どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年4月15日(月)新発売のカップ麺、明星食品「明星 チャルメラ 油そばカップ」の実食レビューです。
ホタテの旨みとスパイスが決め手のチャルメラ流「油そば」アレンジ再登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
チャルメラ 油そばカップ 2019
バリカタ麺を実装した「ノンフライチャルメラ 豚骨」や本格志向のカップラーメン「極のチャルメラ(きわみのチャルメラ)」など、新たな技術も取り入れつつ様々な変わり種の新商品が意欲的に開発されている「チャルメラ」ですが、前回の「チャルメラ 油そばカップ」が発売されたのは2018年6月4日(月)。
当時のニュースリリースには “チャルメラカップ史上初の汁なし麺” として紹介されていたので、50年以上もの歴史を紡いできたチャルメラからカップ焼そばタイプの新商品が出るのは初めてだったのか——と、地味に驚きました。
「チャルメラ」が初めて発売されたのは1966年(昭和41年)9月7日、「街のラーメンの味」と「飽きない味」をコンセプトに食べ歩きから始まった企画の中で、 “3つのラーメン店” を参考に各店の長所を取り入れつつ、スープに明星食品独自のアイディアとして現代も受け継がれている「ホタテエキス」を導入。
さらに仕上げの小袋「木の実(このみ)のスパイス」(現:秘伝の小袋)を別添することで商品化が決まり、今もなお多くの方に支持されている明星食品の基幹ブランドとなっているのですが、年々カップ油そば商品の市場が拡大し続けている状況を見据えて「チャルメラ 油そば」の再販が決定しました。
2018年6月発売品では人を選ぶ「油そば」をテーマに掲げながら可能な限り大衆的に仕上げ、さらに数種類のホタテエキスとスパイスをバランスよく効かせることで “チャルメラらしい” と思える味に落とし込んでいましたが、前回から旨味のバランスを調整し、さらに食べやすくなったとのこと。
夜の町並みや調理後のイメージ写真など、パッケージのデザインは前回から使い回しですが、「ホタテの旨みがきいた しょうゆダレ」という表記から「濃厚しょうゆダレ+ホタテの旨み」と今回は濃厚さをアピール。そして「油そば」の文字が大きくなり、前回はなかった「東京発祥」の文字が追加されました。
「油そば」はスープのないラーメンの一種としてコアなファンに親しまれ、そのジャンクな味わいとアレンジ幅の広さから全国的にも専門店が多く、前述したようにカップ麺での油そばも年々売上が右肩上がりの傾向を見せているのですが、「まぜそば」よりもトラディショナルで古典的なイメージが強い呼び名ですね。
油そばの元祖は1952年(昭和28年)に創業した東京都国立市・一橋大学付近の「三幸」で、昭和30年代前半頃に肴(さかな)として生まれたのが始まりという説があり、同じく昭和30年代に東京都武蔵野市境・亜細亜大学付近の「珍々亭」が中国の拌麺(ばんめん)をヒントに「油そば」を開発しているため、その両説が有力とされているのですが、とりあえず「東京発祥」なのは間違いなさそうです。
開封
内容物の小袋は「液体ソース」と「かやく」の2種類で、袋麺に別添されている “秘伝の小袋” は入っていません。それぞれ前回と同じ構成かつ同じデザインですが、液体ソースの小袋は紫から青に、かやくの小袋はオレンジから赤に変わっています。ところで、お分かりいただけるだろうか‥‥ネギの間から感じる虚ろな視線と不敵な笑みを‥‥(※おじさんナルト)
麺は熱湯3分の油揚げ麺で、油そばにしては細めのサイズ感。けれども同社の人気カップ焼そばブランド「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」と比較した場合、ちょっと太めのサイズです。最近の明星食品が手がける汁なし系は太麺じゃなくても異様にモチモチしていることがあるので、もしかすると大幅に進化しているかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:明星 チャルメラ 油そばカップ 販売者:明星食品株式会社 製造所:東日本明星株式会社(製造所固有記号 R) 内容量:108g(めん90g) 商品コード:4902881416757(JANコード) 規格サイズ:縦157mm×横157mm×高さ58mm 発売日:2019年04月15日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:カップ焼そばタイプ・角型レギュラー(標準サイズ) 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:550ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:2袋(液体ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉、植物油脂、食塩、ソース)、ソース(豚脂、しょうゆ、糖類、植物油脂、食塩、香味油、豚・鶏エキス、たん白加水分解物、香味調味料、貝エキス、香辛料)、かやく(メンマ、かまぼこ、ねぎ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、カラメル色素、炭酸カルシウム、酒精、かんすい、香料、グリセリン、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、乳化剤、ビタミンB2、ベニコウジ色素、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・えび・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・りんご・ゼラチンを含む) |
【アレルゲン情報】小麦・えび・豚肉・鶏肉・大豆・ごま・りんご・ゼラチン(食品衛生法で義務付けられた特定原材料7品目と表示が推奨されている20品目の合計27品目について掲載)※コンタミネーション:本品製造設備では、卵・乳成分・かにを含む製品を生産しています。 |
