どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年3月18日(月)新発売のカップ麺、日清食品「おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん 豚とカツオのWだし」の実食レビューです。
「カップヌードル」 なのに和風メニューの「うどん」と「そば」?! かんすい不使用の新提案「おだしがおいしいカップヌードル」新発売!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん
1971年(昭和46年)9月18日から発売されている超ロングセラーブランドの「カップヌードル」ですが、シニア層に向けたお求めやすい価格の新商品として、ついに和風部門へと商品バリエーションを展開し、 “あっさりおいしく、お手頃価格! ” をコンセプトに掲げた新ブランド「おだしがおいしいカップヌードル」が発足しました。
今回の記事でレビューする新商品「おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん(豚とカツオのWだし)」と同時に「おだしがおいしいカップヌードル 鶏南蛮そば(鶏とカツオのWだし)」も新発売となっているのですが、どちらも同じコンセプト。 “おいしいおだし” の決め手になっているのは、パッケージにも描かれている “あの肉” です。
「カップヌードルの “あの肉” が決め手」ということで、そう‥あの肉とは通称「謎肉」と呼ばれているダイス状の肉具材。女優の安藤サクラさんが主演を務めるNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」の第141回(2019年3月19日放送)で、ついに「まんぷくヌードル」に入れる具材の一つとして「謎肉」らしきサイコロ状の加工肉が完成し、ファンの視聴者を喜ばせました。
しかしながら同日、カップヌードルの具材に適したエビとして、インド洋などで採れる「プーバラン」が登場し、 “謎エビの正体がわかった! ” と、謎肉よりも盛り上がってしまったのですがw 当日のYahoo!リアルタイム検索で急上昇した結果、まさかの午前9時半頃にトップ5入りしていたので、多くの方が目にしたことでしょう。けっこう前から有名な話なんですけど、朝ドラ効果でイッキに有名なワードになりましたね。
さて、今回の決め手とされる「謎肉」に話を戻しましょう。謎肉とは、2019年3月現在の原材料名では「味付豚ミンチ」と表記され、「カップヌードル」の発売当初から入っている歴史の古い肉具材です。日清食品グループの公式ウェブサイト内にある商品の紹介文では「ダイスミンチ」または「ダイスポーク」とも表記されているのですが、「カップヌードル」が46歳の誕生日を迎えた2017年9月18日(月)、ついに日清食品が「謎肉の正体」を公に発表しました。
謎肉の正体が公表された当時、日清食品は “肉と大豆由来の原料に、野菜などを混ぜて味付けしたミンチ” と発表していたのですが、動物資源と植物資源を合わせた「近未来ハイブリッドミート」ともいわれているフリーズドライ(凍結乾燥)製法で製造された肉具材。「謎肉(なぞにく)」というキャッチーな愛称は2005年頃からネット上で使われ始めたインターネットスラングに由来しているのですが、「謎肉祭」や「謎肉丼」などの謎肉特化型商品が開発され、今では日清食品公認の通称となっています。
さて、その「謎肉」が “おだしがおいしい” の決め手になっている今回の新商品、ただでさえジャンクな肉具材なので、スープに対する味への影響力が気になるところ。また “決め手” というからには謎肉の量にも期待したいところですが、いったい何個入っているのかも数えてみましょう。
開封
基本的にタテ型カップ麺は容器の底から外装フィルムを破くのがセオリーとなっているのですが、通常の「カップヌードル」には “フタ止めシール” が貼り付けてあるのに対し、今回の「おだしがおいしいカップヌードル」には「肉うどん」「鶏南蛮そば」ともにフィルムの開封とフタ止めが兼用できるシールはありません。
容器の大きさはレギュラーサイズの「カップヌードル」と同じサイズとなっているのですが、 “あっさりおいしく、お手頃価格! ” というコンセプトを掲げているように、メーカー希望小売価格はカップヌードル(税別180円)よりも安い税別125円と手頃な価格に設定されているため、おそらくコストを調整するためにカットされたものと思われます。
