どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年10月31日(月)新発売、日清食品のカップ麺「日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ」の食べ比べ企画です。
味の分け目は関ヶ原!? 東と西で味が違う「どん兵衛」こだわりの “だし” が一度に楽しめる「東西だし比べ」が今年も登場!!
「日清のどん兵衛 天ぷらそば」は「東」と「西」で何が違う? 実際に調理して比較し、東西の違いについて解説します。よろしければ、最後までお付き合いください。
日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ 2022
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、1976年(昭和51年)8月9日の発売以来、即席カップめん市場の和風どんぶり型うどん・そばカテゴリーにおいて圧倒的な占有率を誇るブランドで、いまや同カテゴリーの売上No.1に君臨する絶対王者。発売当初から東西で味を分け、現在も定番の「きつねうどん」と「天ぷらそば」は北海道を除く “東日本向け” と “西日本向け” を展開しているのですが‥‥
今回の新商品「日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ」は、東西で味を分けている「日清のどん兵衛 天ぷらそば」を期間限定で全国的に発売する企画で、パッケージは2人の “どんぎつね” を起用した特別版。アニメ化された “どんぎつね” については「日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ」の比較(ひとつ前のページ)で触れているため、このページでは違う情報を共有します。
どん兵衛の歴史は「日清のどん兵衛 きつね」に始まり、その3ヶ月後となる1976年11月15日に「日清のどん兵衛 天そば」を市場に投下。この「天そば」が「天ぷらそば」の原型で、デビュー当時は渋めの茶色いパッケージに身を包み、蕎麦の縮れは強く、自慢の天ぷらも個包装になっていないなど、現在のような仕様ではありませんでした。
かれこれ45年以上前の話なので、現在と仕様が違うのは当たり前なんですけどw そんな「天そば(天ぷらそば)」に革命が訪れたのは、1992年(平成4年)9月の話。ここで “天ぷら後のせ式” の技術を確立した新シリーズ「日清の天ぷらどん兵衛 うどん」及び「同 そば」が登場し、1994年(平成6年)のリニューアルで既存の「天ぷらそば」にも “後のせ式” の天ぷらが実装され、現在に至ります。
そのタイミングで「きつねうどん」が熱湯3分のスピード調理に変わったので、一部の顧客から反感を買ったようですが(私けっこう好きだったんですけどね、あのペラペラした食感w)それはさておき「天ぷらそば」の油揚げ麺も進化し、従来は熱湯4分だった待ち時間を熱湯3分に短縮。そして、ここからの進化が目覚ましい。
なかでも注目すべきポイントは、2008年(平成20年)9月29日に実施されたリニューアル。ついに「日清のどん兵衛 天ぷらそば」が従来の即席カップそばに必要不可欠だった “ちぢれ” から解放され、そば本来の食感と喉越しを実現したストレートタイプの「ぴんそば」を入荷(実装)し、ライバル関係にある東洋水産(マルちゃん)の主力商品「緑のたぬき天そば」との明確な差別化に繋がりました。
その後、実は2019年(平成31年)3月上旬に “自慢の蕎麦をサイレントリニューアルしている” のですが、それについては実食の際に触れるとして‥‥このページで紹介する「日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ(東・西)」は、通年販売されている「日清のどん兵衛 天ぷらそば(東・西)」と中身は同じなので、定番商品との違いはパッケージのみ。
そのため多くを語る必要はないかと思いますが、このブログで「日清のどん兵衛 天ぷらそば」における東西の違いについて掘り下げたことがなかったので、これを機に比較してみることにしました。同時発売品の「日清のどん兵衛 きつねうどん だし比べ」は比較済みなので、そちらについては以下の関連ページをご参考ください。
> どっちがおいしい!? 東西で味が違う「日清のどん兵衛 きつねうどん」を徹底比較!!
