どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年1月16日(月)新発売、サンヨー食品のカップ麺「サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味」の実食レビューです。
大阪は下町生まれの素朴なポンせんべい「満月ポン」の味わいをカップラーメンにアレンジ!? サンヨー食品が松岡製菓と唐突にコラボ!! はたして忠実に再現しているのか、それとも‥‥。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味
カップスター(CupStar)とは、サッポロ一番で知られるサンヨー食品の即席カップめんブランドで、1975年(昭和50年)1月18日発売のロングセラー。さらに遡ると1973年(昭和48年)に発売された同社初の即席カップめん「サッポロ一番 スナック」が前身という説もあり、現在は “どこか懐かしさを感じる日本らしい風味” を活かした「JAPANスタンダード」を掲げ、商品を展開しています。
今回の新商品「サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味」は、大阪府大阪市住之江区東加賀屋2丁目に本社を置き、昔ながらの味わいと製法を守り続けている松岡製菓のポンせんべい「満月ポン」の味わいを再現したカップラーメンで、関西では定番のロングセラーが題材となっているのですが、これを機に初めて「満月ポン」の存在を知った方も少なくないでしょう。
あらためまして「満月ポン」とは、関西のスーパーや駅の売店でも販売されている、大阪は下町生まれの素朴なポンせんべい(ぽんせん)で、1958年(昭和33年)に創業した松岡製菓の主力商品。令和の時代になっても昔ながらの手作業を貫き、ふくらし粉などの添加物も一切使用せず、1枚ずつ丁寧に焼き上げ、不揃いで不恰好だけど、たっぷりの愛情が込められた、素朴で温かい味わいに定評があります。
現在は4つの味付けと様々な食感が楽しめる規格外品「ぷっしゅん満月ぽん」に、変わり種の「チョコ満月ポン」など、いくつかのバリエーションを展開していますが、基本となる定番の「満月ポン」は芳ばしくて甘辛い醤油味。原材料は “小麦粉、しょう油、砂糖、食塩 / 調味料(アミノ酸)※” とシンプルで、手焼きだからこそのランダムな食感も人気の秘訣。※調味料(アミノ酸等)ではない
今年で松岡製菓は創業65周年、満月ポンのイメージキャラクターを務める “ポンちゃん” は誕生25周年、カップ麺のパッケージにはいないけど “満月くん” は誕生20周年の「あにばーさりぃいやあ」ということで、カップスターとしても満月ポンとしても歴史上初となる「サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味」が実現した様子。
ちょうど2023年(令和5年)の干支は卯(うさぎ)ですし、ポンちゃんも兎(ウサギ)がモチーフとなっているため、タイミング的にも適時。またエースコック×おやつカンパニーをはじめ、駄菓子やスナック菓子を即席カップめんにアレンジする事例は業界初の試みではないけれど、片やカップラーメン、片やポンせんべいと近いようで異なるジャンル。
サンヨー食品での事例を挙げると、2022年(令和4年)9月13日、全国のローソン店舗及び福太郎直営店を対象に、福岡の人気土産「めんべい」をイメージしたカップ焼きそば「[めんべい味]辛子めんたい風味焼そば」を発売していた、というのは記憶に新しいところ。しかも “けっこう再現度が高かった” ので、それを踏まえれば「満月ポン」とのコラボ商品も眉唾物とは思えません。
出典:【サッポロ一番カップスター☆満月ポン風おしょう油味】&こなごな【粉もん満月ポン】もれなくプレゼント!2/28まで – 満月ポンごろく と ブログ その2
松岡製菓は自社のブログで「サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味」に「粉もん満月ポン(規格外)」をトッピングするアレンジを推奨(満月ポンオンラインショッピングにて3,000円以上購入すると「粉もん満月ポン」が1セットもらえるキャンペーンを実施)していましたが、ちょい足しアレンジなしでも雰囲気が楽しめるのかどうかを意識しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを半分まで剥がし、熱湯を注ぐだけで食べられる簡便性の高さが魅力。容器側面の調理方法①には、他の「カップスター」と同様に “まずは、フタを矢印まであけて左右にフリフリ! 具材を広げます” とあるため、もれなくフリフリしちゃいましょう。
かやくは「カップスター」ならではのアレンジを感じるポイントで、味付揚げ玉、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、かまぼこと賑やかなラインナップ。前述のように「満月ポン」はシンプル極まりない焼菓子なので、再現度の高さを重視すると遠退きますが、おかげで彩りは悪くありません。それにしてもエースコックの「ベビースターラーメン」然り、こういう系のコラボは花型かまぼこが定番なんですかね。
それはさておきメーカー希望小売価格は214円(税別)なので、既存のカップスター各種(醤油・旨塩・味噌・豚骨・カリーうどん・海老天そば・きつねうどん)と同じ値段。コンビニでは「ファミリーマート」での取り扱いを確認していますが、スーパーやドラッグストアなど、コンビニ以外のルートが主な販売店になるので、そちらを優先して探したほうがいいでしょう。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 カップスター 満月ポン風おしょうゆ味 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:67g(めん50g) 商品コード:4901734048855(JAN) |
