どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月4日(火)リニューアル新発売のカップ麺、エースコック「セブンプレミアム スープが決め手 ワンタン麺」の実食レビューです。
セブンイレブンの高コスパPBカップ麺がリニューアルでスープを再調整!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
スープが決め手 ワンタン麺 2019年リニューアル
「セブンプレミアム スープが決め手 ワンタン麺」は、セブン&アイグループとエースコックの共同開発商品で、スーパーには売ってないセブンイレブン限定のコンビニPBカップ麺です。なので、同じ系列でもスーパーマーケットのイトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマート、西武・そごう等では取り扱いがありません。
今回を除く「スープが決め手 ワンタン麺」の最終リニューアルは、まだ1年も経過していない2018年7月3日。中小企業を含む主要即席麺メーカーすべての希望小売価格が “2019年6月1日(土)出荷分から値上げされた” ので、その関係かも——と思ったんですけど、実売価格はリニューアル前と同じく税込138円のまま継続。
商品名も同じ「スープが決め手 ワンタン麺」のままですが、パッケージではタイトル下に記載されていた “Seven Premium-always evolving〜” から始まる3行の英文が削除され、 “Wonton ramen” とシンプルなデザインに変更されました(※ちなみに2018年7月3日リニューアル以前の商品名は間に “の” が入る「スープが決め手のワンタン麺」)。
「セブンプレミアム」の存在は多くの方が認知されているかと思いますが、セブン&アイグループ独自の商品として2007年5月に誕生したブランドで、グループ各社の開発担当者が結集し、生活を “より豊かに・楽しく・便利にすること” を目標に「質」を重視した商品を展開。それまで安さを売りにしたPB商品が多かった中、プライベートブランドの常識を覆します。
たった49のアイテムからスタートしたセブンプレミアムですが、2019年現在では4つのブランド「セブンプレミアム」「セブンプレミアム ゴールド」「セブンプレミアム フレッシュ」「セブンプレミアム ライフスタイル」に分類され、なんと4,000アイテム以上を取り揃えるほどの規模に躍進。そのうちカップ麺を扱っているのは、「セブンプレミアム」と「セブンプレミアム ゴールド」。
いわゆる一般販売用のナショナルブランド(NB)とは対極にあるプライベートブランド(PB)に位置しているのですが、セブン&アイ・ホールディングスは「プライドブランド」と称しています。「スープが決め手」シリーズをはじめ、セブンイレブンに並んでいるレギュラーサイズのコンビニPBカップ麺は軒並みレベルが高く、このブログではリニューアル前の「ワンタン麺」も高評価を叩き出しました。
リニューアル前の製品情報と1食あたりの内容量を比較してみると、まったく同じ70g(めん55g)のまま1gも変わっていませんが、カロリーは293kcalから300kcalにアップ、脂質も10.6gから12.0gに増加。もちろん再計測による誤差もあるでしょうけれど、今回のリニューアルでは “液体スープを再調整した” そうです。
また、2019年5月20日に明星食品が製造する同シリーズの「セブンプレミアム スープが決め手 中華そば」と「スープが決め手 とんこつ」がリニューアルされているので、これから「スープが決め手」シリーズの他フレーバーも順次リニューアルされるかもしれません。「中華そば」のリニューアルは素直に「改良」でしたが、今回の「ワンタン麺」はどうでしょう。
開封
別添の小袋は後入れの「液体スープ」が1袋、フタの上に貼り付けてあります。そう、小袋が “フタの上に” 貼り付けてあります。というのもエースコックの縦型カップ麺は、基本的に小袋が高確率で “カップの中に最初から入っている” のが定番なんですけど、フタの上に貼り付ける技術もあるんですよね。ちなみに小袋のデザインは、雲をイメージした中華風の流線も黒い色も、小袋のサイズも変わっていません。
エースコックの縦型カップ麺で小袋がフタの上に貼り付けられている場合、もう1袋カップの中に小袋が入っていたりするのですが、今回の小袋は「液体スープ」のみ。そしてメインのワンタンは3つ、うち1つはパッカーンと真っ二つに割れていたのですが、私の家から最寄りのセブンイレブンは異様に遠いので、こんなこともあろうかと予備を買っていたのです。
