どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2024年6月3日(月)新発売、東洋水産のカップ麺「やみつき屋 牛だし旨辛ユッケジャン味ラーメン」(271円+税)の実食レビューです。
合言葉は “味濃いめ„ やみつきになる味の「やみつき屋」シリーズ最新作は韓国の代表的な家庭料理をカップラーメンにアレンジ!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
やみつき屋 牛だし旨辛ユッケジャン味ラーメン
やみつき屋とは、2006年(平成18年)5月1日発売の「辛味噌ラーメン」を皮切りに、マルちゃんの東洋水産が展開している即席カップめんシリーズで、当初は個々に魅力的な訴求ポイントを持つ、商品設計の高いカップラーメンとして発足しましたが、時代のニーズに合わせてコンセプトを刷新。現在は「味濃いめ」をキーワードに、やみつきになるフレーバーをスポット的に展開しています。
今回の新商品「やみつき屋 牛だし旨辛ユッケジャン味ラーメン」は、韓国の代表的な家庭料理である「ユッケジャン」の味わいを「やみつき屋」流にアレンジしたカップラーメンで、飛ぶ鳥も落つコリアン・コンテンツのブームに便乗した一杯。コロナ禍で隆盛を極めた “二郎インスパイア系„ に端を発する空前のニンニク推しは落ち着きを見せ、その傾向は激辛も然りなのに、韓国系だけは止まらんすね。
あらためましてユッケジャン(육개장、Yukgaejang / Yook Gae Jang)とは、牛もも肉や牛かたロースを中心に、長ネギや豆もやし、大根、わらび、ぜんまい、キノコなど、たっぷりの野菜を加えて煮込んだスープの名称で、滋養強壮グルメとして名高い参鶏湯(삼계탕、サムゲタン)と並び、補陽食(보양식、ポヤンシッ)あるいは補身飲食(보신음식、ポシンウムシッ)と呼ばれている伝統的な韓国料理の一つ。
即席カップめん業界における「ユッケジャン」が題材の商品といえば、1982年に農心(NONGSHIM、辛ラーメンを作ってる会社)初のカップラーメンとして登場し、かれこれ40年以上も愛され続けている「ユッケジャンラーメン カップ(육개장 사발면)」が現存するため、新進気鋭のフレーバーではないけれど、日本の即席カップめんメーカーが手掛ける韓国系の商品としては、他と比較して珍しいチョイス。
直近だと、2024年3月11日に韓国大好き日清食品が「カップヌードル 牛だしユッケジャン ビッグ」を発売しているため、このブログでもレビューしているのですが、異様に甘くて‥‥w というのは日清食品の韓国系あるあるなんですけど、やみつき屋の「牛だし旨辛ユッケジャン味ラーメン」も縦型ビッグの大盛りサイズ。それでも最後まで飽きることなく楽しめるのか、マルちゃんの手腕が問われるところ。
開封
今回のカップ麺に小袋は別添されていないため、フタを開けたら熱湯を注ぐだけでOKの手軽さが魅力。なかには例外もありますけど、縦型ビッグのカップラーメンは基本的にコンビニエンスストアでの取り扱いを前提に開発されるため、簡便性の高さは重要な課題に位置している要素の一つ。
かやくは「味付牛肉」「卵」「にら」の組み合わせで、実際のユッケジャンほどバリエーションに富んだラインナップではないけれど、注目すべきは “ちゃんと本物の牛肉を使っている„ ところ。近年の即席カップめん業界といえば、よくも悪くも大豆たん白加工品が横行しているため、そこに逃げないマルちゃんの方針は今後も継続していただきたいポイント。
ちなみにメーカー希望小売価格は271円(税別)なので、2024年6月現在の縦型ビッグ製品における事実上の標準ど真ん中。特製スープや特製油の別添がないところは寂しいですけど、コンビニで購入しても1食あたり300円以下に出費を抑えられるので、ここが現状けっこう重要なボーダーラインといえるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:マルちゃん やみつき屋 牛だし旨辛ユッケジャン味ラーメン 販売者:東洋水産株式会社 製造所:株式会社酒悦 房総工場 内容量:92g(めん70g) 商品コード:4901990378109(JAN) |
発売日:2024年06月03日(月) 実食日:2024年06月07日(金) 発売地域:全国(CVS・量販店・一般小売店 他) 取得店舗:ウエルシア薬局 小売価格:271円(税別) 購入価格:278.64円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:縦型ビッグ 容器材質:プラ+胴巻き紙 湯量目安:450ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:別添なし |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、卵白)、添付調味料(食塩、豚脂、香辛料(ガーリックパウダー、唐辛子)、砂糖、しょうゆ、みそ、ビーフエキス、野菜エキス、たん白加水分解物、ポークエキス、しいたけエキス、酵母エキス、香味油脂、植物油)、かやく(味付牛肉、卵、にら)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘多糖類、炭酸カルシウム、カラメル色素、かんすい、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、パプリカ色素、香料、カロチン色素、ビタミンB2、ビタミンB1、(一部に小麦・卵・乳成分・牛肉・ごま・大豆・鶏肉・豚肉・ゼラチンを含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、比較的に縮れは弱く、やや幅広。湯戻し時間は4分と中途半端に思える設定ですが、ちょいちょいありますよね。あとは内側の線まで注ぎ、フタをして4分後、よく混ぜ合わせたら出来上がり‥‥なんですけど、うっかり見落としかけたのが容器側面の注意事項。
