どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年7月22日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「マルちゃん でかまる 天乃屋の歌舞伎揚味焼そば」(271円+税)の実食レビューです。
でかまる35周年で “天乃屋の歌舞伎揚„ を再現!? 累計販売枚数100億枚を誇る東日本の横綱米菓「歌舞伎揚」をカップ焼きそばにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
でかまる 天乃屋の歌舞伎揚味焼そば
でかまるとは、味とボリュームを両立する “うまい大盛„ をコンセプトに、マルちゃんの東洋水産が展開している即席カップめんブランドで、1989年(平成元年)7月発売の初代御三家「五目しょうゆ」「コーンバター」「もやしみそ」を皮切りに発足。今年はシリーズ発売35周年を迎える節目ということで、さっそく記念商品を展開してきたのですが‥‥
今回の新商品「でかまる 天乃屋の歌舞伎揚味焼そば」は、揚げ物(米菓)カテゴリーにおいて売上No.1に君臨している、天乃屋(あまのや)こだわりの看板商品「歌舞伎揚(かぶきあげ)」の味わいを再現したカップ焼きそばで、東洋水産×天乃屋の初コラボ商品。これ系の例に漏れず “本商品に「天乃屋の歌舞伎揚」は入っておりません„ なんですけれども、話題性の高さは申し分ありません。
あらためまして「天乃屋の歌舞伎揚」とは、1960年(昭和35年)9月の発売以来、東日本を中心に愛されている、甘口しょうゆダレで味付けを施した揚げ米菓で、現在はソフトな食感を追求したが故に視認しづらくなっているのですが、せんべいの一枚いちまいに “歌舞伎の家紋をデザインしている„ というプロセスが「歌舞伎揚」たる名前の由来(ちなみに紋所の数は全部で12種類)。
西日本では「歌舞伎揚」よりも「ぼんち揚」がメジャーなので、そちらのイメージが強い我々関西人なんですけれども、ぼんち揚の販売者(ぼんち株式会社)は日清食品グループの傘下。そのため東洋水産が声を掛けるわけにもいかず——という事情は何となく理解できるのですが、なぜ亀田製菓の「揚一番(あげいちばん)」とコラボしなかったんだろう‥‥などと、ふと疑問に感じた筆者。
というのも以前に亀田製菓が「手塩屋 赤いきつね風味」と「揚一番 緑のたぬき風味」を発売していたり、そのアンサーで東洋水産も「亀田の柿の種味焼そば」や「同 わさび味焼そば」「ハッピーターン味焼そば」「亀田のカレーせん味焼そば」「パリパリ無限キャベツのもと ハッピーターン味」などを展開していたり、何度もコラボしていた間柄なので、突然の天乃屋コラボに波乱の予感。
——いや、そもそも「揚一番」だろうと「歌舞伎揚」だろうと、この手をカップ焼きそばにアレンジしようと企てた時点で波乱のフラグは立っているわけなのですが、はたして “ちゃんと歌舞伎揚味なのか„ 仕上がりが楽しみです。
開封
さておき本商品に別添されている小袋は、先入れの「かやく」に、後入れ「粉末ソース」と「特製油」の組み合わせで、かやくの小袋に入っているのは歌舞伎揚ではなく刻み揚げ。歌舞伎揚のラインナップには、吊り下げに便利なフック穴付きの「ぷち歌舞伎揚(23g)」も存在するため、それを別添すればいいのに‥‥などと、そのように思ってしまうのですが、売上のシナジー的な問題ですかね。
でもってエースコックとベビースターラーメンのコラボよろしく「歌舞伎揚」を砕いて入れるとさらにおいしい! などと、パッケージに書いてあったものですから、まんまと「歌舞伎揚」も探した私、東洋水産の思う壺(買ったのは小さいのだけど)。ただ、本物の「歌舞伎揚」を入れずとも例の味が楽しめなければ “歌舞伎揚味„ とはいえませんので、ちょい足しアレンジ前の味付けが評価の主軸。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)ということで、通年販売中の「でかまる バリシャキ!もやし味噌ラーメン」と同じ値段なのですが、同ブランドの湯切りタイプにおける麺重量の基準は130gとなっているのに対し、今回は120gに減らされているのが気になるところ。たぶん、コラボ特有のロイヤルティを筆頭に、おとなの事情なのだとは思いますけど、なんせ基準値よりも少ないです。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:でかまる 天乃屋の歌舞伎揚味焼そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場(群馬県館林市赤生田本町3831-1) 内容量:143g(めん120g) 商品コード:4901990378406(JAN) |
