どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年11月3日(水)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 魔法のレストランコラボ トマトスープ→担々麺」の実食レビューです。
コンソメトマトスープを辣椒担担麺に味変え!?「マホレス」の愛称で親しまれる関西の人気ローカル番組『水野真紀の魔法のレストラン』と世界初のカップ麺「カップヌードル」が異例の周年コラボ “3人の有名シェフ” と共同開発!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 魔法のレストラン トマトスープ→担々麺
「カップヌードル 魔法のレストランコラボ」とは、1971年(昭和46年)9月18日の発売以来、今年で50周年を迎えた世界初のカップ麺「カップヌードル」と、2001年(平成13年)4月12日から放送を続けている関西のグルメ情報番組『水野真紀の魔法のレストラン』の20周年を記念したコラボ商品で、番組のメインMCを務める水野真紀(みずの まき)さんの “むちゃぶり” からスタートした企画。
今回の新商品「カップヌードル 魔法のレストランコラボ トマトスープ→担々麺」は、フレンチの巨匠「神戸北野ホテル」の山口浩シェフをはじめ、ミシュラン一つ星の中華「中国菜エスサワダ」の澤田州平シェフ並びにミシュランガイド・ビブグルマンのイタリアン「イル ルォーゴ ディ タケウチ」の竹内啓二シェフ監修のもと、これまでにない “至極のカップヌードル” を共同開発。
『水野真紀の魔法のレストラン』でも特集が組まれ、2021年11月3日(水)より「阪急百貨店うめだ本店地下1階ツリーテラス」で販売を開始するや否や、当日は朝の6時半から店の前に並ぶ客の姿があり、その行列が約500人に達した結果、阪急百貨店うめだ本店がオープンを20分早め、当日分は即完売。その後も入手困難な状況が続くなど、ネット上でも大きな話題になっていました。
神戸北野(こうべきたの)ホテルとは “美食を愛でる、心豊かなひとときを過ごしていただきたい” をコンセプトに生まれた関西を代表するオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)で、総支配人と総料理長を務める山口浩(やまぐち ひろし)シェフは、かつて『ミシュランガイド』の三つ星を獲得しながらも非業の死を遂げたベルナール・ロワゾー(Bernard Loiseau)に師事した人物。
現在の「ルレ・ベルナール・ロワゾー(Le Relais Bernard Loiseau)」が「ラ・コート・ドール(La Côte d’Or)」だった頃、フランス料理界に革命を起こしたベルナール・ロワゾー考案のキュイジーヌ・ア・ロー(cuisine a l’eau – 水の料理)を山口浩シェフが受け継ぎ、現在は神戸北野ホテルで世界一と謳われるロワゾー直伝の朝食メニューや時代の半歩先を行くフレンチを提供しています。
中国菜(ちゅうごくさい)エスサワダとは、高級中華の代名詞として知られる香港の中華料理店「福臨門酒家」を筆頭に、国内外を問わず様々な名店で修行を積んだ澤田州平(さわだ しゅうへい)シェフが独立開業した店で、2016年(平成28年)11月19日にオープン。大阪の “ミシュラン通り” とも呼ばれている西天満に店を構えるや否や、わずか1年で『ミシュランガイド京都・大阪2018』の一つ星を獲得。
続けて翌年の『ミシュランガイド京都・大阪+鳥取2019』でも一つ星に輝き、看板メニューのクリスピーチキンをはじめ、白子入り麻婆豆腐や真鯛の昆布締めビーフン、フォアグラバーガーなど、和食やフレンチの技法も取り入れながら、斬新な発想と古典を融合させた本格中華料理を提供し、いまや3ヶ月先の予約も取れないほど、確固たる人気店としての座を築き上げました。
il luogo di TAKEUCHI (イル ルォーゴ ディ タケウチ)とは、大阪市福島区を中心に店舗を展開している本格イタリアンの人気店で、2010年(平成22年)5月7日に竹内啓二(たけうち けいじ)シェフが1号店を開業。まだミシュランの星こそ獲得していませんが、2013年(平成25年)10月25日発行の『ミシュランガイド関西2014』から8年連続でビブグルマンに選出されている、業界最注目の実力派。
そんな関西を代表する3人の有名シェフが考案したのは、それぞれが得意とするジャンルを掛け合わせた至極のカップヌードルで、最初に「洋風コンソメトマトスープ」を楽しんだ後、カップヌードル史上初となる付属のレトルト資材(担々麺セット)を好きなタイミングで加え「ごろごろ肉みそ担々麺」に “味変え” する斬新な商品。特殊な作り方を採用しているため、順番に解説していきます。
開封