胴巻き紙の繋ぎ目あたりに “辛いものが苦手な方はご注意ください„ との警告文が印刷されていたので、ほんのちょっとピリ辛どころの話ではない様子。基本的に(ガーリック系を除いて)万人受けを狙う傾向がある東洋水産ですから、非常識な辛さではないと思いますけど、辛味の強さも注目したい部分。
ちなみに製造所は酒悦の房総工場(千葉県長生郡長南町美原台1-34)となっていますが、酒悦は1983年(昭和58年)7月から東洋水産が資本参加している連結子会社で、房総工場については “マルちゃんの工場” という認識で問題ありません。それでは、牛だしの存在感と辛味の強さにも注目しつつ「めん」「スープ」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(92g)あたり |
カロリー:408kcal たん白質:9.8g 脂 質:17.2g 炭水化物:53.6g 食塩相当量:6.0g (めん・かやく:1.7g) (スープ:4.3g) ビタミンB1:2.51mg ビタミンB2:0.33mg カルシウム:156mg |
参考値(調理直後に分別した値) 熱量:408kcal(めん・かやく:338kcal)(スープ:70kcal) |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
基礎クオリティが低いわけではないんだけど‥‥
表面はスルッと滑らかな質感でありながら、同時に微粒子レベルの気泡も多く、スープとの一体感にも配慮された設計なんですけれども、揚げ油に由来する風味も目立つため、徐々にスープの解像度が低下。けっして基礎クオリティが低いわけではないけれど、ベストな取り合わせかと聞かれたら、可も無く不可も無しと答えざるを得ません。
もともとユッケジャンに麺は入らないので、ユッケジャンといえばコレでしょ!? みたいな概念も存在しないことから、そういったイメージとの剥離が生じることはないけれど、それだけにスープとの相性にスポットが当たるわけで。たとえばチゲの〆にサリ麺を放り込むスタイルが有名なように、その感覚でいけば‥‥みたいなところはありますけど、それだとそれで逆に風味が弱いというか、うーん。
また熱湯4分ジャストでフタを開けた場合、最上部に位置する一面は適切に戻っておらず、ところどころパキッとした戻りムラが目立ち、それが完全に解消される頃には全体的に伸びた感が出てしまうので、そこも少し扱いづらいと感じたポイント。結果的にイマイチとまではいいませんが、前述のように可も無く不可も無しです。
スープ
辛さは程々、牛だしとニンニクは強め
原材料に豚脂を使用していますが、動物系の旨みはビーフエキスを中心に据えているため、たとえるならダシダ(牛肉だしの素)っぽい雰囲気。そこにガーリックパウダーのアクセントを強めに効かせ、野菜エキスや椎茸エキスで韓国の即席めんで定番となっているフレームワークを構築し、唐辛子の刺激をピリ辛以上に打ち出しながら、砂糖の甘さで “やみつき„ になる味わいを演出。
甘さについては日清食品の韓国系ほど下品ではなく、大盛りサイズでもクドいと思わせない加減は絶妙でした。後半にかけて油揚げ麺のマスキング効果が目立つので、そこは残念なポイントになりますけど、途中で例に引いた「カップヌードル 牛だしユッケジャン ビッグ」よりも印象は良かったです。
かやく
味付牛肉の存在感たるや
東洋水産の縦型カップに使われる肉具材といえば、砂糖と醤油で甘辛く味付けした豚肉が定番で、ことリアリティに関しては業界随一の完成度を誇っているのですが、今回の味付牛肉も素晴らしく、なんかこう‥‥やっすい総菜の中で申し訳なさそうにしている牛カルビっぽい感じだったんですけどw 食感とか牛の風味(悪くいえば臭み)なんかもリアルでビックリ。
スルメよろしく噛めば噛むほど味が出てくるので、スープにおける牛肉の旨みをブーストさせることにも寄与。たまごは混ぜると散り散りになってしまいますが、ときどき感じる口当たりが優しくて、ニラは特有の風味でパンチを強めることに貢献している、シンプルながらも記憶に残るラインナップでした。もやしとゴマも欲しかったけど、味付牛肉の存在感を思えば。
総評
油揚げ麺とスープのマッチングが最適とは思えなかったので、総評どうしようか迷ったんですけど、牛だしの旨みを効かせたスープの雰囲気と味付牛肉のリアリティを加味し、及第点に星ひとつプラスしました。
辛味は人を極端に選ぶほど強烈ではないけれど、ニンニクは遠慮なかったのでw それが気になるシチュエーションでは注意してください。——あ、〆に白ごはんドボンあり系です。【author・taka :a(大石敬之)】