どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年6月10日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「セブンプレミアム 1分湯戻し大盛ソース焼そば」の実食レビューです。
セブンイレブン限定の格安カップ麺「大盛ソース焼そば」2019年バージョンは「熱湯1分」に進化!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
セブンプレミアム 大盛ソース焼そば 熱湯1分
「セブンプレミアム 大盛焼そば」とは、コンビニのセブンイレブン限定で販売されている大盛カップ焼そばで、セブン&アイグループと東洋水産(マルちゃん)の共同開発商品です。いかにもPBカップ麺らしいというか、なんとも簡素で飾り気のないデザインではあるものの、単なるソース焼そばではありません。
実は東洋水産の定番ロングセラー商品「マルちゃん焼そば 3人前(チルド麺)」の味わいをカップ麺で再現する、というコンセプトのもと開発された商品で、今回も同じコンセプト。けれどもタイトルに「1分湯戻し」とあるように、2019年は従来の熱湯3分ではなく “熱湯1分” になっています。
「セブンプレミアム 大盛ソース焼そば」というタイトルで2018年7月にも販売されているのですが、前回の調理時間は熱湯3分と標準的。さらに遡ると2011年7月に「マルちゃん焼そば 大盛り」というセブンイレブン限定のカップ焼そばがあって、当時の商品パッケージには「マルちゃん焼そば 3人前」のイメージ写真がプリントしてありました。
「マルちゃん焼そば」とは、お祭りの屋台や外食で楽しまれていた焼そばを家庭で簡単に食べられるように——という思いから誕生したチルド麺で、初めて発売されたのは1975年11月。以来、麺はマイナーチェンジを繰り返しているのですが、発売当時から変わらない味を守り続け、ソースの構成が大幅にリニューアルされたことは1度もありません。
「マルちゃん焼そば」の粉末ソース(正式名称「焼そばソースの素」)は、日本人の味覚に合うよう粉末醤油をベースにフレームワークが組まれ、塩や砂糖、りんご、ポークエキスなどを配合。そして “秘伝のスパイスを20種類” 加え、あの絶妙でスパイシーな味わいを打ち出しています。
使用している秘伝のスパイスは、「レッドペッパー」「ブラックペッパー」「クローブ」「シナモン」「オールスパイス」「ナツメグ」「タイム」「セージ」「ガーリック」「ジンジャー」の10種類のみ公になっているのですが、残りの10種類は門外不出ということで公にされていません。けれども前回の2018年7月発売品は実にソースの再現度が高く、まさに “あの味” でした。
ちなみに大盛ではない「セブンプレミアム ソース焼そば」というカップ焼そばもあるのですが、そちらもセブン&アイグループと東洋水産の共同開発商品で、標準サイズはセブン&アイHLDGS.傘下の食品スーパーを中心とした事業会社3社(イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート)専用のスーパーマーケット限定商品として展開。
今回の1分湯戻しバージョンを含む「セブンプレミアム 大盛ソース焼そば」は、セブンイレブン専用(コンビニ限定)のカップ麺として展開し、サイズを分けることで販路の差別化を図っているのですが、「セブンプレミアム ソース焼そば」は通年販売のレギュラー商品なのに対し、「セブンプレミアム 大盛ソース焼そば」は期間限定のスポット商品となっています。
開封
別添の小袋は「特製油」「ふりかけ付き粉末ソース」「かやく」の3袋、セブンイレブンの店頭表示価格は税込138円(税込149円)となっていたので、前回(2018年発売品)から値上げなし。あと販売地域は基本的に「北海道・東北・関東・甲信越・北陸・東海・近畿」のセブンイレブン限定となっているため、近畿以西の地域では売っていません(※たまに例外もありますが)。
麺は熱湯1分の油揚げ麺で、湯戻し1分のカップ焼そばといえば東洋水産が製造・販売しているカップ塩焼そばの草分け的存在「俺の塩」ですが、もしかすると同じ麺かもしれません。ちょうど手元にあった「俺の塩 濃厚たらこ味 大盛」(2019年5月27日発売)の麺と比較してみたところ、まったく同じサイズで香りも似ていますし、原材料も一緒でした。
