どうも、taka :a（@honjitsunoippai）です。
本日の一杯は、2022年8月8日（月）新発売、日清食品のカップ麺「チキンラーメン ビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト＆チーズ味」の実食レビューです。
純喫茶の人気メニュー「ピザトースト」を “チキンラーメン流” にアレンジ!? はたしてトースト感まで再現しているのか、それとも——。
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
チキンラーメン 純喫茶のピザトースト風
チキンラーメンとは、1958年（昭和33年）8月25日の発売以来、国民的な人気を誇る日清食品のインスタントラーメンで、2022年8月25日に64回目のバースデーを迎えるロングセラー。それを記念した限定メニュー「純喫茶のナポリタン」「純喫茶のピザトースト風 トマト＆チーズ味」「黄色いマイルドカレー」を同時に展開し、ネット上では “昭和レトロでエモい” と話題になっています。
このページでレビューする「チキンラーメン ビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト＆チーズ味」は、純喫茶で人気のピザトーストをチキンラーメン流にアレンジした新作で、トマト＆チーズは理解できる、でも「チキンラーメン」なのに “純喫茶のピザトースト風” ってハードルけっこう高くないか？w
たとえば「カップヌードル イタリアンピザビッグ」に「チーズ星人渡来10周年記念 カップヌードル ピッツァマルゲリータ風ヌードル」や「カップヌードル チーズピザポテトマト味 ビッグ」など、日清食品は過去に「カップヌードル」から「ピザ」をモチーフにしたスポット商品を何度も展開しているのですが、おそらく “純喫茶のピザトースト風” は前例のない取り組み。
ほかにも東洋水産×PIZZA-LA×フリトレーの「ピザーラ焼そば ニュースパイシーイタリアーナ風」とか、サッポロ一番×カルビーの「ピザポテト味ヌードル」とか、明星食品の「一平ちゃん夜店の焼そば 大盛 ピザマヨ味」とか、ピザとカップ麺の組み合わせは他社も挑戦しているジャンルではあるものの、それを踏まえても “純喫茶のピザトースト風” は業界初と思われる変わり種。
パッケージでは昭和レトロなタッチの “男の子” が「トマトとチーズのたまらないおいしさ」をアピールしているように、難しいタイプのピザではなく、あくまでも喫茶店のピザトーストをイメージしているようですが、最大の問題は “トースト感を出せているのかどうか” という部分。トーストの芳ばしさと「チキンラーメン」の芳ばしさはベクトルが違うため、香料でも使用しているのでしょうか——。
ちなみにパッケージの “男の子” について、ひとつ前のページでレビューした「チキンラーメン汁なしどんぶり 純喫茶のナポリタン」の冒頭とネタが被るのですが、ピザトーストのイラストは扨措き、男の子については今回のために描き下ろされた人物像ではありません。実は「チキンラーメン」と縁の深いキャラクターで、名前は “チーちゃんとキン坊” のキン坊。
64周年記念商品の中で「純喫茶のピザトースト風 トマト＆チーズ味」は比較的にハイカラな感じのデザインですが、キン坊は「チキンラーメン」の草創期を支えたトレードマーク。一部の変わり種に、新聞の広告やPRカーのボディなど、1965年（昭和40年）7月27日の “ちびっこ” 誕生以前は「チキンラーメン」の顔を担う存在でした。
それから時は流れ、現在の「チキンラーメン」における広告塔には二代目 “ひよこちゃん” が就任し、すっかりキン坊は幻のキャラクターになってしまったのですが、その “知る人ぞ知るキン坊” をシレッとデザインするあたり、なんともニクい演出ですよね。はたして昭和レトロにノスタルジックなテイストなのか、トースト感にも注目しながらレビューします。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「ピザトースト風仕上げオイル」が1袋。文字通りピザ風ではなく “ピザトースト風” とがあるので、ここにトースト感の秘密が隠されている様子。話が逸れますけど、急に食べたくなりますよね、ピザトースト（やばい、口が持っていかれるw）。