実食開始
先入れの「かやく」には大きめにカットされたネギ、小さめにカットされたメンマ、そして大きめの “おじさんナルト” が入っています。このナルトについて明星食品のニュースリリースでは “「かわいい」と人気の——” と解説されていたんですけど、油そばを好む男性から好評だったのか、それとも女性ユーザーからの感想も多かったのか‥‥いや、かわいいですけどねw
さて、完成です。液体ソースについて小袋にも調理方法にも「温めてください」との記載はありませんでしたが、調理中にフタの上で温めても軽く豚脂が濁っていたので、まったく温めなかったら出しにくいかもしれません。ちなみに余談ですが “おじさん” は今年もカメラに顔認識されませんでした(普段、ふつうのナルトは顔だと認識しているカメラなんですけどね——)。
それでは、「チャルメラ」らしいホタテの旨味やスパイス感、そして食べやすくなったという前回との違いに注目しながら「めん」「たれ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(108g)当たり
熱 量:496kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しなやかな弾力がある食べやすい中細麺です。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 チャルメラ 油そばカップ』」)
「油そば」に使用される麺といえば極太麺やモチモチ感などの食べ応えが重視される傾向にあるのですが、適度に縮れた丸刃の平打ち麺で、「一平ちゃん夜店の焼そば」よりモチモチとした弾力が楽しめます。しかしながら歯切れのよさも兼ね備えていて、バラッとしたハリのある質感が印象的ですね。
バラッとした——などという表現でイメージが伝わっているのかちょっと不安なんですけど、モタつきがないというか、麺それぞれが一本ずつ独立しているような状態で、タレを混ぜる時や箸で持ち上げた時にもモタッとしません。もちろんタレのオイル成分によるコーティング効果も手伝ってのことと思われますが、最後まで麺と麺がくっつかないのは食べやすさに一役買っています。
風味は油揚げ麺らしいスナック的な路線ですが、ある意味このインスタント感も「チャルメラ」らしさの一端であり、適度な弾力とハリのある質感からスナック的でも悪い意味でチープな麺ではありません。ただし、かなり麺自体はオーソドックスなタイプで人を選びませんが、けっこうタレの醤油が強いので、このサイズだと蓄積されていく塩気が途中から気になりました。
たれ
数種類のホタテエキスとポークを合わせたコクのあるしょうゆダレにチャルメラらしいスパイスを効かせた油そばダレです。旨みのバランスを調整して、昨年品からさらに食べやすくなりました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 チャルメラ 油そばカップ』」)
残念ながら別添のスパイスはありませんが、香辛料のアクセントは明白で、それも袋麺の「秘伝の小袋」に通じるような、ちゃんと “チャルメラらしい” と思えるベクトルのスパイス感がいいですね。現在は「木の実(このみ)」と「好み」をかけたネーミングから「秘伝の小袋」に変わりましたが、ほとんど中身は発売当初から変わっていません。
そして、もうひとつのアイデンティティである「ホタテの旨み」は前回よりも強く、より直感的に伝わってきます。ごりごりの貝押しではありませんが、ホタテの他にオイスター系統のコクや舌の脇に訴えかけてくる二枚貝(アサリなど)のシャープな旨味など、それらが以前よりも前衛に出ていました(※あくまでも比較的)。
反面、油脂の量は油そば的に頼りなく、混ぜ終わった直後も容器の隅っこにタレが目立って余ることはありません。原材料の並びは前回とまったく同じですが、胡麻油の香りは弱くなり、やや油脂が減ったことで前回よりも醤油のキレが増したように感じました。それにより後半は貝の旨味やコクよりも塩気が優勢だったので、もうちょっと醤油の主張を抑えたほうが安心して食べられるように思います。
かやく
メンマ、ネギと大きめのおじさんナルトを組み合わせました。
(出典:明星食品公式ウェブサイト「トップページ > ニュースリリース『明星 チャルメラ 油そばカップ』」)
ちょっとカメラ目線を意識して配置したりしてみたのですが、むしろ隣のメンマにフォーカスを奪われるチャルメラおじさん‥‥(涙)。と、それはさておき具材は “ふつう” です。ちょこちょこ大きめのネギは歯触りがアクセントになっていましたが、肉っ気はありませんし、メンマのサイズは小さめで量も多いとは言えません。
そのメンマは小さいながらに自然な歯触りと風味が好印象でしたが、結果としては可も無く不可も無し。もともとクラシックな油そばの具材はチャーシューやメンマ、ナルト、ネギといった「中華そば」のトラディショナルなトッピングと共通する部分があるので、ラインナップとしては間違っていませんし、おじさんナルトの見た目が個性的ではあるものの、やはり「ふりかけ」などの別添が欲しいですね。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
おそらくスーパーやドラッグストアなどであれば税込108円前後、ドンキホーテなどのディスカウントストアなら70円〜90円前後で箱積みされている可能性もあるため、それを思うとオーソドックスな麺の仕様も無難な具材も値段相応ではあるものの、前回と比較してタレの醤油(塩気)が強くなったように感じました。もし食べていて塩っぱいなぁ‥‥と感じたら、「お酢でアレンジ」してみてください。だいぶ食べやすくなります(※ただし入れすぎ注意)。
チャルメラらしいスパイス感と貝エキスの旨味については素直に好印象ですし、油そばなのにアブラ控えめなのは(というのもアレなんですけどw)食べやすさに寄与していましたが、逆に塩気の強さが人を選ぶかもしれません。でもテーマとしては面白いので、例えば醤油を控えてスパイスを後がけの別添方式に変更するとか、いっそ貝エキスも粉末化して「ふりかけ」に仕込んだりすると唯一無二の油そばになりそうですね。