どうも、taka :aです。
本日の一杯は、2019年5月13日(月)新発売のカップ麺、サンヨー食品「サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎」の実食レビューです。
東京・渋谷センター街総本店「野郎ラーメン」監修シリーズ第4弾は初の激辛カップラーメン!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。お時間よろしければ、最後までお付き合いください。
野郎ラーメンの激辛カップ麺 激辛大爆発野郎
「野郎ラーメン(やろうラーメン)」とは、 “野郎がワシワシ食べる本格ガッツリ系ラーメン” を提供している二郎インスパイア系のラーメン店で、しかしながら無料でヤサイマシマシ(野菜追加)できないこと、また二郎系では定番の茹で野菜ではなく “焼き野菜”(炒め野菜)をトッピングしている特徴的なスタイルから「二郎亜流」系とも呼ばれています。
女性店員さんが “豚野郎のお客様〜” と笑顔で罵ってくれることでも有名なお店なんですけど(※豚野郎=チャーシュー増しの野郎ラーメン)、そんな「野郎ラーメン」で2019年4月11日から提供されていた期間限定の激辛メニュー「激辛大爆発野郎(げきからだいばくはつやろう)」を再現したのが今回のカップラーメンで、スープは激辛豚骨醤油味。
現在は2014年10月16日にオープンした東京・渋谷センター街の店舗を総本店としているのですが、もともとは前島司さんが代表を務める「せたが屋」系列の「大ふく屋」で、一部の店舗限定メニューとして試験的に提供されていた「野郎ラーメン」の人気が高く、それを独立させるかたちでメニュー名を屋号にあらため「野郎ラーメン 神田本店」を2010年3月29日11時に開業。
2019年5月現在の運営母体は「株式会社フードリヴァンプ(Team86)」、フードリヴァンプ代表の林正勝さんは19歳で飲食店の経営を始めた経歴を持ち、29歳の時に前島司さんと共同出資で「豚骨世界 大大」をオープン。2007年に「大ふく屋」と「野郎ラーメン」をブランド化しているのですが、不良少年だった林社長は弛んだボディのヘソ出しマスコットキャラクター “野郎おじさん” とは正反対の筋肉質で厳ついルックスです(笑)。
「野郎ラーメン」に二郎系のラーメン店で唱えられている「ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク」などの呪文(コール)は通用せず、前述したように野菜が油で炒めてあること、また無料トッピングが少ないことから真のジロリアン(ラーメン二郎が好きすぎる人たち)からは物足りないという意見も多い反面、逆に注文方法や回転率など、お店に対する配慮のハードルが低いのは利点。
世間的なジャンルとしては二郎インスパイア系とされていますが、神田本店オープン当初から二郎インスパイア系との差別化をコンセプトに掲げ、女性店員の多さと実は女性客が多いのも二郎系との大きな違いと言えるかもしれません。
お店の公式アカウント(ツイッター)が投稿していた「激辛大爆発野郎」には、東京・駒場にある「ラーメン千里眼」の「辛揚げ」(辛い揚げ玉)を彷彿とさせる大量の赤い揚げ玉が投下され、もやしタワーのテッペンに卵黄鎮座でニラが少々。そして「豚野郎」で定評のある豚がトッピングされているのですが、実店舗での詳しいレビューはネット上に見当たりませんでした。
サンヨー食品とのコラボ(カップ麺の歴史)は第1弾「サッポロ一番 野郎ラーメン 豚骨野郎ラーメン」(2017年2月13日発売)を皮切りに、第2弾「サッポロ一番 野郎ラーメン 汁無し野郎」(2017年8月28日発売)、第3弾「サッポロ一番 野郎ラーメン 豚骨野郎ラーメン(2回目)」(2018年5月14日発売)と続き、すべて感想と評価を記録しているのですが、今回の第4弾「激辛大爆発野郎」はシリーズ初の激辛カップ麺です。
開封
別添の小袋はフタの上に貼り付けてある「野郎ラーメン特製調味油」が1袋で、使い回しのパッケージ(仕上げの小袋)ではなく特注のデザイン。ここにも “野郎おじさん” がデーンとヘソ出しでダブルピース‥‥だらしない体型だけど愛嬌ありますよねw これまでのコラボでは無色透明の特製調味油に炒め野菜の香りが添加してあったのですが、今回どんなオイルなのかも要チェック。
容器の材質はサンヨー食品で定番だったプラ(PS)容器に胴巻き紙スタイルではなく、カップ自体の材質から紙製なので、外装フィルムに開封口のテープはありません。で、中にはキャベツと肉そぼろ系の肉具材、粗挽きの赤唐辛子がチラホラと——二郎インスパイア系というジャンルを度外視しても具材は頼りないと言わざるを得ません。
容器側面のパッケージ正面には持ち上げられた麺の上に赤唐辛子がドサッとトッピングしてあったので、エースコックよろしく「ふりかけ」も付いた二段構えを予想していたのですが、小袋は特製調味油1袋のみでした。ところで「激辛大爆発」が家電量販店の「激安大安売」にも見えるのは私だけでしょうかw
