どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2020年1月20日(月)新発売のカップ麺、エースコック「セブンプレミアム 焼き煮干しのうま味がきいた煮干しラーメン」の実食レビューです。
セブンプレミアムの格安カップラーメンなのに煮干しの旨味や “雑味” まで!?
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼き煮干しのうま味がきいた煮干しラーメン
「焼き煮干しのうま味がきいた煮干しラーメン」とは、セブン&アイグループとエースコック株式会社の共同開発商品で、エースコックやセブン&アイグループから事前の告知はなく、とつぜんノーアナウンスで現れた新商品。実際に発売された後、公式コミュニティサイト「セブンプレミアム向上委員会」などに製品情報が掲載され始めました。
その「セブンプレミアム向上委員会」に “本商品は、弊社グループのスーパーマーケット店舗のみのお取扱いになります。” と記載されていたので、通称「IYグループ」と呼ばれているゼネラルマーチャンダイズストア「イトーヨーカドー」及び「ヨークベニマル」「ヨークマート」でしか買えないスーパーマーケット専用商品。
つまりコンビニのセブンイレブンには売ってないのですが、イトーヨーカドーのネット通販サイト「オムニ7」は対象店舗。2020年1月24日現在のメーカー希望小売価格は98円(税込105円)、オムニ7の商品説明には “煮干しの旨味・雑味をしっかり感じられる” とあったので、これは見逃せんと秒でカゴに放り込みました。
セブンプレミアムの煮干し系といえば、2019年9月10日にリニューアルした「スープが決め手 濃厚煮干醤油」という縦型レギュラーサイズ(74g)のカップラーメンがあって、そちらも今回と同じくエースコックが製造しているのですが、「濃厚煮干醤油」はセブンイレブン店舗限定のコンビニ専用商品(税込138円)。
しかもセブン-イレブン取扱地区は関東・東北・北海道限定となっているため、基本的に通販サイトでの取り扱いや西日本での販売はありません。筆者は近畿地区在住なので、コンビニ限定版の「濃厚煮干醤油」は入手できなかったのですが、とりあえず大きな違いは税込価格が33円も違うことに加えて “焼き煮干し” 使用の有無。
「濃厚煮干醤油」のスープ解説文は “ボークをベースに煮干しの風味と旨味を——” となっているのに対し、こちら「焼き煮干しのうま味がきいた煮干しラーメン」のスープもポークをベースに濃厚な煮干しの旨味を合わせているそうですが、前述にように煮干しの “雑味” まで‥‥というか冷静に考えて販売者が味の説明に “雑味” を使うってスゴいですよね。
あと商品名が「焼き干し」(焼干し)ではなく「焼き煮干し」となっているのが気になるポイントで、食べる直前まで “焼き干し”(煮るのではなく素焼きにした魚を干して乾燥させた保存食)を漠然と思い描いていたのですが、焼き煮干し——どっちでもええがなw と、思われるかもしれませんが、これって地味に大きな違い。
一般的な「煮干し」と比較して「焼干し」は製造に手間がかかる分、焼くことで余分な脂を落とし、旨味がギュッと閉じ込められるので、原材料に同じ魚を使用していても “焼干しは煮干しと比較して5倍もの出汁(だし)が取れる” といわれています。今回は煮干しを焼いてから粉末にしているとか‥‥? とりあえず「焼き」の芳ばしさと煮干しの強い「旨味・雑味」に注目ですね。
開封
今回も安定の最初から小袋が容器の中に入っているエースコック(縦型)恒例の構造で、小袋の中身は液体スープや調味油ではなく「ふりかけ」が別添されています。セブンプレミアム向上委員会の解説によると、ふりかけを加えることで “煮干しの強い旨味” が楽しめるとのことなので、ここに焼き煮干しの粉末が入っているのかもしれません。
具材は鶏・豚味付肉そぼろ、玉ねぎ、ねぎとシンプルな構成で、ネギは比較的に大きめの青ネギが採用されており、玉ねぎは安心と信頼の実績を誇るシャッキシャキのフレッシュタイプと見てすぐに判断できるのですが、鶏・豚味付肉そぼろ‥‥この肉そぼろは通称 “程良く味付けした肉そぼろ” とエースコックが発表している肉具材で、当たり外れがあります。
「あたり」の時は過不足なく美味しくて、食感も不自然ではないのですが、反対に「はずれ」の時はスッカスカのスポンジみたいな食感。味付けも程良くって味付けしてる? みたいな味気ないスポンジ肉そぼろで、何年も前から気になっているのですが、経験上おそらく見た感じ今回の鶏・豚味付肉そぼろは十中八九の確率で後者‥‥w
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 焼き煮干しのうま味がきいた煮干しラーメン 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:61g(めん50g) 商品コード:4901071288211(JAN) 商品サイズ:縦100mm×横100mm×高さ110mm |
発売日:2020年01月20日(月) 実食日:2020年01月24日(金) 発売地域:全国 取得店舗:ネット通販サイト(オムニ7) 商品購入価格:105円(税込) 希望小売価格:98円(税別) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型レギュラー 容器材質:紙 湯量目安:290ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:1袋(ふりかけ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、しょうゆ、卵白粉〕、スープ(ニボシパウダー、食塩、糖類、チキン調味料、ニボシエキス、粉末しょうゆ、酵母エキス、ポークエキス、カツオブシパウダー、オニオンパウダー、香辛料、植物油脂、全卵粉)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、玉ねぎ、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、重曹、増粘剤(キサンタンガム)、カラメル色素、かんすい、カロチノイド色素、酸化防止剤(ビタミンE)、微粒二酸化ケイ素、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ごまを含む) |
