どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年06月11日(火)新発売のカップ麺、エースコック「ブタメンBIG(ビッグ)とんこつ味」の実食レビューです。
豚(トン)でもないウマさ!?「ブタメン」の大盛カップラーメンがセブン限定で再登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
ブタメンBIG とんこつ味 2019
「ブタメンBIG(ビッグ)」とは、株式会社おやつカンパニーとエースコック株式会社の共同開発商品で、定番の駄菓子「ブタメン」を大盛サイズにアレンジした企業間コラボの再現カップラーメンです。ちょうど1年前となる2018年6月11日にもリリースされていたのですが、今回もセブン&アイグループ限定商品として再販されました。
昨年は「ブタメンBIG わさびキレ辛とんこつ味」というキレッキレのトンでもないブタメンも発売されていたんですけど、2019年はプレーンタイプ「とんこつ味」の単独リリースで、2019年6月13日現在「わさび味」の再販は未定とのこと。今回も商品のパッケージには、 “豚でもないウマさ!!” というキャッチフレーズが書いてあります。
詳しい資料は残っていなかったのですが、初めて「ブタメンBIG」が発売されたのは2006年3月。その約7ヶ月後となる2006年10月にも発売されていて、どちらも「とんこつ味」かつ当時から販売ルートはセブン&アイグループ限定、たしかブタさんの左鼻に矢が刺さっている(じゃなくて矢尻部分の吸盤が貼り付いている?)パッケージだったと記憶しています。
その後、2007年10月にも「ブタメンBIG とんこつ味」がリリースされているのですが、そのタイミングで「ブタメンBIG カルビ味キムチ風味」という変わり種も発売。ブタメンのビッグサイズは初版からエースコックが製造を担当し、その当時は本家ブタメンと同じく「あたりつき」だったんですけど、2007年のコラボを最後に新作の開発がストップしました。
「ブタメン」とは、株式会社おやつカンパニーが製造・販売しているミニタイプの駄菓子型カップラーメンで、初めて発売されたのは1993年(平成5年)。けれどもブタメンの歴史は古く、1978年(昭和53年)発売の「ベビースターミニカップラーメン」をリニューアルするかたちで誕生したのですが、2008年7月7日に「当たり付きのブタメンを廃止する」と発表され、アタリくじ制度が消滅します。
「おやつカンパニー」とは、創業者・松田由雄氏が1948年(昭和23年)9月3日に設立した「松田産業有限会社」が前身で、実は日清食品(当時の社名はサンシー殖産)のチキンラーメンよりも早く “世界初のインスタントラーメン”「広東麺」を発売した会社。その製造工程で落ちた麺の切れ端を「おやつ」として従業員に配ったところ好評で、1959年(昭和34年)に初代「ベビーラーメン」を商品化しました。
そして1973年(昭和48年)に「ベビーラーメン」の商品名を「ベビースターラーメン」に更新、ブタメンの前身となるミニサイズカップ麺の草分け的存在「ベビースターカップラーメン」(当時の価格で1個50円)を1978年に発売し、「ブタメン」の発足と同じ1993年に社名を松田産業有限会社から現在の「株式会社おやつカンパニー」に変更します。
2007年以降、ぱったり途絶えていたエースコックとのブランクに終止符が打たれたのは2016年6月21日。「ブタメンBIG とんこつ味」を復活させ、その後も2017年、2018年、今回の2019年と定期的に大盛カップ麺を共同開発し、基本的にはセブン&アイが販売しています。エースコックのコーポレートキャラクターも「こぶた」ですし、やはり通じ合うものがあったのでしょうか。
2018年6月11日発売の「ブタメンBIG わさび味」と2017年6月12日発売の「ブタメン 激辛とんこつ味」(これだけBIGじゃなかった)以外、すべて定番の「とんこつ味」となっているのですが、今回は単なる再販ではなく “麺を改良している” とのこと。パッケージの見た目は前回から変わっていませんが、中身の前回との違いをチェックしていきましょう。
開封
はい、というわけで毎度おなじみの光景がそこには広がっていたのですが、今回も別添の小袋や具材は入っていません。購入店舗はコンビニのセブンイレブンで、値段は前回と同じく税込178円のまま値上げなし。そういえば2016年6月に復活した時の値段は税込198円だったので、3年前の価格よりも安くなってます。
カップ底面の賞味期限横に表示されている製造所固有記号が「W」となっていますが、これは兵庫県加東市にあるエースコックの「関西滝野工場」(兵庫県加東市河高字黒石1816-175)のこと。たしか昨年は発売から3ヶ月後くらい経った頃、ドンキホーテのカップ麺コーナーで箱ごと山積みだったので、もしかすると数ヶ月に他店で安売りされるかもしれません。
あと2016年10月に「ベビースターラーメンBIG チキン味」というベビースターラーメンの大盛カップ麺をセブン&アイ限定で発売していたり、2017年には「替え玉風ブタメンとんこつ味」という小袋タイプのスナック菓子も販売されていたんですけど、今回そういった関連商品は見当たりませんでした。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:ブタメンBIG とんこつ味 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W) 内容量:87g(めん87g) 商品コード:4901071275310(JANコード) 商品サイズ:縦111mm×横111mm×高さ118mm 発売日:2019年06月10日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(小袋なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、砂糖)、スープ(食塩、植物油脂、ポークエキスパウダー、デキストリン、糖類、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、香辛料、チキンパウダー、香味油、全卵粉)、かやく(ごま)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、かんすい、微粒二酸化ケイ素、カゼインナトリウム、酸化防止剤(ビタミンE)、乳化剤、香料、増粘多糖類、香辛料抽出物、酸味料、カラメル色素、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごま(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
