どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年4月15日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん でかまる もやし中華そば(3代目)」(271円+税)の実食レビューです。
どこか懐かしい町中華の定番「もやしそば」の味わいを、業界最高峰のバリシャキもやしで臨場感たっぷりに再現。安心と信頼のカップラーメンが3代目に突入!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
でかまる もやし中華そば 2024
でかまるとは、味とボリュームを両立した “うまい大盛„ をコンセプトに、東洋水産が展開している即席カップめんのブランドで、1989年(平成元年)7月発売の「もやしみそ」及び「コーン塩バター味」を皮切りに発足。その1年前にエースコックが先駆けて「スーパーカップ1.5倍」を発売しているため、このカテゴリーでは後発ですが、具材の質とボリュームにもウェイトを置き、棲み分けを図っています。
今回の新商品「でかまる もやし中華そば」は、どこか懐かしい町中華の定番「もやしそば」の味わいを再現したカップラーメンで、2021年6月14日発売の初代「もやし中華そば」及び2023年4月17日発売品「(同)コショー多め」の流れを汲んだ一杯。パッケージは引き続き町中華の暖簾を彷彿とさせるデザインですが、ブランドのロゴや行間を変更するなど、より洗練されてエモさが増したように感じる3代目。
あらためまして町中華(まちちゅうか)とは、店内外に昭和のレトロな雰囲気を色濃く残し、中華料理を中心に様々な料理を提供している大衆食堂の総称で、日本の外食業界における近年の注目度から計り知るに、もはや “ひとつのジャンル„ といっても過言ではありません。一方で本場の味がダイレクトに楽しめる、日本人に忖度しない中華料理は「ガチ中華」と呼ばれ、それとの対比も注目されています。
たといえば、コロナ禍で爆発的に注目された「二郎インスパイア系」しかり、大阪で独自の進化を遂げた「スパイスカレー」しかり、令和の時代も黄色い声が絶えない「韓国料理」しかり、飲食業界で注目されているジャンルや商品はトレンドに敏感な即席カップめん業界にも早く影響を及ぼすので、以前よりも幅広い世代から愛されてる「町中華」の流れが来るのも必然的な話。
とはいえ例に引いた「二郎インスパイア系」や「韓国料理」と比較して、それほど熱狂的に盛り上がっていないイメージが無きにしも非ずではあるけれど、東洋水産が有名店の監修に頼らず展開している「でかまる もやし中華そば」は、同ブランドの定番商品「バリシャキ!もやし味噌ラーメン」で猛威を振るっている “バリシャキもやし„ の魅力を遺憾無く押し出しているところがステータス。
2021年6月14日発売の初代「もやし中華そば」は、どこか懐かしい町中華の醤油ラーメンを再現した一杯で、麺に新開発の感動などは備わっていなかったけれど、オーソドックスな仕上がりがノスタルジックなイメージに貢献。スープも派手さのない構成で、しかしながら中華鍋でラードを焦がしたような芳ばしさだったり、焼豚のタレっぽいコクだったり、なるほど町中華の雰囲気を感じさせるテイスト。
具材のバリシャキもやし(低温殺菌調理品)は、定番の「バリシャキ!もやし味噌ラーメン」にも使われている例のアイテムで、本格さと満足度の高さは業界随一。その後、2022年6月20日に「バリシャキ!もやしタンメン」を挟み、2023年4月17日に「もやし中華そば コショー多め」を、同年7月10日に「濃厚もやしタンメン」を発売しているため、春は醤油、夏は塩、みたいなサイクルが生まれつつあります。
ちなみに初代「もやし中華そば」は、このブログで高評価を意味する「★5」を記録し、その続編となる「コショー多め」は「★6」を叩き出してくれているのですが、3代目はコショー少なめ‥‥? などと、すこし不安に思っている節が無きにしも非ず。ただ、パッケージで “炒め野菜風味„ を訴求してきたのは初めてなので、そこに注目しながらの実食です。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、先入れの「もやし調理品」に、後入れ「粉末スープ」と「液体スープ」の組み合わせで、構成そのものは初代・二代目と完全に一致。もやし調理品は同社の「マルちゃん正麺(せいめん)カップ」にも搭載されることがあり、麺がノンフライだと後入れを推奨しているのですが、でかまるでは基本的に先入れなので、投入のタイミングに注意してください。
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は3分と標準的。色味や形状などの見た目と原材料名の並びから察するに、初代〜二代目と同じ麺を使っているのかもしれません。けっこうゴロゴロと入っている味付挽肉についても従来品との共通点になるので、主なリニューアルポイントはスープだけでしょうか。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)に設定されているため、2024年4月現在の大盛りカップ麺における事実上の標準ど真ん中。コンビニで購入した場合の税込価格は292.68円になりますが、スーパーやドラッグストアなど、CVS以外のルートも販売店に含まれるNB(ナショナルブランド)のカップラーメンです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん でかまる もやし中華そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関西工場(兵庫県神戸市西区見津が丘6-8) 内容量:159g(めん90g) 商品コード:4901990377775(JAN) |