そして賞味期限の右端に「M1」と記載されているのですが、これはカップ麺の製造所を表している「製造所固有記号」といい、東洋水産のM1は群馬県館林市にある「関東工場」(群馬県館林市赤生田本町3831-1)を意味しています。この工場では「俺の塩 濃厚たらこ味 大盛」も製造しているため、今回の「1分湯戻し大盛ソース焼そば」と製造所も一致しました。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:セブンプレミアム 1分湯戻し大盛ソース焼そば 製造者:東洋水産株式会社 製造所:関東工場・M1 内容量:154g(めん130g) 商品コード:4901990363679(JANコード) 商品サイズ:縦177mm×横177mm×高さ68mm 発売日:2019年06月10日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:角型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:660ml 調理時間:熱湯1分 小袋構成:3袋(特製油・ふりかけ付き粉末ソース・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、精製ラード、食塩、しょうゆ、卵白〕、添付調味料及びふりかけ(植物油、砂糖、食塩、ソース、香辛料、あおさ、紅生姜)、かやく(キャベツ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、香料、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆を含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】卵・乳成分・小麦・大豆(特定原材料及びそれに準ずるもの)※本商品で使用しているあおさは、えび、かにが混在する方法で採取しています。 |
実食開始
先入れの小袋は「かやく」のみ、その中にはキャベツしか入っていません。先ほどカップ麺の値段は前回発売品と変わっていないと書きましたが、前回の「大盛ソース焼そば」にはチキンダイス(昔の「やきそば弁当」に入っていた肉具材)が採用されていたのに対し、今回それがカットされ、固形具材はキャベツだけになっていました。
あの四角いチキンダイスは1分湯戻しだと厳しいのか、それとも麺が熱湯1分になったことでコストを調整せざるを得なかったのか、はたまた2019年6月1日に施行された希望小売価格の価格改定(一斉値上げ)が原因か——などと考えているうちに1分が経ち、あっという間に完成です。肉具材なしは寂しいけれど、ふりかけの彩りで見栄えは悪くありません。
後入れの小袋は「特製油」を軽く混ぜてから「粉末ソース」を入れ、お好みで「ふりかけ」をかけたら完成です。ちょっと粉末ソースを混ぜるのに手間取ったので、きもち湯切りは軽めがいいかもしれません。それでは、麺が熱湯1分に変わったことによる違いやマルちゃん焼そばの再現度に注目しつつ、「めん」「ソース」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(154g)当たり
熱 量:732kcal(カロリー) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん(1分湯戻し)
熱湯1分のスピード調理で仕上がる細麺ですが、しっかりとしたコシが備わっているクオリティの高い油揚げ麺で、やはり実際に食べてみたところ「俺の塩(大盛)」シリーズに使用されている細い油揚げ麺と体感的な違いはありません。丸刃でカットされた断面の丸い細ちぢれ麺で、コシの強い弾力と麺量130gの大盛で食べ応えもバッチリ。
前回までの同ソース焼そばに使用されていた熱湯3分の油揚げ麺は、内部に含まれる気泡の量が少なく、チルド麺をイメージした密度の高い弾力だったので、ずいぶんと印象は異なります。けれども本家「マルちゃん焼そば」の定番ソース味に使用されている麺も太麺ではなく細麺ですし、やや冷めてきた頃合いに固まってくるのが気になりましたが、仕様変更後のイメージも悪くありません。
