どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年8月10日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 中華三昧タテ型ビッグ 重慶飯店 麻辣火鍋麺」の実食レビューです。
香辛料が織りなす複雑な風味と芳醇な牛脂の旨み——。高級袋麺ブームの火付け役と四川料理の老舗が「麻辣火鍋」をカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
中華三昧×重慶飯店 麻辣火鍋麺
中華三昧(ちゅうかざんまい)とは、明星食品の高級中華麺ブランドで、1981年(昭和56年)10月27日に初代・袋麺「広東風拉麺」「北京風湯麺」「四川風拉麺」を新発売。中国料理を代表する広東・北京・四川をテーマに “本格中華の拉麺” として鳴り物入りのデビューを飾った「中華三昧」は、その年で唯一と目されるほど爆発的なヒットを記録し、即席めん市場に高級麺旋風を巻き起こしました。
その後、1982年(昭和57年)に東洋水産の華味餐庁(カミサンチン)、日清食品の麺皇(メンファン)、ハウス食品の楊夫人(マダムヤン)が市場に現れ、1983年(昭和58年)1月にサンヨー食品が桃李居(トウリキョ)を発売するなど、中華三昧のヒットが高級袋麺ブームを引き起こしたのですが、他社の後発組は1〜2年で市場から撤退、現在は明星食品の「中華三昧」だけがブランドを継続しています。
「中華三昧」から満を持すカップ麺が発売されたのは、現在から遡ること35年以上前の1985年(昭和60年)2月。底の深い丸型の容器を採用したカップラーメン「中華三昧 肉メンマ拉麺」及びカップ焼そば「中華三昧 五目焼そば」の2品同時リリースで、袋麺は発売当初からノンフライ麺を使用していましたが、初版のカップ麺は油で揚げたフライ麺が採用され、具材にはレトルト調理品が入っていました。
しばらくカップ麺では丼型の容器を主流としていましたが、2012年(平成24年)3月26日に中華三昧ブランド初の縦型カップ麺「中華三昧タテ型 四川飯店 担々麺」及び「同 赤坂榮林 酸辣湯麺」を展開。本格四川料理店「四川飯店」並びに “酸辣湯麺” 発祥の店「赤坂榮林」とコラボした有名店とのタイアップ商品で、2020年8月現在もレギュラーラインとして通年的に販売しています。
中華三昧×有名店といえば、1926年(昭和元年)創業の「中国名菜 銀座アスター」ともコラボしていた時期があり、2015年9月〜2016年の間にカップ麺と袋麺を発売していましたが、しばらくして銀座アスター監修商品は終売。その後は「四川飯店」や「赤坂榮林」とのコラボを継続しつつ、オリジナル商品を定期的に開発していた「中華三昧」ですが、2018年9月17日に「重慶飯店」が初参戦。
重慶飯店(じゅうけいはんてん)とは、横浜中華街に本店を構える四川料理の老舗で、1959年(昭和34年)8月に創業。台湾から来日した、後の龍門グループ総帥・李海天(リ カイテン)氏とその妻・呉延信(ゴ エンシン)夫妻が神奈川県横浜市(現在の「重慶飯店 本館」所在地)で「重慶飯店」立ち上げ、陳健民氏の弟子で当時17歳だった荘明義氏が料理長に就任し、現在の基盤を築き上げました。
今回の新商品「明星 中華三昧タテ型ビッグ 重慶飯店 麻辣火鍋麺」は、高級袋麺ブームを牽引した「中華三昧」と火鍋メニューが人気の老舗「重慶飯店」のコラボ商品で、しなやかなノンフライ麺に複数の香辛料が織りなす風味と牛脂の旨みが効いたスープが特徴とのこと。重慶飯店のカップ麺といえば、前述の2018年9月17日と2018年12月31日に発売されているため、中華三昧とは3回目のコラボ。
前回・前々回のコラボ商品は、どちらも重慶飯店を代表する “麻婆豆腐” をカップ麺にアレンジした麻婆麺(マーボーメン)で、2018年9月にレギュラーサイズの縦型カップで新発売(2020年8月現在も販売中)。続けて2018年12月に縦型ビッグの麻婆麺を数量限定で発売しているのですが、今度のテーマは麻辣火鍋(マーラーヒナベメン)ということで、同じ麻辣系統でも趣向が異なります。
開封
さて、今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「調味油」が1袋。明星食品のニュースリリースには “ナツメグと麻辣の香りの調味油” とあるため、注目したいのはナツメグの香り。また重慶飯店の火鍋に使われる麻辣スープには、唐辛子や花椒(ホワジャオ)をはじめ、シナモンや月桂樹の葉、にんにく、大茴香(八角)など、16種類の香辛料を使用しているらしいので、薬膳感にも期待したいところ。
