どうも、taka :a です。
本日の一杯は、2021年2月1日(月)新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル ガツン!とスタミナ醤油 ビッグ」の実食レビューです。
にんにく・とんこつ・にんにく!? ついに「カップヌードル」からも “二郎インスパイア系” の新作降臨!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル ガツン!とスタミナ醤油
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、日清食品が世界に誇るグローバルブランドで、東京都新宿区の伊勢丹百貨店を皮切りに、1971年(昭和46年)9月18日から販売をスタート。これまでにない斬新なインパクトで若い世代から注目を集めましたが、まだ袋入りのインスタントラーメンが30円だった頃、カップヌードルの売り出し価格は100円(即席袋麺の3倍以上)と高額だったので、あまり店頭には並ばなかったそうです。
そこで当時の日清食品は、カップヌードルのリリースから数日後に「カップヌードル営業課」を発足。消防署や警察署、病院、自衛隊など、夜勤が多い特殊ルートに営業をかけた結果、1972年(昭和47年)2月の “あさま山荘事件” で機動隊の非常用食料となったことを切っ掛けに確固たる市民権を獲得。今では国内で常時25種類前後の味を展開し、国内年間売上1,000億円を誇る業界No.1ブランドの地位を確立しました。
今回のカップ麺「カップヌードル スタミナ醤油 ビッグ」は、にんにくの風味をガツンと効かせた濃厚豚骨醤油スープを特徴とする新作で、日清食品の公式ウェブサイト内にあるニュースリリースには “スタミナ系ラーメンではおなじみの「とんこつ×にんにく×醤油」の組み合わせを「カップヌードル」流にアレンジした、ガッツリスタミナ系の商品です” と記載。
大人の事情で商品の特徴を “ガッツリスタミナ系” と表現していますが、店頭で目を引く黄色いカラーリングの背景に、赤と黒の文字が映えるパッケージのデザインは「ラーメン二郎」の看板を彷彿とさせる、そのためジャンルとしては近年の日清食品が力を入れている “二郎インスパイア系” とみて間違いありません。
二郎インスパイア系とは、東京都港区三田に本店を置くラーメン界の重鎮「ラーメン二郎」に強く影響された店及び商品の総称で、インターネットの普及が追い風になり、ある種の社会現象を巻き起こしている現在。なかでもインスパイア系と呼ばれるラーメンは、まぜそば(汁なし)や冷やし中華など、二郎系(もともと「ラーメン二郎」だったが諸事情で屋号を変えた店)よりも多岐にわたる商品を展開しているのがポイント。
しかしながら麺が見えないほど大量にヤサイ(もやし、キャベツ)を盛り付け、豚(ぶた)と呼ばれる極厚のチャーシューもしくは煮豚をトッピングし、ごわごわ・わしわしとした食感の極太低加水麺に使う小麦粉は日清製粉の強力粉・オーション(灰分0.52±0.04%の2等粉)を愛用するなど、いくつか共通する特徴があり、ニンニクやアブラを無料で増やせるのも人気の秘訣。
たとえば2019年10月8日に発売されたセブンイレブン限定のPB商品「日清のどん兵衛 マシマシ篇 ガチ豚ニンニク」を皮切りに、本格志向のカップラーメン「日清豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」(2020年1月13日発売 / 2021年1月4日リニューアル)やラーメンキット「豚園 背脂醤油豚ニンニク」(2020年3月16日発売)など、二郎インスパイアの商品を意欲的に展開している日清食品。
比較的に最近だと2016年1月25日に「カップヌードル ベジータ 豚キャベツとんこつ(ガツンと野菜マシマシ コク旨とんこつ味)」という “それっぽいフレーバー” をリリースしていましたが、そこまで二郎っぽさは強くなかったので、よりブラッシュアップされた仕上がりと二郎系どん兵衛「マシマシ篇」に匹敵するニンニクの攻撃性に期待したいところ——。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを開けたら熱湯を注ぐだけの簡単調理。サブタイトルの「にんにく・とんこつ・にんにく」(にんにくの重複)が気になるところではあるものの、それはさておき外装フィルムを破いた瞬間から‥‥いや、外装フィルムを破く前からニンニクの香りが漂ってくる実食前。
具材に二郎インスパイア系を象徴するモヤシは入っていませんが、多めのキャベツが嬉しい構成で、謎肉の愛称で親しまれている味付豚ミンチがカップヌードルのアイデンティティを確立。また二郎インスパイア系の店内に充満するニオイとは異なるけれど、かなり強烈なニンニク臭を筆頭に、粉末とは思えない臨場感を漂わせる醤油と豚骨の香りが頼もしく、開封直後の掴みは悪くありません。というか、すでに勝ち確の雰囲気。
メーカー希望小売価格は220円(税別)ということで、2021年2月現在における縦型ビッグの標準価格。販路は限定されておらず、スーパーやドラッグストアなども販売店の対象に含まれており、コンビニ大手4社の中ではセブンイレブンをはじめ、ほとんどの店舗で取り扱っているような状況でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル スタミナ醤油 ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:105g(めん80g) 商品コード:4902105263686(JAN) |
発売日:2021年02月01日(月) 実食日:2021年02月02日(火) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:ローカルスーパー 商品購入価格:213円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料)、スープ(豚脂、チキン調味料、粉末しょうゆ、でん粉、香辛料(にんにく)、ポーク調味料、小麦粉、糖類、酵母エキス、食塩)、かやく(キャベツ、味付豚ミンチ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、カラメル色素、香料、増粘多糖類、炭酸Ca、かんすい、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、炭酸Mg、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。今回の「スタミナ醤油」は数量・期間限定発売のスポット商品ですが、基本的に限定フレーバーのカップヌードルに使われている麺も既存のカップヌードルと同じなので、おそらく今回も定番御三家(しょうゆ・シーフード・カレー)のいずれかに使われている油揚げ麺と同じもの。
