どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年6月8日(月)新発売のカップ麺、エースコック「一度は食べたい名店の味 べんてん 塩ダレ油そば」の実食レビューです。
熱湯5分で行列回避!? ついに連日行列必至の名店「中華そば べんてん」の裏メニューを商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
べんてん裏メニュー 油そば再現
「一度は食べたい名店の味」とは、読んで字の如く “誰もが一度は食べてみたいと思う名店の味” を再現した有名店監修シリーズで、エースコックが力を入れているブランドの一つ。2016年8月22日発売の第1弾「一度は食べたい名店の味 ぜんや 行列必至の塩ラーメン」から続いているため、2020年8月下旬に4周年を迎える息の長いシリーズになりました。
今回の新商品「一度は食べたい名店の味 べんてん 塩ダレ油そば」は、東京都豊島区・高田馬場での営業終了から練馬区の成増で電撃復活を果たした「中華そば べんてん」とエースコック株式会社の共同開発商品で、このシリーズから「べんてん」のカップ麺が発売されるのは今回で第3弾になるのですが、湯切りタイプの汁なしカップ麺が発売されるのは初の試みです。
「中華そば べんてん」とは、1995年(平成7年)12月に高田馬場で創業し、店の脇にあった神田川沿いに連日大行列を作り続けた伝説のラーメン店。もともと中華料理店として開業したそうですが、故・山岸一雄氏の築き上げた「東池袋大勝軒」に感銘を受けた「べんてん」の店主・田中光勝氏が何度も店に通ってラーメンを学び、自身の店を「自家製 中華ソバ べんてん」にリニューアルしました。
しかし、高田馬場で伝説的な行列をつくっていた名店「べんてん」は、2014年6月28日に店主の病気や店舗の老朽化などを理由に惜まれながら閉店。その最終営業日には熱狂的なファンを中心とした徹夜組も現れ、開店前の午前10時過ぎに並んでいた人数は約150人。当日は生憎の雨にもかかわらず、その行列は100mの長さに及び、最後の最後も伝説を作って幕を閉じたのですが‥‥
大病を患った店主の快方と息子・邦彦氏の支えもあり、2016年9月18日「麺餐一凛(めんさんいちりん)」の跡地である東京都練馬区旭町3丁目に移転して復活。現在のメインは「つけ麺」「ラーメン」「塩ラーメン」の3種類を基本とし、2018年2月12日に発売された「べんてん」初のカップ麺「一度は食べたい名店の味 べんてん 特製濃厚中華そば」にて、エースコックが同店のラーメン(しょうゆ)を再現しています。
続いて2019年5月27日に「一度は食べたい名店の味 べんてん 特製濃厚塩ラーメン」を発売しているのですが、どちらも縦型ビッグのカップラーメンだったので、今回の「同 塩ダレ油そば」は「べんてん」初の汁なし麺かつ基本メニューの3種類には含まれない “知る人ぞ知る裏メニュー” が再現されました。いいんですかね、全国発売のカップ麺で再現しちゃっても‥‥w
1.券売機で「塩ラーメン」を購入 2.食券を渡す前に「油そば」と伝える——と、その “知る人ぞ知る裏メニュー” を注文する術がパッケージにも記載されているので、たくさんの人が知ってる裏メニューになっちゃった気もしますけど、それはさておき必要な食券が「塩ラーメン」となっているように、実店舗で提供されている裏メニューの「油そば」も味付けは塩だれがベース。
それは高田馬場時代から提供されていた裏メニューで、黒胡椒(ブラックペッパー)と赤唐辛子のアクセントが効いていることから「ペペロンチーノ風」との評判・口コミが多くみられました。ちなみにエースコック曰く “しっかりとした弾力のあるめんにニンニクをしっかり利かせた塩ダレとブラックペッパーが絡む味わいで、お店の常連になった様な気分を手軽に味わえます” とのこと。いいですね、開封しましょう。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は「調味たれ」「かやく」「スパイス」の合計3袋、おそらく別添のスパイスはブラックペッパーで、けっこう調味たれの量が多く、これはチキンをベースにガーリックオイルやネギオイルを加えた塩ダレとのこと。エースコックの汁なしカップ麺は塩気が鋭く、体感的な塩分濃度が高くなりがちなので、そこが実食前の不安要素でしょうか。
麺は油で揚げている太めのフライ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。調理前の麺量は120gと汁なしカップ麺における大盛りの基準(130g)よりも若干ながら少ないのですが、エースコックの寸胴型は基本的に麺量100gが標準だったので、今回は多めに入っています。必要なお湯の目安量は650mlとなっているため、余裕を持って多めに沸かしておいたほうがいいかもしれません。
