どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年3月30日(火)新発売、セブンイレブンのカップ麺「日清のどん兵衛 背脂風豚ニンニク濃厚担担太そば」の実食レビューです。
時代を先取りし過ぎた組み合わせ!? セブンイレブン限定の二郎系どん兵衛 “マシマシ篇” の流れを汲む濃厚こってり日本蕎麦「濃厚太そば篇」第3弾は異色の担担インスパイア!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
どん兵衛「濃厚太そば篇」第3弾
日清のどん兵衛(にっしんのどんべえ)とは、日清食品が製造・販売しているロングセラーで、1976年(昭和51年)8月9日に初代「きつねうどん」を市場に投下。標準どんぶり型もしくは大判どんぶり型の即席カップ和風麺を基本とし、近年は変わり種の味付けや湯切りタイプの汁なし麺、チルドカップ、冷凍食品、即席カップライス(カップメシ)など、多種多様なスタイルの「どん兵衛」を展開しています。
このページでレビューするカップ麺「日清のどん兵衛 背脂風豚ニンニク濃厚担担太そば」は、日清食品とセブン-イレブン・ジャパンの共同開発商品で、コンビニの中でも “セブンイレブンにしか売ってない” 販路限定のPB(プライベートブランド)商品として企画。2019年(令和元年)10月8日に発売されたセブンイレブン限定どん兵衛「マシマシ篇」の続篇で、昨年から「濃厚太そば篇」にシフトしました。
2019年10月発売の第1弾「日清のどん兵衛 マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」は、ネットで話題になった “日清のどん兵衛を二郎風(二郎インスパイア風)にアレンジする” 画期的なレシピ「どん二郎」をモデルに開発された縦型ビッグの変わり種で、その当初から販売店をセブンイレブンに限定。SNS上では「ついに公式が『どん二郎』を商品化した!!」と話題になり、爆発的なヒットを記録。
流行りの「ニンニクマシマシ」と「うどんの常識が変わる」をコンセプトに、鰹だしを効かせた濃口しょうゆ味の和風つゆをベースにしつつ、大量の刻みニンニクを入れることで既存の「どん兵衛」と明確に差別化。ぶっちゃけ二郎系・二郎インスパイア系との共通点は少なかったものの、ラーメン二朗ライクなカラーリングのパッケージに身を包み、強烈なインパクトでデビューを飾ります。
続けて同年12月10日に “マシマシ篇” 第2弾「ガチニンニクバター味噌」を、2020年(令和2年)3月31日に “マシマシ篇” 第3弾「ガチニンニク背脂風豚骨」を発売し、どちらも大量の刻みニンニク+うどんの組み合わせを共通点としていましたが、同年10月13日に初の “濃厚太そば篇” として、そば粉を使用した「背脂風豚ニンニク濃厚ラー油太そば」を市場に投下。
2020年は12月8日にも “濃厚太そば篇” と題し「背脂風豚ニンニク濃厚カレー太そば」を発売しているため、今回の「背脂風豚ニンニク濃厚担担太そば」は “濃厚太そば篇” の第3弾であり、セブンイレブン限定どん兵衛としてはシリーズ第6弾に該当する最新作。その都度、麺の仕様やスープの味を変更してきましたが、いずれも「ニンニク」は共通のキーワードとして受け継がれています。
さて、背脂風+豚ニンニクについては前回の「濃厚カレー太そば」及び前々回の「濃厚ラー油太そば」と同じワードですが、その前身となる “マシマシ篇” から数えても「担担」は初の試み。担担うどんはカップ麺でも定期的に登場する反面、その日本蕎麦(そば)バージョンは珍しく、冷静に考えるとインパクトは申し分ありません。
ちょっとキーワードを詰め込み過ぎているような気もしますけど、それはさておき容器の側面には “シビうま花椒” とあり、痺れの強さにも期待できそうなところ。ちなみに発売日は2021年3月30日と4ヵ月以上前になりますが、まだ取り扱っているセブンイレブンもあったので、記録のためにも詳細をレビューしておきます。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製こってりオイル(豚ニンニク風味ラー油)」が1袋。オイルの名称は前回の「濃厚カレー太そば」と共通で、背景のデザインは踏襲していますが、どん兵衛のロゴが黒に変わり、下部の注意事項に記載されていた “よくもみほぐして-・” という文面が消されています。
つまり、同じ名前の小袋でも中身は違うのか‥‥などと考えながら開封したところ、かなり粉末スープの量が多く、一見すると担担らしからぬ色合いですが、香りは担担麺のスープに通じる系統。それも醸造酢を彷彿とさせるような、ほんのちょっと鼻にツンとくるアクセントや花椒の清涼感も並行して、なかなか本格的。
今回もセブンイレブンでの販売価格は220円(税込237円)なので、値段についてはマシマシ篇シリーズ第1弾の「ガチ豚ニンニク」から変わっておらず、全国のセブンイレブンが販売店の対象店舗。取り上げる時期が遅れてしまったので、もう売ってない地域も多いかと思いますが、ひっそりと棚の隅っこに、もしくは見切り品の半額コーナーに残っている可能性も‥‥。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:日清のどん兵衛 背脂風豚ニンニク濃厚担担太そば 製造者:日清食品株式会社 製造所:F・静岡工場(静岡県焼津市相川17-2) 内容量:104g(めん72g) 商品コード:4902105263952(JAN) |
