どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年6月8日(月)新発売のカップ麺、日清食品「カップヌードル 激辛味噌 ビッグ」の実食レビューです。
販売好調「カップヌードル 味噌」を激辛にアレンジした変わり種が再登場!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。※2020年6月8日発売品から、2021年5月17日発売品、2022年5月16日発売品、2023年4月17日発売品まで “すべて同じ仕様” なので、こちらのページを参考になさってください。
カップヌードル 激辛味噌 2020
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、日清食品が誇る言わずと知れた “世界初のカップ麺” で、1971年(昭和46年)9月18日に新発売。東京・新宿の伊勢丹百貨店を皮切りに販売を始め、その目新しさから若い世代を中心に注目を集めましたが、当時あまり店頭に並ぶことはなく、頭を抱えた日清食品はカップヌードル専任の営業課を組織。消防署や警察署、自衛隊など、夜勤の多かった特殊ルートに営業をかけたそうです。
さらに販売促進策として銀座の歩行者天国で試食販売を行った際は、カップヌードルの発売開始と同じ1971年に日本での1号店がオープンした「マクドナルド」と肩を並べて行列を作り、翌1972年2月19日に起きた「あさま山荘事件」では機動隊にカップヌードルが配られ、それを食べる姿が繰り返しテレビ中継で放送されるなど、その頃を境に「カップヌードル」の知名度は全国区に押し上げられました。
今回の新商品「カップヌードル 激辛味噌 ビッグ」は、2019年4月1日に鳴り物入りで登場した新定番「カップヌードル 味噌」の変わり種で、3種類の味噌(麦味噌・赤白の米味噌)をベースに生姜とニンニクでアクセントをつけた定番の味噌スープを “激辛” にアレンジ。この流れが記憶に新しい方も多いかと思いますが、先に現行版「カップヌードル 味噌」の歴史をかるく振り返っておきましょう。
現行レギュラーサイズの「カップヌードル 味噌」が発売されたのは2019年4月1日ですが、その前にミニサイズの「カップヌードル 味噌 ミニ」を2018年4月2日に発売しており、当初は “シニア世代に向けたミニだけの味” として開発されたものでした。しかし、ミニサイズ限定の味をレギュラーサイズ化してほしいというファンの要望が相次いだ結果、2019年4月に新たな定番商品として正式に発売されたのが現在のレギュラーサイズ。
当時、CMタレントとしては世界初となるVTuber(バーチャルユーチューバー)のキズナアイを起用して、国の有形文化財にも指定されている長野県須坂市の味噌蔵「塩屋醸造(しおやじょうぞう)」協力のもと歴史的な現場でドローンを飛ばし、キズナアイを投影したホログラムを映写するなど、最新技術を駆使したテレビCMを全国放送したことでも話題になりました。
その大々的な取り組みが仇になったか「カップヌードル 味噌」レギュラーサイズの発売から10日後の4月11日、当初の販売計画を実際の販売数が大幅に上回ったとして、日清食品は「カップヌードル 味噌」の販売を無期限で一時的に休止すると発表したのですが、2019年5月13日にシレッと同系列の変わり種「カップヌードル 激辛味噌 ビッグ」を発売しています。つまり、今回の「激辛味噌」は二代目。
2019年5月に発売された「カップヌードル 激辛味噌 ビッグ」は、ゴマ油とガーリックを効かせた激辛仕立ての濃厚コクうま味噌をアピールしていた新作で、パッケージの辛さレベルは日清食品の設定している5段階基準でMAXの5。フタの上に「辛くて幸せオイル」という小袋を別添し、ニュースリリースでは “突き抜けた辛さ” をアピールしていました。
前回もオリジナルの「カップヌードル 味噌」をベースにしていたので、たしかな美味しさを打ち出していた反面、別添の「辛くて幸せオイル」を全投入した後も辛さレベルは大辛(激辛未満)で比較的に食べやすかったと評価しています。ここから先は2020年6月発売品を掘り下げていくので、前回発売品の感想や評価が気になる方は、関連ページ「カップヌードル 激辛味噌 ビッグ(2019)」をご覧ください。
開封