製品詳細情報・購入価格等
製品名:サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎 販売者:サンヨー食品株式会社 製造所:太平食品工業株式会社 本社工場・A(群馬県前橋市) 内容量:100g(めん70g) 商品コード:4901734037361(JANコード) 規格サイズ:φ112×118(mm) 発売日:2019年05月13日(月) |
麺の種類:油揚げ麺(かんすい使用) スタイル:縦型ビッグ・大盛サイズ 容器材質:紙 湯量目安:410ml 調理時間:熱湯5分 小袋構成:1袋(野郎ラーメン特製調味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、でん粉、食塩、野菜エキス、しょうゆ)、スープ(糖類、食塩、ポークエキス、豚脂、香辛料、しょうゆ、植物油脂、油脂加工品、香味食用油、酵母エキス、チキンエキス、デキストリン、発酵調味料)、かやく(キャベツ、鶏・豚味付肉そぼろ、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、香料、カラメル色素、増粘剤(キサンタン)、香辛料抽出物、かんすい、クチナシ色素、微粒二酸化ケイ素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンE)、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉を含む) |
【本品に含まれるアレルギー物質】小麦・卵・乳成分・ごま・大豆・鶏肉・豚肉(特定原材料及びそれに準ずるものを表示) |
実食開始
麺は太めの油揚げ麺で、湯戻し時間は熱湯5分。具材の少なさに頼りないスタートダッシュが否めず、現段階で視認できる粗挽き唐辛子の量も多いとは言えませんが、けっこう唐辛子の香りが強いですね。サンヨー食品の激辛系カップ麺はオイルよりも粉末唐辛子の量で勝負してくるパターンが多く、今回も同じような雰囲気が漂います。
別添の特製調味油はオレンジがかったラー油っぽい色で、それを投入する前はハバネロ系の香りが優勢だったところ、やはり開封した瞬間から鮮烈に香ってくる野菜を炒めたような調理感は素晴らしいの一言に尽きました。これまでのコラボ商品と香りのベクトルは同じですが、サンヨー食品は激辛カップ麺に強く、特に最近は勢いのあるメーカーですからね。
ただ、カップ麺の仕上がりは本物の「激辛大爆発野郎」と比較して清々しいほどに別物です。せめて揚げ玉、もしくは別添で大量の粗挽き唐辛子(ふりかけ)が入っていたらパッケージのイメージ写真にも納得できたんですけど、けっこうイメージは違いました。
「野郎ラーメン」の特徴でもある炒め野菜の風味は早くも大丈夫ですが、辛さレベルや中毒性の高い甘さ(これもポイント)にも注目しつつ、「めん」「スープ」「かやく」の順に解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(100g)当たり
熱 量:450kcal(カロリー) |
参考値(調理直後に分別して分析) 熱量:450kcal(めん・かやく:333kcal)(スープ:117kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品パッケージに記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
しっかりとした食べ応えがあり、味付けをすることでスープのなじみのよい太めんに仕上げています。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎)
指定の熱湯5分ちゃんと守って撮影の前に食感を確かめたところ、まだ適切に戻っておらず、ところどころに芯が残っていて、かなり油揚げ麺臭も強めに感じます。1分ほど休ませても悪い意味で硬く、2分(お湯を注いでから合計7分)ほど経過しても揚げ麺特有のサクッとした部分が残っていたので、さらに1分ほど休ませたところ戻りムラは解消されましたが、もう弾力は頼りない状態に——
お店ではカネジン食品の麺(やや二郎系よりも細い中太麺)を使用、カップラーメンでは丸刃でカットされた厚みのある太めの縮れ麺を採用しているのですが、太さのわりに食感の劣化スピードは早く、戻りムラが解消される頃には途端にプリッとした歯切れの良さが目立ってきて、もちもち食感ではありません。見た目ほど重量感のある麺ではなかったのと、けっこうスープを弾く肌だったので、製品説明とは判定にスープなじみの悪さも気になります。
