どうも、taka :a(@honjitsunoippai)です。
本日の一杯は、2023年8月7日(月)新発売、エースコックのカップ麺「焼そばモッチッチ ペペロンチーノ風 オリーブオイル仕立て」の実食レビューです。
手軽なのに、ちょっと本格的。インスタントとは思えない “真空仕立て麺” が特徴の「モッチッチ」ブランドに「BOSCO」のEXVオリーブオイルを使用した新フレーバー登場!!
実際に食べてみた感想と経験に基づいて評価し、カップ麺としての総合力を判定します。よろしければ、最後までお付き合いください。
焼そばモッチッチ ペペロンチーノ風 オリーブオイル仕立て
モッチッチとは、大阪府吹田市に本社を置くエースコックの即席カップめんで、2017年(平成29年)6月19日の発売以来、同社の独自技術による「もちもち真空仕立て麺」と「ボックス型容器」を特徴とするブランド。もとは「JANJAN(ジャンジャン)」という若者向けのボックス型カップ焼きそばを前身とし、大幅なリブランディングを成功させるべく、企画段階から女性を強く意識していました。
しかし、インスタントとは思えないほどの完成度から、女性はもちろん男性ファンの獲得にも成功。昨年は一般社団法人日本フードアナリスト協会が主催した、日本初の消費者による食品・食材評価制度『ジャパン・フード・セレクション』にて「焼そばモッチッチ」が “即席カップめん初” となる金賞を、同時に「焼うどんモッチッチ」が最高評価のグランプリを受賞し、実力の高さを証明しています。
今回の新商品「焼そばモッチッチ ペペロンチーノ風 オリーブオイル仕立て」は、エースコックの研究と独自製法によって実現した “まるで家庭で調理した焼そばのような、もちもちとした食感” が特徴の「もちもち真空仕立て麺」に、オリーブオイルがニンニクの旨みを引き立てる “ペペロンチーノ風” の味付けを施したカップ焼きそばで、夏に爽やかな気分で楽しめる一杯とのこと。
商品名には明記されていませんが、添付調味料の「麺ほぐし香味油」に、BOSCO(ボスコ)ブランドの「EXTRA VIRGIN OLIVE OIL(エキストラバージン オリーブオイル)」を使用しているため、つまりはエースコックと日清オイリオグループ(The Nisshin OilliO Group, Ltd.)のコラボ商品。
ちなみに日本の企業で社名に「日清」を冠している「日清製粉」「日清オイリオ」「日清食品」の計3社は、それぞれ “出自や資本関係も異なる会社” で、時系列的に商号を “日清○○” に変更したのは「日清食品」が最後(日清製粉は1907年3月に館林製粉から改称、日清オイリオも1907年3月にルーツとなる日清豆粕製造を設立、日清食品は1958年12月に商号を変更)なんですけど、話を戻しますw
2019年(令和元年)7月8日発売の「(コンビニ限定)スープはるさめ Delicious オリーブオイル香るシーフード味」(スープはるさめ Deliciousシリーズ第2弾)にも「BOSCO エキストラバージンオリーブオイル」を使用していたので、これがエースコック×日清オイリオグループの初コラボではないのですが、まるで手作りを標榜する「モッチッチ」にEVOオイルを使用するのは初めての試み。
さらに、これまで「たらこバター味焼そばモッチッチ」や「韓国旨辛焼そばモッチッチ ヤンニョムだれ」「鶏塩レモン焼そばモッチッチ」「たらこ味焼そばモッチッチ だし塩仕立て」「塩レモン焼そばモッチッチ 瀬戸内レモン仕立て」など、定期的に期間限定の変わり種を展開してきた「モッチッチ」ですが、ペペロンチーノ風の味付けは前例がありません。
このブログで最後にレビューした「モッチッチ」関連の商品は、2019年10月7日発売の「ラーメンモッチッチ ワンタン麺」及び「同 野菜タンメン」(※どちらも生産終了品)なので、かれこれ4年ほど前の話。湯切りタイプの「焼そばモッチッチ」については “2019年4月1日のリニューアル以来、ずっとスルーしていた” ので、ちょっとドキドキしています。
開封
今回のカップ麺に別添されている小袋は、後入れの「麺ほぐし香味油」と「仕上げシーズニング」の計2パックで、香味油に含まれる植物油脂中2% “BOSCO エキストラバージンオリーブオイル使用” とのこと。ええ、全体を占める割合の使用率まで算出すると‥‥まぁ、あまり多いとはいえないけれど、その個性を増幅できているのかどうか、エースコックの手腕が問われるところ。