というわけで、2019年発売品(以下、前回)との違いに注目しながら——と、いきなり実食前から一見して明白に違うのが小袋の有無。前回は “辛くて幸せオイル” を別添していましたが、二代目の2020年発売品に小袋は別添されていません。引き続き「カップヌードル 味噌」の姉妹品という似た立ち位置にありながら、かなり大幅にテコ入れしています。
また具材の構成も前回は「味付豚ミンチ、赤唐辛子、キャベツ、味付卵、ニラ」となっていたのに対し、今回は「味付豚ミンチ、キャベツ、赤唐辛子、コーン、ねぎ」ということで、味付卵(スクランブルエッグ)とニラがコーンとネギに置換されているようなラインナップ。また開封直後から “山椒の香り” が漂ってくるのもポイントで、前回は特に意識されていない香辛料でした。
日清食品が設定しているメーカー希望小売価格は税別220円、2020年6月現在の縦型ビッグ製品における標準的な値段。一部の店舗では売ってないかもしれませんが、実際に立ち寄ったコンビニでは「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ミニストップ」と大手4社での取り扱いを確認しているため、だいたい発売日から1ヶ月くらいは比較的よく目にする商品になると思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 激辛味噌 ビッグ 製造者:日清食品株式会社 関西工場 製造所:滋賀県栗東市下鈎21-1(S) 内容量:108g(めん80g) 商品コード:4902105262870(JAN) |
発売日:2020年06月08日(月) 実食日:2020年06月14日(日) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:181円(税込) 希望小売価格:220円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、糖類、しょうゆ、チキンエキス、ポークエキス、たん白加水分解物、ポーク調味料)、スープ(豚脂、糖類、ポーク調味料、粉末みそ、でん粉、香辛料、ごま、大豆粉末、チキン調味料、食塩、小麦粉、魚醤、みそ調味料、酵母エキス、にぼし粉末)、かやく(味付豚ミンチ、キャベツ、赤唐辛子、コーン、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、乳化剤、カラメル色素、香料、炭酸Ca、香辛料抽出物、かんすい、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、炭酸Mg、くん液、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は見慣れた形状の油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。カップヌードルの麺はスープによって使い分けられているのですが、いくつかのパターンがあります。今回は土台が完成している「カップヌードル 味噌」ですし、原材料名を比較してみたところ構成も同じだったので、とりあえず麺は共通という認識で問題ないかもしれません。
あとは熱湯を注いで3分待機、前回のように小袋は別添されていないので、お湯を入れるだけで食べられる簡単調理。パッケージに表示されている辛さレベルは前回と同じ5段階基準で最大の5となっていて、日清食品の公式ウェブサイト内にある商品説明曰く “唐辛子をたっぷりときかせ、目の覚めるような辛さに仕上げました” とのこと。
近年のカップめん市場における激辛水準は右肩上がりなので、どうせなら強烈な辛さに期待したいところではあるものの、果たして常に一般ウケを忘れない “カップヌードル” どうでるか——というわけで実際の辛さレベルや前回発売品との違いにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)あたり |
カロリー:512kcal たん白質:11.4g 脂 質:23.7g 炭水化物:63.3g 食塩相当量:6.9g (めん・かやく:3.5g) (スープ:3.4g) ビタミンB1:0.27mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:237mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:512kcal(めん・かやく:440kcal)(スープ:72kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺は定番の味噌と共通
