どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2021年5月17日(月)新発売、セブンプレミアムのカップ麺「ラー油とにんにく香る旨辛ラーメン」の実食レビューです。
税込105円で買えるセブンプレミアムの格安PBカップ麺に新フレーバー登場!!
辛い? 辛くない? 実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
ラー油とにんにく香る旨辛ラーメン
セブンプレミアム(SEVEN&i PREMIUM)とは、言わずと知れたセブン&アイ・ホールディングスのPB(プライベートブランド)で、初めて発売されたのは2021年5月現在から遡ること14年前の2007年(平成19年)5月23日。生活を「より豊かに・楽しく・便利に」することを目標に、たった49のアイテム(加工食品32項目、デイリー商品17項目)からスタート。
2007年当時のPB商品といえば、人気のNB(ナショナルブランド)商品と似た内容で、NB商品よりも販売価格が安く、それに伴って品質も低い‥‥と、値下げされている分だけ妥協が必要だったジャンル。しかし、セブンプレミアムは “おいしさ・安全・安心” などの面において、高コスパ=低価格を最優先項目としていた従来のコスト削減とは一線を画す、独自の高いクオリティを打ち出し、既存のPBに抱かれていた印象を覆しました。
これまで常識とされていたPBのイメージと常識を根本から否定し、当初は賛否両論を巻き起こしたセブンプレミアムですが、2008年日経優秀製品・サービス賞(第27回)において最優秀賞(日本経済新聞賞)を受賞するなど、瞬く間に社会的な評価を勝ち取り、発売開始から14年経った現在のアイテム数は常時4000以上。
さらに上質な原料と特別な技術で仕上げた最上級のブランド「セブンプレミアム ゴールド」に、安心安全の生鮮ブランド「セブンプレミアム フレッシュ」や、くらしを支える生活雑貨をカテゴライズした「セブンプレミアム ライフスタイル」と4つのブランドを展開し、数あるPBの中でも圧倒的な支持と知名度を誇るブランドに成長しました。
今回の新商品「ラー油とにんにく香る旨辛ラーメン(Spicy Ramen)」は、サッポロ一番のブランドで知られるサンヨー食品とセブン&アイグループの共同開発商品で、もっともオーソドックスな「セブンプレミアム」にカテゴライズ。本体価格は98円(税込105円)ということで、PBカップ麺の中でも格安に設定されています。
にんにくと唐辛子を効かせたラーメンといえば、愛知県を代表する名古屋めし「台湾ラーメン」に、現在は全国的にも注目されている宮崎県の「辛麺(からめん)」ほか、サンヨー食品のカップ麺にもなった横浜・川崎のソウルフード「元祖ニュータンタンメン本舗」など、いくつかパッと思い浮かぶ “ご当地ラーメン” があったので、サンヨー食品に問い合わせてみたところ、参考にした地域やラーメン店はないとの回答でした。
つまり、あくまでも味はサンヨー食品のオリジナルで、なおかつ同じセブン&アイグループの中でも “コンビニのセブンイレブンには売ってない” GMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)専用のカップ麺とのこと。販売エリアは全国区ですが、イトーヨーカドーやヨークベニマル、ヨークマートなど、コンビニ以外の店舗でしか買えないスーパーマーケット向けの商品だそうです。
筆者の住んでいる地域にセブン&アイ系列のスーパーマーケットはないので、イトーヨーカドーのネット通販サイト(オムニ7)を利用したところ、公式通販での本体価格も一律の税込105円。そこで紹介されている商品の説明は “唐辛子とガーリックがきいた旨辛スープが特長。別添ラー油調味料でコクをプラス” と、きわめてシンプルな内容でした。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、フタの上に貼り付けてある後入れの「調味油」が1袋。サンヨー食品が販売する縦型カップのNB商品に小袋が別添されていた場合、もれなく名称は “仕上げの小袋” と表示されますが、PB商品だと今回のように違う表記になることもあります。
具材のラインナップは、鶏・豚味付肉そぼろ、味付卵、ねぎとシンプルな構成で、サンヨー食品が販売する「宮崎辛麺」をイメージしたカップラーメンと似通った雰囲気。ジャンルとしてはスタミナ系のイメージなので、ネギではなくニラだと嬉しかったのですが、税込105円という本体価格を思えば致し方ないところ。
ちなみに容器の紙は、2019年5月に制定されたセブン&アイのサステナビリティ「GREEN CHALLENGE(グリーン チャレンジ)2050」に基づき、FSC(Forest Stewardship Council – 森林管理協議会)認定紙を使用しているらしく、それについての各ロゴマークとQRコードが容器側面に表示されていました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム ラー油とにんにく香る旨辛ラーメン 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:A・太平食品工業株式会社 本社工場 内容量:75g(めん60g) 商品コード:4901734042815(JAN) |
