どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年6月13日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清のどん兵衛 特盛きつね焼うどん」の実食レビューです。
——あれ? この見慣れた耳は、もしかして……。ボリューム満点「日清のどん兵衛」焼うどんシリーズに麺量1.3倍の “特盛” 初登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 特盛きつね焼うどん
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、1976年(昭和51年)8月9日の発売以来、即席カップめん市場の和風どんぶり型うどん・そばカテゴリーにおいて圧倒的な占有率を誇るブランドで、お湯を注ぐだけで食べられるカップめんタイプを中心に、現在はチルド(冷蔵)や冷凍食品、お椀で食べるシリーズを展開しつつ、ときには攻めた変わり種など、さまざまな形態で顧客のニーズに応えています。
今回の新商品「日清のどん兵衛 特盛きつね焼うどん」は、昨年から定番商品に格上げされた湯切りタイプの汁なしカップ麺「日清のどん兵衛 きつね焼うどん」対比めん1.3倍の “特盛” バージョンで、いつもの美味しさはそのままに、キャベツとニンジンを新たに加えてボリュームアップ。これまでに何度も「焼うどん」を発売していますが、過去に “特盛” がリリースされた前例はありません。
日清食品は「日清のどん兵衛 焼うどん」シリーズについて “2011年の発売以来、多くのお客さまにご愛顧いただいています。” ——と、自社のニュースリリース(新発売のお知らせ「日清のどん兵衛 特盛きつね焼うどん」)で紹介していますが、現在を遡ること25年以上、1997年(平成9年)2月に発売された「日清のどん兵衛 だし焼うどん」が最初の商品。
以降は「ねぎみそ焼うどん」や「旨みソース仕立て」「お好みソース味」「和風たらこ味」「担担花椒仕立て」「ごま油仕立て」「旨塩だれ ゆず胡椒仕立て」など、なかには焼うどんの常識に捉われない変わり種もスポット的に展開していましたが、2021年2月22日発売の「きつね焼うどん」から基本となる “だし醤油味” は定番化し、2022年2月28日発売品から “だし感アップ!” にリニューアル。
現在は2018年(平成30年)5月28日発売の「釜たま風うどん」に端を発する “どん兵衛の汁なし” シリーズも並行していますが、レギュラーサイズの「日清焼そばU.F.O.」と同じ皿型カップなら焼うどんシリーズ、標準どんぶり型の容器を採用していたら汁なしシリーズと差別化を図っている様子。ただ、いずれにせよ “湯切りタイプの特盛うどん” は同ブランド史上初の取り組み。
汁なしカップ麺の麺重量は、調理前の状態で90g(「日清焼そばU.F.O.」や「一平ちゃん夜店の焼そば」など、一部の定番商品は100g)を標準サイズの基準とし、約1.5倍の130gを大盛りサイズの基準としているため、裏を返せば “1.3倍の120g(特盛)は大盛よりも少ない” のですが、それはさておき四角い容器の「どん兵衛」は電子レンジ加熱専用の「釜めし」以外に見たことがありません。
その四角い容器に施されているシュリンク包装には、どん兵衛のロゴに見慣れた “どんぎつね” の耳をあしらっています。しかし、初代どんぎつねに扮していた吉岡里帆さんとの5年契約満了を迎え、日清食品の公式ウェブサイト上で公開していた吉岡里帆さん主演の “あざとかわいい” テレビCMは全て非公開となり、どん兵衛のブランドサイトからも完全に姿を消している、2022年6月14日現在——。
どんぎつねといえば、星野源さん・新垣結衣さんの結婚騒動を受け、2021年9月公開の『心にしみるWだし篇』で忽然と姿を消し、同年12月公開の『みんなのどんぎつね篇』でファン待望のカムバックを果たした経緯があるので、この演出は “匂わせ” なのか、それとも “どん兵衛に狐の耳=どんぎつね” と定義付けるのか、これからの「どん兵衛」におけるコミュニケーション戦略まで期待させる新作です。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、かつお香る「液体つゆ」に、ピリッと辛い「七味入り粉末だし」の計2袋。定番化する前の「きつね焼うどん」は “粉末ソース+七味仕立てマヨ” の組み合わせでしたが、前述の2021年2月発売品から “液体つゆ+七味入り粉末だし” に変わり、それを特盛にも適用しています。
麺は油で揚げたフライ麺で、直近だと美輪明宏さん扮する “ラスボス級の最強どんぎつね” で話題になった「日清の最強どん兵衛 きつねうどん」(2022年3月28日発売品)に熱湯7分の極太うどんを採用していましたが、それほど太くありません。また調理前の麺重量は120gなので、標準サイズの汁なしカップ麺よりは多いものの、いわゆる大盛りサイズよりボリューム感は控えめ。
2022年6月1日(水)出荷分より各社が適用している価格改定の影響を受け、それ以前のメーカー希望小売価格であれば220円(税別)の商品になりますが、もれなく 現在の大盛りサイズで標準的な価格となっている245円(税別)に値上げされています。麺の量を大盛(130g)ではなく特盛(120g)にしたのは、希望小売価格との調整かもしれません(でも特盛のほうがイメージ的に多いですよね?w)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 特盛きつね焼うどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:滋賀工場(滋賀県栗東市下鈎140-1) 内容量:143g(めん120g) 商品コード:4902105272626(JAN) |