いざ開封すると謎肉由来のジャンクな香りと同時に強めの鰹が香ってきて、いつもの洋風路線とは一線を画す雰囲気です。そして気になっていた謎肉の数はパッと見「6個」ですが、写真の奥にある2個は1/2サイズなので、実質5個といったところでしょうか。「謎肉祭」のように大量ではないものの、だいたいスーパーマーケットやドラッグストアなどでの販売価格は税込100円前後が相場になるので、5〜7個前後が妥当な平均個数かもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん 製造者:日清食品株式会社 製造所:下関工場(製造所固有記号 B)山口県下関市小月小島1-1-12 内容量:63g(めん50g) 商品コード: 4902105246931(JANコード) 規格サイズ:縦96mm×横96mm×高さ107mm 発売日:2019年03月18日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(うどん) スタイル:縦型レギュラーサイズ 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(小袋なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、昆布エキス、やまいも粉)、スープ(糖類、食塩、ポーク調味料、粉末しょうゆ、豚脂、魚介調味料、かつお節粉末、たん白加水分解物)、かやく(味付豚ミンチ、味付卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、リン酸塩(Na)、炭酸Ca、乳化剤、カラメル色素、香料、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、カロチノイド色素、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・やまいもを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・卵・乳成分・豚肉・鶏肉・さば・大豆・やまいも・ごま(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載) |
実食開始
別添の小袋は入っていないので、フタを半分まで開けたら熱湯を注ぐだけの簡単調理。麺は油揚げ麺(フライ麺)、うどんとしては細身のサイズですが、通常のカップヌードルと同じく待ち時間は熱湯3分です。ちなみに日清食品のタテ型カップうどんには「日清タテ型どん兵衛 きつねうどん」という製品もあって、それにも熱湯3分のフライうどんが採用されていました。
また、関西では近畿限定のカップ麺として「千とせ 肉うどん」というタテ型カップうどんが定期的に販売され、それにも熱湯3分のフライうどんが採用されているのですが、先ほど原材料名を確認してみたところ、「千とせ 肉うどん」とも「日清タテ型どん兵衛 きつねうどん」とも微妙に原材料名が違いました。
さて、完成です。かまぼこなどの定番和風具材は入っていませんし、本家よろしく完全に麺が隠れるほどの具材量ではないものの、スクランブルエッグが膨張して調理直後の見た目に寂しさはありません。それでは、謎肉の影響力やWだしの厚みに注目しつつ、「めん」「つゆ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(63g)当たり
熱 量:293kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:293kcal(めん・かやく:275kcal)(スープ:18kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
つるみのある、のどごしの良いうどん。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
先ほど原材料名について触れましたが、もっとも既存の製品で近いのは「日清タテ型どん兵衛 きつねうどん」(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、大豆食物繊維、やまいも粉)で、それに「昆布エキス」が練り込まれているような構成です。ちなみに2019年3月上旬から通年商品の「日清のどん兵衛」うどん全シリーズの麺とスープが公の発表なくリニューアル(マイナーチェンジ)しているのですが、それを機に定番どん兵衛の麺にも昆布エキスが練り込まれました。
やまいも粉は軽いつなぎで含有量は少なく、それほど味への影響は感じませんが適度に弾力があり、昆布エキスの下支えがあって、かなりスープとの一体感は高いです。形状は厚みのない平打ち麺で歯切れがよく、食べ始めは特に粘り気や弾力よりも軽さが目立っていたのですが、意外と後半にかけて徐々に粘りが増していくタイプだったので、きちんと3分待ったほうがよいでしょう。