発売日:2021年03月30日(火) 実食日:2021年08月01日(日) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 商品購入価格:237円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:420ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製こってりオイル) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、しょうゆ)、スープ(豚脂、食塩、糖類、小麦粉、でん粉、クリーミングパウダー、香辛料(にんにく、花椒)、ポーク調味料、ねりごま、粉末みそ、植物油脂、脱脂大豆粉、酵母エキス)、かやく(ラード加工品、味付肉そぼろ、ごま、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、炭酸Ca、香辛料抽出物、カラメル色素、セルロース、酸化防止剤(ビタミンE、ローズマリー抽出物)、カロチノイド色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・そば・卵・乳成分・落花生・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は小麦粉に蕎麦粉を練り込んだ油揚げ麺で、見た感じは細めに切り出されているのですが、湯戻し時間は熱湯5分と長めの設定。サイズについてはエースコックの「厚切太麺(あつぎりふとめん)」や東洋水産の「本気盛(まじもり)」などと比較して負けを認めざるを得ませんが、縮れのないストレート麺なのは日清食品らしいポイント。
あとは内側の線まで熱湯を注いで5分間、フタの上で別添の小袋(特製こってりオイル)を温めながら待ち、時間になったら小袋の中身を加えると‥‥クサッw みたいな従来の豚臭いインパクトは鳴りを潜め、それを入れる前は蕎麦粉の香りが強く、入れたあとはラー油の芳ばしさとニンニクが前に出てくる感じ。
それでも蕎麦粉の香りは明確なので、かなり担担らしさは控えめな調理直後。なおパッケージに辛さレベルなどの目安は表示されていませんが、花椒の痺れ(麻味)と念のため唐辛子の辛さ(辣味)にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(104g)あたり |
カロリー:501kcal たん白質:11.8g 脂 質:25.4g 炭水化物:56.3g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:2.3g) (スープ:4.8g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:162mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:501kcal(めん・かやく:373kcal)(スープ:128kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
おそらく「濃厚太そば篇」共通の麺
調理前は細めに見えた麺ですが、標準どんぶり型のNB(ナショナルブランド)商品「日清のどん兵衛 天ぷらそば」や「同 鴨だしそば」などに使われている、熱湯3分の油揚げ蕎麦よりも明らかに太く、そのサイズに比例してコシも強め。けっこう無骨で洗練さに欠ける印象を受けますが、けっしてクオリティが低いわけではありません。
やや加水率の低い、スパッとした歯切れのよさが心地よく、マシマシ篇(うどん)では致命的だった戻りムラも気にならないハイレベルな仕上がり。その体感的な印象や原材料名の構成など、前回の「濃厚カレー太そば」や前々回の「濃厚ラー油太そば」とも一致するので、おそらく共通の麺を使用しているのだと思います。
調理前の麺量は72gと中途半端な量に切り出されているのですが、これについても従来の「濃厚太そば篇」と共通の項目で、その太さとコシの強さに食べ応えを感じました。けっこう蕎麦粉の風味も強いので、そこも評価できるポイントになるけれど、なまじ蕎麦粉の風味が強い分、担担ライクなスープの組み合わせを受け入れられるかどうか‥‥というのが評価の分岐点になるかもしれません。
スープ
そば粉の風味で新境地
そこそこ擂り胡麻(すりごま)が多かったのと、体感的に練り胡麻(ねりごま)のコクや花椒の清涼感も確認できますが、前述の麺から滲み出る蕎麦の風味が鳴りを潜めることはなく、担担うどんよりも個性が強いので、一般的に想像される担担麺のスープとは一線を画すテイスト。
そこに別添の「特製こってりオイル」を加えると、前回の「特製こってりオイル」で印象的だった豚臭さは目立っていなかったので、これが “よくもみほぐして-・” という注意事項が消されていた(つまり “よくもみほぐさなければいけない成分” が豚臭いインパクトを放っていた)理由なのだなと。
そのため「豚ニンニク」の「豚」については物足りなさを感じてしまった反面、徐々に表面のラード加工品が溶けてスープのコクが強化される、というのは「濃厚太そば篇」共通の手口。この「特製こってりオイル」を加えても、唐辛子の辛さはピリ辛の枠を出ることはなく、花椒の痺れも騒ぐほど強いとは思いませんでしたが、ニンニクの風味はグッと存在感が大きくなります。
しかし、それでも麺から滲み出た蕎麦粉の風味が常に並行してくるので、この組み合わせに慣れるまでは違和感が拭えないかもしれません。いや、慣れるとクセになってくる感じなんですけどね。問題は慣れるのが先か、慣れる前に食べ終わってしまうか‥‥みたいなw
具材
ラード加工品と擂り胡麻を思えば
一般的なカップ担担麺では「ひき肉」と「ちんげん菜」が定番の具材で、前者に関しては今回の「背脂風豚ニンニク濃厚担担太そば」も例に漏れずではあるものの、量としては貧弱といわざるを得ない内容。これ単体で食べると味が強く、スープのワイルドさを押し上げてくれていたのですが、如何せん量は少なめ。
あとは気持ち程度にネギも入っていましたが、粉末スープの小袋に同梱されているようなネギだったので、もうすこし具材にも力を入れてほしかったところ。ラード加工品と擂り胡麻がスープのコクに寄与してくれていたので、それも踏まえれば悪くないとも思いますが、そろそろ以前の「マシマシ篇」で猛威を振るった刻みニンニクも復活させてほしいですね。
総評
そば粉を練り込んだ日清食品独自の太ストレート麺はクオリティが高く、けっこうニンニクの風味も強めに効かせてありましたが、それに負けじと風味の強い蕎麦と担担ライクなスープの組み合わせはプロトタイプ的。まだ一般的に馴染みがない分、ちょっと時代を先取りし過ぎたフレーバーといえるかもしれません。
それだけに従来の和風カップ麺にはない商品だったので、とりあえず経験しておいて損のない一杯なのではないかと。地域によっては “もう売ってない” 商品になりますが、もしもセブンイレブンの半額コーナーにあった場合、後学のためにも食べてみる価値はあると思います【author・taka :a(大石敬之)】