どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年10月7日(月)新発売、マルタイのカップ麺「縦ビッグよしもとカレーラーメン」(313円+税)の実食レビューです。
吉本興業東京本部の社員食堂「Munch Lunch(マンチ ランチ)」で絶大な人気を誇るメニュー「よしもとカレー」の味わいをカップラーメンとして商品化!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
よしもとカレーラーメン
よしもとカレーとは、吉本興業東京本部にある社員食堂「Munch Lunch(マンチ ランチ)」において最も高い人気を誇っているメニューで、社員食堂という特性上、当初は吉本興業の社員や芸人さんしか食べられないカレーでした。しかし、あのカレーを自宅でも食べられたら——という関係者の願いを受け、2021年にレトルト食品化が決定。
同年11月23日に数量限定で発売されて以降、2022年・2023年にも「勤労感謝の日」に発売され、今年も例に漏れず。そのため11月23日は「よしもとカレーの日」に制定されているのですが、まさかのカップラーメンになったのが本商品で、販売者は福岡県福岡市西区に本社を置くマルタイ。
九州を超えて全国に展開できる面白い商品を作りたい! というマルタイの想いと、よしもとカレーで日本全国を笑顔にしたい! という吉本興業の想いが一致し、カップラーメンとしての商品化が決定したようですが、2012年(平成24年)7月以降、マルタイの工場では即席カップめんを生産していません。はい、ここからマニアックな話を挟みますよ。
即席カップめんの製造所は、原材料名や内容量などが印刷されている情報欄を確認すれば一撃で分かる場合と、製造所固有記号は○○に記載の2パターンあり、今回は後者。本商品の製造所固有記号は「+W」となっているため、結論からいうとサンヨー食品のグループ企業である太平食品工業の関西工場(奈良県大和郡山市額田部北町944)で製造されています。
サンヨー食品とマルタイは、2009年(平成21年)10月に資本・業務提携を締結、翌年(平成22年)9月より「長崎皿うどん」を除くマルタイの袋麺は太平食品工業の工場で生産。その流れでカップ麺の生産も委託されたのですが、大盛りバケツ型の製造ラインは保有していないため、そちらはサンヨー食品のグループ企業であるエースコックに生産を委託しています。さて、よしもとカレーに話を戻しましょう。
筆者は「Munch Lunch(マンチ ランチ)」で提供されているメニュー及びレトルト食品の「よしもとカレー」も未体験なので、再現度の高さは評価できないのですが、マルタイ曰く “甘さから入り、スパイスの刺激が心地よく押し寄せ、野菜をじっくり煮込んで引き出した自然の甘みにあふれた味わい„ が特徴とのこと。
マルタイのニュースリリースを見る限り、社員食堂の「よしもとカレー」を再現しているようですが、同ページにはレトルト食品化の際にこだわった「泉州たまねぎ」についても言及されていたので、レトルトカレーの「よしもとカレー」も意識しているのかも?
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを半分まで剥がし、熱湯を注いで3分後、よく混ぜたらOKの簡便性に優れたスタイル。麺は太平食品工業の関西工場で製造したフライ麺ということで、だいぶスナック的なパターンが予想されるのと、具材も少なめのファーストインプレッション。
ちなみにX(Twitter)を中心とするSNS上の評判・口コミでは「どこにも売ってない」「どこで売ってる?」などの投稿が散見していたのですが、なるほどローソンやセブン-イレブンでの取り扱いは確認できず、筆者はファミリーマートで発見。コンビニの留型ではない、量販店や一般小売店も販売店の対象に含まれるNB(ナショナルブランド)商品なのですが、ファミリーマートが手堅い模様。
ただ、注目すべきは販売価格。マルタイの公式サイトにメーカー希望小売価格は表示されていませんが、ファミリーマートでは1食あたり318円(税込)だったので、希望小売価格は313円(税別)。2024年11月現在、縦型ビッグの希望小売価格は271円(税別)を基準としているメーカーが大半ですから、それを大幅に上回る設定になります。つまり、コストパフォーマンスが大きな論点。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:縦ビッグよしもとカレーラーメン 販売者:株式会社マルタイ 製造所:太平食品工業株式会社 関西工場 内容量:89g(めん70g) 商品コード:4902702011062(JAN) |
発売日:2024年10月07日(月) 実食日:2024年11月23日(土) 発売地域:全国 取得店舗:コンビニ(ファミリーマート) 小売価格:313円(税別) 購入価格:318円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ(PP) 湯量目安:430ml 調理時間:熱湯3分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん〔小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス、しょうゆ、卵粉〕、スープ(砂糖、食塩、香辛料、クリーミングパウダー、粉末しょうゆ、ポークエキス、野菜粉末、たん白加水分解物、でん粉、酵母エキス)、かやく(鶏・豚味付肉そぼろ、フライドオニオン、ニンジン)/ 調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、カラメル色素、炭酸Ca、香料、かんすい、微粒二酸化ケイ素、クチナシ色素、酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)、乳化剤、甘味料(アセスルファムK)、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
