どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2018年12月17日(月)新発売のカップ麺、「セブンプレミアム 銘店紀行 龍上海」の実食レビューです。
昭和33年創業の老舗ラーメン店「龍上海」のカップラーメンが製造休止から販売エリアを全国に拡大して再販開始!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
銘店紀行 龍上海 ついに全国展開
以前はノンフライ麺どんぶり型のブランド「地域の名店シリーズ」から発売されていたのですが、なんの前触れもなく廃盤となり、「だるま」「とみ田」「六角屋」「もちもちの木」など、それぞれ定番となっていた有名店の再現カップ麺は縦型カップの新ブランド「銘店紀行」(めいてんきこう)へと順次移行します。
「地域の名店シリーズ」時代から移行後の「銘店紀行」まで製造は一貫して「明星食品株式会社」が担当しており、今回の「龍上海」(りゅうしゃんはい)もセブンプレミアムということでセブン&アイグループ限定、明星食品との共同開発商品になるのですが、実は2018年7月30日(月)にも販売されていました。
しかし、当時の販売エリアは北海道、東北、関東、甲信越、京都一部、兵庫一部、鳥取一部という局地に絞られ、販路はコンビニのセブンイレブン先行。私は運よく発売当初に捕獲してレビューし、当ブログ内に記事を残しているのですが、売ってないと嘆く方々を残したまま、数量限定にて販売休止となります。
しかし、今回は「ヨークベニマル」(福島県を中心に宮城県、山形県、栃木県、茨城県の5県で展開しているスーパーマーケットチェーン店)でも販売したいという依頼があったようで、これを機に販売エリアを全国に拡大。さらにイトーヨーカドーやヨークマートなど、全国のIYグループも含めて発売することになったと明星食品(営業担当者)の方から教えていただきました。
ただ、沖縄のセブンイレブンでは取り扱いがないことと、今回も数量限定につき無くなり次第終了だそうです。龍上海のカップ麺は「地域の名店シリーズ」時代に★8を、「銘店紀行」でも★6という当ブログとしては超高評価を叩き出しているのですが‥
ひどいですよ! 龍上海好きな人は納得しないし、 はじめての方も、特に驚かないよ!ね。。 別物です! 龍上海さん、、、何にくらんて。。( ; ; ) あれをオッケー出したの?? 本当は もっと美味しい、別物ですよ!!
当ブログ内「セブンプレミアム 銘店紀行 龍上海@セブン-イレブン」のコメント欄より
(も、申し訳ございません‥涙)地元の龍上海ファンと思しき方より、厳しいお言葉を頂きました。お店の味を知らない私なので、率直にカップ麺としての出来栄えを評価したのですが、お店の味とは酷いくらい別物だそうです。
「龍上海」とは、ラーメン消費量全国1位を誇る山形県・赤湯のラーメン店で、昭和33年(1958年)創業の老舗。もともと「しょうゆラーメン」がメインだったそうですが、自家製の縮れた太い麺が評判を呼び、たちまち「龍上海」の名は県内に広まりました。しかし、開店当初はスープの大半が売れずに残ってしまったようで、その余ったスープが家族の食卓に‥
さぁそこから「家族vs.余ったスープ」対決開始。それぞれ好みの薬味や調味料を加えて独自の味噌汁にしていたようですが、初代・佐藤一美氏が “まったく新しい味噌ラーメンが作れないだろうか” と閃き(息子が味噌汁に麺を入れたのがキッカケという説もあるのですが)、現在の人気看板メニュー「赤湯からみそラーメン」が生まれたそうです。
さて、ずいぶんと前置きが長くなってしまいましたが、今回のカップ麺「セブンプレミアム 銘店紀行 龍上海」は「赤湯からみそラーメン」の再現になります。それでは、開封して中身をチェックしてみましょう。
開封
まずはフタ上に貼り付けられている別添の小袋「特製からみそ」を取り外さなければいけないのですが、透明の外装フィルムを剥がした瞬間から強めのガーリック臭が‥(※個人的には好印象!)カップ麺には「移り香注意」という注意事項があるんですけど、こいつから他のカップ麺を離さないとヤバいのでは‥くらいの勢いです。外装フィルムを破かなければ大丈夫‥だと思いますけどね。