発売日:2023年01月16日(月) 実食日:2023年01月20日(金) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:214円(税別) 購入価格:231円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:320ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、野菜エキス、しょうゆ)、スープ(糖類、食塩、しょうゆ、米粉、小麦粉、酵母エキス、発酵調味料、デキストリン)、かやく(味付揚げ玉、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、かまぼこ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、かんすい、香料、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、酸味料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。同ブランドの「咖喱(カリー)うどん」「海老天そば」「きつねうどん」は和風めんなので、それならばと分類的に中華めんの「醤油」「旨塩」「味噌」「豚骨」と原材料名を比較してみたところ、完全に一致する麺はありませんでした。でも、引き続き「満月ポン」らしさは控えめ。
前述のように小袋は別添されていないため、内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったら粉末スープの溶け残りがないように、よく混ぜ合わせたら完成です。ええ、ふつうにカップラーメンなんですけどw かろうじて醤油の香りは共通点といえなくもありません。はたしてシンプルこの上ない「満月ポン」の味わいを「カップスター」で再現できているのか‥‥
ちなみに製造所は太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)となっているのですが、太平食品工業はサンヨー食品が1963年(昭和38年)1月に設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番の工場” という認識で問題ありません。それでは、引き続き「満月ポン」らしさの表現方法に注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(67g)あたり |
カロリー:282kcal たん白質:6.5g 脂 質:9.6g 炭水化物:42.3g 食塩相当量:4.9g (めん・かやく:1.3g) (スープ:3.6g) ビタミンB1:0.31mg ビタミンB2:0.28mg カルシウム:103mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:282kcal(めん・かやく:230kcal)(スープ:52kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
限りなく再現度は低い
幅が狭い平打ちの細麺で、ラーメンよりも “ヌードル” という表現が似合う、なんともスナック的なタイプの油揚げ麺なんですけれども、驚いたのがコシの強さ。即席カップめんの世界を切り拓いた「カップヌードル」(日清食品)と比較して、若干ながら厚みのある形状なのですが、それよりも明らかに耐久性が高く、食べ始めから食べ終わる頃まで目立った劣化を感じません。
調理前の麺重量は50gなので、たとえば定番の「カップスター 醤油」(めん60g)や「同 豚骨」(めん55g)よりも少ないのですが、それらと比較しても食感の劣化が目立たない、想像していたよりもコシが強い質感に驚きました。はたして「満月ポン」らしさは皆無に等しいものの、小麦粉・食塩・しょう油を原材料に使用しているのは共通する‥‥というのは強引すぎますねw
カップ麺の題材になっている「満月ポン」の表面はサクッとしているのですが、中は麩菓子のようなベクトルで、その絶妙な軽さが多くのファンを虜にしています。そのため再現度を重視するのであれば、もっとチープな食感の麺を合わせるべきなのでは‥‥などと、ちょっと複雑な心境に。というわけで、めんの評価は間を取って及第点としたのですが、問題はスープです。
スープ
おいしいけど無理がある
実際の「満月ポン」ほどではないけれど、原材料名は “糖類、食塩、しょうゆ、米粉、小麦粉、酵母エキス、発酵調味料、デキストリン” とシンプルで、カップ麺にしては珍しく畜肉エキスや野菜エキスは使っていません。しかし、あの甘辛い醤油味とは別物で、ふつうに美味しい味付けではあるものの、満月ポン風‥‥うーん、みたいな。
米粉や小麦粉を使うことで煎餅(せんべい)らしさを表現しようと試みたようですが、題材になっている「満月ポン」は米粉を使わずに作った焼菓子です。米粉は煎餅を想起させるアイテムとして実に効果的で、それが「めんべい」のときにはプラスに作用していたのですが、はたして「満月ポン」らしいかといえば異なるベクトルに突入させてしまう要素ですし、結果的に無理があるように感じました。
かやく
まだアラレとか入れたほうが雰囲気あったかも
なぜか大量に入っていた揚げ玉は、おそらく風味的にオニオン入りの揚げ玉で、独特の芳ばしい甘さがクセになる感じ。肉そぼろはジャンクさMAXの味付けで、ねぎは風味が強く、花型かまぼこで彩りもバッチリなんですけど、満月ポンらしさは皆無。カップ麺なのに具材なしだと一部から文句を言われそうですし、かといって賑やかなのも考えもので、どう受け取ればいいのか悩ましかったです。
総評
コンビニでの販売価格は214円(税込231円)なので、この仕上がりだと割高に思えますし、私の行動圏内にあるローカルスーパーでの販売価格は118円(税込127円)だったのですが、たとえば販売期間のピークを過ぎて98円均一の安売りワゴンに放り込まれていたとしても、再購入はないかな‥‥というのが正直な意見。
おいしい・まずいの二択でいえば、頭ごなしに後者ではないけれど、結果的に「満月ポン」らしいと思えるのはパッケージのデザインだけだったので、及第点は付けられませんでした。そのため “よくも悪くも‥‥” なんですけど、全国に「満月ポン」の存在を発信できた功績は大きいので、関西にお越しの際は、ぜひ本物の「満月ポン」を試してみてください【author・taka :a(大石敬之)】