具材は味付鶏団子に素揚げしたジャガイモ、チンゲン菜、ニラの4種類で、大きな味付鶏団子とジャガイモが目立つ開封直後。これまで火鍋をモチーフにしたカップ麺にジャガイモは入っていなかったので、ちょっと新鮮な組み合わせに思えるかもしれませんが、火鍋の聖地ともいわれている本場・重慶市でジャガイモ(土豆)は火鍋に欠かせない具材として重宝されています。
2020年8月現在、縦型ビッグのメーカー希望小売価格は税別220円が標準となっているのですが、今回のメーカー希望小売価格は税別223円と若干ながら高めの設定。税別だと3円の差ではあるものの、コンビニで購入した場合の値段差は税別220円=税込232円、税別223円=税込241円なので、けっこう地味に変わります(※ただしコンビニ以外の店舗であれば、そこまで値段差は生じないかもしれません)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 中華三昧タテ型ビッグ 重慶飯店 麻辣火鍋麺 販売者:明星食品株式会社 製造所:西日本明星株式会社 神戸工場 兵庫県神戸市東灘区深江浜町34-2 内容量:95g(めん70g) 商品コード:4902881438643(JAN) 商品サイズ:縦109mm×横109mm×高さ119mm |
発売日:2020年08月10日(月) 実食日:2020年08月16日(日) 発売地域:全国(全チャネル) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:192円(税込) 希望小売価格:223円(税別) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:380ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、卵粉、乳たん白)、スープ(食塩、糖類、デキストリン、香辛料、たん白加水分解物、牛脂、豚脂、みそ、香味調味料、ポークエキス、しょうゆ、植物油脂、ビーフエキス、香味油、豆板醤、酵母エキス)、かやく(味付鶏団子、ポテト、チンゲン菜、ニラ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、増粘多糖類、炭酸カルシウム、かんすい、カラメル色素、乳化剤、カロチノイド色素、微粒二酸化ケイ素、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む)※本品製造工場では、かにを含む製品を生産。 |
実食開始
麺は油で揚げていないノンフライ麺で、湯戻し時間は熱湯4分。明星食品の縦型カップ麺に使われているノンフライ麺といえば、同社の誇る “スチームノンフライ製法” が定石だったのに対し、近年の新作では製法が違うのか、パッケージやニュースリリースに “スチームノンフライ製法” の文字は見当たりません。しかし、基礎クオリティの高さには定評がある「中華三昧」のノンフライ麺、今回も安心して楽しめそうな雰囲気です。
別添の「調味油」は後入れなので、お湯を注いでから4分後の食べる直前に加えます。その調味油を入れる前から香辛料と薬膳系が混じり合う、とても複雑な香りが漂っているのですが、調味油を投入した後は牛脂の香りが強く、ほんのりナツメグの香りも重なって、花椒の清涼感がブースト。なかでも牛脂の甘い香りが鮮明で、かなり食欲をそそられました。
なお粉末スープにトロミ成分が含まれていたので、容器の底から溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせてください。それでは、パッケージの辛さレベルは5段階基準で上から2番目の “4” となっていたので、唐辛子の辛さ(辣味)と花椒の痺れ(麻味)のバランスにも注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(95g)あたり |
