どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2022年8月8日(月)新発売、日清食品のカップ麺「チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー」の実食レビューです。
もはや絶滅危惧種!? チキンラーメン生誕64周年を記念して “昔ながらの黄色いカレー” を「チキどん」アレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー
チキンラーメンとは、1958年(昭和33年)8月25日の発売以来、大人から子どもまで老若男女に愛されているインスタントラーメンで、いまや日本の国民食といっても過言ではないロングセラー。毎年この時期になると周年記念商品でバースデーを盛り上げるのが恒例で、2022年はSNSで話題の “昭和レトロ” をコンセプトに、ノスタルジックな味わいの「純喫茶メニュー」3品が市場に投下されました。
このページでレビューする「チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー」は、戦前から昭和後期の日本で一般的だった「黄色いカレー」を “チキンラーメン流” にアレンジした一杯で、華やかに飾り立てられたスパイスカレーとは一線を画す、野菜の甘みを効かせた優しい味わいが見どころ。もはや間違えようがない、確実に美味しそうなオーラを放っているのですが、それもそのはず——。
チキンラーメンとカレーの出会いは、現在を遡ること半世紀以上、1961年(昭和36年)6月20日に “チキンラーメン史上初の変わり種” として発売された「チキンラーメン プラスカレー」にルーツを持ち、それを皮切りに「チキンラーメン ニュープラスカレー」「チキンラーメン カレー」「チキンラーメン カレー家族」など、過去に何度も商品化されている最強の組み合わせ。
1990年(平成2年)8月21日にブランド初の即席カップめん「チキンラーメンどんぶり」をリリースして以降、どんぶり型・タテ型・タテ型BIGを問わず、夏に向けてカレー味を展開し、湯切りタイプの「焼チキン カップ カレー味」や「同 ワイルドカレー」なども発売しているのですが、昭和の黄色いカレーを新商品として訴求できたのは “エモい” という感覚が浸透している令和ならではのアプローチ。
2022年の夏を飾る新作「チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー」に、初代「チキンラーメン」や「同 プラスカレー」「同 ニュープラスカレー」などのパッケージでイメージキャラクターを担当していた “チーちゃんとキン坊” のキン坊を描いている‥‥というのも懐旧の念を起こさせる演出で、知っている人には懐かしく、知らない人にとっては漠然とエモい、かなり絶妙なデザイン。
あらためまして「黄色いカレー」とは、市販のルゥで作る現代の “おうちカレー” とは別種の食べ物で、カレー粉と小麦粉を中心に、昔ながらの製法を守って作られるカレーのこと。見た目は文字通り黄色みを帯び、マニアの間では絶滅寸前ともいわれているのですが、それだけに一部で注目を集めているノスタルジックなカレーです。
ちなみに同時発売品の「チキンラーメン汁なしどんぶり 純喫茶のナポリタン※1」と「チキンラーメンビッグカップ 純喫茶のピザトースト風 トマト&チーズ味※2」は先にレビューしているのですが、ひとつ気になるのが「チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー」だけ商品名に “喫茶店の-・” を冠していないこと。
黄色いカレーのプロトタイプは、幕末にイギリスから伝わった “洋食としてのカレー” なので、喫茶店よりも洋食を提供する店、そば屋、食堂などの印象が強く、それが理由なのかなと。とりあえずスパイスカレーや欧風カレー、ルゥを使ったカレーとはベクトルが異なる「黄色いカレー」なので、その特徴や「チキンラーメン」との相性に注目しながらレビューします。
※1 パッケージも味も “エモい” 汁なしチキンラーメン「純喫茶のナポリタン」爆誕!! これは地雷か、それとも名作か。
※2 ピザトースト風のチキンラーメン!? 誕生64周年は昭和レトロ!! 斜め上の「トマト&チーズ味」が侮れなかった件
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、黄色いマイルドカレーの決め手となる「粉末スープ」が1袋。かやくは最初から容器の中に入っている状態で「カップヌードル カレー」のフライドポテトとニンジンに、謎肉(なぞにく)こと味付豚ミンチの計3種。
麺は油で揚げたフライ麺で、まさに「チキンラーメン」らしい濃いめの色合い。やはり現時点での “黄色いカレー” に関する要素は薄いのですが、味付け麺の芳ばしさに、フライドポテトと味付豚ミンチの香りが相俟って、匂いのファーストインプレッションはコロッケっぽいというか、ちょっと不思議な感覚w
メーカー希望小売価格は214円(税別)なので、2022年8月現在の標準どんぶり型において基本となる値段。通常、この手はスーパーやドラッグストア、ディスカウント向けに販売されるのですが、チキンラーメンの変わり種ということで、コンビニでの取り扱いも意欲的でした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:チキンラーメンどんぶり 黄色いマイルドカレー 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(茨城県取手市清水667-1) 内容量:90g(めん80g) 商品コード:4902105273708(JAN) |