2020年6月現在における大盛りカップ麺のメーカー希望小売価格は税別220円が平均となっているのに対し、エースコックが設定している今回の希望小売価格は税別240円となっているため、平均よりも高めに設定されています。ちなみに購入店舗はドンキホーテだったので、税込203円と比較的に安く買えたのですが、コンビニでの販売価格は税込257円でした。めちゃくちゃ高いわけじゃないけど地味に高いw
製品詳細情報・購入価格等
製品名:一度は食べたい名店の味 べんてん 塩ダレ油そば 製造者:エースコック株式会社 関西工場 製造所:兵庫県加東市河高1816-175(W) 内容量:151g(めん120g) 商品コード:4901071207793(JAN) 商品サイズ:縦165mm×横165mm×高さ80mm |
発売日:2020年06月08日(月) 実食日:2020年06月12日(金) 発売地域:全国(スーパー・コンビニ等) 取得店舗:MEGAドン・キホーテ 商品購入価格:203円(税込) 希望小売価格:240円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:寸胴型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:650ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:3袋(調味たれ・かやく・スパイス) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩)、たれ(植物油脂、たん白加水分解物、動物油脂、チキンエキス、香味油、発酵調味料、ポークエキス、砂糖、魚介エキス、香辛料、魚介風味調味料、食塩)、かやく(ねぎ、メンマ、香辛料、ぶどう糖、唐辛子)/ 加工でん粉、ソルビット、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、酒精、香料、かんすい、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、増粘多糖類、酸味料、ビタミンB2、香辛料抽出物、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・ごま・さば・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみで、中身はメンマ、ねぎ、輪切り赤唐辛子とシンプルなラインナップ。いずれも実店舗の油そばに入っているため、あながち間違った構成ではないのですが、食べやすくカットされたチャーシューや海苔をイメージした具材は入っていません。とはいえスカスカした食感のスポンジ肉そぼろを放り込まれても私は文句をいうだけなのでw 無理せず他にコストを振ったのであれば嬉しい采配。
あとは熱湯を注いで5分間、別添の調味たれは量が多いうえに動物油脂も含まれているため、待っている間に小袋ごとフタの上にのせて温めます。底の深い大容量カップを使用しているのもありますが、それを差し引いても具沢山とはいえない調理直後。ちなみに容器の側面には “お好みでたまごを入れてもおいしい” とあったので、事前にアレンジ用の生卵を用意しておくといいかもしれません。
なおセブンイレブンでは取り扱いを確認できなかったのですが、実際に立ち寄ったコンビニでは「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」での販売を確認したので、お探しの際は参考になさってください。それでは、ちょっと心配な塩気の強さにも注意しつつ、「めん」「たれ・スパイス」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(151g)あたり |
カロリー:662kcal たん白質:11.5g 脂 質:29.0g 炭水化物:88.8g 食塩相当量:6.1g ビタミンB1:0.58mg ビタミンB2:0.74mg カルシウム:427mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
使い回し希望w
「べんてん」実店舗の自家製麺は、あえて熟成させずに毎朝 “打ち立てを切って出している” のが店主のこだわりで、しかも麺の量は茹でる前の重さで並=250g、中=350g、大盛=700gと一般的なラーメン店よりも多く、つけ麺や中華そば、油そばも麺は同じものを使用とのこと。加水率は高く、形状は丸刃で切り出されたストレート麺で、縮れはありません。