カロリー:376kcal たん白質:9.4g 脂 質:9.8g 炭水化物:62.6g 食塩相当量:6.5g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:0.29mg ビタミンB2:0.35mg カルシウム:134mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:376kcal(めん・かやく:311kcal)(スープ:65kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
安定の高品質
重慶飯店の実店舗で火鍋を注文する際、鍋の〆(しめ)としてグランドメニューの「担々麺」や「酸辣湯麺」にも使われている重慶飯店特製麺を注文できるらしいのですが、形状は縮れのない細めのストレート麺とのこと。対するカップラーメンの麺は丸刃で切り出されており、強めの縮れが施されていることから、それとは印象が異なります。
しかし、さすが縦型カップでもノンフライ麺に定評のある明星食品の中華三昧。原材料は “小麦粉、植物油脂、食塩、卵粉、乳たん白” とシンプルで、特別な味付けは施されていませんが、それだけに小麦の風味が豊に香り、食べ始めは中心部に歯応えを残す硬めの食感。けれども部分的な戻りムラなどはなく、熱湯4分ジャストで食べごろなのも利点。
ちなみに2018年10月1日発売の「中華三昧タテ型ビッグ 赤坂榮林 酸辣湯麺」までは、縦型ビッグでも麺量65gと少なめだったのに対し、翌2019年4月1日発売の「中華三昧タテ型ビッグ 赤坂榮林 酸辣湯麺」以降は麺量70g(縦型ビッグの標準量)に固定され、今回の「重慶飯店 麻辣火鍋麺」も例に漏れず。きちんと麺量70gだったので、そこも好印象でした。
スープ
日本式だけど複雑な味わい
動物系はポークとビーフを軸に、豆板醤(とうばんじゃん)や唐辛子、ジンジャー、花椒、クミン、カルダモンなど、中国の伝統的な調味料や複数の香辛料をブレンドしているため、調味油を加える前のスープも本格的。けれども味付けの調味料は和味噌を基調にしているため、火鍋らしい複雑な旨味を表現しつつ、日本人にも馴染み深いテイスト。
唐辛子の辛味は粉末スープだけの状態でも感じましたが、そこまで強い辛味ではなく、別添の調味油を入れた後も辛さレベルは “ピリ辛ちょい上〜中辛” 程度。花椒の痺れも調味油で加速しますが、一般的にみても辛さレベルは「3」くらいが妥当かもしれません。しかし、芳醇な牛脂の風味は麻辣の刺激以上に印象的で、そこに魅力を感じました。
ちなみに重慶飯店の麻辣スープに使用されている “16種類の香辛料” は、八角(スターアニス)、桂皮(シナモン)、霊草(甘草)、三奈(バンウコンの根茎)、排草(モロコシソウの別名)、草果(アモムム・ツァオコの果実)、砂仁(ヨウシュンシャ)、香果(大和橘)、香叶(月桂樹の葉)、当帰(セリ科シシウド属の多年草)、紅紫草(ムラサキの根)、白扣(カルダモン)、花山椒(花椒)、鷹の爪、生姜、大蒜(にんにく)だそうです。
具材
しっかり具沢山
有名店監修かつノンフライ麺を使用した縦型カップ麺ですが、すべての具材をサルベージすると麺が見えないほどの量が頼もしく、しかも味付鶏団子、じゃがいも、チンゲン菜、ニラ、いずれも高品質。火鍋スープと相性のいいチンゲン菜は、軸の部分が食感のアクセントに嬉しく、ニラも風味が強くて全体のスタミナ感を底上げしてくれる素材。
存在感の大きな味付鶏団子は、ふわふわとした食感で風味もよく、丁寧な下味で鶏の臭みは気になりません。一方、火鍋系のカップラーメンでは珍しいジャガイモ(フライドポテト)は、ホクホクというよりもシャリッとした歯触りで、じゃがいもの風味と麻辣スープが違和感なくフィット。値段以上かと聞かれたらトントンではあるものの、鍋らしく具沢山なラインナップでした。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5+)
スープのテイストは重慶式というより日本式で、唐辛子の辛味も花椒の痺れも “辛さレベル4” というわりに常識的だったのですが、けっして印象は悪くありません。牛脂のコクが特徴的な火鍋スープに、安定のハイクオリティだったノンフライ麺の出来栄えもさることながら、縦型カップ麺にしては豊富な具材など、ひとつのカップラーメンとして良質な一杯でした。
なお1/2日分の野菜180gを一緒に煮込むことで、たっぷりの野菜が食べられることをコンセプトにした袋麺「明星 中華三昧 重慶飯店 麻辣火鍋麺」も同時に新発売。明星食品のニュースリリースに記載されているスープの特徴は大差なかったので、火鍋は興味あるけどカップラーメンはちょっと‥‥という方は、最寄りのスーパーや量販店をチェックしてみてください。