どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年9月30日(月)新発売のカップ麺、日清食品「贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺」の実食レビューです。
イオン限定の高級カップラーメン「贅の逸品(ぜいのいっぴん)」がリニューアル!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺
贅の逸品(ZEI NO IPPIN)とは、イオングループと日清食品の共同開発商品で、当初はÆON(イオン)上場40周年特別感謝商品として企画されたもの。以来、本州・四国のイオンリテールを中心に定番化されているのですが、本体価格298円(消費税率8%で税込321円)が基準となっている高級なカップラーメンのブランドです。
初めて「贅の逸品」が発売されたのは、ちょうど5年前の同時期に当たる2014年9月29日。熨斗をイメージした高級感あふれるパッケージで、日清食品が誇る自慢の厚切焼豚を3枚も入れた醤油味「贅の逸品 厚切焼豚三枚入り 旨み醤油ラーメン」と厚切焼豚2枚×コーン入りの味噌バージョン「贅の逸品 たっぷりコーンと厚切焼豚入り 濃厚味噌ラーメン」が同時に登場しました。
翌2015年2月24日には、豚骨バージョンの新作「贅の逸品 たっぷりねぎと厚切焼豚入り 黒マー油豚骨」を発売。その3ヶ月後となる2015年5月25日に塩バージョン「贅の逸品 たっぷり野菜と厚切焼豚入り 芳醇鶏しおラーメン」を発売しているのですが、塩ラーメンのみ値段が税別298円から税別278円に値下げされます。
上記の「醤油」「味噌」「豚骨」「塩」は、いずれも「特別感謝商品上場40周年」のロゴマーク入りで、2016年7月4日発売「贅の逸品 厚切焼豚入り 博多とんこつラーメン」から単純にイオングループ限定の高級カップ麺として販売。その後、2017年9月26日発売「贅の逸品 芳醇鶏醤油ラーメン」と2017年12月8日「贅の逸品 濃厚豚味噌ラーメン」が最近まで店頭に並んでいましたが——
今度はイオンの50周年記念商品として、「贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺」と「贅の逸品 濃厚味噌チャーシュー麺」を2019年9月30日に同時発売。いずれも本体価格298円(2019年10月7日現在の税込価格321円)で、前回の「芳醇鶏醤油ラーメン」と「濃厚豚味噌ラーメン」は、すでに製造終了商品となっています。
念のため日清食品にも確認を取ったところ、今回の新商品は「芳醇鶏醤油ラーメン」と「濃厚豚味噌ラーメン」のリニューアル商品で、公式の発売日は2019年9月30日(月)となっているのですが、実際は本州・四国のイオン及びイオンスタイルが対象の50周年記念セールに合わせて搬入している店舗が多く、近畿地区のイオンでも今週の新商品として販売されていました(なぜか棚の最下段で)。
関東にある一部のマックスバリュ店舗でも取り扱われているようですが、販売店はイオングループの大型店舗(本州・四国のイオン及びイオンスタイル)限定で、コンビニのミニストップやドラッグストアのウエルシアなどでは売ってないそうです。また、今回の「背脂醤油チャーシュー麺」及び「濃厚味噌チャーシュー麺」は “数量限定商品ではない” とのこと。
さらに明星食品のイオングループ限定ブランド「味の三代目」も “50th anniversary” のロゴ入りで再登場しているのですが、そちらは数量限定商品で、「贅の逸品」は税込321円の高級品なのに対し、「味の三代目」は大盛りなのに税込105円の格安カップ麺として販売されています(※なお「味の三代目」は初版から “いきなり三代目” で、初代と二代目は存在しません)。
開封
別添の小袋は、「液体スープ」「焼豚」「かやく」の3袋。パッケージは「濃厚味噌」と色違いで、どちらも “自慢の厚切焼豚2枚入り” のチャーシュー麺。醤油は “背脂” の浮かぶ香り高い濃厚コク旨スープをアピールし、パッケージの中央には達筆で「贅の逸品」と書かれた高級感あふれるデザインで登場しました。
