どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年9月28日(火)セブンイレブン限定発売、日清食品のカップ麺「カップヌードル 復刻版ブタホタテドリ ビッグ」の実食レビューです。
10年前の「歴代カップヌードル復活総選挙」でも堂々の2位にランクインした “平成の売上No.1” フレーバー「ブタホタテドリ」がカップヌードル初のセブンイレブン限定品として装い新たに再登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
カップヌードル 復刻版ブタホタテドリ
カップヌードル(CUPNOODLE)とは、1971年(昭和46年)9月18日に誕生した世界初のカップ麺で、様々な発売50周年記念商品を展開している現在。すでに時代は平成に終わりを告げ、令和に突入しましたが、カップヌードル初のセブンイレブン限定品として、昭和と平成に最も売れた味「ポークチャウダー」と「ブタホタテドリ」の復刻版が大盛りサイズで登場し、ネット上でも話題になっています。
このページでレビューする「カップヌードル 復刻版ブタホタテドリ ビッグ」は、定番商品を除いた数量ベースで “平成の売上No.1” を記録した「カップヌードル ブタホタテドリ ローストしょうゆ味」の復刻商品で、全国のセブン‐イレブン店舗21,215店(2021年8月末時点)を対象に新発売。さらに昭和の売上No.1「ポークチャウダーヌードル」の復刻版もラインナップに加え、売り場を賑わせました。
「カップヌードル ブタホタテドリ ローストしょうゆ味」とは、1991年(平成3年)8月に初めて発売されたフレーバーで、翌1992年(平成4年)2月6日には日本食糧新聞社による『平成3年度食品ヒット大賞』の “優秀ヒット賞” を受賞。これは当時の業界に活発な需要を生み出し、流通を潤した商品として、その功績が高く評価されたことを意味します。
それから時は流れ、2001年(平成13年)7月23日に “カップヌードル発売30周年” を記念して「カップヌードル復刻版 ブタホタテドリ」を約3ヶ月間の期間限定で販売していた日清食品。それと同時に1988年(昭和63年)10月発売の「カップヌードル ビアンコ」も復刻するなど、実は20年以上前から復刻版のカップヌードルを企画していた日清食品。
さらに時は流れ、2011年(平成23年)4月26日〜6月30日に実施された “カップヌードル発売40周年” 記念企画「歴代カップヌードル復活総選挙」では、一般の方に参加を募り、当時販売中の商品を除く過去に発売された73品のカップヌードルから “もう一度食べたいカップヌードル” に投票してもらった結果、なんと期間中の総投票数は1,867,933票を記録。
そのうち133,134票を占めた「天そば」が1位に輝いたのですが、次いで123,852票を記録した「ブタホタテドリ ローストしょうゆ味」が2位にランクインし、110,881票で3位に位置した「スパイシーカレー」を含む上位3品が “復活” の権利を獲得。同年12月12日に数量限定で「復活総選挙カップヌードルブタホタテドリ」を発売しているため、実は10年周期で市場に現れているブタホタテドリ。
しかし、1991年8月発売の初代「カップヌードル ブタホタテドリ」から、2001年7月及び2011年12月発売の復刻版も容器はレギュラーサイズだったので、大盛り(めん80g)での復刻は初の試み。それでいてパッケージには、初代「ブタホタテドリ」から脈々と受け継がれている、筆舌に尽くし難い壁画風のイラストが絵が描かれ、その横に “SOUP SPECIAL” とあるのも初代と同じデザイン。
ちなみに同時発売品の「カップヌードル 復刻版ポークチャウダーヌードル ビッグ」はレビュー済みなので、感想や評価などの詳細が気になる方は、関連ページ「1983年7月発売 “昭和の売上No.1” カップヌードル『ポークチャウダーヌードル』セブンイレブンで限定復刻!!」も併せてご覧ください。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないので、フタを開けたら熱湯を注ぐだけの簡単な調理。全体的にレトロな雰囲気のデザインに仕上がっているのですが、あえて一昔前のタッチで “平成の売上No.1カップヌードル” と添え、漠然と1991年(平成3年)頃の雰囲気を表現している様子。でも、すこしアウェイな感じにも見えるので、もうすこし馴染ませてほしかったかも‥‥
それはさておき開封すると、最初に目を引いたのがホタテ風カマボコの存在。2011年12月発売の「復活総選挙カップヌードル ブタホタテドリ」には “味付ホタテヒモ” を使用していたので、魚肉練り製品になっているのはマイナスですが、新たにチンゲン菜を導入するなど、現代風にアレンジされていました。
今回の「復刻版ブタホタテドリ」及び「復刻版ポークチャウダーヌードル」は、どちらもセブンイレブン限定品なので、他社のコンビニ店舗はもちろん、セブン&アイ系列のGMS(総合スーパー)やイトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)にも売ってない商品なのですが、セットで販売しているセブンイレブン店舗は多いと思います。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:カップヌードル 復刻版ブタホタテドリ ビッグ 製造者:日清食品株式会社 製造所:S・関西工場(滋賀県栗東市下鈎21-1) 内容量:101g(めん80g) 商品コード:4902105267905(JAN) |