ごわごわした無骨で洗練さに欠ける印象はインスパイアっぽくて好印象だったんですが、サッポロ一番のカップちゃんぽん系に使われるタイプの太麺だったので、もうちょっと粘り気のある弾力も意識してほしかったのと、亜流とはいえ二郎インスパイア系の名店――麺70gは一部のブランドを除く変わり種の定量なので、特別に少ないわけではないのですが、可もなく不可もなしの印象でした。
スープ
豚骨のうまみに、ガーリックのコクと炒めた野菜の香ばしい風味を合わせ、唐辛子をきかせました。ガーリックの風味と唐辛子の刺激的な辛みが特徴の激辛豚骨醤油味スープです。
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎)
「野郎ラーメン」の基本スープは “甘い” ので、その甘さが苦手——という意見もある反面、その甘さにジャンクな中毒性を覚えるファンも多いのですが、原材料の筆頭に「糖類」の記載があるように(※原材料名は使用量の多いものから手前に記載)ベースのスープは甘みが強く、同時に特製調味油を入れる前から “ちゃんと辛い” のが好印象。
最初に唐辛子特有の芳ばしい香りを強く感じたと書きましたが、実際に味覚としても唐辛子味が強めにあって、使用している唐辛子の品種には確実に「ハバネロ」が混ざっています。というのも風味や香りにハバネロ特有のコク(癖)を感じたからなんですが、けっこう前面で主張していたので、ほぼほぼ間違いありません。なので最初そんなに辛くない——と思いきや、じわじわ後から追ってきます。
瞬発力のない遅効性・蓄積型の辛さもハバネロの特徴になるのですが、粗挽き唐辛子よりも最初から粉末スープに仕込んであったパウダー状の唐辛子が辛さの源泉。「豚骨」については豚骨というよりもポークパウダーっぽい人工的な旨み成分で、じっくり骨を炊き出したような乳化感は得られませんし、「醤油」についても粉末で軽めなんですけど、化学調味料っぽい旨味を軸に、取って付けたような甘さとガーリックパウダーがジャンクでイイですねw
「野郎ラーメン特製調味油」単体の辛さレベルは中辛程度ですが、とにかく炒め野菜の香りが特徴的で、投入した瞬間いっきに臨場感が増す主役級のアイテム。もやしを炒めたような風味が調理感を醸し、お店の「焼き野菜」を彷彿とさせます。そして最終的な辛さレベルは、辛い食べ物が苦手な方にとっては余裕で「激辛」、辛い食べ物が得意なら「大辛」くらい。
まだ「激辛大爆発野郎」の1ヶ月前に発売された「サッポロ一番 ギロチン監修 激辛焼そば」(2019年4月15日発売)が残っている店舗も多いですが、「ギロチン」の辛さレベル「鬼」よりはマシです。で、ふと思ったんですけど今回のパッケージ、どこにも “辛い食べ物が苦手な方は——” という定番の注意事項(警告文)が見当たりませんでした。
かやく
キャベツ、肉そぼろ、唐辛子
(出典:サンヨー食品オフィシャルサイト「ホーム > 製品情報 > サッポロ一番 野郎ラーメン 激辛大爆発野郎)
お店では茹で野菜もオーダーできるのですが、カップ麺の野菜は焼き野菜(炒め野菜)ではなく一般的な茹でキャベツ。しかも野菜はキャベツのみなので、もやしやニラは入っていませんし、卵黄はともかく辛そうな揚げ玉も見当たらず、ぜんぜんキャベツの量も多いとは言えません。で、そのキャベツなんですけど、なぜか妙にカットが細かいw
わざと小さなキャベツをピックアップして撮影したのではなく、ほとんど写真のように1cmくらいの大きさにカットしてあったので、キャベツとスープの一体感は高かった反面、まったくキャベツから食べ応えは得られません。そして肉そぼろはジャンクなカップ麺らしい味付けが好印象ではあったものの——
キャベツと同じく量は小さめで、しかも5個。それにパッケージではドサッとトッピングしてあった粗挽き唐辛子ですが、実際のとこスープの粉砕唐辛子パウダーが辛さのメインだったので、少量の粗挽き唐辛子は埋没していました。
総評
★★★☆☆☆☆☆☆☆(★3)
涙が出るほどスープは辛くないので、「激辛大爆発野郎」というネーミングが放つインパクトほど強烈な辛さではないように感じたのですが、ぜんぜん辛くないわけではありません。市販品として大辛〜激辛クラスには到達していますし、「野郎ラーメン」らしく炒め野菜の風味は素晴らしかった反面、麺は個性的でもスープを弾く嫌いがあり、具材についてはイマイチと言わざる得ませんでした(というわけで「大爆発野郎アレンジ3選」にも挑戦してみたので、よかったらあわせてご覧ください)。
とりあえず唐辛子の辛さと炒め野菜の風味を加味して総評は及第点としましたが、パッケージほど粗挽き唐辛子は入っていませんし、大きな豚野郎は無理だとしても、お店で提供されていた「激辛大爆発野郎」のように揚げ玉・もやし・ニラなどはカップ麺でも再現できますから、ちょっと厳しめに見ているかもしれません。おそらく第5弾も出ると思うので、次はノンフライ麺を使った「汁なし野郎」や「味噌野郎」も食べてみたいですね。