前述した「千とせ 肉うどん」の油揚げうどんには昆布エキス・やまいも粉どちらも練り込まれていませんが、それより耐久性があります。それにメーカーの説明文でも喉越しに関することしかアピールされていないように、コシや弾力よりもスープとの一体感を重視しています。油揚げ麺特有の風味も並行しますが、風味を野暮ったくマスクしてくるのではなく、適度に特有のコクがスープに滲み出るメリットが優勢。量は50gと控えめですが、シニア層を意識していることと実売価格を思えば物足りなさはありませんでした。
つゆ
豚とカツオのWだしをきかせた甘めのつゆ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
今回はシニア層を意識した “あっさり” というキーワードも見られましたが、なんのなんの。むしろ味は濃いめで減塩商品のような物足りなさは皆無に等しく、天下の謎肉から滲み出てくるジャンクな肉の旨味もありますが、つゆ自体は実際そこまで強烈にジャンクなわけではなりません。液体スープや調味油は別添されていないのでオイルの厚みはありませんが、きちんとスープの原材料にポーク調味料を使用し、丁寧な豚の出汁(だし)を打ち出しています。
畜肉系の旨味は粉末由来ですが厚みがあり、それに負けない鰹(かつお)を中心とした節系の旨味も濃厚で、どっしりと構える様は実に頼もしく、攻撃性はないけれど大人しくもない、むしろ内に眠る荒々しさを感じるほど。鰹の他に鯖(さば)の旨味も重なりますが、あまり煮干は意識されておらず、しかしながら荒節を思わせる節の芳醇な旨味が素晴らしいですね。
けっこう塩気もキリッとしていますが、どちらかというと和風だし重視の関西風で、製品説明通り奥行きのある甘みを帯びています。こってりではありませんが、あっさりなんて言えない旨味の濃度を誇っていて、しかしながら還暦を過ぎていても一般的な市販の定番和風カップ麺が完食可能で甘濃いつゆさえダメじゃなければ抵抗なく楽しめると思いますし、シニア層から若者まで老若男女を問わず幅広いカップヌードル世代が楽しめる味と言えるでしょう。
かやく
味付豚ミンチ、たまご、ネギ。
(出典:日清食品グループ公式ウェブサイト「ニュース > プレスリリース」)
味付豚ミンチは通常のカップヌードルに入っている謎肉そのもので、それを単体で食べると強烈にジャンクな魅力を叩き込んでくるのですが、前述したようにスープ(だし)の味を染め上げるほどの影響力はありません。もし15個以上入っていたら状況は変わっていたかもしれませんが、実際に食べてみて結果的に5〜7個くらいで適切だと感じました。
サイズも一つひとつが大きめで具材としての存在感は大きく、シニア層を意識したカップ麺でありながら誰が何と言おうと疑う余地のないカップヌードルのアイデンティティを鮮烈に打ち出し、それでいて和風つゆと相性もまったく問題ありません。もちろんリアルな肉うどんとは違うインスタント感バリバリなんですけど、これは「カップヌードル」です。
話題沸騰中の謎エビ(プーバラン)は入っていませんが、歯触りに存在感のあるネギと膨張率の高い甘みを帯びたスクランブルエッグは適度にボリュームがありました。ちなみにプーバラン採用の経緯は、開発担当者が大阪市内にあるホテルのレストランで食べたシュリンプカクテルがキッカケで、当時のプーバランは1kgあたり原価4,500円の高級品だったそうですよ。それでも採算が取れていたカップヌードルってスゴい‥‥
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
今回のカップ麺「おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん」は、和風ジャンルに商品バリエーションを展開することで、特にシニア層を意識したカップヌードルの新ブランドとして誕生しましたが、まったくもって購買層はシニア層に限らないでしょう。私は還暦未満のカップ麺ヘビーユーザーですが、とても高い満足感が得られました。
シニア層の方でも抵抗なく馴染めそうテイストでありながら薄味の懸念はなく、また若者や主婦、10代から20代・30代・40代・50代‥と、老若男女を問わず幅広い層のユーザーが楽しめそうな仕上がりで、なおかつ白ご飯・おにぎりとも合う味付けからゴリゴリのカップ麺ユーザーでも楽しめそうな、ほんとよくできた商品です。
けっこう甘濃いつゆなので、カップヌードルの謎肉や甘濃い和風つゆが苦手だとオススメできませんが、そうでなければ幅広い方にオススメしたい、カップヌードルの常識を覆す新提案でした。平均売価も税込100円前後と手軽な値段ですし、スポット商品の一発屋シリーズに終わることなく今後の活躍にも期待できそうですね。