どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年8月26日(月)新発売のカップ麺、東洋水産「マルちゃん 7種の野菜のスパイスカレーラーメン」の実食レビューです。
意外と辛い!? 野菜に強いマルちゃん流のスパイスカレーラーメン登場!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
7種の野菜のスパイスカレーラーメン
今回の新商品「7種の野菜のスパイスカレーラーメン」は、 “夏バテを吹き飛ばす夏カレーラーメン” をコンセプトに開発された大盛りサイズの縦型カップ麺で、発売日は夏の終わりを告げ始める8月下旬。夏バテを吹き飛ばすには、ちょっと遅いリリースです(※この夏向け商品発売から1週間後、秋冬向けの準定番商品「あつあつ牛すきうどん」「あつあつ豚汁うどん」再販)。
季節モノの新商品は需要のピークを迎える1、2ヶ月前に発売しておく、というのがカップめん商戦の基本。それなのに、むしろ最近ちょっと寒くなってきたよね‥‥というタイミングでの夏カレー。なにか理由があるのかもしれませんが、とりあえず季節感についてはさておき、注目すべきは「7種の野菜」と「スパイス」の効かせ方。
「7種の野菜」には、フリーズドライの野菜ブロック(キャベツ・たまねぎ・ねぎ・小松菜・にんじん)とバラかやく(赤ピーマン、コーン)を使用しているらしく、トレンドの一つとして注目されている「スパイスカレー」をラーメンにアレンジ。スープはポークとチキンをベースに山椒やクミン、唐辛子などの香辛料を効かせているとのこと。
「スパイスカレー」とは、大阪を発祥の地とする超個性派カレーの総称で、2017年に大きなブームを巻き起こし、2018年にも余波が続いていたのですが、じわじわ再燃しているのか2019年もキている模様。東洋水産のニュースリリースに “大阪” の文字はありませんが、 “スパイス感を強調した、日本人向けの創作カレー” と簡潔に特徴が表現されています。
発祥の店は1992年、大阪府・天満橋にて創業した専門店「カシミール」。とにかく各店のオーナーは既存の枠組みに囚われない個性派揃いで、なぜか元バンドマンやクリエイター出身の方が多く、スパイスカレー文化の礎を築いたカシミールの店主・後藤明人さんも「EGO-WRAPPIN’(エゴラッピン)」というバンドの初期メンバー。
店主の大半が料理人出身ではない、というのも既存の知識や形式に縛られない個性的な文化を築いてきた大きな要因で、いわゆる日本のカレーライスとは一線を画しています。したがって “こんな味!” というのは一言に要約できないのですが、さらっとした粘性率の低いカレーが多く、 “スパイスを食べるカレー” と言われるほど多種多様なスパイスを使っているのが共通の特徴。
基本的に小麦粉は使わない(ルーではない)ことや盛り付けが派手なこと、食べる直前に自家焙煎のスパイスを “ものによってはホールごと後がけする” 店が多いのも共通点。あとはスパイスの配合もトッピングも好き勝手にやってよし、とにかくルール無用のフリーダムな世界で、ある意味 “店主自らが納得できる味かどうか” というのが最大のポイントと言えるかもしれません。
そんなスパイスカレーをイメージしたものと思われる今回、定番の「黒い豚カレー」を代表とするマルちゃんのカレー味は基本的に優しく、家庭的な安心感を重視する傾向にあるため、あまりスパイシーなイメージはなかったりもするのですが、もうひとつ “数年振りに「ナチュラルウェーブ」の文字がニュースリリースにあった” ので、そこも今回の注目すべきポイントの一つです。
開封
フタの上にも容器の中にも小袋は別添されていなかったので、フタを開けたら熱湯を注ぐだけの簡単調理。後がけスパイスがないのは寂しいけれど、フリーズドライ製法の大きな野菜ブロックが待ち構えています。で、このFD野菜ブロック、たぶん同じ日に発売された「マルちゃん正麺 カップ こく野菜タンメン」からの使い回しですね。
2019年8月第4週、既存の正麺カップすべて麺10g増量にリニューアルされ、「野菜ちゃんぽん」は販売終了。そして「こく野菜タンメン」がシリーズの新たな定番商品として仲間入りしているのですが、実は同じ商品名で2017年5月8日にも期間限定商品として発売されていたので、厳密にはリニューアルして再販という位置付けでした。
その中に入っているオレンジ色の小袋が「FD野菜ブロック」で、内容も “キャベツ・たまねぎ・ねぎ・小松菜・にんじん” と同じですし、見た目も変わりません。どちらの販売ルートもCVS・量販店・一般小売店他となっているのですが、どんぶり型の「正麺カップ」はスーパー向け、今回の縦型ビッグはコンビニ向けのスタイルなので、販路別の相乗効果を狙っているのかもしれません。
(※同じ日に発売された正麺カップの詳細につきましては、「マルちゃん正麺 カップ こく野菜タンメン」の記事をご参考ください)
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん 7種の野菜のスパイスカレーラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:93g(めん70g) 商品コード:4901990363976(JANコード) 商品サイズ:縦108mm×横108mm×高さ122mm 発売日:2019年08月26日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ 容器材質:紙+プラ 湯量目安:480ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:-(別添なし) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、しょうゆ、卵白)、添付調味料(香辛料、ポークエキス、食塩、粉末野菜、たん白加水分解物、チキンエキス、砂糖、植物油)、かやく(キャベツ、コーン、赤ピーマン、たまねぎ、こまつな、ねぎ、にんじん、でん粉)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、炭酸カルシウム、増粘多糖類、かんすい、香料、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、クチナシ色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