どっちも割れとるやないかーw そういえばリニューアル前の商品をレビューした時も皮が脆かったので、そういう仕様なのかもしれません(ご購入の際は、そっと持ち運ぶように留意しましょう)。それからエースコックのワンタンなんですけど、2018年8月以降は定番の「ワンタンメンどんぶり」をはじめ「スーパーカップ」シリーズの新商品などに使用されているワンタンも “もれなく皮が戻りにくくなっている” ので、ワンタンの戻り具合も要チェック。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム スープが決め手 ワンタン麺 製造者:エースコック株式会社 製造所:関西滝野工場(W) 内容量:70g(めん55g) 商品コード:4901071287689(JANコード) 商品サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年06月04日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型レギュラー・標準サイズ 容器材質:紙 湯量目安:280ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(液体スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、卵白粉〕、スープ(糖類、食塩、植物油脂、チキン調味料、しょうゆ加工品、香辛料、動物油脂、香味油、オニオンエキス、粉末しょうゆ、オニオンパウダー、しょうゆ、大豆たん白、チキンエキス、ポーク調味料、たん白加水分解物、酵母エキス、揚げねぎ、チキンパウダー、ホタテエキス、全卵粉)、かやく(ワンタン、ねぎ、メンマ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、香料、酒精、増粘多糖類、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(表示が義務付け及び推奨されているもの) |
実食開始
麺は丸刃でカットされた黄色味の強い油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。調理前の見た目はリニューアル前と変わりませんし、原材料名も同じです。あとは熱湯を注いで——の段階でチラッと容器側面に目が止まり、そこで初めて気が付いたんですけど、今回の容器には「FSC認証紙」を使用しているのですね
容器及び外装フィルムの材質表示下に “お買い物でエコ参加” と記載されているのですが、セブン&アイ・ホールディングスは自然資源の将来世代にわたる持続可能な利用のために、「持続可能な調達基本方針」を定めているため、その取り組みの一環としてカップ麺も貢献しているようです。
その隣には「ミックスパッケージ FSC-C081641」と記載されていますが、これはライセンス番号で、「凸版印刷株式会社 生活・産業事業本部」がパッケージを手掛けていることが分かりました。それと、もうひとつ気になったのが、「製造所」を表示していない件。
“製造所固有記号はカップ底面下段右端に記載” と書いてあるように、容器底面(賞味期限欄の下段右端)に「W」と記載されているのですが、これはエースコックの「関西滝野工場」(兵庫県加東市河高字黒石1816-175)を意味しています。
スマホやパソコンで検索したら簡単に分かることなんですけど、2015年4月より施行されている「新食品表示法」では、「製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称」の表示が義務付けられ、それは5年の猶予期間が設けられているのですが、もしかすると2020年3月31日までの間、どこかでパッケージデザインの変更が行われるかもしれません。
さて、お湯を注いだら3分待機、食べる前に液体スープを投入したら、よくかき混ぜて出来上がりです。調理後の見た目ですが、あまりリニューアル前と大きく変わっていません。とはいえ今回のリニューアルからスープが再調整されているそうなので、ワンタンの戻り具合や前回との違いに注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(70g)当たり