あとは熱湯を注いで3分後、時間になったらフタをすべて剥がし、粉末スープの溶け残りがないよう念入りに混ぜたら完成です。きちんと内側の線を守って熱湯を入れましたが、思いのほかキャベツの量が多かったので、ちょっとスープが少なめに仕上がるかもしれません。
さて、二郎インスパイア系を象徴するモヤシは不使用かつアブラ要素は控えめですが、調理後もニンニクの香りは凄まじく、それについては看板に偽りなし。おそらく麺は “いつものカップヌードル” なので、引き続き豚骨感にも注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(105g)あたり |
カロリー:492kcal たん白質:11.5g 脂 質:21.6g 炭水化物:62.8g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.8g) (スープ:3.5g) ビタミンB1:0.23mg ビタミンB2:0.34mg カルシウム:133mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:492kcal(めん・かやく:425kcal)(スープ:67kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
「カップヌードル 味噌」と同じ麺
二郎インスパイア系のラーメンに使われている麺は、加水率の低い極太サイズの低加水麺で、縮れが強い無骨なスタイル。ごわごわ・わしわしとした食感に、むんむんとした小麦の香りも特徴としているのですが、今回のカップヌードルに使われている麺は既存の商品にも使われている汎用麺。
麺の原材料名「小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料」と太さから察するに、おそらく「カップヌードル 味噌(みそ)」と同じ麺。レギュラーのカップヌードルが約2mm幅に切り出されているのに対し、こちらは約3mm幅と太めに切り出しているのが特徴的なポイント。
二郎インスパイア系の商品には大量のニンニクや背脂など、インパクトを持たせるために特別な素材を使っている商品が多く、トレードオフ(コスト調整)で麺の量が少なかったり、希望小売価格が標準よりも高くなったりするのですが、きちんとカップヌードルBIGの変わり種における標準80g(大盛り)なのが嬉しいところ。ややスープに埋没気味ですが、それだけにスープのインパクトがダイレクトに楽しめるバランスです。
スープ
中毒性注意!!
調味油や液体スープなどの小袋は別添されておらず、背脂加工品やラード加工品なども入っていないため、カラメ(醤油)の要素は粉末ですし、アブラマシマシの背徳感も妥協せざるを得ない項目になりますが、ことニンニクのインパクトについては申し分ありません。
あくまでもガーリックパウダーが主体なので、おろしニンニクや生の刻みニンニク特有のエッジは楽しめないけれど、万が一にも仕事の合間に食べてしまった場合、その威力は食後の商談に悪影響を及ぼすレベル。
原材料名を確認したところ、ポーク調味料よりもチキン調味料を多く使っているようですが、粉末ながらに骨っぽさを感じさせる豚骨の打ち出し方は素晴らしく、醤油のコクとキレもあり、いい意味でシンプルな中毒性の高いスープに仕上がっていました。さすがに「豚ラ王」ほどではないけれど、万人受けを意識しているカップヌードルにしては思い切ったスープです(これ「カップヌードル炒飯にアレンジしたらヤバい」やつ)。
具材
謎肉は少ないけどキャベツはマシマシ
具材は謎肉(味付豚ミンチ)とキャベツだけなので、数年前に発売された「ベジータ」のようにバリエーションは多くないですし、前述のセブンイレブン限定「どん兵衛 マシマシ篇」よろしく刻みニンニクが入っていれば‥‥という思いもありますが、たっぷり入ったキャベツのボリューム感が嬉しいラインナップ。
カップヌードルの味付豚ミンチには、大きく分けて豚肉ベースの “謎肉” と鶏肉ベースの “白い謎肉” があり、後者は2017年6月26日にリニューアルした「チリトマトヌードル」から導入し始めたもの。しかし、今回のカップ麺にも入っている豚肉ベースの謎肉は、カップヌードルの発売当初(1971年9月)から入っている最古参の具材と歴史は古く、最近は「謎肉丼」や「謎肉祭」といった特化型の商品が発売されるほどの人気ぶり。
残念ながら今回の謎肉はギリギリ5個弱と多くはなかったので、ちょっと寂しい思いもありますが、にんにくの効いたスープとの相性はよく、これぞカップヌードルならではの背徳感を打ち出していました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
別添の調味油や背脂など、二郎インスパイア系で魅力とされるアブラ要素は控えめで、もやしも入っていませんが、パッケージの “ガツン!とにんにく” については看板に偽りなし。個人的にはメーカー希望小売価格を引き上げてでも小袋を別添し、なおかつ背脂加工品を導入するなど、アブラにも力を入れてほしいと感じた反面、にんにく・とんこつ・にんにくのインパクトは申し分なく、結果的に良品だと感じました。
たとえば「豚ラ王 ヤサイ、アブラ、ニンニク」をカップヌードルに落とし込んだような、ハイエンドモデルのインスパイア系に期待していた場合、ちょっと物足りなさを感じるおそれもありますが、税別220円の縦型ビッグとしては上出来です。とはいえ高いポテンシャルを秘めていた今回のスタミナ醤油、次は「カップヌードル リッチ」よろしくプレミアムタイプの登場にも期待したいですね(author・taka :a)