調理前の麺を撮影するために、ちまちま粉末スープを奥にやりながら、化石の研究をしている博士や骨を発掘している人って、こんな気分なのかなぁ‥‥などと思いつつ(けっこう楽しいw)、それはさておき今回この麺を改良したとのことですが、以前よりも色が薄く、また原材料の構成も変わっていました。
あとは熱湯を注いで3分待機、よくかき混ぜたら完成です。なんというか、こういうカップ麺って他にないですよねw そもそも “かやく入り” というのが即席カップ麺のステータスで、袋麺との差別化に繋がっているポイントでもあるのですが、ほんとに「ブタメン」を大きくしたような仕上がりです。
ある意味それは再現度の高さに一役買ってはいるものの、やや寂しさも否めない実食前の現在。それでは、前回発売品との違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(87g)当たり
熱 量:375kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:375kcal(めん・かやく:317kcal)(スープ:58kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
まず麺の原材料名なんですけど、前回の2018年発売品は「小麦粉、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキン調味料、砂糖、野菜調味料」となっていたのに対し、今回の2019年発売品は「小麦粉、植物油脂、食塩、しょうゆ、チキンエキス、砂糖」ということで、野菜調味料がカットされています。しかし、それだけではありません。
醤油の含有量も減ったのか、以前の「チキンラーメン」ばりに茶色い見た目ではなく、地の豚骨スープに馴染むくらい穏やかな色合いに落ち着き、その色に比例して醤油の芳ばしさも見違えるほど穏やかになりました。そして縮れも緩くなり、しなやかな印象です。と、なんだか以前よりも洗練された麺にリニューアルしていたのですが、食感については貧弱この上ない。
もしブタメンと同じ麺の量(30g)であれば問題なさそうですが、今回は大盛(78g)かつ食べ始めの段階から柔らかく、フタを開けて1分30秒もすればヘタレ。ファーストインプレッションはよかったのに、途中から大盛じゃなくていいかも‥みたいな。で、あいかわらず「ブタ」メンなのに「チキン」エキスが練り込まれているのですが、醤油の芳ばしい風味が弱くなったことでスープの印象も大幅に変わります。
スープ
実は前回から “いっさいスープに手は加えていない” とのことだったんですが、なんのなんの。前回までの麺は「チキンラーメン」の風味と酷似していたので(麺に練り込まれていた動物系もチキンエキスですし)、ロースト感のある元祖鶏ガラしょうゆ味よろしく麺の芳ばしい風味がイニシアチブを握っていたところ、今回は粉末スープのニュアンスが楽しめる大きな変化。
豚脂などの調味油や液体スープは含まれていませんが、ちょっと舌にザラつきを覚えるタイプの豚骨感で、それは有名店監修商品のように卓越した豚骨味でもなければ豚骨臭や獣臭も楽しめない、粉末とんこつ系のチープなテイストではあるものの、ちゃんと「とんこつ味」なのが好印象。あくまで味は駄菓子の延長線上にあるのですが、そのラインとしては本格的な味ですね。
ちなみにパッケージの「よくかきまぜてたべてね!」とターバンを巻いているブタは、「ブタメン カレーラーメン」のパッケージを担当しているブタと同じデザインなんですけど、ぜんぜんカレーの風味は感じません。またエースコックらしくオニオンパウダーでアレンジされていたりするのですが、これまでの「とんこつ味」とは見違えるようなスープで驚きました。
かやく‥?
とりあえず原材料名では「かやく(ごま)」となっているのですが、本家ブタメンよろしくゴマしか入っていないので、ある意味ブタメンの再現度は “めちゃくちゃ高い” といえるでしょう。それにスナック的な駄菓子系とんこつ味に胡麻の芳ばしい食感と風味が映えていて、相性も悪くありません。
とはいえ途中から麺がネチョッとしてくるので、たとえば食べるラー油を入れて担担風にアレンジしてみたり、おろしにんにくを入れて強烈なニンニクとんこつ味にしてみたり、チューブの練りワサビで昨年の「わさび味」を再現してみるのも楽しそうですね(ちなみに「とんこつ味」と「わさび味」のスープは土台が同じだったので雰囲気は再現可能)。
他、簡単にできるブタメンアレンジの例をあげると、「担担カレー」(食べるラー油×カレー粉)、「韓国風」(キムチ×韓国海苔×ごま油)、あとセブンイレブンの冷蔵コーナーにある「ザーサイ」ちょい足しオススメです。さっぱり食べたい方は、柚子胡椒も効果的ですよ。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
たぶん今回もブタメンは “あのサイズだから” おいしいんだよなぁ‥‥と、再認識するような結果に終わるのではないかと思いつつ食べていたのですが、麺のリニューアルが全体に及ぼしていた変化は大きく、スープの印象は見違えました。ある意味ちょっと残念な感じも「ブタメンBIG」シリーズの魅力というか、ネタ要素は強いですけど、2019年は前回よりも比較的よかったです。
でもオーソドックスな「とんこつ味」は飽和状態なので、次は抱き合わせに強烈な「わさび味」を再販するとか、「カレー」や「タン塩」の再現、また「復刻版カルビ味キムチ風味」みたいな変わり種の開発など——あ、カップ麺の横にブタメンBIG専用の「味が変わる粉」(別添スパイスや粉末スープ)とか「トッピング用の別売り具材」とかが期間限定で並んでいたら、選ぶ楽しさもあって面白そうですね。