ちなみに大盛ではない「俺の塩」を製造している工場は「M8」(神戸工場:兵庫県神戸市西区見津が丘6丁目8番)で、同じ熱湯1分でも大盛サイズの細麺とは別の工場で生産されているのですが、大盛用の麺はレギュラーサイズの麺と比較して “わずかに太い” のも特徴です。それに麺のサイズや原料が調整(香辛料がカット)されたことで、体感的なソースの味にも違いがありました。
ソース
まず「特製油」の中身ですが、単なるサラダ油やパーム油など、いわゆる潤滑油目的だけの食用油ではありません。主成分は植物油(フタの上で温めずに入れても目立った凝固なし)なんですけど、ポークエキスや香味油がブレンドしてあるのか投入した瞬間から芳ばしい香りが立ち、さらに粉末ソースだけでは出せないフライパンで炒めたような調理感を演出してくれる重要なアイテム。
やや口当たりがオイリーではあるものの、1袋ずつパッキングされている「マルちゃん焼そば 3人前」の麺もサラダ油でコーティングしてありますし、それを調理する際に炒め油を使用することを踏まえると、こってりした口当たりのイメージは悪くなく、むしろ再現性アップに一役買っています(※もちろん油そば・まぜそば系ほどオイリーではありません)。
粉末ソースの味も前回から大幅に変わることなく基本軸を踏襲し、液体ソースでは出せないドライなテイストを再現。チルド麺の「マルちゃん焼そば」に別添されている普遍的で飾らない、粉末ソースならではといえる伝統の魅力を打ち出しているのですが、麺のサイズが変わったことで体感的な味にも違いが生じています。
というのも2018年発売品は後半じわじわ追い上げてくる尻上がりのソースだったのに対し、今回の2019年発売品は初速からスパイス感が強く、パンチが増しているような変化を感じました。とはいえ前回との違いであって、同ジャンルのソース系カップ焼そばとしては大人しく、攻撃性のないノスタルジックな味わい。
残念ながら本家の粉末ソースで特徴的な「りんご」は含まれていませんが、その味わいにルーツがあるのは間違いありません。原材料は2018年の粉末ソースと同じですし、系列スーパー限定のレギュラーサイズとも同じなんですけど、1分湯戻し版の2019年は従来品よりもりスパイシーに感じました。
具材・ふりかけ
単独でリリースされていた頃の非セブンプレミアム「マルちゃん焼そば大盛り」には味付豚肉、キャベツ、人参が入っていたのですが、セブンプレミアムになってからキャベツとチキンダイスに変更。さらに今回から固形具材はキャベツのみになり、しかも大きめにカットされていた前回のキャベツよりも小さくなって、全体的な量も減っています。
ただ、おそらく熱湯1分でも適切に戻るようにと計算しての配慮なのでしょう。一部のキャベツ(芯の部分に当たる軸の太い部分)は硬めの歯ごたえが残っていたりもしたのですが、ほとんどのキャベツは熱湯1分で戻りました(それに以前のチキンダイスは味と食感がイマイチだったので、精神的なダメージも最小限)。
ふりかけは乾燥紅生姜、アオサとシンプルな内容ではあるものの、普遍的なソースに紅生姜とアオサによる王道のアクセントは申し分なく、ソースの味を引き立ててくれるバイプレイヤー。具材単体で評価するとイマイチと言わざるを得ないかもしれませんが、麺大盛で税込149円という値段を加味すれば低く評価できません(でも欲を言えば熱湯1分で食べられる玉ねぎの開発にも期待)。
総評
★★★★★★☆☆☆☆(★6)
前回の「セブンプレミアム 大盛ソース焼そば」と比較して、まず麺が湯戻し時間1分の細麺になったこと、それから具材のチキンダイスがカットされていましたが、この内容でコンビニ限定の大盛り汁なしカップ麺かつ税込149円は高コスパ。粉末ソースの味わいも「マルちゃん焼そば 3人前」の再現度が高いですし、これぞ普遍的な王道のソース焼そばです。
ちなみに系列スーパーマーケット限定の「ソース焼そば」(レギュラーサイズ・麺90g)は税込95円なんですけど、大盛130gの麺と熱湯1分のスピード調理で差別化を図り、コンビニ限定のほうがパンチのある味わいに仕上がっているため引けを取りません。やや具材は寂しいものの、2019年も「マルちゃん焼そば」の粉末ソースが好きならリピート必至と言える完成度の高い一杯でした。