どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年8月30日(月)新発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 辛麺」の実食レビューです。
カップヌードル史上最大量の “辛旨ぇぇぇ! ぶっかけ焙煎唐辛子” 入り!? 発売50周年を迎える世界初のカップ麺が「辛麺」を商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 辛麺
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、世界100ヶ国で販売されている日清食品のロングセラーで、1971年(昭和46年)9月18日・東京都新宿区の伊勢丹百貨店を皮切りに、今年で発売50周年を迎えるインスタントラーメンのNo.1ブランド。世界累計販売数は500億食を達成し、国内でも2017年度から2020年度まで4期連続最高売上を更新し続けるなど、真のグローバルブランドに成長しました。
今回の新商品「カップヌードル 辛麺(からめん)」は、第4次激辛ブームの真っ只中とされる昨今、辛い物嗜好は流行を超え、食生活の一部になりつつある現在。そんな世の事情を背景に、同ブランド史上最大量となる “辛旨ぇぇぇ! ぶっかけ焙煎唐辛子” 入りの新作ということで、やはりモデルは宮崎の辛麺でしょうか。
商品名にもなっている「辛麺」といえば、宮崎県延岡市を発祥とする “辛いけど箸が止まらない” ことで有名な旨辛ご当地麺の総称で、読み方は “しんめん” ではなく「からめん」が正解。1987年(昭和62年)故・原田武明氏とその妻・延子さんが営んでいた一軒の小料理店「桝元(ますもと)」をルーツに持ち、そこで提供されていた〆(しめ)の一杯が「辛麺」の起源。
もとは中国発祥の担担麺(たんたんめん)を中心に、いくつかの辛い麺類からヒントを得て生まれた創作料理で、ニンニク・唐辛子・ニラ・挽肉・溶き卵など、辛麺を象徴する共通の特徴があり、なかでも通称「こんにゃく麺」と呼ばれる “そば粉と小麦粉が主原料の麺” を使う店が多いことから、韓国の咸興冷麺(ビビンネンミョン)にもルーツを感じるところ。
前述の小料理店(居酒屋)を前身に持つ「辛麺屋 桝元」を筆頭に、即席カップ麺を監修した「辛麺屋 輪(一輪)」など、宮崎県外に店舗を構える辛麺の専門店も増え、それを再現したインスタントラーメンも市場に定着してきた現在。しかしながら「辛麺」を冠する「カップヌードル」は、長い歴史の中でも初の試みで、日清食品は同社のWebサイトで “旨辛の新定番が満を持して登場” と発表しています。
つまり、通年販売を前提に開発した「カップヌードル」の “新たなレギュラー商品” なのか、それと “旨辛の新定番をカップヌードル流にアレンジしたスポット商品” なのか、どちらとも取れる文面だったので、この商品に携わっている担当者に念のため確認してもらったところ「おそらく今年の10月までは製造予定となっていますが、それ以降の販売計画は未定」との回答でした。
その回答に加え「カップヌードル」史上最大量の唐辛子(ぶっかけ焙煎唐辛子)入りというインパクトの強さから察するに、おそらく数量・期間限定で終売するのではないかと睨んでいるのですが、それだけに思い切りが問われるところ。ちなみにパッケージの側面には5段階基準で「辛さレベル」の目安があり、上から2番目に位置する “4” となっているため、それなりの覚悟が必要かも——。
日清食品の辛さレベルは、体感的に「1.ほとんど辛くない」「2.ピリ辛」「3.中辛」「4.辛口」「5.大辛〜激辛」くらいと思っているのですが(※辛味の感じ方には個人差があります)辛旨の比率は “旨み6:辛さ4” の絶妙なバランスに調えてあるらしいので、ぶっかけ焙煎唐辛子の威力と中毒性の高さに注目しながらレビューします。
開封
フタは開け口が2つになっている新形状の「Wタブ」で、2021年6月から順次 “レギュラーサイズのカップヌードル” に実装されているもの。これについては「カップヌードル DO IT NOW!」プロジェクトの一環で、従来の “フタ止めシール” を廃止することにより、年間33トンのプラスチック原料を削減する試みです。
レギュラー商品のフタ裏には猫、もしくは “6%の確率” で絶妙な表情の「チベットスナギツネ」がデザインされているのですが、今回のフタ裏には何もプリントされていません。はたして今後、のっぺらぼうはスポット商品を意味するのか、それとも‥‥と、それはさておき開封直後から芳ばしい焙煎唐辛子の香りが強く、食欲を刺激されました。
ちなみに2021年8月31日(火)AM10:00〜9月13日(月)までの期間中、全国のファミリーマートで対象の「カップヌードル」を2個買うとカップヌードル味の「うまい棒(全8種)」が2本もらえる「カップヌードル×うまい棒キャンペーン」を実施しており、今回の「カップヌードル 辛麺」も対象商品なので、コンビニだとファミリーマートで購入するのがベストかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 辛麺 製造者:日清食品株式会社 製造所:S・関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:72g(めん60g) 商品コード:4902105267837(JAN) |