麺はオリジナルの「カップヌードル」を標準とし、もっとも主張が弱いのは「シーフードヌードル」や「SiO(しお)」「トムヤムクンヌードル」などに使われている油揚げ麺で、それらは控えめに味付けされているのですが、今回のベースになっている「味噌」や「カレー」「チリトマトヌードル」は味付けが違うだけでなく、他のフレーバーよりも太めに切り出すなど、味に合わせて麺のサイズも使い分けています。
なかには麺にチーズパウダーを練り込んでいる「欧風チーズカレー」など、稀に特殊なパターンも存在するのですが、テンプレにある基本の麺は3種類。おそらく今回は体感的にもレギュラーサイズの「カップヌードル 味噌」と同じもので、それ以外の麺は約2mm幅に切り出されているのに対し、こちらは約3mm幅と太めに切り出されているのがポイント。
今回は辛味を追加した味噌スープなので、激辛じゃない「カップヌードル 味噌」よりもインパクトの強いテイストになっているのですが、きちんとカップヌードルらしいアイデンティティを打ち出しつつ、スープに埋没することもありませんでした。なんというかもう定番すぎて他に語ることがありませんw 絶対的存在。
スープ
激辛じゃないけど美味しい
今回は別添のオイルやスパイスは付属していないため、最初から全力なのですが、一般的にみて辛さレベルは辛口以上、激辛未満。たとえば同社が製造しているセブンプレミアム「蒙古タンメン中本」のカップラーメンを尺度にすると、いつもセブンイレブンで買える通年商品「蒙古タンメン中本 辛旨味噌」よりも今回のほうが辛く、期間限定の激辛カップ麺「同 北極ラーメン」には及びません。
しかし、アレンジ前の「カップヌードル 味噌」と同じ3種類の味噌(麦味噌、赤白の米味噌)をはじめ、ショウガとニンニクをガツンと効かせたフレームワークはオリジナリティを感じるところ。これが激辛かどうかは個人の辛味耐性に大きく左右されますが、たっぷり入っている “すりごま” のパンチとコクも魅力的なポイントで、きちんとアレンジ前の魅力を受け継いでいます。
前回のように胡麻油の風味やオイルのコクこそ感じられない反面、芳ばしい赤唐辛子の風味がストレートに伝わってくるスープは素直に美味しく、前回にはなかった山椒のアクセントも印象的。花椒(かしょう)ではなく和山椒なので、それほど強い痺れではないですし、和味噌との相性もよく、刺激よりも味を深めることに寄与していました。いいですね、極端じゃない効かせ方。
具材
前回よりも「カップヌードル 味噌」寄り
具材は味付豚ミンチが4個ちょっと、コーンそこそこ、キャベツそこそこ、ネギは「カップヌードル 味噌」と同じ‥‥って冷静に考えたら「カップヌードル 味噌」の人参を赤唐辛子に置換したような内容ですね。赤唐辛子は特別に辛い品種ではないですし、ボリューム感もキャベツで稼いでいるような印象なので、もうちょっと個性が欲しいところではあるものの、結果的に印象は悪くありません。
味付豚ミンチは通称「謎肉(なぞにく)」と呼ばれているダイス状の肉具材で、実は1971年(昭和46年)9月18日の「カップヌードル」発売当初から入っている最古参の具材。当時と比較して配合はリニューアルされているかと思いますが、現在も不動の人気を誇るジャンクな肉具材で、今回のスープとも相性抜群でした。実は苦手な方も多い具材ですけど、カップヌードルらしさを表現するうえで重要な役目を担っています。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
前回の2019年発売品と比較してベースは変わっていませんが、別添のオイルがなくなって山椒が導入されたり、具材の構成が変わったりと意外に変更点は多かったです。ただ、あいかわらず激辛ではありません。もちろん辛い食べ物が苦手な方には厳しい辛さになりますけど、苦手な方は店頭で見かけてもスルーされると思うので、もうちょっと辛さは振り切ってもいいんじゃないのかなと。
ただ、見方を変えれば “この辛さだから” すりごまや味噌のコク、香味野菜のアクセントなど、そういった要素が吹っ飛ばないので、美味しさの視点から評価すると絶妙な辛さ。コンビニでの取り扱いも多かったので、ちょっと辛さ強めの「カップヌードル 味噌」が気になる方は試してみてください。