当たり前のようにフタを開けたら強烈にジャンクなニオイが漂ってくるんですけど、たしかに本格的な芳香とは言えないので、これが手厳しい評価を招いてしまう要因の一つなのかもしれませんね。それにしても見よこの具材を!「銘店紀行」シリーズは、具材が大量なのも大きな特徴です。
容器底面下段右端にある「製造所固有記号」が「73」となっているのですが、これは明星食品の神戸工場を意味しています。とかって書き終わってからパッケージの側面を見たら、ばっちり明記してあったんですけどねw 私は兵庫県在住なので、もしかすると販売エリア最寄りの工場で製造しているかもしれません。(※製造工場が変わると味や麺の質感が変わることもあります)
製品情報・購入価格
製品名:セブンプレミアム 銘店紀行 龍上海 販売者:明星食品 製造所:神戸工場(製造所固有記号「73」) 内容量:101g(めん70g) 発売日:2018年12月17日(月) JANコード:4902881480475 本体価格:198円(税別) 発売地域:沖縄のセブンイレブンを除く全国のセブンイレブン及びIYグループ限定 |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙 湯量目安:400ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(特製からみそ) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵粉)、スープ(みそ、デキストリン、たん白加水分解物、香辛料、発酵調味料、香味調味料、鶏肉エキス、にぼしエキス、糖類、にぼし粉末、酵母エキス、食塩、豚脂、酵母粉末)、かやく(チャーシュー、メンマ、ナルト、ネギ)/ 加工デンプン、調味料(アミノ酸等)、トレハロース、かんすい、炭酸カルシウム、増粘多糖類、乳化剤、酒精、香料、微粒二酸化ケイ素、ピロリン酸ナトリウム、カラメル色素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、酸味料、甘味料(スクラロース)、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素、(一部に卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【アレルギー表示】卵・乳成分・小麦・えび・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(コンタミネーション:かに) |
実食開始
麺は光沢のあるノンフライ麺で、パッケージやセブンプレミアム向上委員会(公式コミュニティサイト)の製品説明にも明記されていませんが、おそらく「スチームノンフライ製法」でしょう。別添の特製辛味噌は後入れなので、先入れ厳禁です。さて、これから具材がキチッと揃いますよ。あ、別添の小袋は辛味噌なので温めないほうがいいです!
キチッ。メンマとチャーシューは多すぎるので、それぞれ重ねまくってから撮影しているのですが、それでもこのボリュームです。ナルトも10枚くらい入っていますし、文句なしのボリュームですね。粉末スープにトロミ成分が含まれていたことと、容器底の隅に粉末スープが固まっていると思うので、溶け残りがないように注意してください。
それでは、実際に食べてみましょう。「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
1食(101g)当たり
カロリー:377kcal |
めん
弾力のあるノンフライ太ちぢれ麺
(出典:セブンプレミアム向上委員会「商品・口コミ」)
ギュッと中心部まで詰まったような弾力が楽しめるコシの強い中太ノンフライ麺で、形状は断面に角が見られない丸刃でカットされた平打ち麺。加水率は高く、スープに馴染んでくるとモチッとした密度の高い小麦の粘り気が楽しめます。
ただ、とりあえず熱湯5分でも食べられないことはありませんし、表面の優しい口当たりと中心部の強靭なコシというギャップも面白いのですが、1分ほど余分に待ったほうがいいかもしれません。というのも食べ始めの段階では多加水麺らしくスープを弾く嫌いがあったのと、きちんとケアしたほうが結果的にナチュラルなので、よかったら意識してみてください。