かやくは最初から容器の中に入っている状態で、内容は「にんにく」「唐辛子」とシンプルな内容ですが、題材となっているペペロンチーノに具沢山なイメージはありません。なんかこう、体裁よく具材のショボさを誤魔化されているような気が無きにしも非ず——なんですけどw カップ焼きそばで定番のキャベツさえも入っていない、その潔さは高く評価すべき部分なのかも。
メーカー希望小売価格は236円(税別)なので、2023年8月現在、即席カップめん業界のレギュラーサイズ製品において事実上の標準となっている値段。コンビニで購入した場合の税込価格は254.88円になりますが、全国のスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアなども販売店に含まれます。コンビニ以外での販売価格は、税込160円前後〜200円以下が相場になるかもしれません。
製品詳細情報・購入価格等
製品名:焼そばモッチッチ ペペロンチーノ風 オリーブオイル仕立て 製造者:エースコック株式会社 製造所:東京工場(埼玉県川越市大字今福461-1) 内容量:94g(めん85g) 商品コード:4901071401764(JAN) |
発売日:2023年08月07日(月) 実食日:2023年08月08日(火) 発売地域:全国 取得店舗:スーパー 小売価格:236円(税別) 購入価格:159円(税込) |
麺の種類:油揚げ麺 スタイル:ボックス型 容器材質:プラ(PS)/ 胴巻き紙 湯量目安:460ml 調理時間:熱湯4分 小袋構成:2袋(仕上げシーズニング・麺ほぐし香味油) |
原材料名とアレルギー表示
【原材料名】油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、たん白加水分解物)、添付調味料(植物油脂、豚脂、食塩、砂糖、香辛料、香味油、粉末しょうゆ、オニオンエキス、全卵粉)、かやく(にんにく、唐辛子)/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸Ca、ソルビット、かんすい、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンE)、カロチノイド色素、香料、(一部に小麦・卵・乳成分・大豆・豚肉を含む) |
実食開始
麺は油で揚げたフライ麺で、湯戻し時間は4分と中途半端に思える設定ですが、前述した2019年4月1日のリニューアルで1分の短縮を実現し、現在に至ります。独自技術「もちもち真空仕立て麺」の名称にもなっているように、麺の内部に発生する気泡を限界まで外に押し出したような、他に類を見ない密度の高さを特徴としているため、その魅力を遺憾なく発揮させるためにも湯戻し時間は守ってください。
別添の小袋は2パックとも後入れなので、麺を戻し終わったら湯切り口を作り、戻し湯を廃棄して「麺ほぐし香味油」を絡めてから「仕上げシーズニング」を混ぜ合わせるのですが、とにかく混ぜにくいw せめて液体ソース単体ならマシだったんですけど、このブランドは “ホカホカ長続きの代償として混ぜにくさを伴う” ため、そのトレードオフが玉に瑕。
さらに今回は「麺ほぐし香味油」と「仕上げシーズニング」の色が薄いので、ちゃんと混ざっているのかどうか不安になってくるのですがw えっと‥‥がんばってください。それでは、引き続きBOSCOの存在感とペペロンチーノ風の打ち出し方に注目しつつ「めん」「香味油・シーズニング」「かやく」の特徴を解説し、カップ麺としての総合力を判定します。
栄養成分表示:1食(94g)あたり |
カロリー:431kcal たん白質:8.1g 脂 質:17.1g 炭水化物:61.2g 食塩相当量:4.3g カルシウム:239mg |
※当ブログに掲載している「原材料名」及び「アレルゲン情報」並びに「栄養成分表示」などの値は、実食時点の現品に基づいたもので、メーカーの都合により予告なく変更される場合があります。ご購入・お召し上がりの前には、お手元の製品に記載されている情報を必ずご確認ください。 |
めん
パスタ感は皆無に等しいけど品質は★7クラス
