どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年11月19日(火)新発売の冷凍麺、日清食品「セブンプレミアム 一風堂 博多ちゃんぽん!」の実食レビューです。
レンジでズズット! 博多ラーメンの巨匠・河原成美が創った「一風堂」幻の “まかない” を「博多ちゃんぽん」として商品化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、コンビニ冷凍商品としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
一風堂 博多ちゃんぽん!
「セブンプレミアム 一風堂(いっぷうどう)博多ちゃんぽん!」とは、博多とんこつラーメンの名店「一風堂」の創始者であり、その運営母体「株式会社力の源ホールディングス」の代表取締役・河原成美(かわはら しげみ)社長監修のもと、セブン&アイグループ及び日清食品株式会社の共同開発商品として企画された冷凍食品の新作です。
パッケージには「レンジでズズット!」とあるように、電子レンジで加熱調理するタイプの要冷凍レンジ麺で、値段は1袋(1人前352g)あたり税別358円。とんこつ仕込みの濃厚極旨スープに特製の黒胡椒練り込み麺を搭載し、「博多一風堂」創業当時に店主が “まかない” として振舞っていた “現在の実店舗では味わえない門外不出の味” 再現されました。
「レンジでズズット!」というキャッチフレーズは、おそらく一風堂が世界に向けて発信している「project ZUZUTTO(プロジェクト・ズズット)」の一環。「project ZUZUTTO」とは、ラーメンの魅力を最大限に味わうために必要不可欠な「麺」を「すする」という行為に抵抗がある文化圏の方に向けた活動のこと。
麺を「すする」からこそ余すことなくスープの旨味を掬い取れることや鼻から抜ける小麦の香りなど、2008年3月31日に米国ニューヨークで海外1号店「IPPUDO NY East Village(イーストヴィレッジ)」を出店している一風堂だからこそ “日本特有の食文化” を受け入れてもらいたい——という想いから発足したプロジェクトで、その意思が今回の冷凍食品にも受け継がれています。
さらに途中でピリッと味をチェンジできる別添の「特製赤丸辛味噌」付きで、これは豚骨ラーメンの可能性を広げた “革新派” の一杯「赤丸新味(あかまるしんあじ)」にトッピングされている “赤丸味噌”[5種類の唐辛子に薬念醤(ヤンニンジャン)や豆板醤などを加え、ごま油で風味をプラスしたもの]をイメージしているのでしょう。
現在の運営母体「力の源ホールディングス」の設立は1986年(昭和61年)10月30日ですが、「博多一風堂」の創業は1985年(昭和60年)10月16日。福岡市中央区大名に開業し、2019年10月16日に創業34周年を迎えているため、もしかすると今回の冷凍麺「博多ちゃんぽん」の開発背景には、一風堂の創業34周年も関与しているのかもしれません。
株式会社セブン&アイ・ホールディングス及び株式会社セブン-イレブン・ジャパンの公式ウェブサイトでは、既存の人気商品「セブンプレミアム 蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺(マーシンメン)」と「セブンプレミアムゴールド とみ田つけめん」に続く冷凍食品として紹介されていたので、否応無しに期待が高まる実食前の現在。
「蒙古タンメン中本」と「中華蕎麦とみ田」が監修した常温保存の即席カップめん類も軒並みクオリティが高く、セブンイレブンで人気商品の座を確固たるものにしているのですが、上記の冷凍食品も凄まじい出来栄えでした(※詳細は「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」及び「中華蕎麦とみ田 濃厚魚介豚骨つけめん」の記事をご覧ください)
開封
さて、「一風堂 博多ちゃんぽん!」の内容物は、「具付めん」「液体スープ」「赤丸辛味噌」の3点セット。具付めんの具材には9種類の素材を使用し、1食で3分の1日分の野菜(生鮮野菜に換算して厚生労働省が推奨する1日350gの1/3)が摂取できるらしく、さらに具材のキャベツやたまねぎをオイスターソースと一緒に “直火で炒める” ことで、素材の旨みを引き出しているとのこと。