発売日:2021年05月17日(月) 実食日:2021年05月22日(土) 発売地域:全国(セブン&アイ限定) 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:105円(税込) 希望小売価格:98円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:310ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、粉末卵〕、スープ(糖類、食塩、ポークエキス、香辛料、植物油脂、豚脂、しょうゆ、たん白加水分解物、酵母エキス、香味油)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、味付卵、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、トレハロース、カラメル色素、パプリカ色素、かんすい、香料、レシチン、酸味料、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、香辛料抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、(一部に卵・乳成分・小麦・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は熱湯3分。サンヨー食品が展開する縦型レギュラーサイズのカップラーメンといえば “新!郷土料理ラーメン。” をテーマにした「和ラー」を筆頭に、一部のブランドには生麺と見紛うレベルのハイクオリティな油揚げ麺を採用しているのですが、よくも悪くも今回は “ふつう” の雰囲気。
別添の小袋は後入れなので、お湯を注ぐ前にフタの上から取り外し、お湯を注いだら3分後、食べる直前に加えて混ぜたら出来上がり。パッケージにも「ラー油」の文字があったように、調味油の中身を入れると芳ばしい香りが漂ってくるのですが、それ以上に “にんにくの香り” が強く、後者については食べるタイミングと人を選ぶほど。
製造所は太平食品工業株式会社の本社工場(群馬県前橋市朝倉町555-4)となっていますが、太平食品工業は1963年(昭和38年)1月にサンヨー食品が設立した製造部なので、どちらも “サッポロ一番” という認識で問題ありません。それでは、引き続き唐辛子の辛さとニンニクの強さに注目しつつ「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(75g)あたり |
カロリー:335kcal たん白質:7.3g 脂 質:13.1g 炭水化物:47.8g (糖 質:45.9g) (食物繊維:1.9g) 食塩相当量:4.9g (めん・かやく:1.9g) (スープ:3.0g) ビタミンB1:0.32mg ビタミンB2:0.46mg カルシウム:216mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
そこそこ食べ応えのある油揚げ麺を採用
形状は縮れの強い平打ち麺で、サンヨー食品が展開する「サッポロ一番 カップスター」の油揚げ麺(「咖喱うどん」除く)よりも厚みがあり、熱湯3分きちんと守っても強付きのある質感。そのため最初は部分的に戻りムラが発生していたのですが、同時に伸びにくかったのはポジティブで、すこしずつ粘りが増してきます。
それでも最後まで油揚げ麺特有のフカフカとした気泡を感じるのと、風味も生麺とは対極にあるような、油揚げ麺ならではの芳ばしさを常に感じるスナック的なタイプ。しかし、今回は有名店の味わいを再現した “ご当店モノ” でも地域の味わいを再現した “ご当地モノ” でもなく、値段も税込105円と格安なので、単純にスープとの相性が問題ないかどうか。
結果、後述するスープもジャンクな方向性にあったので、スナック的な油揚げ麺が足を引っ張ることはなく、むしろ油揚げ麺特有の風味とコクが芳ばしさの相乗効果を発揮していたくらい。感動するような要素こそなかったものの、いい意味で標準的なレベルに位置していたので、特に引っ掛かるところもありませんでした。
スープ
唐辛子の刺激はピリ辛に過ぎないけれど‥‥
土台の粉末スープは、ポークエキスをベースにした清湯(ちんたん)で、粉末しょうゆを味付けに使用しているのですが、しょうゆラーメンほど濃いめに主張してくるわけではありません。どちらかといえば食塩で味を調えているような印象で、けっこう強めにガーリックパウダーのパンチを効かせているのも重要なポイント。
それこそ食後の口臭が気になる勢いだったので、大切な商談を控えているタイミングはもちろん、デート前にも避けたほうが懸命なレベル。また激辛もとい大辛クラスではないけれど、パウダー状に粉砕した一味唐辛子が入っていたので、調味油を入れる前からピリッと辛く、旨みをフロントに据えた程よい辛さ。
調味油は “ほとんど辛くなかった” ので、全部入れても辛味の強さが極端に変わることはなかったのですが、ごま油の芳ばしい風味と豚脂(ラード)のコクを重ねることで膨よかな旨みを表現。もうすこし辛くても‥‥などと思いつつ、唐辛子については人を選ばない程度に、けれどもガーリックについては人を選ぶギリギリの(でも特有の辛味を感じるほどではない)ラインを狙っている、なかなか絶妙な落とし所だと感じました。
具材
いい意味で値段相応だと思う
見るからに緑色が濃いネギは、食べた感じ熱風乾燥の青葱で、高級感のある斜め切りのフリーズドライ具材とは違う、廉価版の商品に使われていそうな質感。風味よりも歯触りのほうが強いので、いかにも廉価版チックな印象を受けますし、たまごの量も少ないのですが、実際に安いのだから仕方ない。
鶏・豚味付肉そぼろもサンヨー食品の縦型カップで頻繁に見かける具材なので、いまさら新鮮味もないのですが、裏を返せば有名店監修の縦型ビッグにも使われている肉具材。本物の肉そぼろと比較してスナック的かつスパイシーでジャンクな味付けになりますが、スープとの相性は申し分なかったです。
総評
要約すると “にんにくを強めに効かせた溶き卵入りの辛いラーメン” だったので、サンヨー食品とも繋がりの深い「宮崎辛麺」もしくは「元祖ニュータンタンメン」あたりをモデルにしていると思うのですが、それをパッケージに表示してしまった場合、やれ卵が少ないだのニラが入っていないだのと評価を極端に下げる要因になってしまうのは必然。
逆にモデルとなったラーメンを不透明にした場合、イメージが曖昧になってしまうのですが、それだけに比較する対象がなく、今回は「ラー油」「にんにく」「旨辛」を分かりやすく打ち出していたので、パッケージから抱かれるであろう印象と実際の仕上がりに大幅なギャップが生じていません。改善点が皆無とはいえないものの、税込105円で購入できる商品なので、値段を思えば良品だと感じました【author・taka :a(大石敬之)】