【本品原材料に含まれているアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチン(特定原材料及びそれに準ずるもの) |
実食開始
そして、もうひとつ気になっていたポイントが “ナチュラルウェーブの角麺” という商品概要の説明文。すくなくとも現在から遡ること約5年分、東洋水産がリリースしてきた新作カップ麺とニュースリリースは一つ残らずチェックしていて、その中から「ナチュラルウェーブ(ナチュラルウェーブ製法)」の文字を見たのは2015年5月11日発売「マルちゃん やみつき屋 濃いめとんこつ」以来のこと。
その間、縮れ麺は何度も発売されているため、ナチュラルウェーブ製法自体が途絶えたわけではないと思うのですが、2015年10月5日「マルちゃん正麺カップ」の登場以降、新製法の “生麺ゆでてうまいまま製法” をアピールし続けているので、「ナチュラルウェーブ製法」という単語に頼らなくてもよくなったのが理由かもしれません。
で、調理後は大量の野菜で麺が見えない上に商品パッケージのイメージ写真でも “まったく縮れていない” のですが、とりあえず “7種の野菜” はバッチリですし、濃いめの “スパイシー” な香りで掴みは悪くありません。それでは、ナチュラルウェーブの角麺と実際のスパイス感に注目しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(93g)当たり
カロリー:392kcal |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:392kcal(めん・かやく:314kcal)(スープ:78kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
形状は幅の狭い中細麺で厚みはなく、たしかに小刻みなウェーブが施されているのですが、ほぼ後半はストレート。数年前の——いや、2018年12月以前の麺と比較して比べ物にならないくらい洗練された質感で、ナチュラルなのはウェーブだけではありません。しっとりとした口当たりに強いコシが印象的な、マルちゃんの新世代系フライ麺が使用されています。
見た目はヌードルタイプのスナック的な印象を受けるかもしれませんが、どちらかというと「ラーメン」や「中華そば」「支那そば」といった硬派な響きが似合う洗練された物腰。あまり厚みはないけれど、サイズ以上にコシが強くて伸びにくい、有名店が監修する再現モノのカップラーメンにも堂々と使えるクオリティの高さ。
適度に油揚げ麺特有のコクでスープを膨よかにしつつ、それでいて特有のネガティブな臭いは控えめなので、スープのスパイス感をマスキングする嫌いもありません。湯戻し時間は熱湯3分ですが、大量の具材と熱湯の奪い合いになる上にマルちゃんの新世代系はフライングすると安っぽい食感になってしまうので、きちんと3分待つのが美味しく食べるポイントです(※オススメは4分)。
スープ
いやいや、ちょっとナメてました‥‥実食前に東洋水産のカレー味は優しくて家庭的な安心感を重視する傾向にある、などと書きましたが、なんのなんの。最初そうでもないと思った矢先、わりと辛さには瞬発力があって、思いのほか辛い。激辛ほど辛くないけれど、熱の追い風も相待って、市販のカレールーを基準にすると辛さレベルは余裕で “辛口” です。
ターメリック(ウコン)の使用量が多く、スパイスの組み方は日本人に馴染みのあるフレームワークですが、とろみは意識されていないため、赤唐辛子や黒胡椒の爽やかな刺激が真っ直ぐに伝わってくるのはスパイスカレーらしいポイント。また和山椒だけでなく花椒(かしょう)もブレンドされているような印象で、軽く痺れのアクセントがあるのも個性的。
動物系の旨味は中庸的ですが、特に物足りないわけでもなく、きちんと丁寧に土台を支え、ポテトが中心と思われる粉末野菜が自然にコクを深めます(※ただし底に溜まりがち)。これによってザラついた舌触りを与えつつ、小麦粉を使ったルーとは違うコクの出し方で、さらにクミンの比率を高めることで特徴付けている、なかなか硬派な辛口のカレー味で驚きました。
具材
やはりFD野菜ブロックは正麺カップの「こく野菜タンメン」と共通で、とにかく大量。玉ねぎ・ねぎは目立っておらず、人参も少量ですが、厚みのあるキャベツが多めに入っていて、小松菜の風味がアクセント。ちなみにFD野菜ブロック1個で正麺カップの大口径容器(φ180mm)でも麺すべて多い尽くせるほどの量なので——
(こんな感じです)
それが口径の狭い縦型カップ(φ108mm)に入っているわけですから、麺を食べている時にも常に絡んでくる野菜の多さ。ただ、今回のバラかやくは赤ピーマンとコーン、どちらもスープと対極的な特有の甘味が映えていて、きちんと相性のいい組み合わせではあるものの、すべて野菜なので肉っ気はありません。
風味が自然な反面、どれも食感はクタクタなので、被ってもいいから「こく野菜タンメン」に入っていた歯ごたえのいい青梗菜とスパイシーな味付挽肉が恋しくなりました。特に今回のスパイシーなスープには大きめの味付挽肉が抜群に合いそうだったこともあり、草食系な構成が物足りなくも思えたのですが、これだけ野菜どっさり入ってるのに文句言ったらバチが当たりそうですね。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
麺は最近の汎用麺になった新世代のフライ麺で、「本気盛(マジモリ)」を代表とする東洋水産の縦型ビッグで懸念されがちだった無骨な麺から脱却。FDブロックに強いマルちゃんらしく野菜も7種類たっぷりで、意外と辛いスープにはいい意味で予想を裏切られました(※とりあえず中辛以上のカレーがダメなら注意が必要です)。
想像以上にスープがシャープだったので、今度は野菜いっさい無し、肉食系のアニマルオンリー「3種の肉のスパイスカレーラーメン」みたいな別パターンも食べてみたいですね。今回、ちょっと夏向けの商品としては遅めのリリースでしたが、これから秋に向けて肌寒くなってくる季節、冷えた身体も内側からポカポカしてくる辛さですよ。