どうも、taka :aです。
本日の一杯は、コストパフォーマンスの高いセブンの格安カップ麺、東洋水産「セブンプレミアム 天ぷらそば」の実食レビューです。
セブン&アイグループのスーパーマーケット限定 “税込95円” の激安和風カップ麺がリニューアル!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンプレミアム 天ぷらそば 2019
「セブンプレミアム 天ぷらそば」とは、セブン&アイグループと東洋水産株式会社(マルちゃん)の共同開発商品で、通年販売されているレギュラーPB商品の一つ。いうなればセブン&アイグループ専用に卸している「緑のたぬき天そば」的な立ち位置で、常に本体価格88円(税込95円)で販売されているのがポイント。
最終リニューアルは2019年10月7日となっていて、同社が製造している「セブンプレミアム きつねうどん」も同じ日にマイナーチェンジ。2019年6月1日に即席めん業界全体で実施された「価格改定」以降、メーカー希望小売価格が底上げされているのですが、「てんぷらそば」と「きつねうどん」はリニューアル後も値段は変わっていません(※2019年12月26日現在)。
今回の「セブンプレミアム 天ぷらそば(どんぶり型)」は、通称「IYグループ」と呼ばれているゼネラルマーチャンダイズストア「イトーヨーカドー」及び「ヨークベニマル」「ヨークマート」限定のスーパーマーケット専用商品で、まったく同じ商品名の「縦型」もあるのですが、そちらはコンビニのセブンイレブン限定商品として棲み分けが図られたもの。
おそらくベースとなっているマルちゃんのNB商品「緑のたぬき店そば」は、つゆの味が北海道・東日本・関西・西日本と4つの地域に合わせて調整されているのに対し、セブンプレミアムの「天ぷらそば」は東西の隔てなく全国共通の味となっていて、イトーヨーカドーのネット通販サイト・オムニ7でも販売されています(最初のスクリーンショット)。
2019年から順次リニューアルされている他のセブンプレミアム商品と同じように、旧パッケージのテンプレだった英文 “Seven Premium-Always evolving. always affordable, supporting modern life styles.”(セブンプレミアムは常に進化しています。常に手頃な値段で、現代のライフスタイルを支えています)を廃止。
リニューアル前のパッケージには「風味豊かな天ぷらそば(歯ごたえのあるのどごしの良い麺)」と横書きで表示されていましたが、リニューアル後は商品名が縦書きになって、シンプルに「天ぷらそば(Tempra soba)」とだけ記載。リニューアル前の発売日は2017年10月30日だったので、およそ2年ぶりのテコ入れになります。
オムニ7に投稿されていた評判・口コミには、これまで食べたカップ麺の蕎麦では文句なしで一番おいしい! という絶賛の声から “まぁふつうかなぁ‥‥” という意見も多く、実際に食べてみたところ、とりあえず蕎麦つゆはゴリゴリの関東風。かなり醤油の押しが強くて出汁は深みがないというか、いまいち魅力が見出せず、前回は及第点と評価していました。
しかし、同じくリニューアル前の「セブンプレミアム きつねうどん」(旧「風味豊かなきつねうどん」)も東向けの味付けで、醤油が強くて出汁の取り方が粗い、良くも悪くも安売り用のPBカップ麺らしさが浮き彫りになっていたのですが、今年のリニューアルで一変。つゆの味が大幅に改善されていたので、もしかすると「天ぷらそば」も激変しているかもしれません。
開封
さて、別添の小袋は「粉末スープ」が1袋。リニューアル前は銀に白字のシンプルなデザインでしたが、文字色が紫寄りのピンクになって可愛らしい雰囲気に。そして、もうひとつ注目したいのがカップ側面・賞味期限の下段右端に記載されている「製造所固有記号」(製品の製造工場を割り出すための英数字)です。
リニューアル前の製造所固有記号は「M74」となっていて、東洋水産のM74は千葉県長生郡長南町美原台1-34に所在する東洋水産のグループ企業「株式会社酒悦 房総工場」のこと。けれども手元にあるリニューアル後の商品は「M2」に変わっていて、これは北海道小樽市銭函5丁目61-1に所在する東洋水産の「北海道工場」を意味しています。
もしかすると複数の工場で製造している可能性もありますが、オムニ7で購入した現品の製造所は北海道のソウルフード的カップ麺「やきそば弁当」や「激めん ワンタンメン」など、もちろん「緑のたぬき天そば」北海道限定バージョンも製造している工場なので、いよいよリニューアル後の展開が楽しみになってきました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 天ぷらそば 101g 販売者:東洋水産株式会社 製造所:北海道工場(M2)北海道小樽市銭函5丁目61-1 内容量:101g(めん72g) 商品コード:4901990364638(JANコード) 商品サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm 発売日:2019年10月07日(月) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:標準どんぶり型レギュラーサイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(粉末スープ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白〕、かやく(小えびてんぷら、かまぼこ)、添付調味料(食塩、砂糖、しょうゆ、たん白加水分解物、粉末かつおぶし、こんぶエキス、香辛料、ねぎ、植物油)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、リン酸塩(Na)、カラメル色素、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ベニコウジ色素、ビタミンB1、カロチン色素、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・大豆・やまいも・ゼラチンを含む) |