開封
さて、まずは別添の小袋から。東西どちらも「七味付き粉末スープ」と「天ぷら」の組み合わせで、天ぷらは共通のトッピングになりますが、前述のように粉末スープは東西で異なる配合です。さらに、彩り七味の配合も違うため、詳しくは後述。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。ここに東西の隔たりはなく、どちらも同じ仕様(めん72g)となっているため、ここだけ切り取ると見分けがつきません。ちょっと画像では分かりにくいのですが、東日本向けには2019年3月1日のリニューアル以降、西日本向けには同年9月9日のリニューアルをもって “月見ポケット” が搭載され、簡単に月見そばアレンジが楽しめるようになりました。
メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、いつもの「天ぷらそば」と同じ値段。しかし、パッケージ違いのスポット商品なので、スーパーやドラッグストアなどであれば、通常品よりも安く販売している店舗が多いかもしれません(私が購入した店舗では、通常品の販売価格が税込181円なのに対し、今回の「だし比べ」は税込149円でした)。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ 東 / 西 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場 / 関西工場 内容量:100g(めん72g) 商品コード:4902105276129 / 4902105276136(JAN) |
発売日:2022年10月31日(月) 実食日:2022年11月04日(金) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:214円(税別) 購入価格:149円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(七味付き粉末スープ・天ぷら) |
原材料名とアレルギー表示
【日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ 東】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、かつおぶし粉末、糖類)、かやく(天ぷら)、スープ(糖類、食塩、かつおぶし調味料、粉末しょうゆ、魚粉(かつお、そうだかつお、いわし)、オニオン調味料、ねぎ、七味唐辛子、たん白加水分解物)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、カラメル色素、炭酸Ca、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・ごま・さば・大豆を含む) |
【日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ 西】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、かつおぶし粉末、糖類)、かやく(天ぷら)、スープ(糖類、食塩、かつおぶし調味料、粉末しょうゆ、かつおぶし粉末、ねぎ、七味唐辛子、たん白加水分解物、こんぶ粉末、こんぶ調味料)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、カラメル色素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、ベニコウジ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・ごま・大豆を含む) |
実食開始
『日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ(東)』栄養成分表示[1食(100g)あたり]カロリー 487kcal(めん・かやく 462kcal / スープ 25kcal)、たんぱく質 9.9g、脂質 24.3g、炭水化物 57.2g、食塩相当量 5.4g(めん・かやく 1.5g / スープ 3.9g)、ビタミンB1 0.28mg、ビタミンB2 0.29mg、カルシウム 145mg(製造所:関東工場) |
さて、まずは「日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ(東)」の調理直後。つゆの色は明らかに西日本向けの「天ぷらそば」よりも濃く、香りも比較的に鰹と醤油の主張が強いなど、この時点で “別物” と分かるファーストインプレッション。しかし、ベクトルは「日清のどん兵衛」なので、おそらく東日本向けとは初対面でも漠然とした親近感を覚えるでしょう。
『日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ(西)』栄養成分表示[1食(100g)あたり]カロリー 486kcal(めん・かやく 474kcal / スープ 12kcal)、たんぱく質 10.3g、脂質 24.6g、炭水化物 55.9g、食塩相当量 5.5g(めん・かやく 1.5g / スープ 4.0g)、ビタミンB1 0.24mg、ビタミンB2 0.25mg、カルシウム 149mg(製造所:関西工場) |
対して「日清のどん兵衛 天ぷらそば だし比べ(西)」の調理後は、東日本向けよりも淡い面持ちで、はんなりとした雰囲気。天ぷらのサイズは共通で、粉末スープに同梱されているネギや油揚げ麺など、基本的なパーツは同じなのに、あらためて比較すると一見して明白に違いますね。
ちなみに内容量は東西ともに100g(めん72g)となっており、栄養成分表示の値も僅差に見えますが、スープ(つゆ)の項目だけ比較するとカロリーが2倍以上違うなど、興味深い差が生じていました。というわけで、ここから先は「めん」「つゆ」「天ぷら・彩り七味」の項目に分けて特徴を解説し、それぞれの魅力をお伝えします。
めん
工場によって差が出ている可能性あり
これは「日清のどん兵衛 天ぷらそば」鰹節練り込み麺に進化!! 2019年ひそかにリニューアル という過去に公開したページでも触れているのですが、2019年(平成31年)3月上旬に “自慢の蕎麦をサイレントリニューアルしている” と前述したように、このタイミングから「日清のどん兵衛」における蕎麦に「かつお節粉末」と「糖類」が配合され、つゆとの一体感がアップしました。
しかも、しなやかさとコシもアップしていると感じたのですが、あらためて東西の「天ぷらそば」を比較してみたところ、しなやかさは “西日本向け” に分がある印象で、コシは “東日本向け” のほうが強いんだなと。ただ、今回の比較で使用した東日本向けの「天ぷらそば」は関東工場(茨城県取手市清水667-1)で製造された個体。
片や西日本向けの「天ぷらそば」は関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1)で製造されていたので、もしかすると工場の違いによる差、あるいはロット差かも? いずれにせよ東西でベクトルの違いを感じたので、比較の際は製造所も意識してみてください。
つゆ
全国的に楽しめそうなのは東日本向けかも?