かやくはチェダーチーズ風キューブに、キャベツ、トマト、タマネギ、インゲンの組み合わせで、ピザトーストといえばのピーマンやソーセージは入っていません。ピーマンとソーセージの不在については「チキンラーメン汁なしどんぶり 純喫茶のナポリタン」と共通する要素ではあるものの、はたしてマスト具材なしでもピザトーストの臨場感は打ち出せるのか——。
ちなみにメーカー希望小売価格は245円（税別）なので、同時にリリースされた「純喫茶のナポリタン」や「黄色いマイルドカレー」（1食あたり214円 / 税別）よりも高めに設定されているのですが、チキンラーメン発売64周年記念商品の中では唯一のBIGサイズ。販売店はコンビニを中心に、スーパーやドラッグストアなども対象で、国民的なブランドの新作ということもあり、遭遇率は高いと思います。
製品詳細情報・購入価格等
| 製品名：チキンラーメン ビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト＆チーズ味 製造者：日清食品株式会社 製造所：関西工場（滋賀県栗東市下鈎21-1） 内容量：91g（めん80g） 商品コード：4902105273722（JAN） |
| 発売日：2022年08月08日（月） 実食日：2022年08月10日（水） 発売地域：全国 取得店舗：日清食品グループ オンラインストア 商品購入価格：264円（税込） 希望小売価格：245円（税別） |
| 麺の種類：油揚げ麺 スタイル：縦型ビッグ 容器材質：紙 湯量目安：410ml 調理時間：熱湯3分 小袋構成：1袋（ピザトースト風仕上げオイル） |
原材料名とアレルギー表示
| 【原材料名】油揚げめん（小麦粉（国内製造）、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、香味調味料、卵粉、デキストリン、オニオンパウダー）、スープ（植物油脂、糖類、乳等を主要原料とする食品、トマトパウダー、豚脂、プロセスチーズ、香辛料、オニオンパウダー、野菜調味油、ポーク調味油）、かやく（チーズ風油脂加工品、キャベツ、トマト加工品、たまねぎ、いんげん）/ 加工でん粉、調味料（アミノ酸等）、酸味料、炭酸Ca、香料、増粘多糖類、かんすい、ベニコウジ色素、酸化防止剤（ビタミンE）、カロチノイド色素、炭酸Mg、ビタミンB2、ビタミンB1、（一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんごを含む） |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、チキンラーメンらしく芳ばしい色に揚がっているのですが、お湯を注ぐ前の香りはピザ系のスナック菓子に通じるベクトル。ただ、その奥に「チキンラーメン」の存在を感じるため、その芳ばしさがリンクした結果、漠然と “ピザトースト” っぽいかもしれな‥‥え、テンションあがってきたw
別添の小袋は後入れなので、熱湯を内側の線まで注ぎ、フタの上で「ピザトースト風仕上げオイル」を温めながら待つこと3分。熱湯を注いでからは圧倒的にチキンラーメンの存在感が優勢で、ピザ系のスナック菓子を彷彿とさせる香りは劣勢に回ったのですが、なんのこれしき別添のオイルが凄まじく、漠然と “それっぽい香り” が漂う調理直後。
トースターで食パンを焼いたような香りを忠実に再現しているわけではないけれど、純喫茶のナポリタン（同時発売品）に通じる燻製風の薫香が印象的。はたして味覚に訴え掛けてくる “純喫茶のピザトースト風” が感じられるのかどうか、引き続き「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
| 栄養成分表示：1食（91g）あたり |
| カロリー：423kcal たん白質：9.8g 脂 質：18.5g 炭水化物：54.2g 食塩相当量：5.5g （めん・かやく：2.3g） （スープ：3.2g） ビタミンB1：0.32mg ビタミンB2：0.39mg カルシウム：139mg |
| 参考値（調理直後に分別した値） 熱量：423kcal（めん・かやく：360kcal）（スープ：63kcal） |