小麦の香りは柔らかく、もちろん油揚げ麺特有のニオイは皆無ですし、味のニュアンスやスープのバランスを変えないのも嬉しいですね。ちょっと麺が少ないかなぁ‥などと思ったりもしたんですけど、麺重量70gなので、特別に少ないわけではありません。ちょっと麺の表面をスープに馴染ませる、というのが美味しく食べるコツになります。
スープ
煮干しだしを利かせた濃厚な味噌スープに、唐辛子の辛みとにんにくの旨みたっぷりの「特製からみそ」を合わせました。
(出典:セブンプレミアム向上委員会「商品・口コミ」)
辛味噌を溶かす前のスープは、ニボシが丁寧に効いた「お味噌汁」のイメージです。味噌の赤白バランスは完全に白が優勢で、塩分の角も気になりません。ええ、味噌ラーメンで味噌汁っぽいスープと言われたらネガティブに聞こえるかもしれませんが、実際にラーメンのスープというよりも餅(もち)が合いそうな雰囲気なので、このスープを使って正月の雑煮を作りたいと本気で思いました。
あんなに熱湯を注ぐ前はジャンクで攻撃的な香りだったのに、いざ味わってみたら「え、ばぁちゃん‥?」みたいな(※祖母の作る雑煮を思い出してw)。それはさておき魚介だしは煮干がメイン、 特有のクセは抑えられているのですが、鰹などの節では出せない縦の旨味を感じます。ただ、動物系は下支えに過ぎないですし、ラーメンのスープとしては頼りない‥
さて、その印象を大きく変えるのが別添の「特製からみそ」です。個人的には味噌汁ライクの優しいスープも好きだったんですけど、辛味噌を全体に攪拌(かくはん)した瞬間から装いは「ラーメン」に激変。ベースには味噌汁っぽい優しさを適度に残しつつ、前衛から切り込んでくるのはガーリックの、それもパウダーではなく生おろし系のガーリック感。
辛味噌は見た目ほど辛くありませんし(ピリ辛くらい)、量も多くないんですけど、かなりのイメチェンです。高校デビューです。そして発酵調味料由来と思われる発酵感と若干の酸味が心地よい、なんとも対照的な両者の歯車が見事に噛み合っている、優しいのにパンチのある独特のスープに仕上がっていました。
かやく
チャーシュー、メンマ、ナルト、ねぎ
(出典:セブンプレミアム向上委員会「商品・口コミ」)
チャーシューはチップ状なので比較的に軽めの食感なんですけど、スッカスカで頼りないほどチープではありませんし、さすがにこれだけ入っていたら食べ応えありますね。明らかにカップ麺らしい具材ではあるものの、ケミカルな臭いは気にならないため、大量でインパクトを打ち出しつつもスープを阻害していないのが好印象。
そんなチャーシューチップの量も然る事乍ら、それ以上に絶大な存在感を放っていたのがメンマの食感で、かなり繊維質が強く、コリコリを通り越した強い歯応え。風味自体はそんなに強くないのですが、なかなかの武闘派でした。初版では異様に量が多いと感じたので、もしや個体差かと思ったんですけど、そうではないようです。
ネギは大きめカット、小さなナルトも見た目に可愛く、私は具材を整えてから撮影していますが、しっかり混ぜても具材の存在感が薄れることはありませんでした。もちろん、それぞれのクオリティは雲泥の差ではあるものの、チャーシュー・メンマ・ナルト・ネギという構成としては「赤湯ラーメン」のと同じですね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
【カップ麺としての総合力は高い!】
どんぶり型で感動を覚えた煮干しの強さや青のりの多重奏で繊細な本格さなどが衰えてしまったところは否めませんが、本格派どんぶり型は258円(税込279円)、手軽さが売りの縦型は198円(税込213円)なので、まったく同じクオリティを望んではいけません。
白味噌仕立ての優しい味噌汁ライクなスープに軽く煮干しを泳がせて、ガーリックベースの辛味噌でバシッと味変している、煮干の存在感と青のり(あおさ?)がなかったことには廉価を感じてしまったのですが、味噌汁の印象については龍上海の沿革が感じられると思いますし、200円前後の縦型カップ麺としては上出来です。(※本店ファンの皆様すみません!)
〈ちょい足しアレンジ〉どんぶり型と同じく今回のカップ麺「セブンプレミアム 銘店紀行 龍上海」には青のりが合うので、よかったら試してみてください。辛味噌投入前、辛味噌投入後、青のり投入後と味の変化が面白いですよ。ちなみに前回発売品と同じ内容だったので、イマイチだった方はスルー、気に入っていた方は安心して手に取ってください。