どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年4月27日(火)新発売、ファミリーマート×東洋水産(マルちゃん)のカップ麺「函館麺厨房 あじさい 味彩塩拉麺」の実食レビューです。
函館の老舗「函館麺厨房あじさい」監修 “味彩塩拉麺” を再現したコンビニ限定発売のカップラーメン “2021年” はスープを改良!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
函館麺厨房あじさい 味彩塩拉麺 2021
函館麺厨房(はこだてめんちゅうぼう)あじさいとは、北海道函館市・大門地区に開業した中華料理店「味彩」を前身とするラーメン店で、現在から遡ること90年以上前となる1930年(昭和5年)創業の老舗。カップ麺のモデルにもなっている看板メニュー「味彩塩拉麺(アジサイシオラーメン)」は、創業当時の製法を守りつつ、時代に合わせて改良を重ね、函館を代表する唯一無二の味を確立しました。
今回の新商品「函館麺厨房 あじさい 味彩塩拉麺」は、マルちゃんのブランドで知られる東洋水産株式会社と「函館麺厨房あじさい」三代目店主・東秀一氏(「有限会社麺厨房あじさい」代表取締役)の共同開発商品で、お店の看板メニュー「味彩塩拉麺」を簡便性に優れた縦型ビッグで再現。コンビニの中でもファミリーマートにしか売ってない、販路限定・数量限定のPB商品として企画されたカップラーメンです。
そのモデルにもなっている「味彩塩拉麺」をはじめ、しょうゆベースの「味彩正油拉麺」に、カレーテイストの「味彩加里」ほか、麺類だけでも「赤味噌拉麺」「白味噌拉麺」「味彩つけ麺」「ワンタン麺」「背脂拉麺」「五目麺」「四川麺(あじさい風キムチ拉麺)」「メンマ拉麺」「もやし麺」「味彩広東麺(カントンメン)」「味彩蝦天津麺(エビテンシンメン)」「味彩つけ麺」と豊富なメニューを揃える函館麺厨房あじさい。
さらに札幌限定の「特塩拉麺」に、元中華料理店らしく「焼餃子」「ザンギ」「チャーマヨ丼」「カレーライス」など、多彩な一品料理も人気の秘訣。現在は五稜郭にある「本店」をはじめ、函館市に3店舗(紅店、JR函館駅前店、函館JRA店)、千歳市に1店舗(千歳空港店)、札幌市に1店舗(札幌エスタ店)、また神奈川県にも1店舗(横浜店)を構え、いずれの店舗も人気を博しています。
その豊富なメニューの中でも多くのファンに支持されている看板商品が「味彩塩拉麺」で、こだわりは先先代から受け継がれてきた “どんぶりの底まで見える” スープの透明度。豚骨や鶏ガラを煮込んで作る淀みのない清湯(ちんたん)をベースに、煮干しや昆布から抽出した魚介系の和風スープを合わせ、ほんのり生姜のアクセントを効かせているのもポイント。
麺は1920年(大正9年)に創業した “北海道で2番目に古い” 老舗製麺会社「丸豆岡田製麺(まるまめおかだせいめん)」から仕入れる中細ストレート麺で、ちょっとカタめに茹で上げるのが麺厨房あじさい流。具材にはラーメンで定番のチャーシューやメンマをはじめ、お麩(ふ)や水菜、さらに飾り包丁を入れた茹で卵をトッピングするなど、いちど見たら忘れられない唯一無二のビジュアルも印象的。
そんな「函館麺厨房あじさい」と東洋水産は、以前から定期的にタイアップを続けている関係で、最近だと2020年8月18日に縦型ビッグのファミリーマート限定商品「函館麺厨房 あじさい 辛塩拉麺」をリリース。その前は2019年10月22日に縦型ビッグのファミリーマート限定商品「味彩塩拉麺」を発売しているため、このページで掘り下げていく「味彩塩拉麺」の立ち位置は、2019年10月発売品のリニューアル版といったところ。
東洋水産の本社にあるデータベースには、2014年以前のコラボに関する資料が記録されておらず、最初のコラボ年月日は特定できなかったのですが、2009年4月8日にサークルK・サンクスとユニーのプライベートブランド「UUCS」と「KACHIAL(カチアル)」を統合した「+KACHIAL(UK)」の記念商品「函館麺厨房あじさい 函館塩拉麺」を発売しているため、すくなくともタイアップ歴は12年以上になります。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある「特製油(後入れ)」が1袋。このフレームワークは2019年10月発売品(以下「前回」)と同じ構成で、おおむねパッケージ全体のデザインも変わっておらず、具材のラインナップも味付豚肉、メンマ、ネギと共通点は多いのですが‥‥