北海道(北のどん兵衛)を除く東日本(新潟・長野・岐阜・愛知・三重以東)向けの「つゆ」は、本鰹×宗田鰹によるWだしを特徴とし、すでに販売を終了している「液体つゆ仕上げ」(2021年8月に製造終了)ほどではないけれど、西日本向けよりも醤油のコクを深めています。しかし、こっくりとした甘さも備えているため、食塩の尖りは強くありません。
西日本向けでは特徴となっている昆布の旨味は意識されておらず、しかしながらオニオン調味料を使っているのがポイントで、それを媒体に天ぷらとの一体感を強めているようなイメージ。私は関西在住なんですけど、ぶっちゃけ西日本向けよりも好きかもしれないw
対して西日本向け(富山・石川・福井・滋賀・奈良・和歌山以西)の「つゆ」は、本鰹×昆布によるWだしを特徴とし、東日本向けよりも圧倒的に醤油の主張が弱く、オニオン調味料は使っていません。北海道産の利尻昆布だしを使用した「北のどん兵衛」ほどではないけれど、東日本向けには含昆布の旨味を強調したフレームワークで、だし文化に根付いた地域に向けて配合したことが伝わってきます。
東日本向けではオニオン調味料を使い、醤油と天ぷらの共存を図っていましたが、西日本向けでは天ぷらの旨味とコクを繊細に引き出すことで、つゆとの共鳴を図っているようなイメージ。また東日本向けには魚粉(かつお、そうだかつお、いわし)を使用していますが、西日本向けはカツオに昆布とシンプルで、しかしながら天ぷらが旨味を複雑にしてくれる、明確な方向性の違いを感じました。
天ぷら・彩り七味
余談ですが熱湯1分30秒〜2分くらいに天ぷらを入れて蒸らす派です
きつねうどんに使っている「ふっくらおあげ」は東西で味付けを変えているのですが、天ぷらそばの「天ぷら」は東西共通で、とにかくウマいw あとのせ直後はサクサク、つゆが表面に染み込んでくると中もっちり、後半はつゆの味を深めることに寄与している、これといって文句の付け所が見当たらない完成度の高さ。
彩り七味は東西で違いがあり、東日本向けの七味は「赤唐辛子華やぐ彩り七味」となっていて、西日本向けよりも唐辛子の含有量が多く、しょうゆのコクと魚粉を効かせた和風つゆとの相性に配慮しています。
片や西日本向けの七味は「和山椒華やぐ彩り七味」ということで、繊細な和風つゆの風味を引き立てるために、東日本向けよりも和山椒を多めにブレンドしています。つゆの方向性で天ぷらの効果も変わってくるので、そこも意識しながら食べ比べてみると楽しいですよ。
まとめ
ぶちゃけ西日本向けよりも‥‥などと前述しましたが、やっぱり落ち着くのは西の味。ただ、そんな私でも東日本向けの “つゆ” を素直に楽しめたので、有意義な食べ比べになりました。関西では「きつねうどん」は西派だけど「天ぷらそば」は東派の声を耳にするため、蕎麦つゆに関しては東日本向けのほうが全国的に受け入れられる味なのかもしれません。
けれども天ぷらの旨みやコクを最大限に引き出してくれるのは西日本向けの “つゆ” だと思いますし、麺の仕上がりにも違いが感じられると思うので、東日本向けの「天ぷらそば」に慣れている方も、これを機に食べ比べてみてください【author・taka :a(大石敬之)】