箱の中には “Magic” と書かれた「カップヌードル」本体に、後入れの担々麺セット(ごろごろ肉みそ、特製辣油、ふりかけ)と作り方を記載した紙を別添。ちなみに「日清食品グループ オンラインストア」では、2021年11月3日の10時より予約受付開始となっていたので、そこから購入したのですが、当日はアクセス過多によるサーバーの負荷が著しく、パソコンの前で粘り続けること6時間半以上‥‥w
「日清食品グループ オンラインストア」での予約販売は、ひとり5食までの個数制限があり、販売価格は1食あたり税込540円と異例の値段。後日に通常販売される運びとなっていたのですが、事前に “予約段階で予定数量に達した場合、通常販売は行いません” とニュースリリースで釘打ち。すでに「トマトスープ→担々麺」は予約段階で売り切れてしまったので、そこから入手することはできません。
もう一つの正式な販売店舗である阪急百貨店うめだ本店(大阪府大阪市北区角田町8-7)地下1階ツリーテラスで購入した場合、カップヌードル史上初のスプーンが付属されていたようですが、ネット通販サイトを利用して購入すると、専用のスプーンは手に入りませんでした。なお “もう一つ正式な販売店が用意されている” のですが、その情報については後述します。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 魔法のレストランコラボ トマトスープ→担々麺 販売者:日清食品株式会社(大阪市淀川区西中島4-1-1) 製造所:株式会社クレバー(大阪府八尾市竹渕2-95) ※本体の製造は日清食品の関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:100g(めん50g) 商品コード:4902105270622(JAN) ※本体:4902105992869(JAN) |
発売日:2021年11月03日(水) 実食日:2021年11月11日(金) 発売地域:阪急うめだ本店地下1階ツリーテラス 他 取得店舗:日清食品グループ オンラインストア 商品購入価格:540円(税込) 希望小売価格:500円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯1分 小袋構成:3袋(ごろごろ肉みそ・特製辣油・ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、ポークエキス、香味調味料)、肉みそ(豚肉、甜麺醤、しょうゆ、清酒、豚脂、食塩、砂糖)、スープ(糖類、豚脂、トマトパウダー、でん粉、香味油、チキン調味料、植物油脂、食塩、オニオンパウダー、小麦粉、オニオン調味料、香辛料、たまねぎ、きのこ調味料)、ふりかけ(カシューナッツ、ごま、たまねぎ、赤唐辛子)、かやく(トマト加工品、マッシュルーム、インゲン)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘剤(加工でん粉、増粘多糖類)、香料、酸味料、乳化剤、炭酸Ca、かんすい、酢酸Na、トレハロース、酸化防止剤(ビタミンE)、pH調整剤、グリシン、香辛料抽出物、カロチノイド色素、酢酸、ベニコウジ色素、ショ糖脂肪酸エステル、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・落花生・カシューナッツ・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む) |
実食開始
本体のフタを開けると慣れ親しんだ「カップヌードル」シリーズの油揚げ麺に、通年販売されている「チリトマトヌードル」のトマト加工品や「トムヤムクンヌードル」のマッシュルームなどが入っているのですが、注意すべきは湯戻し時間。いつもは熱湯3分を基準としている「カップヌードル」ですが、今回の「トマトスープ→担々麺」に限り “熱湯1分でフタを開ける” というのが最初のポイント。
阪急百貨店うめだ本店での販売分には “カップヌードル史上初のスプーンが付属されていた” と前述したように、今回の「トマトスープ→担々麺」は “最初にスープとして楽しむ” カップヌードルで、山口シェフ考案のスープと竹内シェフのアイディアであるキノコの組み合わせを味わった後、澤田シェフ考案の「担々麺セット」を好きなタイミングで使い、味を洋風から中華に大きく変えられるのが最大の魅力。
調理方法が記載されていた紙を見ると “トマトスープをたくさん残すと より酸味と甘みのある担々麺に” とのアドバイスがあり、もう一つ “トマトスープを飲めば飲むほど より辛みとコクのある汁なし担々麺に” との記載もあったので、それも参考にしつつ「味変え前」と「味変え後」に分けて商品の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)あたり |