あわせてイオンの50周年記念アイテムを意味する “50th anniversary” のロゴマークが小さく印刷されていますが、先ほど “数量限定商品ではない” と書いたように、50周年記念セールが終わってからも販売される継続商品らしく、一定の時期を過ぎたらアニバーサリーのロゴマークが消え、しばらくの間は引き続き定番商品として販売が続けられるそうです。
容器のサイズは必要なお湯の目安量460mlの大判どんぶり型で、もちろん麺は油揚げ麺ではなくノンフライ麺を使用。チキンエキスや大豆食物繊維を練り込んでいる日清食品の高級カップ麺で定番の原材料名となっているのですが、それだけに日清食品あるあるネタと言っても過言ではない麺の戻りにくさ(ほぐれにくさ)が最大の懸念。果たして、今回は適切に戻るでしょうか——
製品詳細情報・購入価格等
製品名:贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺 製造者:日清食品株式会社 製造所:関東工場(A)茨城県取手市清水667-1 内容量:131g(めん70g) 商品コード:4902105261156(JANコード) 発売日:2019年09月30日(月) |
麺の種類:ノンフライ麺 スタイル:大判どんぶり型 容器材質:プラ(PS) 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:3袋(液体スープ・焼豚・かやく) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】めん(小麦粉(国内製造)、食塩、植物油脂、チキンエキス、しょうゆ、卵粉、大豆食物繊維)、スープ(しょうゆ、豚脂、にぼし調味油、鶏脂、しょうゆ調味料、ポークエキス、食塩、香辛料、にぼし粉末)、かやく(チャーシュー、ねぎ)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、かんすい、炭酸Ca、酒精、香料、増粘剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンE)、焼成Ca、カロチノイド色素、酸味料、乳化剤、ビタミンB2、ビタミンB1、香辛料抽出物、(一部に小麦・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
先入れの小袋は「焼豚」と「かやく」の2袋、あいかわらず他社を圧倒する巨大な厚切焼豚の存在感は凄まじく、ちゃんと側面に焼き目が見られる焼豚(やきぶた)なのが好印象。かやくの小袋に入っているのはネギのみで、メンマやナルトなどの具材は入っていませんが、自慢の厚切焼豚2枚かつ巨大な白ネギが目立っています。
ところで厚切焼豚の入っていた小袋には、製造者ではなく “販売者” 日清食品株式会社と記載されていて、先ほどの写真でも確認できる「R」の文字。日清食品の製品に表示されている製造所固有記号(基本表示場所は賞味期限横)が「R」となっていた場合、それは「東日本明星株式会社 埼玉工場」で製造していることを意味しているため、もしかすると焼豚の製造者は——
などと考えている間に指定の4分が経過。液体スープの小袋は、お湯を注いでから待っている間にフタの上で温めます。お湯を入れる前に液体スープを入れると麺が適切に戻りませんので、かならず “食べる直前に” 入れてください。それでは、税込321円という値段も加味しつつ、「めん」「スープ」「具材」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(131g)当たり
カロリー:476kcal |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:476kcal(めん・かやく:330kcal)(スープ:146kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
ちゃんと熱湯4分しっかり待ってからフタを剥がし、液体スープを入れる前に麺をほぐしたのですが、やはり懸念は的中。2019年7月に製造終了、現在は終売商品となったカップラーメン版「行列のできる店のラーメン」シリーズ後期のノンフライ麺ほど致命的に頑固なわけではないけれど、ほぐれにくさが気になります。
