予想外のサプライズが待ち構えているのか、このページでは「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」と「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」両方まとめてレビューします。
開封
「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」と「U.F.O.ふりかけ」で合計2袋。てっきり “いつものU.F.O.濃い濃い濃厚ソース” を搭載しているのかと思いきや、小袋のデザインが汎用なので、どうやら中身はデフォルメされている様子。ふりかけのデザインは特注ですが、日清焼そばU.F.O.のブランドロゴなどは印刷されておらず、ちょっと廉価版チックな雰囲気。
「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」に別添されている小袋は、後入れの「液体ソース」と「どん兵衛マヨ」で合計2袋。液体ソースの小袋は汎用性の高いデザインになっていますが、どん兵衛マヨの小袋には「日清のどん兵衛」のブランドロゴをプリントしているため、こちらには “こだわり” を感じます。もちろん大切なのは中身なんですけど、小袋のデザインも実食前のテンションに影響しますよね。
どちらもメーカー希望小売価格は193円(税別)ということで、たとえば定番の「日清のどん兵衛 きつねうどん」や「日清焼そばU.F.O.」と同じ値段。コンビニでは税込198円で、スーパーマーケットやドラッグストアでなどあれば税込120〜140円前後で販売されていると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん / 日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:静岡工場(静岡県焼津市相川17-2)/ 滋賀工場(滋賀県栗東市下鈎140-1) 内容量:100g(めん74g)/ 112g(めん90g) 商品コード:4902105267653 / 4902105267684(JAN) |
発売日:2021年05月10日(月) 実食日:2021年05月15日(土) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:マックスバリュ 商品購入価格:138円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 / 新型レギュラー 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:370ml / 460ml 調理時間:熱湯5分 / 熱湯3分 小袋構成:2袋(液体ソース・U.F.O.ふりかけ / 液体ソース・どん兵衛マヨ) |
原材料名とアレルギー表示
【日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、ソース(ソース調味料、糖類、植物油脂、還元水あめ、食塩、香辛料、香味調味料、ポーク調味料、ポーク調味油、たん白加水分解物、香味油)、かやく(キャベツ、味付豚肉)、ふりかけ(青のり、七味唐辛子、紅しょうが)/ 加工でん粉、カラメル色素、増粘剤(アラビアガム)、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、香料、酸味料、グリセリン、ベニコウジ色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
【日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、香辛料)、ソース(半固体状ドレッシング、しょうゆ、植物油脂、かつおぶし調味料、糖類、食塩、かつおぶしエキス、粉末しょうゆ)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、炭酸Ca、かんすい、カラメル色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、増粘剤(加工でん粉)、ビタミンB2、パプリカ色素、ビタミンB1、クチナシ色素、香辛料抽出物、チャ抽出物、ベニコウジ色素、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・りんご・ゼラチンを含む) |
実食開始
【日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん】栄養成分表示[1食(100g)あたり]カロリー 430kcal、たんぱく質 6.1g、脂質 19.1g、炭水化物 58.3g、食塩相当量 3.7g、ビタミンB1 0.23mg、ビタミンB2 0.28mg、カルシウム 167mg |
「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」に別添されている小袋は “2つとも後入れ” で、麺の湯戻し時間は熱湯5分。U.F.O.ふりかけを事前に温める必要はありませんが、液体ソースの小袋は待っている間に温めなければいけないので、お湯を注いだらフタの上にのせて待機。湯切り後に液体ソースを加えた瞬間、U.F.O.の濃い濃い濃厚ソースと同じ香りが漂ってくるので、さっそく再現度の高さに期待できる調理直後。
【日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば】栄養成分表示[1食(112g)あたり]カロリー 514kcal、たんぱく質 9.1g、脂質 24.8g、炭水化物 63.6g、食塩相当量 5.4g、ビタミンB1 0.41mg、ビタミンB2 0.59mg、カルシウム 148mg |
「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」に別添されている小袋も後入れなので、お湯を注いでから待っている間に液体ソースをフタの上にのせて温めるのですが、どん兵衛マヨは “温めない” ように注意。こちらも液体ソースを開封した瞬間、どん兵衛の粉末ソース(だし)と同じ香りが漂ってきて、おもわずハッとしたのですが、マヨネーズとの相性が気になるところ。