発売日:2021年08月30日(月) 実食日:2021年08月31日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:198円(税込) 希望小売価格:193円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:300ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料、香味調味料)、スープ(豚脂、糖類、でん粉、香辛料、小麦粉、ポーク調味料、食塩、粉末しょうゆ、キムチパウダー、粉末みそ)、かやく(赤唐辛子、味付豚ミンチ、味付卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、炭酸Ca、香料、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンE)、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、乳化剤、ベニコウジ色素、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部にえび・小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
今回は「カップヌードル」史上最大量となる辛旨ぇぇぇ!ぶっかけ焙煎唐辛子入りとのことですが、小袋として別添されているわけではありません。しかし、辛麺の魅力は渾然一体の旨さ。実際の辛麺を調理する際も “唐辛子はスープを作る段階で煮込む” ので、最初から入っているのが理想的な状態です。
あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、待つこと3分。時間になったらフタを剥がし、よくかき混ぜたら完成です。具材は「カップヌードル」のアイデンティティといっても過言ではない謎肉(なぞにく)を筆頭に、スクランブルエッグ、ネギとシンプルな構成で、ややブランドの平均と比較して少なめに見えますが、大量に入っている焙煎唐辛子も具材の一部と思えば悪くありません。
そのため調理後も焙煎唐辛子の芳ばしさが強く、加えて強めに香るニンニクにも食欲をそそられました。それでは、引き続き辛味の強さと “旨み6:辛さ4” のバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(82g)あたり |
カロリー:379kcal たん白質:9.1g 脂 質:17.0g 炭水化物:47.4g 食塩相当量:5.7g (めん・かやく:2.7g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.74mg ビタミンB2:0.29mg カルシウム:106mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:379kcal(めん・かやく:321kcal)(スープ:58kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
いつものカップヌードルらしい油揚げ麺
サイリウム種皮粉末を練り込んだ「カップヌードルPRO(プロ)」に、和風テイストの「おだしがおいしいカップヌードル 肉だしうどん」及び「同 鶏南蛮そば」など、一部の特殊な麺を除きますが、基本の「カップヌードル」に使われている麺は約2mm幅と3mm幅の2種類で、それをベースに味付けを変更し、スープとの親和性を計算しています。
今回の「カップヌードル 辛麺」に使われている麺は2mm幅で、原材料名の構成から察するに、おそらく2021年7月19日発売の「レッドシーフードヌードル」と同じモノ。洋風しょうゆ味の「カップヌードル」や「カレー」「チリトマトヌードル」などの麺よりも主張が弱く、あえてスープに負けるようなタイプを組み合わせることで、焙煎唐辛子のインパクトを際立たせているようなフレームワーク。
たとえば抜群の吸水性を誇る「チキンラーメン」ほどではないけれど、あいかわらず伸びやすく、食感や風味に新開発の要素は見られなかったので、まったく新鮮味はありません。ただ、それだけに「カップヌードル」らしさ全開で、そこに安心感を覚えました。
スープ
いちばん印象的なのはキムチパウダーかも
パッケージには “焙煎唐辛子のコク旨しょうゆ” とあったように、なるほど焙煎唐辛子の芳ばしい味が強く、舌触りにザラつきを覚えるほど大量の唐辛子を加えているのですが、唐辛子一辺倒の単調な味ではありません。味付けには粉末状の醤油に加えて味噌も併用し、ニンニクの風味も強めに効かせ、なおかつキムチパウダーを使っているのもポイント。
具材としてのキムチは入っていませんが、けっこうキムチ由来の酸味が強く、もはやキムチラーメンといっても過言ではないくらい。唐辛子の芳ばしさに負けないくらいの存在感だったので、特に酸味のアクセントが印象に残りました。ちなみに体感的な辛さレベルは “一般的に見て中辛以上・大辛未満” ふつうに辛口だったので、辛い食べ物が苦手な方は注意したほうがいいかもしれません。
具材
宮崎辛麺に必須のニラは入っていないが‥‥
カップヌードルの具材といえば、調理後に麺が見えないほどのボリューム感が平均的なのに対し、今回は麺の上に集めてみても隙間が生じていたのですが、スープに溶け込むカップヌードル史上最大量の焙煎唐辛子を思えば納得。謎肉とスクランブルエッグは “いつものアレ” なので、新規に開発された具材ではないけれど、いずれも今回の辛旨いスープと絶妙にマッチ。
さらに汎用の青葱もシャキシャキとした歯触りがスープのキムチパウダーに重なって、ちょっとキムチっぽさにリンクする食感でした。宮崎辛麺に必須のニラは入っていませんが‥‥あれ? そもそもコレって “宮崎の辛麺” がテーマなのか‥‥?
総評
というわけで、日清食品のニュースリリースを再び確認してみた結果、どこにも宮崎の文字が見当たりません。辛麺といえば「宮崎辛麺」の印象が強く、それを「カップヌードル」流にアレンジした商品なのだと食べ終わるまで思い込んでいたのですが、あくまで “カップヌードルが提唱する旨辛の新定番” という立ち位置のようで、ご当地麺の再現カップ麺ではありませんでした。嘘でしょw
ただ、そうであれば再現度の高さにもこだわる日清食品がニラを省いたことにも納得ですし、キムチパウダーのオリジナリティも素直に好感触。焙煎唐辛子の風味が人を選ぶ要因になりそうですが、味の中毒性は高く、良品だと感じました。うまい棒のキャンペーンにも連動しているので、気になっている方は最寄りのファミリーマートもチェックしてみてください【author・taka :a(大石敬之)】