発売日:2024年04月15日(月) 実食日:2024年04月29日(月) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 小売価格:271円(税別) 購入価格:292.68円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:大盛りバケツ型 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:530ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:3袋(液体スープ・粉末スープ・もやし調理品) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、植物性たん白、卵黄、香辛料、粉末野菜、砂糖)、かやく(もやし、味付挽肉、にんじん)、添付調味料(しょうゆ、ポークエキス、食塩、植物油、でん粉、豚脂、香辛料、砂糖、粉末野菜、酵母エキス、たん白加水分解物、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、香料、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、酒精、酸化防止剤(ビタミンC、ビタミンE、ローズマリー抽出物)、酸味料、かんすい、トレハロース、pH調整剤、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、甘味料(ソーマチン)、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「もやし調理品」のみ先入れで、最近はニンジンなしバージョンも見かけるようになりましたが、こちらは定番の「バリシャキ!もやし味噌ラーメン」と同様にニンジン入り。別に後入れでも問題ないのでは‥‥? などと、何度か思ったこともあるのですが、もやし調理品は製法上の理由で塩味と酸味を伴うので、それを馴染ませる目的で先に入れるよう推奨しているのかもしれません。
反対に先入れしても問題なさそうな「粉末スープ」は後入れなので、もやし調理品のみ入れてから熱湯を注ぎ、フタの上で「液体スープ」を温めながら待つこと3分。時間になったら「粉末スープ」と「液体スープ」を加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。調理後の見た目は——うん、ほぼほぼ前回と同じ。
それと今回もスープに粘度を高める成分が含まれていたので、調理の際は溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせてください。それでは、引き続き町中華らしさや前回発売品(コショー多め)との違いに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(159g)あたり |
カロリー:536kcal たん白質:11.9g 脂 質:26.3g 炭水化物:62.8g 食塩相当量:7.4g (めん・かやく:2.1g) (スープ:5.3g) ビタミンB1:0.38mg ビタミンB2:0.41mg カルシウム:223mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:536kcal(めん・かやく:459kcal)(スープ:77kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
これ、ずっと変わらないでほしい
めちゃくちゃコシが強い多加水麺でもなければ、ザクッと歯切れる低加水麺でもない、きわめてオーソドックスなタイプのフライ麺なのですが、特筆すべきは滑らかな口当たり。とろみ成分がスープに含まれていることも影響していますが、とにかく口当たりに引っ掛かりがないので、大盛りなのにスルスルと抵抗なく入ってきちゃう。
とはいえ不思議とスープを弾くことはないので、ちゃんと一体感にも配慮。熱風で乾燥させたノンフライ麺ではないので、揚げ油に由来する芳ばしさを伴いますが、某社のフライ麺よろしく不躾に干渉してくることはありません。むしろ、特有の芳ばしさとコクがスープにプラスの影響を与えてくれるので、それによってエモさが増しているような効果あり。
おそらく初代、2代目の「もやし中華そば」と共通のフライ麺なので、まったく新鮮味はなかったし、現在の水準を思うと旧世代チックに映るかもしれないけれど、それも町中華のイメージ的に悪くありません。熱湯3分+添付調味料を混ぜ合わせている間に食感は馴染みますが、ちょっと柔らかめになったくらいのタイミングがベストに思えたので、やわらかめに抵抗なければ少し長めに待つことをオススメします。
スープ
けっこう洗練された
「粉末スープ」に使われている黒胡椒の量は、2代目(コショー多め)と比較して明らかに減り、それは体感的に分かるほど。上記の画像にもチラホラと写っているように、まったく入っていないわけではないけれど、特筆すべき主張ではありません。ただ、裏を返すと初代に原点回帰しているような状態。粉末のショウガやニンニク、うまみ成分による人工的なアクセントなど、基本的な方向性は据え置いたまま。
続けて「液体スープ」を投入すると、中華鍋でラードを少し焦がしたような芳ばしさも鳴りを潜めていたので、数年ぶりに寄ってみたけど代替わりしたのかな? みたいな寂しさを感じてしまったのも束の間、もやしを炒めたような風味で臨場感は爆発。頑固な大将が息子に店を譲り、以前よりも洗練された味になったけど、それだけに間口が広い味になったというか。イメージですよ?w
そんなことを考えながら食べ進めていた後半、黒胡椒に特筆すべき主張はないと前述しましたが、けっこう底のほうに溜まっていたので、前半は炒め野菜の風味で調理感を打ち出し、後半は黒胡椒の刺激でピリッと引き締めてくる、そのメリハリも印象に残りました。
かやく
ずっこい(そんなことない)
もやし調理品には、保存性を高めるために食塩や酸味料を使用しているので、例えるならナムルっぽいベクトルを歩んでいるのですが、程よい塩味と酸味はスープのメリハリを高めることに、また酸味についてはスープに深みを持たせることにも寄与。とろみのある醤油スープに酢のアクセントは鉄板なので、合わないわけがありません。
もちろん、もやしはシャッキシャキなので、乾燥具材には出せない本格さを実現。ニンジンは‥‥意識しないと知らん間に消えますけどw ジャンクな味付挽肉は全体にワイルドさをプラスしてくれるアイテム。どれも使い回しが効く具材なので、ほかの商品でも見かけますが、その中でもドンピシャにフィットしているのが「もやし中華そば」です。
総評
昨年の「コショー多め」と比較してコショー少なめになり、ほんのり焦がしラードの風味や焼豚のタレっぽさも鳴りを潜めてしまったけれど、もやしを炒めたような風味は効果的。油で床がヌルヌルしている老舗の「もやし中華そば」というよりも、そこまで年季が入っていない大衆食堂の「もやし中華そば」みたいな。イメージですよ?w
その変化が個人的に寂しく思えたのですが、あくまで比較したらの話。なめらかなフライ麺に、とろみのあるノスタルジックなスープ、そこにバリシャキもやしの組み合わせは引き続き間違いないので、大盛りサイズだけどホッとする、そんなカップラーメンが食べたい気分のときにオススメです【author・taka :a(大石敬之)】