なお実際に立ち寄ったコンビニ大手4社の中では「ローソン」「セブンイレブン」「ミニストップ」での取り扱いを確認しているので、販売店の参考にしてください。それでは、日清食品を代表するロングセラーブランドが入れ替わっても違和感ないのかどうか「めん」「ソース・つゆ」「かやく(U.F.O.ふりかけ・どん兵衛マヨ)」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
基礎クオリティは間違いない
「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」に使われている麺は、おそらく既存の「汁なしどん兵衛」シリーズに使われている油揚げうどんと共通で、もっちりジューシーな弾力はもちろん、74gという中途半端な麺量も共通するポイント。イメージ的に和風だしで食べたくなりますが、油揚げ麺であることが功を奏し、後述するU.F.O.のソース味にも馴染んでくれるので、逆に生タイプめんだと失敗していたかもしれません。
「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」に使われている麺は、まさに「日清焼そばU.F.O.」定番の中太ストレート麺で、原材料名の構成も完全に一致。麺量は通年販売の「日清焼そばU.F.O.」が100gなのに対し、こちらは90gと控えめですが、数量限定の変わり種では90gが基本なので、今回が特別に少ないわけではありません。しかし、後述する味付けが “いつものソースではない” ので、いつもと違う印象を受けると思います。
どちらも日清食品が培ってきた社外秘のノウハウが詰まっている、基礎クオリティの高い油揚げ麺なので、それについては申し分なし。U.F.O.の麺はU.F.O.のソースで、どん兵衛の麺はどん兵衛のつゆで‥‥という固定観念があると受け入れ難い組み合わせになりますが、ともにフレキシビリティーに富んだ油揚げ麺なので、チグハグに喧嘩することはありませんでした。
ソース・つゆ
かなり味の再現度は高い
「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」の液体ソースと「日清焼そばU.F.O.」のオリジナルソースを比較してみると、原材料名の記載に若干の違いが生じていたのですが、ほぼ構成としては同じ内容で、実際の味わいも然り。うどんに合わせて和風だしを加えるとか、そういったアレンジは施されておらず、カップ焼きそば用にチューンナップしたソースを “そのまま使っている” という認識で問題ありません。
しかし、いつもの中太ストレート麺とは違う幅の広い平打ち麺を採用しているため、よりソースの旨味や酸味、スパイス感がダイレクトに伝わってくる、いい意味で「どん兵衛」シリーズらしからぬ味の濃さにビックリ。そういった感じ方の違いはありますが、ほとんど “ソース自体には手を加えていなかった” ので、イメージとのギャップを感じることはないでしょう。
「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」に別添されている添付調味料の小袋には “液体ソース” と書いてありますが、日清食品のニュースリリースでは “つゆ” となっており、その表現にも深く納得。実食前は東日本限定の「どん兵衛 きつねうどん 液体つゆ仕上げ」に別添されている液体つゆを予想していたのですが、系統としては濃口醤油よりも出汁(だし)を重視している西日本向けの味付けで、まさに「どん兵衛」の味。
それが「日清焼そばU.F.O.」の中太ストレート麺にベストマッチかと聞かれたら、ぶっちゃけ “どん兵衛の麺(うどん)で食べたい” と答えますけどw オリジナルと比較してカップ焼きそば用にチューニングしつつ、しっかり「どん兵衛」らしさを踏襲していたので、味の再現度については申し分なかったです。
かやく(U.F.O.ふりかけ・どん兵衛マヨ)
ふりかけは好印象、マヨネーズは蛇足的
「日清の汁なしどん兵衛 濃い濃い濃厚ソース焼うどん」の具材は、みずみずしいキャベツに、チャーシューチップ系の味付豚肉とシンプルな構成で、おそらく「日清焼そばU.F.O.」に使われている具材と同じもの。ほとんどオリジナルのままだったソースと具材の相性は言うまでもなく、ふりかけにコストの低いアオサを使わず “ちゃんと青のりを使っている” というのも「日清焼そばU.F.O.」のこだわりを尊重したポイント。
スパイシーで濃厚なU.F.O.ソースに紅生姜の酸味が心地よく、ふわっと香る七味唐辛子の「和」が “うどんとの懸け橋” に効果的で、それがあったからこそ最後まで飽きずに食べ切れたように感じました。
「日清焼そばU.F.O. だし醤油きつね焼そば」に使われている蒲鉾は「日清のどん兵衛 きつねうどん」などの半月蒲鉾と同じですが、刻み揚げはオリジナルの一枚揚げを刻んだ代物ではありません。ほんのり甘い味付けと、そこそこジューシーな食感は楽しめますが、あまり量は多くなかったので、すこし物足りなさを感じるところ。
別添の「どん兵衛マヨ」は、やや酸味に輪郭のあるマヨネーズを軸に、七味唐辛子のアクセントも強め。辛さレベルはピリ辛の枠を出ませんが、東日本向けの「どん兵衛」に別添されている “彩り七味” に通じるところがあり、どん兵衛ライクな液体ソース(つゆ)にフィットしていました。しかし、マヨネーズの酸味は出汁をマスキングする嫌いがあったので、少量ずつスポット的に使うのがオススメです。
総評
もしも「日清のどん兵衛」を「U.F.O.」のソースで作ったら、もしも「日清焼そばU.F.O.」を「どん兵衛」の出汁で作ったら、そのコンセプトは体現できていると感じた反面、餅は餅屋じゃないけれど、うん‥‥w いや、もちろん単純に味としては悪くないですし、EDGE×わかめラーメンよろしくブランド間コラボにはポテンシャルの高さを感じたのですが、せっかくなので「どん兵衛」は “汁あり” で冒険してほしかったところ。
また「どん兵衛の出汁で作ったU.F.O.」も別添のマヨネーズが蛇足的に思えたので、なまじ味の再現度が高かっただけに、再度調整する必要があると感じました。そもそも “入れ替えて作ったらうまかった件のソースを入れ替えて本来の組み合わせに戻したほうが美味しいのでは” などという、元も子もないことが気になったので、ちょっと試してみます【author・taka :a(大石敬之)】