2018年6月12日に発売された「蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺」の希望小売価格は298円(税込321円*)、2019年8月14日に全国解禁された「とみ田つけめん」は398円(税込429円*)、そして今回の「一風堂 博多ちゃんぽん!」は358円(税込386円*)となっているため、ちょうど先発組の中間に位置する値段設定(*税込価格は軽減税率8%適用時の値)。
2019年11月21日(木)現在、まだ “新規入荷待ちです” のセブンイレブン店舗も何軒かあったので、地域によっては売ってない(入荷が遅れている)かもしれませんが、販売エリアは全国のセブンイレブン店舗、並びにイトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート等のセブン&アイグループ各店でも順次発売予定となっています。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 一風堂 博多ちゃんぽん! 販売者:日清食品株式会社 製造者:高松日清食品株式会社 製造所:香川県高松市西ハゼ町374-1 内容量:352g(めん150g) 商品コード:4548779730323(JANコード) 発売日:2019年11月19日(火) |
麺の種類:冷凍(ゆで中華めん) スタイル:冷凍食品 湯量目安:250ml(鍋調理の場合は320ml) 加熱目安:電子レンジ500W・約8分 / 600W・約6分30秒 小袋構成:3袋(具付めん・液体スープ・赤丸辛味噌) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】具[炒めキャベツ〔キャベツ(中国産)、植物油脂、その他〕、野菜(もやし、にんじん、コーン、きぬさや)、炒めたまねぎ、いか、きくらげ、かまぼこ / 調味料(アミノ酸等)、クチナシ色素、ベニコウジ色素]、めん〔小麦粉、デュラム小麦のセモリナ、卵粉、小麦たん白、食塩、香辛料(黒胡椒)/ かんすい、クチナシ色素〕、スープ〔ポークエキス、たん白加水分解物、砂糖、食塩、しょうゆ、豚脂、ゼラチン、植物油脂、魚醤、酵母エキス、ジンジャーペースト、ほたてエキス、ポーク調味料、香辛料 / 調味料(アミノ酸等)、酒精、増粘多糖類、香料、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)〕、特製赤丸辛味噌(豆板醤、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、たん白加水分解物、野菜調味油、発酵調味料、香辛料 / 酒精、酸味料、香辛料抽出物)、(一部にえび・小麦・卵・いか・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
作り方は二通りあって、一つは電子レンジで加熱する方法。まずは冷凍状態の「具付めん」を開封せずに皿の上にのせ、500Wの電子レンジなら約8分、600Wの電子レンジなら約6分30秒加熱します。その間に希釈タイプの「液体スープ」を丼にあけ、250mlの熱湯で溶くのですが、液体スープは “温めないでください” とのこと。
ついつい事前に温めておきたくなりますけど、液体スープの小袋にも “スープが分離することがありますので、お湯で温めないでください” との注意書きがあり、数分間置いておくだけで使える仕様となっています。室温20度前後だと5分そこらじゃ溶けないので(かるく温めても大丈夫そうな気もしますけど)、あらかじめ液体スープだけ常温に戻しておくのがいいかもしれません。
また、鍋に「320ml」の熱湯を入れ、沸騰したら具付めんを「約4分30秒」加熱し、火を止めてから液体スープを溶かす「鍋での調理」も可能となっていて、いずれも丼に盛り付けたら「特製赤丸辛味噌」をトッピングして出来上がり。というわけで最初は電子レンジで調理しましたが、鍋調理での違いも意識しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(352g)当たり
カロリー:373kcal |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
麺に練り込まれているのは黒胡椒だけでなく、デュラム小麦のセモリナ* も使用(*「デュラム小麦」はパスタの原料として有名な小麦の品種を指し、「セモリナ」はデュラム小麦の粗い精製されたミドリング粉のこと)。麺の重量は150g(生麺ではなく茹で調理後)なので、おそらく茹で調理前の推定麺量は80〜100g前後と少なめですが、冷凍麺の重量感は流石(さすが)の一言。