実食開始
太平食品工業はサッポロ一番の名作「和ラー」に匹敵するハイクオリティな油揚げ麺も保有しており、それは調理前の段階で分かるほど。他とは異なる洗練された佇まいなのですが、今回の油揚げ麺は‥‥違いますね。有名店の自家製麺を再現した商品とかではないので、そっち系のハードルは意識しなくていいけれど、引き続き気になるのは値段との兼ね合い。
あとは内側の線まで熱湯を注ぎ、フタをして待つこと3分。時間になったらフタを開け、よく混ぜ合わせたら出来上がり。香りは‥‥普通w これといってクセの強いスパイスを使用しているとか、玉ねぎの存在感めちゃ強とか、そういった個性が伝わってくることはなく、とても普通w
よしもとカレーの特徴は、泉州たまねぎを使用した “甘さから入り、スパイスの刺激が心地よく押し寄せ、野菜をじっくり煮込んで引き出した自然の甘みにあふれた味わい„ とのことなので、その臨場感についてはもちろん、コストパフォーマンスにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(89g)あたり |
カロリー:418kcal たん白質:7.7g 脂 質:21.1g 炭水化物:49.3g 食塩相当量:7.1g (めん・かやく:1.9g) (スープ:5.2g) カルシウム:122mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:418kcal(めん・かやく:319kcal)(スープ:99kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
これはこれで魅力的だけど‥‥
いかにも普通の油揚げ麺です、みたいな雰囲気を醸しておりますが、適度な弾力を持ち、しなやかでハリのあるファーストインプレッション。しかし、それが楽しめるのは最初の最初だけ。表面のハリは長めに続いてくれるものの、弾力については瞬く間に衰えてしまうので、食感は強くありません。
サンヨー食品(太平食品工業)が誇っている、まるでノンフライ麺のような油揚げ麺とは別物で、いかにも普通。揚げ油に由来する風味も強めに主張してくるため、これぞスナック的な油揚げ麺ど真ん中。正直、値段相応の仕上がりとは思えないクオリティです。
ただ、揚げ油に由来する芳ばしさと後述するスープの相性が極端に悪いわけではなかったので、カップラーメンでしか食べられない魅力に触れたい気分の日には “こういうのがいいんだよ„ と、プラスに働いてくれる可能性が無きにしも非ず‥‥でしょうか。
スープ
再現度は低いのでは‥‥
レトルトの「よしもとカレー」には「泉州たまねぎ」を使用していると前述しましたが、カップラーメンのスープに玉ねぎの要素は目立っておらず、極めて凡庸なテイスト。後味に粉末しょうゆの余韻が強く残ったので、それが「よしもとカレー」の特徴なのかなと。あらためて「レトルトカレー」の原材料名を調べようと検索してみた結果——
「いずみ 赤鶏さつま編」「つやま 牛そずり肉編」「とおかまち 妻有ポーク編」「いさはや 長崎ばってん鶏編」」「かわごえ 里芋けんちん編」「しんしゅうなかの 三種のきのこ編」「かねやま ビーナッツ編「成田空港 マッシュルーム&ポーク編」など、多数のバリエーションが存在し、なおかつ「つやま」と「いさはや」はスープカレーっていう。モデルの幅が広過ぎた件w
なんにせよ今回の「よしもとカレーラーメン」は、奇抜な香辛料や素材を採用した感じのカレー味ではなく、辛さについても控えめで、粉末しょうゆの余韻が妙に長かったこと。それからポークエキスと油揚げ麺から滲み出る風味の関係か、ラードっぽい芳ばしさが強く、そこも印象に残りました。それが「よしもとカレー」全体に通じる特徴ではなさそうですけど。
かやく
よろしくない
かやくは鶏・豚味付肉そぼろ、フライドオニオン、ニンジンの組み合わせで、やっとこさ分かりやすく玉ねぎ登場なんですけど、313円(税別)のカップラーメンとは思えない貧弱さ。鶏・豚味付肉そぼろはジャンクで美味しかったし、フライドオニオンは芳ばしかったし、ニンジンは‥‥ぶっちゃけ記憶に残ってない()
これでフライドオニオンたっぷりだったら、泉州たまねぎ意識してるんだなーって頷けますけど、この構成だと悪い意味で汎用的な印象を強めているように感じました。
総評
「おいしい」or「まずい」でいえば “後者ではない„ と答えますし、吉本興業に支払うロイヤリティを思えば納得できなくも‥‥否、それを踏まえてもコストパフォーマンスが悪いと評価せざるを得ない仕上がり。コラボの希少価値を含め、星ひとつプラスしましたが、このブログでは及第点を付けられません。
余韻に残る醤油感とラードっぽい風味が「よしもとカレー」の特徴なのであれば、再現度の高さを評価できるポイントになるけれど、公式が訴求していた “甘さから入り„ は人工甘味料。そのため “野菜をじっくり煮込んで引き出した自然の甘み„ とは程遠く、いまいち特徴が掴めませんでした。そんなの気にしねーよ!w であれば、話のネタにはなると思います。【author・taka :a(大石敬之)】