前回はインスタント感の強い油揚げ麺をはじめ、スープは異様に粉末野菜(特にポテト)の主張が強く、おおむね好印象だったのは具材のみ。けっして美味しくないわけではなかったのですが、悪い意味でカップラーメンらしさが仇になっていると感じたので、可もなく不可もなしの及第点(★3/10)と評価しました。
ひとまずファミリーマート通常価格は200円(税込216円)ということで、およそ1年半前に発売された「味彩塩拉麺」と同じ値段。2021年4月現在、縦型ビッグのNB(ナショナルブランド)商品をコンビニで購入した場合の税込価格は232円が標準なので、それよりも安い価格設定には魅力を感じる反面、大幅なブラッシュアップには期待できそうにない雰囲気も否めません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:函館麺厨房 あじさい 味彩塩拉麺 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901990368780(JAN) |
発売日:2021年04月27日(火) 実食日:2021年04月27日(火) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 商品購入価格:216円(税込) ファミリーマート通常価格:200円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+紙 湯量目安:440ml 調理時間:熱湯2分 小袋構成:1袋(特製油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(植物油、香味油脂、食塩、香辛料、しょうゆ、砂糖、ポークエキス、チキンエキス、魚介エキス、たん白加水分解物、こんぶエキス、野菜粉末、酵母エキス)、かやく(味付豚肉、メンマ、ねぎ)/ 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、炭酸カルシウム、かんすい、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、カラメル色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯2分。これも前回と同じ仕様となっているのですが、前回の栄養成分表示と比較して、カロリーは430kcalから444kcalにアップ。もちろんカロリーだけが美味しさの指標とはいわないけれど、カップラーメンにおけるカロリーはコクの深さに直結するところがあり、すくなくともテコ入れなしの再販ではないことを表している変化。
あとは熱湯を注いで2分間、後入れの「特製油」をフタの上にのせて温めながら待ち、食べる直前に加えたら、よく混ぜ合わせて出来上がり。前回は個体差か異様にメンマの量が多かったので、それを思えば常識的に見える調理直後ではあるものの、見た目のバランスとしては程よく、シンプルイズベストな雰囲気の調理直後。
ちなみに販売者は東洋水産株式会社、製造所は株式会社酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産の商品を多数製造している連結子会社なので、マルちゃんの工場という認識で問題ありません。それでは、引き続き名店監修の臨場感と前回からの改善点に注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)あたり |
カロリー:444kcal たん白質:11.2g 脂 質:23.5g 炭水化物:47.0g 食塩相当量:6.3g (めん・かやく:2.2g) (スープ:4.1g) ビタミンB1:0.24mg ビタミンB2:0.23mg カルシウム:167mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:444kcal(めん・かやく:362kcal)(スープ:62kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