発売日:2022年06月13日(月) 実食日:2022年06月14日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 商品購入価格:235円(税込) 希望小売価格:245円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:720ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:2袋(液体つゆ・七味入り粉末だし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、つゆ(しょうゆ、植物油脂、かつおぶし調味料、糖類、魚粉、食塩、七味唐辛子、ねぎ)、かやく(キャベツ、味付油揚げ、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アラビアガム、加工でん粉)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、香料、カラメル色素、pH調整剤、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、炭酸Mg、カロチノイド色素、ビタミンB2、チャ抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・乳成分・ごま・さば・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、レギュラーサイズの「きつね焼うどん」には味付油揚げしか入っていませんが、こちらの特盛にはキャベツとニンジンが追加されています。彩り的にはポジティブに思えますし、麺の量が多くても食べ飽きないように‥‥との配慮も感じる反面、コストの低い具材で油揚げの穴を埋めているような、油揚げを増やさずに済むための施策と思えなくもない構成。
いろいろ深読みしすぎですかねw ひとまず作り方は通常の「きつね焼うどん」と共通で、お湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「液体つゆ」の小袋を温めながら待つこと5分。時間になったら容器を湯切り口に傾けて(やけどに注意しながら)お湯を捨て、添付の「液体つゆ」を混ぜ合わせてから「七味入り粉末だし」を加えて混ぜたら出来上がり。
意外と忘れがちなポイントですが、添付調味料を加える前に “しっかり麺をほぐすと余分な水分が蒸発し、ソースやタレの味が絡みやすくなる” ので、まだ実践したことがない方は意識してみてください。それでは、引き続き「めん」「つゆ・だし」「かやく」の項目に分けて特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(143g)あたり |
カロリー:642kcal たん白質:11.8g 脂 質:27.5g 炭水化物:86.7g 食塩相当量:4.6g ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.36mg カルシウム:279mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
たぶん既存の「きつね焼うどん」と同じ
近年は二郎インスパイア系のラーメンを開発背景に持つ “ワシワシとした食感の太ウェーブ麺” に力を入れていたり、NHKの連続テレビ小説『ちむどんどん』に引っ掛けたブランド史上初となる「日清のどんどん兵衛 沖縄風そば」(2022年4月18日発売品)を開拓したり、いつもとは違うバリエーションを解禁しつつあるのですが、今回の「特盛きつね焼うどん」に奇を衒った要素はありません。
2008年(平成20年)9月29日発売の「日清のどん兵衛 天ぷらそば」(リニューアル)より晴れて実装された「ぴんそば」の流れを汲む縮れのない形状に、もっちりとした粘りのある弾力など、長い歴史の中で培われてきた技術の集大成といっても過言ではない質感。おそらくレギュラーサイズの「きつね焼うどん」とレシピは共通で、体感的には量が増えただけ‥‥なんですけど、それだけに品質は確か。
もっともデフォルトな「どん兵衛」の油揚げ麺(うどん)は、ソースを選ばない万能さを備えているため、さまざまな変わり種に対応してくれるところも魅力。しかし、たとえば今後、ワシワシとした食感の太ウェーブ麺で “クサ旨” な二郎インスパイア商品に繋げたり、即席カップめん業界でも珍しい湯切りタイプの “沖縄そば風” にチャレンジしたり、そういった続編にも期待したいところ。
つゆ・だし
ここも既存の「きつね焼うどん」と同じか‥‥?
液体つゆは「かえし」に該当するポジションで、パッケージに “かつお香る” とあるように、鰹だしと甘めの醤油に調理感を出すための植物油脂をブレンド。これだけではインパクトに欠けるアイテムになりますが、粉末では出せないコクが魅力。そこにガツンとパンチをプラスくれるのが「七味入り粉末だし」で、まさに「日清のどん兵衛 きつねうどん」に通じる香りが漂ってくるのですが‥‥
「日清のどん兵衛 きつねうどん」は、関ヶ原を境に “東日本” と “西日本” で味を分けており、なおかつ “北海道” のみ「北のどん兵衛」を展開しています。今回の「特盛きつね焼うどん」は全国共通の味付けですが、本鰹と宗田鰹のWだしと丸大豆醤油が調和した “東日本向け” を彷彿とさせる味わいで、七味のブレンド比率も然り。
西日本向けの彩り七味には山椒を多めに配合しているのですが、東日本向けの彩り七味には赤唐辛子を多めに配合していて、明らかに今回は後者(※余談ですが「北のどん兵衛」に彩り七味は別添されていません)。これらの特徴はレギュラーサイズの「きつね焼うどん」にも共通する‥‥というか、原材料名の表示が “まったく変わっていない” ので、内訳も完全に同じか微調整に過ぎないかもしれません。
具材
よくも悪くも無難なラインナップ
味付油揚げは控えめな味付けで、いつもの「きつねうどん」ほどジューシーな食感ではなく、キャベツや人参も他のカップ麺で頻繁に見かける使い回しの具材。あえて基本に忠実なフレームワークを採用しているような印象ではあるものの、たとえば「釜たま風うどん」の卵黄ソース(たまごタレ)を別添するとか、そういう特別感があっても‥‥いや、これも “あえて” の戦略ですかね。
総評
「液体つゆ」と「七味入り粉末だし」は既存品と同じ、あるいは麺の増量に合わせて微妙に調整している可能性もありますが、体感的には既存の「きつね焼うどん(めん90g)」が特盛(めん120g)になっただけ。新たにキャベツと人参をプラスしていますけど、あえて味付けに大きな変化を持たせていない、これでもかと直球な商品でした。
それだけに面白味がない優等生というか、もうちょっと遊んでほしかった不満が無きにしも非ずではあるものの、さてはシレッとレギュラー商品? ひとまず特盛の第1弾は、あえてストレートに商品化し、以降は定期的に獣耳(けもみみ)付きの変わり種を出していく‥‥みたいな戦略かもしれないので、吉岡里帆さんとの再契約にも期待しつつ、今後の動きに注目ですね。【author・taka :a(大石敬之)】