| ※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
チキンラーメンらしい油揚げ麺
原材料名は “小麦粉（国内製造）、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、香辛料、糖類、香味調味料、卵粉、デキストリン、オニオンパウダー” となっているため、既存の「チキンラーメンどんぶり」と似ているのですが、香辛料・糖類・香味調味料・卵粉・デキストリンの配合量が変わっていたり、たん白加水分解物は使っていなかったり、実は「ビッグカップ」用に調整しています。
厳密にいうと袋麺の「チキンラーメン」と「チキンラーメンどんぶり」の配合も微妙に変わっているのですが、ひとつ前のページでレビューした「汁なしチキンラーメン」ほど大きな違いはなく、どちらかといえば本家に忠実な作り。なるほどスープの方向性はピザ風なのですが、ちゃんと “チキンラーメンのアイデンティティ” が伝わってくるので、ブランドの個性を失っているわけではありません。
それでいて「チキンラーメンどんぶり」よりも下味が控えめなのか、慣れ親しんだ鶏がらベースのローストしょうゆ風味をスープに与えつつ、きちんと “ピザトースト風” が入る余地を残している絶妙な加減が見事。元来「チキンラーメン」にトマト＆チーズは相性のいい組み合わせということもあり、まったく違和感を覚えませんでした。
スープ
ピザトースト風は言い得て妙かもしれないw
まずは別添の「ピザトースト風仕上げオイル」を加えずに食べてみたところ、麺を啜っている間は圧倒的に「チキンラーメン」が優勢で、ピザトースト風の主張は弱く、スープを飲んでも例の鶏がらローストしょうゆ味が中心に存在するのですが、シーズニング的なトマトの酸味だったり、具材のチェダーチーズ風キューブから滲み出るチーズの風味だったり、それっぽい要素が皆無なわけではありません。
そこに別添の「ピザトースト風仕上げオイル」を加えた途端、ベーコンを彷彿とさせる燻製の香りに、チーズやケチャップなど、ピザトーストっぽい雰囲気がイッキに加速。残念ながらトーストの風味をイメージした香料などは使用していないようですが、ピザトーストの味付けをイメージしたスープに、チキンラーメンの芳ばしさが見事にフィット。
イタリアの本格的なピッツェリアをイメージしているわけではなく、昭和から営業している日本の喫茶店が見よう見まねでトーストにアレンジしたような、どことなくチープな表情を備えている、たしかに個性的でありながらも “ちゃんとチキンラーメン” だったのが勝因。バジルやオレガノなどの香辛料を主張させたり、オリーブの風味を加えたり、そういう背伸び要素がなかったのもよかったです。
かやく
けっこう精鋭
日清食品のチーズ系に使われるトッピングには、大きく分けて「チーズ加工品」と「チーズ風油脂加工品」があり、今回は後者。たとえばチーズをバターに置き換えると、チーズ加工品はマーガリン、チーズ風油脂加工品はファットスプレッド的な存在といえば伝わりやすいでしょうか。
そのためチーズ風油脂加工品は、チーズ加工品に対して風味やコクが劣るものの、すくなからずスープに寄与している部分は大きく、スープのシーズニングや別添のオイルとは違うトマト加工品の旨みも見どころ。キャベツは汎用ですが、シャキシャキとしたスライス玉ねぎとフリーズドライのインゲンは実に効果的で、きちんと価値が見出せるラインナップでした。
総評
欲をいえば具材にベーコンやソーセージ、ピーマンなどを使ってほしかった思いもありますが、なるほど “ピザトーストの味付けをイメージした” スープは想像していたよりも味わい深く、きちんと「チキンラーメン」の個性を残しながら、まったく違和感なく成立していたのが高評価の決め手。
「チキンラーメン」は油揚げ麺の味付けが全体を支配するので、アレンジが難しいブランドの一つだと思っていたんですけど、しっかり「ピザトースト風 トマト＆チーズ味」を物にしていました。ちなみに同時発売品の「黄色いマイルドカレー」だけ “純喫茶の” という文字がないので、それが意図するものとは——（coming soon）【author・taka :a（大石敬之）】