一般的なイメージとして、ちゃんぽんといえば丸刃のストレート麺が主流となっている中、「博多ちゃんぽん」では角刃でカットされた角断面の太麺をチョイス。しかも意外と黒胡椒の刺激(ピペリン)が明白に主張してきて、じっくり麺を味わっていると口の中がピリピリと熱く、身体はポカポカと温かくなってくるくらいの存在感。
黒胡椒の清涼感により、小麦の風味は奥に隠れてしまいますが、デュラム粉配合ならではの弾むような食感が個性的。それに今回は減塩を意識した商品ではないけれど、黒胡椒のピリッとした刺激は食べ応えにも寄与してくれるため、機能性食品での活躍にも期待できそうなポテンシャルの高さを感じました。いいですね、これは印象に残ります。
スープ
いやいやいや、これは正直かなりヤバイ。最近はセブンイレブンの要冷蔵カップ入りレンジ麺(コンビニラーメン・蕎麦・うどん等)におけるスープのストレート化が進み、キンレイの「とみ田つけめん」をはじめとする冷凍食品の分野でも希釈しないタイプのスープにこだわる商品が見られる中、今回は希釈タイプか——などと思っていたところ、なんのこれしき完成度は “お店の味” です。
さすが天下の「一風堂」監修商品というだけあって、お店の「博多絹ごしとんこつ」(熟かさね製法)を思わせる豚骨感は、冷凍食品にもかかわらず幾重にも重なった骨の旨味を実現。まるでシルクのように流れるサラッとした口当たりでありながら、低温熟成させたような分厚くて層のある旨味が確固として存在し、なおかつネガティブな癖は皆無に等しい繊細なテイスト。
別添の「特製赤丸辛味噌」をスープに溶かすのが勿体無いくらい、これで “たった税込386円” のスープなのかと唸ってしまったのですが、もちろん辛味噌を溶いても台無しにはなりません。特製赤丸辛味噌は豆板醤を主体とし、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖の人工的な甘さを重ねているものの、あえてジャンクなアクセントが味の変化に効果的。
それでも全体が安っぽくなることはなく、濃厚な豚骨の旨味を筆頭に万人ウケする唐辛子の適度な辛さ、絶妙に食欲を掻き立てる甘み、その奥でなお繊細なシルク豚骨を維持し続けるスープの作り込みたるや——さらに魚醤とホタテの隠し味がスープに奥行きを生んでいて、ひとつの動物系ちゃんぽんとして下手な専門店も裸足で逃げ出すレベルのクオリティでした。容赦ねぇなセブン‥‥
具材
9種類の具材は「キャベツ」「もやし」「にんじん」「コーン」「絹さや」「玉ねぎ」「いか」「キクラゲ」「かまぼこ」で、そのうちイカのゲソは1〜1.5本、絹さやは1莢(さや)ですが、イカゲソはプリッとした弾力のある歯応えに魚介類特有の旨味が嬉しく、絹さやは心が落ち着く甘さ。で、ちょっと下の写真を見てください。
ご覧のとおり、遠慮なくキャベツが焦げています。ええ、もちろんクレームではありません。ちゃんとキャベツと玉ねぎが直火で炒められている証しで、苦味を覚えさせない程度の焦げが中華鍋で煽ったような臨場感を演出。キャベツや玉ねぎ、もやしの食感はクタクタではあるものの、むしろ「ちゃんぽん」らしい煮込み野菜の一体感が好印象。
反面、人参は適度に歯応えが残っていて、コーンはすこぶる甘く、キクラゲのコリコリとした歯応えが食感に対して飽きのこないアクセントに効果的。片端がピンク色の短冊かまぼこで雰囲気もよく、特にキャベツと玉ねぎは多めに入っていて、「1/3日分の野菜が手軽に摂れる!」というパッケージ裏面の謳い文句にも偽りのないボリュームですよ。
総評
★★★★★★★☆☆☆(★7+)
先発の人気冷凍食品「蒙古タンメン中本 麻辛麺」及び「とみ田つけめん」の完成度とコストパフォーマンスが異様に高いので、実食前のハードルを上げていたのですが、なんのなんの。黒胡椒練り込み麺は斬新で、スープの絹ごし豚骨と特製赤丸辛味噌に「一風堂」らしさがあり、ことスープについては税込386円とは思えない衝撃的なウマさに脱帽でした。
ちなみに鍋で調理した場合のメリットは、 “スープがアツアツになる” ことと “麺が完全なストレート状になる” こと。それに具材の旨味もスープに行き渡るのですが、それと引き換えに “豚骨感がマスクされるデメリット” もあったので、結論「電子レンジ調理がオススメ」。家に居ながらレンジで簡単 “お店レベルの味” が楽しめる、かなりの高コスパ商品なので、ぜひズズットすすってみてください。