対する今回の麺は比較的に縮れの強い平打ち麺で「べんてん」の麺と形状は異なるのですが、この麺かなり美味しいですね。けっこう湯切りの段階から油揚げ臭たれ流しだったので、調味たれやスパイスを加えた後も主張はしてくるものの、それが嫌味に働くことはないですし、なんといっても中心部からブチンッ!と弾けるような力強い食感が面白くて印象に残ります。
時間の経過にあわせ、多少なりとも弾力は変化していきますが、食べ始めから印象的だった噛み応えは食べ終わるまで目立った劣化を見せません。また実食前に麺の量が大盛カップ麺の平均よりも少ないと書きましたが、その力強い歯応えから物足りなさを感じることはないと思います。今回かなり具材は手抜きしてますけど、麺にコストを注いだ結果なのだろうと勝手に納得しました、ハイ。
たれ・スパイス
葱油は目立ってないけどウマい
まず懸念していた塩気について、どちらかといえばストレートに刺さってくるタイプではあるものの、重厚感のある塩気というか、やたらに尖っているわけではありません(ただし強め)。また「油そば」というジャンル的にギッシュなアブラの量を覚悟していたのですが、しっかり混ぜた後は容器の底に少し残る程度だったので、比較的にスッキリとしたキレのあるテイスト。
残念ながら動物系(チキン、ポーク)の使用量より “たん白加水分解物” のほうが多いため、旨味のベクトルがは人工的ではあるものの、動物系の旨味を軸に魚介(節系)が脇を固めるフレームワークで味に希薄な印象はありません。ガーリックについては特筆するほど強くなかったので、もうちょい強めに‥‥とも思ったのですが、特化していないだけで生おろしニンニクのエッジはあります(お仕事中の方は気をつけて)。
ふりかけの中身は粒子の細かいブラックペッパーだけでなく、粉末状の赤唐辛子が入っていて、爽やかなピペリン(ブラックペッパーの辛味成分)にピリッとしたカプサイシン(唐辛子の辛味成分)のアクセントが効果的。さらに “ぶどう糖” も含まれていたので、地味に甘さも強くなるのですが、そのジャンクな甘さも心地よく、中毒性を高めるうえで効果的でした。
具材
具材はショボい‥‥w
「麺」「たれ」と調子がよかった今回のカップ麺ですが、ご覧の通り絶賛しわ寄せが具材にきています。けっこうネギが多いため、一見すると賑やかに見えなくもないけれど、メンマは適度なサイズが2つと他は砕け散ったものばかり。ネギも歯触り重視で存在感はあるものの、そんなにシャキシャキしなくても‥‥w みたいな。いや、なかったらなかったで寂しいですけどね。
メンマは大きな個体だと歯応えがあって美味しかったのですが、上記の画像に写っている大きなメンマが1個、それの半分以下だったメンマが1個、あとは端材。またエースコックのニュースリリースには “辛みの強い唐辛子を加え” などと書いてあり、まったく辛くないわけではなかったものの、実際そんなに唐辛子の辛味は強くなかったです。
総評
★★★★☆☆☆☆☆☆(★4)
ちょっと個人的には塩気の強さが気になったのですが、パッケージでも生卵ちょい足しアレンジを提唱していたので、しょっぱいと感じた方は卵黄で中和可能ですし、そこそこ塩気に耐性のある方であれば驚くほどの塩気ではありません。また評価の足を引っ張ったのは具材の貧弱さのみ、麺とタレの満足度は高かったので、結果的な印象は悪くありませんでした。
メーカー希望小売価格は税別240円、コンビニで購入した場合の値段は税込257円とコスパ重視のカップ麺ではないので、別にカップ麺の具材はあってもなくてもいいよ、というのであれば今回の評価に星を足してください。ここ最近、エースコックの有名店監修シリーズから湯切りタイプの新作が意欲的にリリースされているため、これから夏に向けて他店のバリエーションも増えそうですね。
こんにちは
「べんてん」は大学生時代、行列で有名でした
「つけ麺」を食べに行きました
(今ほど「つけ麺」が一般的ではなかった気がしますが)
つけ麺の印象はありますが油そばは食べたことありませんが
カップで食べてみたくなるレビューでした
追伸…
高田馬場時代の「べんてん」(と、いうかそれしか知らない
わけですが)は練馬区ではないと思います
新宿区と豊島区の境目あたり…どちらだったか記憶が定かではありません
神田川沿いですが…今調べたら豊島区のようです
Re:コータロー様
こんにちは!
高田馬場時代の油そばとは微妙に味が違うとのコメントも見かけたのですが、
おおむね “ペペロンチーノっぽい” という口コミが共通の感想で、
カップ麺にペペロンチーノっぽさはなかったですw
食べてみたくなるレビューとのコメント、たいへん励みになりました。
PS. ご指摘いただたところも修正しました、重ねてありがとうございます。