あいかわらずスナック的ではあるけれど
実食前に危惧していた油揚げ麺は、角刃で切り出された縮れの強い細麺で、使用している原材料は前回と一致。調理後の形状も似ているのですが、比較して色白になり、ウェーブは強くなった印象を受けます。しかし、あいかわらず方向性はインスタント麺ど真ん中。食感も風味もスナック感が強いので、生麺っぽさは微塵も感じられません。
そのため名店監修の本格さに期待していた場合、もれなくズッコケることになりますが、なかなかどうして悪くない。もちろん再現度はさておきの話になるものの、たとえば同じ熱湯2分の油揚げ麺を使用していた「本気盛 焼鳥屋本気の禁断の鶏白湯ラーメン」ように、パキパキとした致命的な戻りムラが気になることはなく、きちんと時間を守れば食べごろ。
加水率は低く、食べ始めは硬めの食感で、後半にかけて歯切れの良さが目立ち、わりと早い段階からコシは弱くなってくるのですが、むしろスープとの親和性が高くなってくる後半が本番。後述するスープが繊細なので、油揚げ麺特有の風味が影響を及ぼしてくるものの、ある意味その芳ばしさも一興と思えるような、カップラーメンサイドから評価すると、想像していたよりもネガティブではありませんでした。
スープ
粉末ポテトのディフェンス解消
前回の原材料名と比較してみたところ、使っている原材料そのものは変わっていませんが、大きく変わったのは配合のバランス。たとえば前回のスープで気になった野暮ったい粉末ポテトの主張を例にあげると、今回その存在感は皆無に等しく、ザラついた舌触りも感じません。
淀みのないポークとチキンの旨味を軸に、魚介エキスと昆布の出汁(だし)を重ね、ニンニクとブラックペッパーが後味を引き締める、あっさりとしながらも深みのある塩味‥‥って、カップ麺のパッケージにも書いてあるんですけどw その表現にも納得できる味わい。
特製油の中身は植物油と香味油脂が主体なので、ラードや鶏油(ちーゆ)ほどのクセはないものの、けっこう量が多くて好印象。変なクセを持たせていないからこそ土台の味がボヤけることもなく、粉末スープだけでは出せないコクを打ち出し、ほんのりと漂う芳ばしい風味も印象的なポイント。
前回と同じ店が監修した、前回と同じラーメンがモデルのカップ麺なのに、これだけ方向転換してもいいの? という疑問はさておき、前回のスープと比較して圧倒的に美味しくなっているのは間違いありません。
具材
意味のあるシンプルな具材
味付豚肉、メンマ、ネギ、それぞれ他のカップ麺にも使われている汎用の具材で、乾燥させることが難しい飾り切りの茹で卵はもちろん、実店舗の「塩拉麺」で印象的な水菜も不在。可能であれば、麩だけでも再現してほしいところではあるものの、メンマはコリコリとした歯応えの強い食感で、ネギも斜め切りの優しい口当たりと風味が好印象。
豚肉の部位はランダムなので、もしかすると脂身が入っていない場合もあるかと思いますが、赤身の部分は(いい意味で)程よく獣臭を感じるリアルな風味と繊維質に、醤油と砂糖で煮込んだような甘辛い味付けも魅力。対して脂身の部分は、柔らかい口当たりと脂身ならではの甘みが楽しめる、数ある乾燥具材の中でも上位に食い込む存在。今回はスープが繊細だったので、より豚肉の個性がダイレクトに伝わってきました。
総評
前回と同じく麺はスナック的な方向性にありますが、スープの項目でも触れたように、これだけ方向転換してもいいの? などと心配になるくらいスープの出来栄えが変わっていたので、これについてはビックリ。またスナック的な麺も割り切ればスープと相性がよく、いちばんネックに思っていたスープが改善されたので、より全体の透明度がアップしているように感じました。
しかし、2017年12月19日発売品までの製品スタイルは大判どんぶり型、なおかつノンフライ麺を使っていたので、今年の最後か来年には切り替えてほしいのが本音。値段は確実に縦型ビッグよりも高くなりますが、たとえばヤマダイ(ニュータッチ)の「凄麺(すごめん)函館塩ラーメン」にも負けないくらい、ガチの本気モードにも期待しています【author・taka :a(大石敬之)】