発売日:2024年07月22日(月) 実食日:2024年08月04日(日) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:271円(税別) 購入価格:246円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:角型ビッグ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:720ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(粉末ソース・特製油・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、植物性たん白、しょうゆ、香辛料、粉末野菜、卵白)、添付調味料(植物油、砂糖、デキストリン、しょうゆ、粉末あられ、食塩、たん白加水分解物、ねぎ)、かやく(味付油揚げ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、レシチン、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・大豆・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の小袋は「かやく」のみ先入れで、内容は味付油揚げのみ。たとえば主原料を引き合いに出してみても、題材の歌舞伎揚とは一切関係ないトッピングなので、単純に添付調味料との相性を考慮した様子。‥‥もしかして「揚げ」を掛けてんのか? さておき添付調味料は当然の如く後入れなのですが、それらを取り出してから熱湯を注ぎ、フタをして待つこと4分。
時間になったら湯切り口を作り、麺の戻し湯を捨てた後、まずは「特製油」を入れて軽く混ぜ合わせ、それから「粉末ソース」を全体に馴染ませるのがポイント。繰り返すように本物の歌舞伎揚は入っていませんが、甘辛い醤油の香りと粉末あられのアクセントが相俟って、なるほど “それっぽさ„ は無きにしも非ず。
ただ、同時に油揚げ麺から滲み出てくる精製ラードの芳ばしさも強く、いかにも東洋水産の汁なしカップ麺らしい個性を放ってはいるけれど、それが吉と出るか凶と出るか——。というわけで、引き続き歌舞伎揚(味)の再現度に注目しつつ「めん」「ソース」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(143g)あたり |
カロリー:685kcal たん白質:14.9g 脂 質:30.6g 炭水化物:87.6g 食塩相当量:3.8g ビタミンB1:0.52mg ビタミンB2:0.49mg カルシウム:243mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ほかに選択肢は無かったのか‥‥
熱湯4分きちんと計って湯切りの儀を執り行い、添付調味料を混ぜ合わせ、即座に麺の食感を確かめてみたところ、サクサクした感じの戻りムラは目立っていなかったのですが、けっこう強付いた質感で歯応えも硬く、なかなかにワイルド。でもって揚げ油に使われている精製ラードの風味も強く、これは個人的に大好きなんですけど、歌舞伎揚味サイドから見ると我が強すぎ。
こちらもジャンル的には揚げ物なので、ノンフライ麺よりかは歌舞伎揚と近しい関係ではあるけれど、たとえるなら鶏の唐揚げとチュロスくらい違うよね、みたいな。繊細さを微塵も感じさせない強付きだったり、精製ラードのオラオラな感じだったり、濃厚さが売りのソースや油そばのタレなんかにはガチっとハマってくれるタイプではあるけれど、歌舞伎揚味との相性は可も無く不可も無しといわざるを得ません。
——いや、どちらかというと若干ながら不可ありで、単純に添付調味料との相性だけでいえば、目くじらを立てるほどの悪さではないものの、歌舞伎揚の揚げ油にラードは配合していないハズ。また歌舞伎揚の芳ばしさとラードの芳ばしさはベクトルも異なるため、東洋水産らしい魅力が詰まった油揚げ麺ではあるけれど、その主張が強すぎるように感じました。
ソース
甘さ控えめにチューニング
まずは「特製油」の味を把握しようと確認を試みた結果、これといって特徴的な香りは施されておらず、まったくの無味無臭とも違うけれど、何味と例えられるようなオイルではなく、潤滑油に徹した役割。というわけで、かるく麺に絡めてから「粉末ソース」を投入してみたところ——
液体しょうゆ特有の風味やコクこそ楽しめないけれど、歌舞伎揚と同じく濃口しょうゆベースの味付けで、粉末あられの芳ばしさが米菓らしさを演出。さらに砂糖の甘さも効かせてありますが、オリジナルの味付けよりも随分と控えめで、比較的にシャープなイメージ。
そこが例の甘辛い魅力から遠ざかる要因になっていた一方、もしも糖度を歌舞伎揚と同じレベルに高めていた場合、さらに精製ラードの風味が悪さを働きそうだったので、甘さに関しては適切に思えました。ちらほら入ってるネギの必要性は見出せなかったけどw
かやく
いちばん魅力的な部分かもしれないw
やや多めにトッピングされている味付油揚げは、おそらく「赤いきつねうどん」の一枚お揚げを刻んだもので、これが “歌舞伎揚味„ のピークかもしれない件w いや、真面目に。もちろん食感は別物ですけど、甘さの加減とか、醤油の加減とか。なかでも粉末ソースに足りなかった甘さを定期的に、くどさを感じさせないペースで補ってくれていたので、実食前の想像以上に効果的でした。
総評
ジューシーで甘辛い刻み揚げを口の中に入れた瞬間、そこで “歌舞伎揚味„ が完成する設計は面白く、揚げ繋がりのダジャレで入り込んでいたわけじゃなかったんだなと。また「亀田の柿の種味焼そば」よろしく粉末あられを使用し、米菓らしさを表現するなど、そういった工夫も凝らされていたのですが、精製ラードの悪目立ちが及第点を付けられなかった理由。
それならばと歌舞伎揚を砕いてトッピングしてみた結果、サクサクとした食感が心地よく、なるほど雰囲気は大幅に変わったものの、引き続き精製ラードのオラオラは否めず。このブログでは厳し目の評価に終わりましたが、でかまるシリーズ35周年は始まったばかり、次の企画にも期待しています。【author・taka :a(大石敬之)】