実食開始
別添の粉末スープは先入れで、麺もリニューアル前と同じく調理前72gの油揚げ蕎麦(熱湯3分)を採用しています。具材は大きな小海老天ぷら1つ(「緑のたぬき」とは違う)、かまぼこ2枚、ネギは粉末スープと同梱型と、ここまではリニューアル前と同じ状況ですが、オニオン揚玉は入っていません。
あとは熱湯を注いで3分後、七味唐辛子などの別添は付属していないため、軽く混ぜたら出来上がり。オニオン揚玉がカットされているため、気になるカロリーは500kcalから474kcalに、脂質の量も27.7gから24.5gに減り、内容量も102gから101gになっているのですが、食塩相当量の数値が6.1gから6.3gに増えているのが気になるところ——
小海老天ぷらは剥き出しで先入れ状態、しかも吸水性に優れているので、濃いめの味が苦手な方は、あらかじめ熱湯を多めに沸かしておいたほうが安全かもしれません。それでは、引き続きリニューアル前後の違いに注目しつつ、「めん」「つゆ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(101g)当たり
カロリー:474kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:474kcal(めん・かやく:436kcal)(スープ:38kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
東洋水産の油揚げ蕎麦(どんぶり型)には何種類かのパターンがあって、もっとも標準的なのは「緑のたぬき」系の蕎麦。さらに「緑のたぬき」から派生した蕎麦粉の風味が強めの黒っぽい蕎麦(「おそば屋さんの○○」シリーズ等)、北海道限定「山菜乱切りそば」の乱切り蕎麦、あとはオープン価格の「和庵(なごみあん)」と4種類のモデルが基本となっています。
税込95円のカップ麺といえば安売り用の廉価版(れんかばん)カップ麺、つまりオープン価格のカップ麺と同じ立ち位置ですが、「和庵」に使用されている安っぽい麺ではありません。どちらかというと比較的に色が濃いめで、メーカー希望小売価格193円(税別)に設定されている「おそば屋さんの鴨だしそば」に近い雰囲気。
リニューアル前の麺(M74)と比較して色の濃さは同じくらいで、蕎麦粉の香りも同等ですが、リニューアル後の麺(M2)は若干ながら縮れが強いような気も——いや、ほぼ同じくらい。小麦粉と繋ぎ(山芋)による独特の粘りと風味でインスタント感は強く、それが尊いと思える伝統的な油揚げ蕎麦で、かなり安いのに「緑のたぬき」と同じ麺量(めん72g)なのも評価できるポイントですね。
つゆ
リニューアル前と比較して食塩相当量が増えていたと前述したように、食塩のキレと粉末ながらに濃口醤油が強気のスタンスは変わっていませんが、もっとも顕著な違いを感じたのは「甘み」が一見して明白に強くなっていたこと。その甘みによって余分なカドが取れ、味の深みが格段に増し、ずいぶんと粗い印象が控えめになっています。
鰹のベクトルは出汁(だし)というよりも魚粉を添加したようなタイプで——という印象は従来の作りと変わっていませんが、従来の蕎麦つゆには使用されていなかった昆布エキスが追加され、その存在感も伊達じゃありません。けっして隠し味程度の申し訳ない影響力ではなく、ひとくち含めば昆布の膨よかな旨味がハッキリと分かるほど。
味醂(みりん)のコクやグアニル酸(干し椎茸)による旨味の相乗効果までは意識されていませんが、たん白加水分解物を除いて核酸系のイノシン酸(カツオ)だけを主軸にしていた従来品に対し、アミノ酸系のグルタミン酸(コンブ)を重ねることで、確かな味の違いを実感しました。実売価格は変わっていないのに、体感的な粉末スープの満足度は倍以上に跳ね上がっています。
具材
ふやけて巨大化した小海老入り天ぷらの面積や厚みはリニューアル前から変わっておらず、かまぼこも汎用の具材なので、単純にオニオン風味の揚げ玉がカットされた状態。小海老天は「緑のたぬき」と比較して分厚いのですが、緑のアオサ入り揚げ玉はトッピングされておらず、比較的に赤の比率も少ないもの。
しかしながら赤く着色された揚玉とは別に本物の小海老も紛れ込んでいて、きちんと殻の歯触りと芳ばしい風味が楽しめます。それに前回は粉末スープの味が濃い上に単調で、それを吸い込んだ天ぷらも塩気が強く、ぜんぜん逃げ場がなかったのに対し、今回は天ぷらのコクが蕎麦つゆ全体に行き渡る先入れ特有のメリットが素直に楽しめたのもポイント。実際、かなり印象が変わりました。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
従来品は良くも悪くも値段相応で、可も無く不可も無しと評価していたのですが、今回のリニューアルは間違いなく “改善” です。オニオン揚玉はカットされてしまいましたが、もともと目立って効果的な存在ではなかったですし、とにもかくにも大きな変化だったのは粉末スープのブラッシュアップ。
甘さを強化することで余分なカドを削るだけでなく、新たに昆布を足して旨味の相乗効果を図るなど、実売価格は変わっていないのに値段以上の味わいでした。今後もしかすると価格改定が行われるかもしれませんが、それでもNB商品の平均売価よりも安く設定されるでしょうし、これなら同じ売り場に「緑のたぬき」が並んでいても対抗できる逸材だと思います。