発売日:2021年09月28日(火) 実食日:2021年09月30日(木) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(セブン-イレブン) 商品購入価格:232円(税込) 店頭表示価格:215円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、たん白加水分解物、しょうゆ、香辛料、香味調味料)、スープ(ポーク調味料、粉末しょうゆ、豚脂、糖類、香辛料、野菜調味料、香味調味料、ねぎ粉末、チキン調味料、ほたて調味料)、かやく(チンゲン菜、味付卵、味付豚肉、にんじん、魚肉練り製品、きくらげ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸Ca、かんすい、香料、グリセリン、増粘多糖類、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、乳化剤、酸味料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。前述のようにホタテの貝柱みたいな見た目の具材は魚肉練り製品で、トリ(鶏)に由来する肉具材も入っていませんが、商品名にもなっている「ブタホタテドリ」はスープの味付けを表現したネーミング。調理前の香りは人工的なベクトルにありますが、いかにも「カップヌードル」らしいスナック感に食欲をそそられます。
あとは熱湯を注いで3分後、小袋などを入れる作業は必要ないため、しっかり混ぜたら出来上がり。同じ日に発売された「復刻版ポークチャウダーヌードル ビッグ」を調理したときも具材の多さに驚いたのですが、今回の「復刻版ブタホタテドリ ビッグ」も負けず劣らず具沢山で、大盛り用の容器を相手にしても見劣りしないボリューム感。
セブンイレブンでの販売価格は215円(税込232.20円)だったので、たとえば既存の「カップヌードル ビッグ」を購入した場合の税込価格と同じ値段。具材の構成を含め、初代からデフォルメされている部分も多いかとは思いますが、スープにおけるブタ・ホタテ・トリのバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(101g)あたり |
カロリー:449kcal たん白質:11.6g 脂 質:17.6g 炭水化物:61.0g 食塩相当量:6.6g (めん・かやく:2.8g) (スープ:3.8g) ビタミンB1:0.98mg ビタミンB2:0.30mg カルシウム:144mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:449kcal(めん・かやく:396kcal)(スープ:53kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
シーフードヌードル系の油揚げ麺
カップヌードルはスープの味に合わせて麺を使い分けているのが特徴で、たとえば定番の「カップヌードル」には約2mm幅の麺を合わせているのですが、スープの味が濃くなる「カレー」や「チリトマトヌードル」「味噌」などには約3mm幅の太麺を採用するなど、いくつかのパターンが存在。なおかつスープとの一体感を高めるために、それぞれ麺の下味を変更しているのもポイント。
今回の麺は約2mm幅で、同日発売の「復刻版ポークチャウダーヌードル ビッグ」と同じ原材料名の構成から、系統としては「シーフードヌードル」に使われているタイプとみて間違いありません。ほかのシリーズより控えめな味付けで、いつもの「カップヌードル」よりも柔らかめに仕上がることから、スープの繊細さを尊重してくれる存在感が魅力。
2021年9月現在の「カップヌードル シーフードヌードル ビッグ」と比較して、新たに “香味調味料” を練り込んでいるのですが、おそらく食品表示法の変更が理由。もしくは密かにリニューアルしていたとしても、あくまでマイナーチェンジに過ぎないため、極端に違和感を覚えることはないでしょう。後述するスープとの相性もよく、ベストな取り合わせだと感じました。
スープ
味をカテゴライズするなら中華系か
こってりほど重心の低いテイストではないけれど、あっさりの一言では片付けられない複雑な旨味があり、その中心を担っているのはブタのエキス。たとえば大きな羽釜に大量の豚骨を放り込み、高火力でグツグツと炊き出したスープとは違う、豚骨や豚肉のほかに、金華ハム、玉ねぎ、長ネギなどを寸胴に入れ、じっくりと弱火にかけながら、少し濁るまでコトコト煮込んだようなフレームワーク。
ホタテとトリはサポート役に徹しているのですが、ふわっと奥から干し貝柱っぽい乾物の旨味を感じるところが味わい深く、その脇を固めるようにトリが重なってくる感じ。インパクトの強いパッケージとは裏腹に、実際のテイストは繊細で、従来のレギュラーサイズよりも味に奥行きを感じました。強すぎず弱すぎないロースト感も絶妙で、じわじわ後半にかけて美味しいヤツです。
具材
具沢山かつ個性的
カップヌードルで定番の甘い味付卵(スクランブルエッグ)を筆頭に、ハムみたいな食感の味付豚肉やニンジン、キクラゲは他の商品にも使い回されている具材なのですが、ホタテの貝柱を模した魚肉練り製品は個性的。東洋水産(マルちゃん)が誇るカップ塩焼きそばのパイオニア「俺の塩」のリニューアル前に入っていた “貝柱風かまぼこ” と似たような質感で、しっかり貝の旨味が楽しめるのも好印象。
生のホタテを加熱したときの食感や風味とは違う、干した貝柱を戻したような仕上がりなので、それがスープにおける乾物の旨味と絶妙にフィット。2009年(平成21年)7月6日のリニューアルから採用され、2015年(平成27年)4月下旬のリニューアルで廃止になった「シーフードヌードル」のイタヤガイが入っていたら最高だったんですけど、それを差し引いても余りある存在感の持ち主です。
総評
初代「カップヌードル ブタホタテドリ ローストしょうゆ味」や従来の復刻版ブタホタテドリ(レギュラーサイズ)と比較して、現代風にデフォルメされている部分はありますけど、退化ではなく進化。例の味わいとシュールなパッケージを踏襲しつつ、現代にも通用するようにブラッシュアップした感じの仕上がりだったので、かなり好印象な復刻版でした。
けっこう複雑な骨組みなので、瞬発力のある味ではないのですが、しょせんカップ麺でしょ‥‥? などと侮らずに向き合っていただきたい一杯です。おもえば “平成の売上No.1” と “昭和の売上No.1” どちらもブタ(ポーク)をベースにした味付けだったので、もしかすると今後 “令和の売上No.1” を叩き出す「カップヌードル」の味も‥‥【author・taka :a(大石敬之)】