発売日:2022年08月08日(月) 実食日:2022年08月11日(木) 発売地域:全国 取得店舗:日清食品グループ オンラインストア 商品購入価格:231円(税込) 希望小売価格:214円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、しょうゆ、食塩、チキンエキス、糖類、香味調味料、香辛料、デキストリン、オニオンパウダー)、スープ(クリーミングパウダー、糖類、カレー粉、香辛料、オニオンパウダー)、かやく(フライドポテト、味付豚ミンチ、にんじん)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸Ca、かんすい、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、カラメル色素、甘味料(スクラロース、アセスルファムK)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、くん液、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
油揚げ麺+粉末スープの組み合わせなので、別添の小袋は先入れかと思いきや、小袋には “お召し上がりの直前に入れてください” との注意事項を記載。カレーの香りを引き立たせるためなのか、味付けを施した麺との兼ね合いか、その理由は定かでないものの、ひとまず調理の際は留意してください。
というわけで、お湯を注いでから3分後、粉末スープを加え、よく混ぜ合わせたら出来上がり。小袋を開封する前の香りは「チキンラーメン」ど真ん中で、そこそこフライドポテトと味付豚ミンチの主張も強く、カレーの要素は皆無に等しいのですが、粉末スープを加えた途端に漠然と懐かしいカレーの香りが「チキンラーメン」にシンデレラフィット。
なお粉末スープの中に “とろみ成分が含まれていた” ので、調理の際は溶け残りがないよう念入りに混ぜ合わせてください。それでは、引き続きカレーの方向性やチキンラーメンとのバランスに注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(90g)あたり |
カロリー:409kcal たん白質:9.4g 脂 質:16.6g 炭水化物:55.5g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.8g) (スープ:3.5g) ビタミンB1:0.25mg ビタミンB2:0.46mg カルシウム:208mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:409kcal(めん・かやく:363kcal)(スープ:46kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
既存の「チキンラーメンどんぶり」とは微妙に違う
実食前は既存の「チキンラーメンどんぶり」と同じ油揚げ麺を予想していたのですが、原材料名を見ると卵粉を使っていなかったり、たん白加水分解物を使っていなかったり、粉末スープとの兼ね合いから微妙に配合を変えていることが分かるフレームワーク。
これは「汁なしチキンラーメン」や「チキンラーメン ビッグカップ」にも当てはまることなのですが、どんぶり型とタテ型の間でも配合を変えるなど、それぞれ緻密な計算の上で成り立っています。粉末スープを入れる前に麺の味を確認してみたところ、いつもの「チキンラーメンどんぶり」よりも味付けが控えめだと感じたのですが、基本のレシピは大きく変わりません。
ちなみに標準どんぶり型におけるカップラーメンの麺重量は、調理前の状態で60gを基本としているのに対し、今回は既存の「チキンラーメンどんぶり」と同じ80gということで、縦型ビッグ(大盛り)のカップラーメンと同じボリューム感。とはいえ優しい食感に定評のある「チキンラーメン」なので、カレーの食欲増進効果もありますし、極端に少食でなければ構える必要はないでしょう。
スープ
半世紀以上の歴史を現代の味覚にアップデート
まずは粉末スープを入れる前に味を確認してみたところ、かやくの味付豚ミンチから滲み出るワイルドな風味が重なるため、純粋な「チキンラーメン」のスープとは微妙に異なるものの、何味かと聞かれたら「チキンラーメン」と即答できる、慣れ親しんだ “あの” 味わい。ただ、麺の項目でも触れたように、いつもの「チキンラーメン」よりも優しくて、カレーの受け入れ態勢に問題はありません。
粉末スープは「クリーミングパウダー、糖類、カレー粉、香辛料、オニオンパウダー」とシンプルな構成で、なるほど黄色みを帯びたクリーム色。小麦粉は使用していませんが、クリーミングパウダーと適度なトロミが相俟って、なるほど “昔ながらの黄色いカレー” を彷彿とさせる優しいテイストです。
カレーの方向性は東洋水産(マルちゃん)に似ているのですが、土台にあるのは日清食品が誇るチキンラーメン。出汁(だし)で伸ばした “お蕎麦屋さんのカレー” よろしく「チキンラーメン」の旨みが絡み合っているため、カレー粉だけでは打ち出せない、鶏がらベースのローストしょうゆ味と素朴なカレーの融合が奥床しく、現代の味覚に合わせながらも歴史を感じるノスタルジックな味わいでした。
かやく
シンプルさが好印象
フライドポテト、味付豚ミンチ、ニンジンは、いずれも「カップヌードル」シリーズで馴染みのある具材なので、新鮮味はありません。しかし、マイルドな黄色いカレー味のスープとジャガイモの相性は申し分なく、そこにジャンクでワイルドなアクセントを適度に与えてくれる味付豚ミンチに、彩りのいいニンジンと適材適所。
特別感や物珍しさはないけれど、チキンラーメンだから “カレーとの相性は扨措き、とりあえずネギを入れときましたよ” みたいな、そういう浅はかな妥協はなかったですし、充分でしょう。
総評
いつものチキンラーメンに、優しいカレー味の組み合わせ——。結論からいうと、それ以上でもそれ以下でもありません。しかし、64年の歴史を誇る「チキンラーメン」と、あえて奇を衒わなかった “黄色いカレー” の相性は申し分なく、現代の味覚に合わせながらも漠然と懐かしい一杯。
正直このまま通年商品にしてほしいと感じたくらい、変化を加えながらも最終的にはド真ん中を射抜いてくる変わり種でした。ひとまず「純喫茶メニュー」3品すべてのレビューを完了しましたが、別枠で「チキンラーメン」64回目のバースデーを記念した商品がリリースされる可能性もあるので、引き続き動向に注目です【author・taka :a(大石敬之)】