実食開始
とはいえ本体価格98円の格安カップラーメンですし、麺の見た目は値段のわりに安っぽくありません。やや黄色味の強い油揚げ麺が採用されていて、エースコック特有の油揚げ麺臭も比較的に弱く、やや加水率は高そうな雰囲気。個人的に煮干し系のラーメンは低加水麺で食べたいのですが、それはさておきセブン&アイの解説には “粘りのある食感” とあります。
ちなみに調理前から魚介系の香りは強く、煮干しのシャープな香りよりも節系に寄った芳ばしい香りだったので、なるほどこれが「焼き煮干し」の “焼き” なのかな——などと思いつつ、注湯後のイメージは一変。かなり “煮干し寄り” の雰囲気で、焼干しとは違う煮干し特有のエッジが見えてきました。ふりかけ、特にヤバイかも。
つまり煮干しに焼きを入れたとかではなく、単純に焼干し+煮干しで “焼き煮干し” みたいなイメージが固まってきた実食前の現在。引き続き “焼き煮干し” のテイストとニボさ加減に注目しつつ、「めん」「スープ・ふりかけ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(61g)あたり |
カロリー:257kcal たん白質:7.8g 脂 質:9.7g 炭水化物:35.5g (糖 質:33.9g) (食物繊維:1.6g) 食塩相当量:4.3g (めん・かやく:1.4g) (スープ:2.9g) ビタミンB1:0.28mg ビタミンB2:0.31mg カルシウム:265mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:257kcal(めん・かやく:224kcal)(スープ:33kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
今回のスープと相性ぴったり
形状は丸刃でカットされた丸断面の中細麺で、しっかり縮れは強く、調理後は適度にエースコック特有の芳ばしい風味も上がってくるのですが、スープの煮干しをフィルタリングしてくるような麺ではありません。むしろ今回の場合、油揚げ麺の芳ばしさとスープが好相性で、それが素直に美味しいと思えるほど。
おそらく新開発の麺ではなく、他の製品にも使用している汎用麺の一つだと思うのですが、同社製造の廉価版シリーズ「まる旨」(オープン価格)みたいな安売り用の麺とは別物。もしNB(ナショナルブランド)商品として出していたら、メーカー希望小売価格193円(税別)の設定でも恥ずかしくないレベルの品質です。
セブンプレミアム向上委員会には “もちっとした粘りのあるしっかりとした食感の麺” と書いてありましたが、内側からプリッと弾けるような歯切れの良さを兼ね備え、なおかつ一定の粘り気とコシの強さが楽しめる弾力。麺量は50gと平均比10gほど少なめですが、今回のスープに対して麺の食感やサイズも適切で、量については気になりませんでした。
スープ
なるほど言い得て妙
まずは「ふりかけ」を入れる前に味を確認してみたところ、正直このままでも完成しています。スープの色は節系っぽく見えますし、原材料にカツオブシパウダーも使用しているのですが、体感的には煮干しが9割。醤油は味を味を整えることに徹し、オニオンパウダーの旨味がエースコックらしく、この時点で充分に値段以上の味だったのに、ここで終わらないのが今回の煮干しラーメン。
さすがにガチのセメント系(どろどろ高純度な煮干しスープ)ほど非常識な攻撃力ではないものの、ふりかけを全体に広げた瞬間 “ちょっと生臭い” くらいエッジの効いた煮干しの風味が大幅にブースト。なるほど「雑味」とは言い得て妙で、えぐ味や苦味は控えめなのですが、焼干しの芳ばしさを打ち出しつつ、煮干し特有の癖も並行し、なるほど “焼き煮干し” という表現にも納得。
ふりかけは粒子の細かいパウダー状で、口当たりと舌触りにザラつきや引っ掛かりはなく、けれども粉っぽいほどのニボシ感。いい意味で魚臭いというか、後味に残る余韻は煮干しの頭や内臓ごと粉末にしたように荒々しく、野趣に富んだテイストでありながら、きちんとプライドのある旨味。そして動物系とのバランスも緻密に計算されている、ちょっと税込105円の味ではないですよ。
具材
でも値段を思えば充分
あまり価値の見出せないスポンジ肉そぼろが大量に入っていたので、いっそのこと全部カットしたらメンマ何本分になるんだろう——などと思いつつ、実際に今回の焼き煮干しスープには、小さいけど風味が強いエースコックのメンマが合いそうだったので、ちょっと勿体無いと感じました。
しかし、あいかわらずシャッキシャキの玉ねぎは効果的で、煮干し系というジャンルにとっても定番の具材(最初に組み合わせた人すごい)。あわよくば2、3本でもいいので、スポンジ肉そぼろの代わりにメンマが入っていると嬉しかったんですけど、税込105円なら折れます。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7)
かなりの高評価を付けましたが、煮干しが苦手な方は問答無用で避けてください。それから “はんなり” とした透明度の高いイリコの出汁が好きな方も、たぶん雑味が気になると思います。反対にゴリゴリのセメント系に期待していると物足りなさを感じるかもしれませんが、現状この値段で出せるような味ではなかったので、ちょっと感動しました。
そしてスープを飲み干したい衝動に駆られつつ、麺を食べ終えてから追い飯(白ご飯ぶっこみ)してみたところ‥‥やばい。具材だけは妥協すべきポイントになりますけど、焼干しと煮干しをブレンドしたような強い旨味と心地よい雑味が印象深く、かなりコストパフォーマンスが高いカップ麺だったので、煮干しが好きならマストな一杯です。