カロリー:416kcal たん白質:10.3g 脂 質:21.5g 炭水化物:45.3g 食塩相当量:5.0g ビタミンB1:0.56mg ビタミンB2:0.21mg カルシウム:83mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
味変え前「洋風コンソメトマトスープ」
きちんとカップヌードルとの親和性も意識
まずは “珠玉のトマトスープを-・” というコンセプトに従い、スープの味から確認してみたところ、真っ先に感じたのはトマトの酸味。くっきりとしたトマトの清涼感をフロントに、鶏肉と玉ねぎを中心とするブイヨンで脇を固め、さりげなくキノコの旨みを隠し味に使い、ハーブのアクセントで華やかさと奥行きを表現。
市販の某コンソメ顆粒とは一線を画す、トマトが主役の味わいで、もっと柔らかい味を想像していたのですが、なんのなんの。トマトに由来する輪郭の整った酸味を巧みに使っているため、油揚げ麺の風味に飲まれることもありません。むしろ油揚げ麺から滲み出る風味とコクを想定し、それさえも上手く活かしているような骨組みで、緻密な計算を感じます。
四角いトマト加工品とインゲンは、前述のように「チリトマトヌードル」からスカウトした具材だと思うので、いまさら新鮮味こそないものの、トマト加工品はスープのトマト感を強めることに寄与しており、インゲンのアクセントもスープにフィット。
マッシュルームも「トムヤムクンヌードル」や「欧風チーズカレー」と共通の具材なので、おそらく新開発ではないと思いますが、ほかの具材ほど頻繁に使い回されていないトッピング。保存性を高めるために乾燥させられた結果、生の状態よりも旨味が凝縮した状態で、今回はスープに含まれる “きのこ調味料” と相乗効果を発揮しているような、そこまでの計算を感じるバランスです。
今回は正規の価格で税込540円と高額なので、もちろん「味変え前」だけ見ると値段に伴った内容ではないのですが、ここからが「トマトスープ→担々麺」の本領発揮。
味変え後「ごろごろ肉みそ担々麺」
こんなん卑怯w
カップヌードル史上初となるレトルト資材「ごろごろ肉みそ」に入っている挽肉は、きちんと本物の豚肉なのが嬉しく、値段的に当然といえば当然ではあるものの、最近は頻繁に見かけるようになったフェイクミート(大豆加工品)は不使用で、甜麺醤に由来する独特のコクと甘すぎない絶妙な甘さがクセになるテイスト。
この段階で唐辛子の辛味や花椒の痺れを感じることはないけれど、ほんのすこし清酒の癖が漂う味わいで、それがインスタントらしからぬ本格さを高めます。
そこに「特製辣油」を加えると、中には文字通り辣油(らーゆ)が入っているのですが、独特の清涼感と適度な痺れを伴う花椒オイルもブレンド。唐辛子の辛さはピリ辛の範疇を出ることはなく、花椒の痺れも常識的ではあるものの、花椒ならではのアクセントは明確で、人を選ばない程度に本格さを醸す絶妙な加減。
別添の「ふりかけ」も効果的で、フリーズドライの玉ねぎや輪切り唐辛子、煎り胡麻、さらにカップ麺のトッピングとしては珍しいカシューナッツも砕いて搭載。全体的に混ぜると玉ねぎは埋没気味ですが、引き立て役の煎り胡麻は食感・風味ともに申し分なく、なかでもカシューナッツのアクセントが高級感をブースト。
最初にトマトスープの味を何度も確かめていると、結果的に “汁なし担々麺” 寄りになったのですが、たぶんスープを半分以上減らしてから味変するのが正解。それでもなお存在を感じるトマトの酸味と担々感が喧嘩することはなく、むしろ創作感を高めることに寄与していると感じました。
麺のサイズは「カップヌードル」シリーズの中で太麺に位置する「チリトマトヌードル」や「カレー」と同じ約3mm幅(通常は約2mm幅が基準)だったので、味変え前だと麺の主張が強すぎるサイズ感ではあるものの、味変え後はベストと思えるバランス。
よほど早いスピードでスープを飲まない限り、熱湯1分でも問題ないと思うので、あっさり食べたい方はスープを多めに残す、より担々麺らしさに寄せたい方はスープを2/3ほど減らしてから “味変え” してください。
総評
正規の販売価格は税込540円と異例の高額設定で、入手するのも一苦労な商品ということもあり、評価の指標を定めるのが難しかったのですが、50年以上の歴史を誇る「カップヌードル」の中でも別格の出来栄え。コストパフォーマンスなんか度外視している一杯なので、高過ぎると感じる方もいらっしゃるかとは思いますが、かなりの熱意が感じられる、とても素晴らしい商品だと感じました。
※2021年11月11日(木)追記:本日10時より、阪急百貨店の公式通販サイト「Hankyu E-STORES「Hankyu FOOD』」でも販売開始となりましたが、数時間もしない間に即日完売を確認。再入荷などの情報は出回っていないため、今後の販売状況は不明です【author・taka :a(大石敬之)】