ペペロンチーノ(アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ、伊:Aglio, olio e peperoncino)発祥の地については諸説あるものの、イタリアは中南部(トスカーナ州、カラブリア州、アブルッツォ州あたり)という説が有力で、そのシンプルさが故に本場では「絶望のパスタ」や「嘆きのパスタ」「夢も希望もないパスタ」などと呼ばれているのだとか。
現地での別称についてはさておき、ペペロンチーノに使われるパスタは太さ1.6mmのスパゲッティーニ(Spaghettini)、あるいは太さ1.4mmのフェデリーニ(Fedelini)が一般的。いずれにせよ中華麺ならではのアシ(伸び)は皆無に等しく、コシ(弾力)のベクトルも異なりますが、今回の「焼そばモッチッチ ペペロンチーノ風 オリーブオイル仕立て」に使われているのは真っ当に中華麺。
おかげでパスタっぽさには期待できない質感になりますが、エースコックのフライ麺といえばの揚げ油に由来するニオイは限りなく控えめで、なおかつ高温の油で水分を飛ばす際に発生する気泡も感じさせない、まるでノンフライ麺ないし鉄板で炒めたチルド麺に匹敵する質感は見事。ほんと、あらためて真剣に向き合ってみたら凄まじいですね、真空仕立て麺のクオリティ。
香味油・シーズニング
麺は本格的なのにシーズニングはジャンクw
まずは「麺ほぐし香味油」を単体で舐めてみたところ、オリーブオイルならではの風味についてはもちろん、ちょっと舌を纏ってくる感じとか、ちゃんと特有の魅力が伝わってきます。ただ、EVO(Extra Virgin Olive)オイル100%ではなく、なんだったら豚脂(ラード)なんかも入っているので、ピュアな味ではありません。
また調理の過程でパスタの茹で汁を乳化させる、ペペロンチーノといえばの雰囲気も再現できていませんが、そこまで量が多いわけでもないのに、けっこう口当たりはオイリーで、そこはペペロンチーノらしいと思えるポイントの一つ。
続けて「仕上げシーズニング」を投入してみたところ、ガーリックパウダーを強めに効かせつつ、砂糖のジャンクな甘さで中毒性を高め、さらに黒胡椒のキレだったり、粉末しょうゆの隠し味だったり、いわゆるペペロンチーノとは似て非なるスナック的なテイスト。ええ、麺ほぐし香味油で印象的だったオリーブオイルの風味も吹き飛びますw
ただ、系統としてはセブンイレブン限定の留型としてリリースされた「東京拉麺 ペペロンチーノBIG」に近い駄菓子的なジャンクさで、けっこう強めの味付けから真空仕立て麺の存在感が独り歩きすることもなく、これはこれと割り切れば悪くありませんでした。おそらく日本ならではですよね、こんな感じのペペロンチーノ。
かやく
キャベツなしは英断かもしれない
赤唐辛子は大きめの輪切りになっているのですが、意識的に食べても辛味は弱いので、ほとんど飾り。片や小さめのニンニクは、サイズのわりに主張が激しく、ふやけた食感ではあるものの、全体のニンニク感を大幅にブーストしてくれる頼もしいアイテム。
カップ焼きそばを象徴する具材といっても過言ではないキャベツは入っていませんが、入ってなかったら入ってなかったで寂しいと言われたり、入ってたら入ってたで “とりあえず焼きそば=キャベツを入れときゃいいと思ってんだろ” などと言われたり、ちょっと複雑なところありますよね、キャベツの立ち位置(※この見解には個人差が生じます)。
総評
というわけで、ちゃんとしたペペロンチーノを想像していたら、焼きそば用のチルド麺を彷彿とさせる油揚げ麺の仕様に、駄菓子感フルスロットルな味付けなど、もれなくズッコケることになると思います。また「BOSCO エキストラバージン オリーブオイル」の本格さも最終的には埋没してしまうので、そこに期待していても、けっきょくズッコケることになるでしょう。
しかし、チルド麺に匹敵する「真空仕立て麺」のクオリティは凄まじく、その本格的な麺にジャンクなシーズニングの組み合わせも意外と違和感なかったので、単純に「おいしい」「まずい」の二択で評価するなら余裕で前者。けっこう濃いめの味付けも夏に嬉しい塩梅ですし、駄菓子的なペペロンチーノ風が好みに合えば、買い置きありのリピート案件かもしれません【author・taka :a(大石敬之)】