熱 量:300kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:300kcal(めん・かやく:248kcal)(スープ:52kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しなやかな印象の油揚げ麺で、サイズは中細。熱湯3分で開封し、液体スープを入れ、混ぜ終わった時には適切に食べごろを迎えています。あまりコシの強い麺ではありませんし、おそらく食べてみた感じリニューアル前から麺は変わっていないと思うので、新進気鋭の真新しい麺ではありません。
けれども悪い意味で安っぽい麺ではなく、丸刃でカットされた麺の形状は断面が均等に近いため、プリッとした歯切れの良さが特徴。麺の量は55gと若干ながら少ないものの、食べていて “少ないなぁ‥‥” と思うことはなかったですし、ゆるやかな縮れが施されているため、適度にスープを持ち上げます。
意識して追いかけてしまうと油揚げ麺特有の風味が気になったりもしたのですが、スープに滲み出て味のニュアンスを阻害してくるほど横暴ではなく、今回のカップラーメンはコンビニ限定でも税込138円という手頃な値段。プリッ、とした歯切れの良さも食べ終わるまで持続してくれるため、そこも好印象なポイントでした。
スープ
スープの基本軸は淡麗系の鶏ガラをベースとし、エースコックが得意とするオニオンやネギなどの香味野菜を効かせ、ふわっ‥‥と鼻を抜ける揚げネギの芳ばしい香りとホロ苦いアクセントが特徴的なスープになっているのですが、上の写真で右側にチラッと写り込んでいる焦げ茶色の小さな物体が揚げネギ。
画像に写っているのは1つですが、もっと実際はたくさん入っていて、それが定期的に舌を擽ってきます。また、前回・前々回とリニューアル前は食塩による直感的なキレがキリッと強めに効いていたのに対し、今回のリニューアルから食塩相当量の減少に伴って、ずいぶんと口当たりや後味の余韻が穏やかになりました。
舌を刺してくるようなトゲトゲしいカドが取れたことで、「葱油」の芳ばしさと繊細な味のニュアンスが際立ち、この変化によってホタテエキスの旨味も以前より感じやすくなっているのですが、それだけではありません。全体的に丸みを帯びたテイストではあるものの、同時に「揚げネギ」の存在も目立つようになり、穏やかなスープの中で感じるホロ苦さと長引く余韻が絶妙——
それからホタテが隠し味的に入っていますが、カツオやサバ、煮干しなどの魚介は意識されていないので、昨今流行っている魚介系のWスープや魚粉のアクセントが強いスープが苦手な方でも安心してお召し上がりいただけます。淡麗系でも適切なオイル感でコクもあるため、「葱油」の香味と「揚げネギ」の芳ばしいホロ苦さを舌で追いかけてみてください。
具材
ワンタンの数は3個とリニューアル前から変更なく、小さめにカットされたメンマもリニューアル前から変わっていませんが、斜め切りだったネギが輪切りに変わっています(でも繊細な食感と主張し過ぎない風味は変わっていません)。で、気になっていたワンタンの質感なんですけど、今となってはレアリティの高い “改悪前のワンタン” ですねコレ。
2018年8月以前のワンタンと比較して、それ以降のワンタンは圧倒的に皮の耐久性がアップしているんですけど、かなり皮の繋ぎ目が頑固になっています。それは最後の最後までスープに沈めたままケアを続けてもダメ、試しに20分くらい沈めっぱなしでもダメ、どうにもこうにもパキッとした部分が残っていたのですが、今回そんなことはありません。
どうしてもワンタンの上半分は “湯気で蒸されているだけの状態” なので、開封直後にワンタンから攻めた場合、パキッと感は否めませんが、皮の繋ぎ目にストレスを感じることはなく、ちょっと沈めてやれば中盤からナチュラル。それだけに調理前は皮が割れやすかったり、調理後は皮が破れて中の餡が流出しやすかったりするんですけど、繋ぎ目が硬いままのワンタンより好印象でした。
総評
★★★★★☆☆☆☆(★5)
おおむねリニューアル前の「スープが決め手 ワンタン麺」から大幅に逸脱することなく、けれどもスープの再調整によって鋭かった塩気にヤスリがかけられ、より「揚げネギ」と「葱油」の特徴が際立つ方針に変化を遂げています。しかし、薄味とか味に締まりがないとか、そういった変更ではありません。
きちんとスープにはコクがありますし、味が丸みを帯びたことで要所が目立つようになっているため、同シリーズの「中華そば」(明星食品)と同じくリニューアルを謳った改悪ではない感じました。味の濃さやキレに関しては熱湯の量で調節可能、結果的な方向性に大きな違いもなかったので、これならリニューアル前の商品が好きだった方も引き続き安心して楽しんでいただけると思います。