丸刃でカットされた滑らかな口当たりの平打ち中細麺で、加水率は中くらい。やや今回のスープに対して麺の存在感は頼りなく、ちょっとゴムっぽい弾力と写真のように麺の端が束になっているのが困ったところ。束になっている部分は時間が経っても硬いままですし、他の箇所は伸びやすく、食べ始め直後は全体的にコシが強かったんですけど、早い段階からブチブチと切れるような食感に変わりました。
たとえば同社の「日清麺NIPPON」シリーズと同じメーカー希望小売価格230円(税抜)なら上記の問題も許容できるのですが、今回はイオンリテール(スーパーマーケット)で購入しても税込321円のフラッグシップモデル。結果的に後述するスープの出来と厚切焼豚2枚入りを思えば納得できましたが、2018年ごろから日清食品の高価格帯商品このパターン多いですね。
スープ
ノンフライ麺を使用した製品は比較的にカロリーが低く、たとえば同社の「麺職人」なんてスープのカロリーが20kcal以下になることもザラ。けれども今回の「贅の逸品 背脂醤油」は、スープ単体で146kcalと想像以上にオイルリッチで、口径の広い大判どんぶり型の容器にもかかわらず、 “チャーシューを取り出した状態でも湯気が立たないほどの油膜”(3mm以上)を形成する勢い。
上記の写真は、スープを何口か飲みながら麺と焼豚を食べ終わった直後に撮影したもので、この時点でも3mmちかい油膜が残っています。このオイルは豚脂と鶏脂をブレンドした動物油脂が主体となっているのですが、煮干し調味油もブレンド。しかも “ちょっと魚臭いくらい” 煮干しの癖が強いので、煮干し系のラーメンが苦手な方は確実に好みから外れると思います。
スープだけで食塩相当量6.3gという高めの数値が表しているように、こってり感を強めに打ち出しながら醤油のキレも鋭く、体感的な塩分濃度も高め。背脂の粒も多めに入っているのですが、写真でも醤油色に染まっているように、エッジの効いた醤油ダレが染み込んでいるため、背脂特有の甘味よりも塩っぱさが先行する背脂でした。
ちょっとスープ単体では塩気が強すぎる気もしますけど、あえてエグみを残した煮干しの癖が心地よく、動物油脂をクドいと思わせないフレッシュな醤油ダレも慣れるとクセになるというか、うん。動物系は清湯系の豚骨が主体、ほぼ煮干し以外の魚介は不使用、なおかつ煮干しが強烈で醤油は濃いめという構成から “異様に白ご飯との相性がよかった” ので、くれぐれもご注意ください。
具材
調理前から焼き目が視認できたように、極厚のチャーシューは実際に炙りの工程を経て製造されたもので、部位は脂身の多いジューシーな食感と甘みが魅力的な豚ばらチャーシューといったところ。今回のチャーシューは、2枚とも赤身と脂身が半々くらいのバランスだったのですが——
同じ店舗で購入した「贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺」(2食目)を調理してみたところ、ほぼ2枚とも脂身の量が圧倒的に少ない赤身メインの焼豚だったので、けっこう個体差が生じているかもしれません。ただ、どちらも焼き目が施されていますし、ネギ嫌いの人が卒倒しそうなほど巨大な輪切りネギは共通のポイント。
部分的に青い箇所も入っていますが、同社の下仁田系ネギを彷彿とさせる太い白ネギを輪切りにしたもので、周りはシャッキシャキ。反面、中は加熱した太ネギ特有のトロッ‥とした粘り気のある成分と甘味が楽しめるリアルなもの。ただ、これだけ別の小袋に入っているので、「かやく」の小袋(緑)さえ開封しなければ、ネギが嫌いな方でも安心してお召し上がりいただけます。
総評
★★★★★☆☆☆☆☆(★5)
まずサプライズだったのがスープの「煮干し」で、商品名にもパッケージにも “にぼし” なんて一言も書いてありませんが、「贅の逸品 背脂醤油チャーシュー麺」のラーメンジャンルは完全に “背脂煮干ラーメン” です。それも煮干し系しょうゆラーメンや魚臭いスープが苦手な方は、意識して避けたほうが安全なくらい、記憶に残る煮干し感でした。
麺のほぐれにくさと醤油の濃さが気になるところではあるものの、硬派に煮干しの癖まで打ち出していた個性派だったので、煮干し出汁と厚切焼豚については手放しで好印象。ガチの煮干しラーメンほど強烈ではないけれど、白ご飯との相性も抜群。ふとまた食べたくなる常用性を感じたので、煮干しと背脂が大丈夫なら試す価値は充分あると思います。